強引に色々されてるので……。
百合警報を出しておきます。
「大丈夫ですよ。潤滑油は塗ってありますし、素材は柔らかいので膣内を不用意に傷つける心配はありません」
「止めて! そんなもの近づけないで!」
パニックを起こした紀早はひっくり返った声で叫んでがむしゃらに身体を動かそうとした。だが動かせば動かすほど、テープやベルトが皮膚に食い込んで痛むだけだ。
「巫女が巫女として成り立つ条件は二つ。一つは生まれながらにして能力を持っているか否か。これは誰にも予測することは出来ませんし、勿論、巫女本人にも選ぶ権利はありません」
緊張に強ばった陰部にペニスの形をしたモノがあてがわれる。こずえは片手で軽く紀早の陰唇を左右に開き、右手に握ったそれを押し込み始めた。紀早は悲鳴や罵声を上げ続けた。なのにこずえは一向にそれを介した様子がない。やけに冷静で、しかも淡々とした説明を続けている。
「もう一つは体内に魔の体液を受け入れること。手っ取り早いのは魔と交わって膣内に精液を注入されることです」
ぐちゅり、という嫌な音が立つ。それを聞いた紀早の肌がさっと粟立った。気持ち悪くて嫌だと思うのに、何故か身体がかっと熱くなる。
「ですが本来、巫女は身体の全てで魔を封じる能力を有していますから、自分から望んで魔が巫女と交わることはありません。大抵が巫女に狂わされて自我を放棄した後に交わることになります……っと、随分と狭いですね」
説明の後に感想を付け足してこずえが眉を寄せる。紀早は自分の股間に異様なものが埋まっていく様を見つめて引きつった。異物を挿入された為にか紀早の陰唇からはとろりとしたものが漏れている。まだそれは先端しか入っていないのに、紀早は体内から強い力で圧迫されているように感じた。
「やめて……おねがい」
「困りましたねぇ。やっぱりダミーでは入らないのでしょうか」
少し渋い顔をしてこずえがため息を吐く。その言葉に心底ほっとして紀早は息を吐いた。どういうことなのかは判らないがきっとこずえは諦めてくれるだろう。
「なあにちんたらしてるのよ。そんなもん、ぶすっといっちゃいなさいよ」
急に響いた第三者の声に紀早はびくんと身を震わせた。難しい顔で首を傾げていたこずえがぱっと明るい顔になる。
「喜多見先生!」
「あふあー……。今日もまた一段と可愛いねぇ、こずえちん」
欠伸をしてぼさぼさの頭をかきながら一人の女性が近づいてくる。涙に濡れた目で喜多見先生と呼ばれた女性を見た紀早は驚きに唖然となった。この女性がこずえの言っていた喜多見梓なのだろう。梓は紀早と年齢がほぼ変わらないように見えた。だが紀早が驚いた理由はそれだけではなかった。
「どおれ、見せてごらん。……あらやだ。バージン?」
含み笑いをしながら梓が紀早の股間を覗き込む。こずえはいそいそと梓に場所を譲り、部屋の隅に寄って茶を淹れ始めた。
梓は紀早が驚くほどの美少女だった。あの沙耶と並べてもひけをとらない造作ではないだろうか。なのに寝起きなのか髪はぼさぼさだし、寝ぼけ眼で可憐さの欠片も感じられない。
「そうなんですよ。ダミーを受け付けなくて」
「あー、ホンモノのペニスじゃないと入らないってか? 随分と贅沢なまんこだねー」
呆れたような口調で言って今度は梓がペニスの形をしたモノを紀早の股間に押しつける。あけすけな梓の言い草に真っ赤になって紀早は唇を噛んだ。
「バイブでクリトリスを刺激するとか、いっそのこと薬使えば入るんじゃないかなあ、これ。一応、濡れてきてるし」
「いっ、いいかげんにして! 何なの、あなた達は! 人の身体を玩具みたいにして!」
やっと怒鳴る元気の出てきた紀早は一息にそう喚いた。するとそれまでのんびりとした面持ちで紀早の股間を覗いていた梓がゆらりと顔を上げる。
「いいねぇ、勝ち気な子って好きよ、私」
「えっ」
予想もしなかったことを言われ、紀早は驚いて言葉を飲み込んだ。二人分の茶をトレイにのせてこずえが戻ってくる。
「駄目ですよ、喜多見先生。上の方から改造はしないようにと念を押されてますし」
「ああ、はいはい。まったくねぇ、人の趣味にいちいちケチつけないで欲しいわ」
渋面になって呟いてから梓がこずえから湯飲みを受け取る。こずえはぶつぶつと文句を言う梓の傍に立ち、困ったような顔で笑っている。
……何なの、この人たち。
紀早は呆然と二人を見つめた。片方は誰かに向かって文句を言い続けているし、もう片方は頬をほんのりと染めて嬉しそうに茶を啜っている。見ているだけならどこにでもある日常の風景なのに、その中に股を開いて座っている自分がいるのだ。酷い違和感と現実味のない光景に紀早は頭痛すら感じた。
生ではなくディルド的な何か、なので……。
しかも診察みたいなものなので……。
エロと言い切るのは難しいですね。