TSしたからエロ配信で楽して暮らそうと思ったのに姪っ子がエッチないたずらで邪魔してくる 作:月見ハク
オレがゲーム配信を始めてから、もう一カ月が経つ。
最初は本当に気の迷いだった。
以前のオレだったら配信なんて絶対やろうと思わなかったが、声が変わった今なら、やれそうな気がしたのだ。
心のどこかで、いい加減自分のコミュ症をどうにかしたいと思ったのかもしれない。
勢いでチャンネルを開設し、ニートだからとりあえず『ニト』という安直な名前を付け、ひっそりと配信を始めてみた。
初めてリスナーがやって来たときは心臓が止まるかと思った。「どどど、ども」と上ずった声で挨拶し、以降は気まずくてほとんど無言。
やらかした、中身が変わってないのに配信なんてアホなことをするんじゃなかったと後悔した。冷や汗びっしょり顔を真っ赤にして配信を切ろうとした。でもそのとき——。
——声めっちゃ可愛いので応援します。
ピコンと色のついたコメントが付いて、そこには『¥2,000』の表示。生まれて初めてのコメントは、生まれて初めてのスパチャだった。
「あ、あああ、あり、ありゃとぅしゅっ……!」
ネットの世界はコミュ症の「女の子」には優しいのだと、初めて知った。
それからは妙に優しいリスナーたちに甘やかされ、チヤホヤされ、片言の外国人のようだったオレの活舌も徐々によくなっていった。
いまだにリアルな世界で人と話すのは無理ゲーだが、匿名の不特定多数の、それもコメントだけの見知らぬリスナー相手なら、自然に話せるようになったのだ。
きっともともとの自分の声じゃなく、借り物の声で話している感覚だからだろう。別人格、アバターの声で話しているような気がして、だんだんと素を出せるようになっていった。コミュ症を治すリハビリみたいなものだったのかもしれない。
そしてオレを夢中にさせたのが、課金——つまりスーパーチャットの存在だった。
ある日、気まぐれでスパチャに反応してみたら、それから一気に課金頻度が増えたのだ。次第に新規のリスナーも増えて今や登録者は300人。配信界隈では少ないほうだが、みんなが高い頻度でスパチャをくれるので、オレは十分過ぎる収入を得られるようになった。
「に、二十万っ……!」
ネットで自分の——男だったころから使っている口座の残高を見て唖然とする。わずか二週間で、親からの月の仕送りの倍額が振り込まれていたのだ。
見たことのない金額と、生まれて初めて自分でお金を稼いだという万能感に、俺は体をプルプルと震わせた。
——1万円課金するから顔見せて!
「い、1万円……?」
顔を見せるだけで1万円がもらえる……?
俺はすっかりお金の魔力に取りつかれていた。1万円に吸い寄せられるようにカメラをオンにする。
そのときは、とてもじゃないがコメント欄を追えなかった。次々に投げ込まれるスパチャ。あっという間に目算で10万円ほど稼いでしまったオレは、恐くなってものの数分でカメラをオフにした。
アーカイブはもちろん消した。
残しておけば登録者が増えるのは間違いない。だけどあまり有名になり過ぎて万が一身バレしたら、人生が詰む。絶対エロ目的の変態リスナーがやってきてスケベなことをされる。
それに元来が小心者のオレは、必要以上のお金を得ることにもビビっていた。身の丈に合わない金は身を滅ぼす、と死んだ婆ちゃんがよく言っていた。だからオレとしては、この引きこもりライフを維持しつつ、ちょっとだけ贅沢ができるくらいのお金があれば十分なのだ。
バレない程度にひっそりと配信し、ほどほどにお金を稼ぎ、楽しく暮らす。それはそれは夢のような生活だ。
それからオレは、たまに顔出しをしたり、「胸のサイズは?」みたいなちょっとエッチな質問にもたまーにに答えたりして、小銭を稼ぐ日々を送るようになった。つまりは至極まっとうで健全なお金稼ぎである。
「あっ、クッソ! もう、こんにゃろっ」
以前襲ってきたガキんちょを捕捉できたまではよかったが、意外にも手強かった。チート武器で遠方から狙撃され、ライフがどんどん減っていく。
「ああぁぁっ~、また死んだっ。はぁ……いったん休憩」
ゲーム用コントローラーを置いて一息ついた。大量に流れていたコメントをさかのぼり、一つ一つチェックしていく。
——ニトちゃん苦戦してるなwww
——今日も声えっろ
——喘ぐなww いや喘げ
——苦戦してるほうが俺らとしてはお得
——今日も捗るわ~
——顔、顔見せプリーズ!
