「茜さん、しっかりしてください」
くすりと笑いを漏らして立城が言えば、葵が茜を嫌そうに見ながら舌打ちをする。
「いやらしいやつ。あれだけしたのにオナニーしてるし」
「駄目! 足りない! お願い、アソコにちょうだい!」
立城の力に刺激され続けて堪らなくなった茜はなりふり構わずそう叫んだ。確かにさっきまで肛門には葵のペニスを咥え込み、何度も絶頂には昇り詰めている。だがそれではどうしても何かが足りないのだ。
お願い、とねだって茜は立城に這い寄った。立城はそんな茜を拒絶するでもなく、微かな笑みを浮かべている。やっとやる気が出たのかと呆れたような顔で言って葵がその場に腰を下ろし、あぐらをかく。
「どうせセックスするか、歌うくらいしか能がないくせに」
うんざりしたように言う葵の言葉も今の茜の耳には届かなかった。茜は昂奮に目を潤ませて立城の股間を服越しに手で愛撫し始めた。
「仕方ないですね」
苦笑する立城のペニスはそそり立っている。茜は悦びに目を細めていそいそと立城のズボンのファスナーを下ろした。下着の前を開くと勃起しきったペニスが出てくる。茜は夢中で立城のペニスに吸い付いた。
「本当に性行為が好きなんですね」
にっこりと笑みを浮かべて立城が茜の頭を撫でる。茜は何度も頷いて立城のペニスを根元まで頬張った。いつもと同じように立城がより強く感じるところを入念に舌と唇で愛撫する。
「だって茜からセックスと歌とったら何もないじゃん」
床にあぐらをかいて笑いながら葵が言う。茜はペニスの先端から垂れた先走りを舌で舐め取りながら、手際よく立城の穿いているものを解き始めた。
「葵。そんな風に女性を貶めてはいけないよ」
少し強ばった声で立城が言う。だがそう言いつつも立城はその場に茜を押し倒した。床に転がされた茜は求められるままに足を大きく開き、曲げた膝を両手で裏側から持ち上げた。
「だって本当のことなのに」
唇を尖らせて葵がぼやく。それから葵はぱっと明るい顔をして言った。
「そういえば、ちゃんと連れてったぞ! やりながら歌わせたら面白かった」
くるりと表情を変えて楽しそうに笑いながら葵が言う。その間にも立城は茜のショーツの脇に触れた。するとあっけなくショーツの脇の目が解け、下腹部に当たる部分の革生地がめくれる。昂奮に熱く尖りきったクリトリスに急に外気を感じた茜はぶるりと身震いした。
「葵、お疲れさま。茜さんはどうだった? 楽しかった?」
笑顔で問われて茜はなんのことだろうと考えた。葵の言ったことも、立城が問うたこともよく判らない。快感を得ることにすっかり夢中でいる茜は何のことか判らないと正直に答えた。
ずるりと粘ついた音を立てて張り型が抜ける。その直後、膣内に立城のペニスが挿入され、茜は強い快楽を覚えて嬌声を上げた。
「あっ、んっ! きゃふっ! あああんっ!」
だらしなく顔を緩め、茜は自分から腰をくねらせ始めた。今はすっかり茜の膣は立城のペニスに馴染んでいて、立城が少しペニスを動かすだけでも絶大な快感がある。膣壁のどこにペニスが当たっても気持ちよくて仕方がないのだ。
「そいつが覚えてるわけないだろ。だって、昨日、奴らに犯られたことだってちっとも覚えてないのに」
喉の奥で笑ってから葵が茜に顎をしゃくってみせる。だがそんな侮蔑の言葉も茜の耳にはまるで入っていなかった。
「おかしいですね。茜さんの記憶力は悪くなかったはずなのに」
茜にのしかかり、腰を揺すりながら立城が首を傾げる。するとあはは、と葵が乾いた声で笑った。
「すっごく楽しかったぞ。やつら、茜に突っ込んで射精したらすぐに死んだし」
おれがやるよりずっと早かった。そう付け足して葵が笑う。茜はだが二人のやり取りにはまったく気付かず、夢中で快感だけを求めていた。
「その死体を食べたものたちはどのように変化しましたか?」
変わらず腰を揺すりながら立城が葵に目をやる。葵はうーんと、と唇に指を当てて考えるように天井を見てから、笑顔で頷いた。
「卵みたいな、虹色のおっきいのがそいつらの周りを覆って、その後」
そこまで言って葵は軽く腕を伸ばして手をくっと握った。
「潰れた」
ぐしゃ、と口で潰れた音を表して葵がけらけらと笑う。茜はそんな二人の会話を余所に腰をくねらせて強い快楽を求め、絶頂に達した。するとその瞬間に立城が軽々と茜を抱え上げ、腰をつかんだかと思うと強く上下に腕を揺する。絶頂感に浸る最中に無理やり快楽を与えられた茜は、激しい声を上げて仰け反った。
ぷつん、と耳の奥で音がする。次の瞬間、茜の背には大きな白い翼が広がった。床に座った立城が口許に笑みを浮かべて茜の背に生えた翼を撫でる。
「綺麗ですよ。茜さん」
翼を撫でられる感触にぞくりとしたものを覚え、茜は熱い息を吐いて身をくねらせた。あぐらをかいた足を両手に抱え、振り子よろしく身体を前後に揺すっていた葵がそうだ、と声を上げる。
「やっぱりその羽根、昨日も出なかったぞ? おれがやっても駄目みたいだ」
難しい顔で言って葵が力なく首を振る。すると立城はちらりと葵に目をやってくすりと笑いを漏らした。立城が笑った拍子にペニスが膣内でぴくりと動き、茜は甘えた声を上げて立城にすがりついた。
「んあっ! あふぅぅっ! いいっ! もっとぉ!」
どうしてこんなに気持ちがいいのだろう。茜は淫らに腰を揺すりながら頭のどこかで静かに考えていた。こうして立城に抱かれるたびに、他のことが判らなくなっていくような気がする。大事な何かが一つずつ心から落ちていってしまっているような気がしてならない。
だがそれでもいい、と茜は快感を存分に味わいながら思った。端では立城と葵が何か話をしているらしい。だがその内容も、どうでもいい。そんなことを考えるよりも、膣の奥に熱い精液を注がれることの方が大事だ。
何度か立城の精液を貰った後、茜はふと我に返って周囲を見回した。いつの間にか部屋には自分一人きりになっている。立城も葵もいない。茜はのろのろと身を起こしてから自分がベッドにきちんと寝かされていたことに気がついた。どうやらあの後、失神してしまったらしい。
しばしぼんやりとしてから茜はそっとベッドを降りた。もう外はすっかり日が暮れていて、暖炉には赤々とした火が燃えている。その明かりを頼りに茜は革製の下着の上に服を身に着けた。
そっと部屋を出ると茜は一階の部屋に向かった。ふらふらと頼りない足取りで歩く茜を呼び止める者はない。茜は一人で目的の部屋にたどり着き、ドアを開けて中に入った。
冷え切った部屋の中にぼんやりと佇む。茜は感情のない目で部屋の中央に据えられたピアノを見つめた。ゆらりと歩き出してピアノに近づく。茜はのろのろとピアノの鍵盤の蓋を開き、椅子に腰掛けた。
鍵盤に指を乗せて深く息を吸った後、茜は力を込めて鍵盤を叩いた。
ピアノ壊さないでくださいw
いやまあ、壊れませんけども。