※この作品はR-18です。

まやかしの終わり 二部 光の公女   作:伊駒辰葉

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エロシーンの続きです。
これで四章終了です。


変わった機体 3

「んふ。美味しい」

 

 唇でペニスを根元から先端まで舐った良子がうっとりした笑みを浮かべて言う。ペニスの先端に吸い付いた良子は、今度は手で優一郎の陰嚢を弄り始めた。同時に唾液に濡れた男茎をしきりに手で扱く。

 

「んっ、く」

 

 堪らない気持ちの良さに無意識に声を漏らしながら、優一郎は良子の頭を両手につかんだ。優しく支えると良子が上目遣いに優一郎を見つめてうっとりと目を細める。

 

「どうせならベッドに横になった方がいいですわね」

 

 唐突にそう言うと、良子はひょいと優一郎を両腕に抱え上げた。仰天して目を見張った優一郎を良子が静かにベッドに下ろす。それから良子はおもむろにベッドに乗り、優一郎の足の間に身を屈めた。止める間もなく優一郎の穿いていたものを剥がし取り、良子が股間に顔を埋める。

 

「たくさん気持ちよくなってくださいね」

 

 柔らかな声音で言って良子が改めて口唇奉仕を開始する。ペニスだけでなく、陰嚢や果ては肛門までしっかりと舐られて優一郎は強い快楽を味わった。良子は微妙な加減で愛撫を繰り返し、優一郎の射精の衝動がこみ上げて我慢出来なくなりそうになるとふいと別の箇所を愛撫し始める。焦れったさが余計に強い快感になり、優一郎は無意識に良子の頭をつかんで腰をひくつかせた。

 

「出すからっ!」

 

 ねっとりした愛撫に我慢が効かず、掠れた声で宣言して優一郎は良子の頭を強引に自分の股間に押しつけた。だが良子の方も待ち構えていたらしく、喉の奥にペニスの先端を入れて舌で男茎を舐め回す。ほどなく優一郎は呻きを上げて射精した。

 

「んっ」

 

 うっとりと目を細めて精液を飲み下しながら良子が小刻みに頭を揺さぶる。射精中にペニスを口の中で扱かれた優一郎は、自分でも気がつかないうちに甘えた声を漏らして腰を突き上げた。腰が砕けそうになるほどの深い快感に何度も射精してしまう。

 

 軽く口で吸引しつつペニスを離した良子が唇を舐める。優一郎は乱れた息を整えつつ頭を少しだけ起こした。

 

「濃くて美味しい」

 

 色っぽい笑みを浮かべて良子が軽く優一郎のペニスに口づける。残っていた精液を吸い出されて優一郎は身震いした。ちらりと視線をやった優一郎は良子の腿の間が濡れていることを見て取って薄い笑みを浮かべた。どうやら良子は優一郎のペニスを咥えながら強く感じていたらしい。

 

「良子さん、僕の目を見てください」

「え」

 

 顔を上げた良子を優一郎はじっと見つめた。ほんのりと頬を染めた良子が次第に落ち着きなく腿を擦り合わせ始める。

 

「良子さん、とっても気持ちよかったです。ありがとうございました」

 

 にこやかな笑みを浮かべつつ、優一郎は良子の身体を眺め回した。ビスチェにくり出された乳房を抱えるように両腕を身体の前に回し、良子がそわそわと視線を彷徨わせる。

 

「い、いえ。吉良さんが落ち着かれたのならわたくしはそれで」

 

 そう言いつつも良子の目がちらちらと優一郎の股間を伺う。ぺたんとベッドに座っていた良子は困ったような顔をして腰を浮かせ、その場に正座した。どうやらベッドに直に女性器が触れているだけで感じてしまうらしい。

 

「どうしました? どこか問題でも?」

 

 そう言いながら優一郎は放られていたズボンと下着を取り、いそいそと身に着け始めた。力をかけていったんは萎えさせたペニスを下着にしまい、きっちりとズボンを穿く。優一郎が心配顔で真っ直ぐに見つめると、良子は少しだけ困ったような顔をし、やがて何でもありませんと笑顔で答えた。

 

「わたくしも女ですから、逞しい男性のものを感じると疼いてしまいますの」

 

 そう笑ってから良子はゆっくりと腰を上げてするりとベッドを降りた。だがその足許は少しふらついている。

 

