※この作品はR-18です。

まやかしの終わり 二部 光の公女   作:伊駒辰葉

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相手が相手なので唐突に話が展開してしまう!w
エロシーンはありません。


難攻不落にまたチャレンジ!(by.透) 3

「ごめんなさい。わたくし、お礼を言うのを忘れていましたわ」

 

 透は顔を上げて要を見た。要がにっこりと笑って言う。

 

「ありがとうございます。あなた、わたくしを庇ってくださったんですのね。心から感謝いたしますわ」

 

 そう言った要が手を動かそうとする。どうやら透の手を取ろうと考えたらしい。腕が動かせないことを思い出した要が困ったような顔をする。

 

「でも、幻術に嵌って、カッコ悪いだろ? 幻の中で、おまえの脳カプセルが割れて、闇の中に吸い込まれたんだ」

 

 そんときだな、俺の一番が実はおまえだったって気付いたのは。そう続けた透は真っ赤になった。すると要がつられたように頬を染める。

 

「そっ、そんなことありませんわ。え、えと、あの、ありがとうございます」

 

 手足を枷に押さえられつつも要がぺこりと頭を下げる。透は頭をかいて伏せていた顔を上げた。頭を起こした要の顔はいつの間にか真っ赤になっている。

 

「要、俺も優一郎と同じ事を言う。おまえを最強の兵器にしてやる。だが、他人の盾や矛にする気は無い。俺の傍で、俺の道具として、俺と一緒に戦ってくれ!」

 

 要の肩に手をかけて透は力をこめてそう言った。はっ、と要が呟いてから慌てたように頷く。

 

「わっ、判りましたわ! わたくし、あなたの傍で戦ってみせますわ!」

 

 透と同じように力強く言ってから要は赤い顔をして視線を彷徨わせた。

 

「あ、あの……今のはもしかしてプロポーズですの?」

 

 そわそわと視線を彷徨わせながら要が小声で言う。はたと気がついた透は焦って要の肩から手を退けた。

 

「まあ、そうだな。戸籍は有るんだから、結婚して悪いって法律はねーし。向こう戻ったら籍入れよう」

 

 腕組みをして透は赤い顔をしたまま何度も頷いた。すると要が赤い顔をさらに赤くして透を見つめる。

 

「え、あの、でも、ええと」

 

 珍しくどもりながら要が眉を寄せる。耳まで真っ赤になった要を見つめ、透は少し不安になった。

 

「なんだ?」

「わっ、わたくし、如月の総領姫ですのっ! 結婚するのでしたら、婿養子という形をとらせて頂いてもよろしくて!?」

 

 恥ずかしそうな顔をして要が一気にまくし立てる。透は何度か瞬きをして要をまじまじと見つめた。

 

「それも悪くねーな。オヤジには悪いが、木村重機よりも吉良瀬重工のほうがずっと良いもん造るからな」

「それとっ! 単に籍を入れるだけで済ますわけには参りませんわ! 婚約の儀、婚礼の儀は如月のマナーに則って行わせて頂きますが、それでもよろしくて!?」

 

 納得顔で頷いた透に要がさらに引っくり返った声で言う。眉を寄せて天井を見つめてから透は要に目を戻した。

 

「まあ、そのあたりは別にかまわねー、結婚式は女のためのイベントだからな」

 

 男は添え物に過ぎねーもんな。そう告げた透を要が真っ赤な顔できっと睨む。

 

「何を馬鹿なことを! 代々、如月の婚礼の儀では新郎は剣舞を披露することになってますわ!」

 

 殆ど怒鳴るようにして言ってから、要はとうとうと如月の家のしきたりについて語り始めた。どうやら婚礼の際の剣舞とやらは、次代の当主たるべき力を証明するためのものらしく……ご丁寧に攻撃役まで用意されるのだという。

 

「願ったり適ったりだ、俺がこっちに来た理由のひとつは、剣の修行をするためだからな」

「あらそうですの? それでしたら、おじい様のところに行った方が早いですわよ?」

 

 要が平然とした面持ちでさらりと言う。聞けば、如月の家で一番強いのはその祖父らしい。わたくしなどまだまだで、と要がため息混じりに言う。

 

「物には順序ってもんがあるだろう? おまえのとこでは素人の入門者にいきなり道場主が稽古をつけるのか?」

 

 少し渋い顔をして透が言うと、要はそれもそうですわね、と頷いた。そこでふと気付いたように要が言う。

 

「それで、今の話とわたくしが拘束されている件には繋がりがありますの?」

 

 不思議そうな顔で問われて透は要の姿を見下ろした。要のドレスの裾は足を開いているためにめくれかけている。

 

「ちょっと待ってくれ、一度に何もかも説明できねーから」

 

 そう言い置いてから透は説明を始めた。二人のいるこの龍宝珠界と、向こうの世界では時間の流れがまるで違う。龍宝珠界はあちらの世界から見ると、不規則な時間の流れに乗っているのだ。今の計算ではこちらの一日は向こうの世界の一時間になる。

 

 その説明をしてから、透は今度は自分の事情について説明した。佑に斬りかかられた際、全く反応出来ずにいたこと。そのことから今の自分では佑に通用しないこと。だから時間のずれを利用して修行することにしたのだと透は話した。

 

「……なるほど。納得いたしましたわ。それでしたら、剣だけでなく、武術全般について修行が必要ですわね」

 

 要が真面目な顔で頷く。透は頷き返してから言葉を継いだ。

 

「でだ、話を戻すぞ。ヒューマノイドの性質については知識としては知っているな?」

 

 ヒューマノイドは誰にでもなれる訳ではない。適性がある者しかヒューマノイド化は出来ないのだ。例え、適性のない者をヒューマノイド化しても、必ず破綻が起こる。




それでも透は要に頑張って説明を続けるのです!w
どんだけー。
(苦労性を見る生温かい目)
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