BLと3P警報です!
「砂夜」
ふと、水輝が左隣に座っていた莢花に声を掛ける。すると莢花が静かに立ち上がり、戯れる二人に近づいた。それまで真也の拘束を解こうともがいていた立城がはっとしたように動きを止める。赤かった立城の顔色はやがて蒼白になった。
「水輝!」
「砂夜を欲しがってただろ? お前は。念願が叶って良かったじゃないか」
傍に莢花が寄ったことで余計に身動き出来なくなったらしい。真っ青になった立城が手足をばたつかせるのをやめ、身体を捻ろうとする。莢花はそんな立城の目の前にぺたんと座り、あどけない笑みを浮かべてむき出しにされたペニスに触れた。
「止めてください」
震える声で莢花を制止しながら立城が力なく首を振る。莢花はしばし立城のペニスに触れてから少し腰を浮かせた。ぺろりと唇を舐めてから大胆に立城のペニスを口に含む。蒼白になっていた立城の頬にほんのりと赤味が射し、目尻に涙が浮かぶ。やがて莢花が頭を前後に揺すり始め、それとタイミングを合わせたように真也が立城の尻に自分のペニスをあてがう。
「やっ、ちょっと! ……あっ」
声を飲んで立城が仰け反る。渚はうっとりと二人が交わる様を見つめた。逞しく屹立した真也のペニスが立城の尻に飲み込まれていく。仰け反った立城をしっかりと抱きしめて真也がぶるりと身震いした途端、立城が悲鳴じみた声を上げた。莢花が喉の奥で呻いてペニスを根元までしっかりと口に含む。
「……意外とあっけなかったなあ」
ソファに行儀悪く立て膝で座り、水輝がぼそりと呟く。渚は不思議に思って水輝を見た。水輝にしてみれば事が上手く運んだのだからいいのではないのだろうか。実際、さっきまでは機嫌が良さそうな顔で三人を眺めていたのだ。
「あ? ああ、お前には関係のない事だ」
渚の視線に気付いたのか、水輝が素っ気なく言う。疑問を口にする前に関係ないと言われ、渚は消沈した面持ちで俯いた。
「なにしてる。お前も行ってこい。吸えるだけ吸ったら仕事は終わりだ」
冷ややかに言って水輝が渚の肩を押す。渚は不安に思いつつも立ち上がった。背後から真也に突かれ、ペニスを莢花に舐られるのが相当にいいらしい。さっきまで嫌がっていたのに、もうすっかり虜になってしまったのか立城は莢花の頭を優しくつかんでいる。
この人も水輝に何かを吸われてしまうのだろうか。ぼんやりとそんなことを思いながら渚はその場に立ち尽くした。水輝は真也と立城から何かを吸い終わってしまったらどうするつもりなのだろう。いや、そもそも自分と莢花はどうなるのだろうか。
懸命に嫌がっていたはずの立城の口から甘えた声が漏れている。官能に満ちたその声を聞いているだけで身体は確かに疼くし、膣一杯にペニスも欲しくなる。クリトリスはすっかり張りつめているし、下着の中で乳首も擦れてはいる。小さなショーツの中ではペニスが勃起しきっていて、先端ははみ出してしまっている。
だがそれでも渚は三人から少し離れたところで佇んでいた。不思議と背後にいるはずの水輝はそんな渚に何も言わない。
これでいいのか?
静かな、感情の読み取りにくい声が心の中に聞こえてくる。渚ははっと目を見張って慌てて振り返った。だが水輝はのんびりと茶を啜っているだけで、こちらに注意している素振りはない。
これがお前の望みか。
再び聞こえてきた声に渚は思わず声を返した。
「誰」
唐突に時間が止まる。それまで積極的に交わっていた三人の動きがぴたりと止まり、物音がしなくなる。渚は驚きに絶句して慌てて水輝を振り返った。水輝もまた、カップを唇につけたところでぴたりと制止している。
ま、おれに止める権利もないし、いいんだけどな。ちょっとだけ時間をくれ。
「だ、誰なの!?」
渚は混乱した頭を押さえて叫んだ。聞こえてきているのは確かに水輝の声なのだ。だが水輝はソファに座ってじっとしているだけで身動きはしていない。他の三人も同じだ。
ここは完全に切り離されてるから、せめて渚にだけはと思ってな。
少しだけ笑う気配が伝わってくる。渚はそれを聞いてその場にへたり込んだ。何がどうなっているのかよく判らない。
……元気でな。
静かな声が告げた瞬間、渚ははっとして目を見開いた。それまで渚を取り囲んでいた景色がゆっくりと溶けて消えていく。人の形を作っていたものが溶けて消え、建物が消える。渚の身に着けていた制服も静かに消え、やがて周囲に白い空間が現れる。
「ばーか。急に正気に戻るなよ。折角、無理して入った意味がないだろうが」
白い床にへたり込んだ渚の髪はいつの間にか短くなっていた。金色の髪に金色の瞳になった渚はのろのろと顔を上げた。裸でへたり込んだ渚を水輝が困ったような笑みを浮かべて見下ろしている。
「どうするつもりなの。どこに行こうとしているの、あなたは」
口早に言って渚は立ち上がった。見慣れた黒いコートをつかもうと手を伸ばす。だが水輝は渚の手をするりと避け、苦笑を浮かべて片手を上げた。
「待ちなさい! 奈月はどうするつもりなの! 佑さんは!?」
夢の世界から元の意識を取り戻した渚は目を吊り上げて叫んだ。だが水輝はそれには答えず、じっと渚を見つめるだけだ。そのことに怒りを覚えて渚はもう一度手を伸ばし、今度は水輝の頬を張り倒そうとした。
不意に水輝の身体が浮く。すんでの所で渚の平手を避けた水輝はごめん、と詫びて姿を消した。
ラストは水輝本体が出てきました。
渚も夢から醒めました。
ちなみに夢の話は昭和時代くらいの設定になってます。
1980年代くらいかな?
冥界への案内人
https://syosetu.org/novel/235821/
時代的にはこの話と同じくらいです。