「良子さん」

 

 身軽にベッドを降りた優一郎は良子を呼び止めた。ぴたりと足を止めて振り返ろうとした良子を素早く抱き寄せる。

 

「女である以前に、今のあなたはヒューマノイドなんです」

 

 微笑みを浮かべて告げた優一郎の腕の中で良子は身を強ばらせていた。だがすぐに良子はやんわりと優一郎の身体を押し戻した。

 

「そうですね。性的な快楽がなくては生きていけないんですよね」

 

 淡々と告げてから良子はベッドに残っていた下着を取り上げた。優一郎は抱きしめた良子にやんわりとではあるが拒絶されたことに内心驚きながら、何事もなかった顔で頷いた。

 

「凄い精神力ですね」

 

 本来、ヒューマノイドは性的な快感を存在維持のために求めるように作られている。それは様々な障害を乗り越える唯一の策であり、今の段階では他のどんな方法も代替にはならない。その仕組みからヒューマノイドは一度性感を覚えると、ある程度の快楽を得るまではおさまらないように出来ているのだ。

 

 なのに良子は微笑みまで浮かべて優一郎を拒絶してみせた。そのことを驚くと同時に優一郎は面白いと感じていた。

 

「生身である頃とそれほど違いはありませんから」

 

 レースで彩られた黒いショーツを身に着けながら良子が答える。股を垂れる愛液を拭いもせず、良子はショーツをきっちりと引き上げた。

 

「良子さん。それでは今度はセックススレイブタイプの機体を分析したいです。呼んで来ていただけますか?」

 

 にっこりと笑って優一郎が言うと、良子が驚いたように振り返る。しばし呆然とした面持ちで優一郎を見つめてから、やがて良子は疲れたように肩を落として背を向けた。

 

「服を着るまでお待ちいただけます?」

 

 そう告げた良子の声は掠れていた。やはり思った通りだと内心で自分の考えに頷きながら優一郎はベッドの縁に腰掛けた。俯いた良子の服をつかむ手は震えている。

 

「別に服を着なくても問題ないでしょう? 外出するわけではありませんし」

 

 笑みを絶やさず告げた優一郎をちらりと見てから良子が首を横に振る。

 

「最低限の身だしなみ、と考えていただければ」

 

 答える良子の声は先ほどまでとは違い、随分とかたい。優一郎は腕組みをしてまじまじと良子の身体を見つめた。

 

 生身の良子の身体には一つだけ不思議なところがあった。機械仕掛けの今はもちろん当然なのだが、かつての良子の身体には子宮が存在していなかったのだ。だが良子の病歴はない。何らかの病気で摘出した訳ではなく、良子には最初から子宮がなかったのだ。その記録は木村総研のメインコンピュータに残っていたとの報告も優一郎は受けていた。

 

 恐らく、ヒューマノイドという機械仕掛けの人形を開発する以前、木村総研では生身の性奴隷を作ろうとしていたのだ。その記録は残念ながら既に残ってはいない。今現在、確かめることが出来るのは良子や巴といったあの場所で作られたモノに関するささやかなデータだけだ。

 

 ちなみに良子が主人と呼びあらわした人物はかつて実在していた。その男性は木村総研を取り仕切る研究者だったらしく、実際に良子とも婚姻関係にあった。だが実態は恐らく夫婦などではなく、研究者と実験体という関係だったのではないだろうか。

 

「わかりました。服を着てからでかまいません。連れてくる機体の数は三体。制服は着たままでかまいませんがショーツはあらかじめ脱ぐように指示してください」

「はい。判りました」

 

 そう返答して良子はブラウスを身に着け、タイトスカートを穿いた。身体にぴったりと合ったタイトスカートの裾からは形のいい足が覗いている。だがどうしてだろう。良子が身に着けているのは喪服なのではないだろうか。黒いストッキングに黒いスーツ、そして胸元には黒いリボン。この格好で葬式に出席しても何の不思議もないだろう。

 

 きっちりと服を身に着けた後、失礼します、と良子が部屋を後にする。どうやら随分と警戒されてしまったらしい。最後まで屈しなかった良子のことを思いながら優一郎は苦い顔で頭をかいた。




優一郎的には納得いかない感じですかねw
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