——スパチャするから!
「はぁ、そう毎度毎度、顔さらさないっつーの」
——2万まで出す
「……ちっ、仕方ねーなー。サービスだぞ」
——チョロすぎワロタwww
——これはチョロイン
——俺、この戦争が終わったらニトちゃんに課金するんだ
——フラグ立てんなw
——ざわ、ざわ…
——くる、天使がくる…!
俺は次々流れてくるコメント欄を尻目に、さっき命からがらピックしてきたダンボール箱を開ける。
中の包みを開けると、猫耳型のヘッドホンを取り出す。黒とピンクでカラーリングされたそれを被り、カメラのテスト画面を起動させてモニターに自分の姿を映してみる。
(か、可愛いなおい……)
猫耳を付けたピンク髪の美少女が、そこにいた。
しかもダルダルなTシャツを着ているせいで左肩が露出している。超エロい。
オレは普段、男時代の服をそのまま着ている。外出することも誰に見せることもないので、女の服は必要ない。というかそもそも女物なんてちっとも詳しくないので買えない。
というわけで配信のときもそのまんま、ヨレヨレTシャツで肩出しスタイルなのだ。最初に顔出ししたときは恥ずかしさで顔から火が出るかと思ったが、リスナーからはめちゃめちゃ好評だったし、おかげでスパチャも盛り上がったので、俺はこのちょいエロな格好をさらすようにしている。
ぶっちゃけ今も恥ずかしいが、まあなんとか許容範囲だ。肩を出したくらいで数万円を稼げるなら、むしろ安いもんだ。
本来だったら猫耳ヘッドホンなんて恥ずかしい格好も、肩出しルックなんてエロい格好も絶対にしないだろう。腐ってもオレの中身はコミュ症童貞男だし。
だけどなんでだか……なんでだか、配信だと大胆になれてしまう。これも声出し配信と同じで、女の子のガワを被っているような、いわばアバターを操作しているような感覚だからなのだろう。
(今まで重度のコミュ症だった反動か……?)
自分の倒錯的な大胆さにちょっと引きつつ、オレはぽちっとカメラをオンにした。
途端に「!」マーク付きのコメントがあふれ出す。
——うおおおおおお!
——美少女キター!!!!!
——ピンク髪かわっ…!
——肩出しえっろ!
——おおおおおおお!
——顔出しサンクス…サンクス…!!
——これがリアル風アバターじゃないなんて嘘だろ…!
——オラこんなめんこい娘テレビでも見たことないだ…!!
——画面越しでこれなら生で見たら俺ら気絶するんじゃね?!?!?
——ニトちゃんニトちゃんニトちゃん!!!
——おせっせしたいっ…!
——これはいいドヤ顔…! 罵ってどうぞ!
——ワカラセたいこの笑顔!!
——かわいい!!!!!!
ピコン、ピコンと色付きコメントが表示される。『¥20,000』『¥10,000』と、目ん玉が飛び出るようなマネーが乱れ飛ぶ。
「うへへ……」
(まったく男なんてチョロいぜ……!)
表情と心の中でまったく同じ笑みを浮かべる。自分では気色の悪い笑顔だと思ったが、画面の中のオレは魂を吸い取られそうなほど可愛い笑みを浮かべていた。ちょっと鼻の下が伸びているのすら可愛い。
(はは、チョロい……な、みんな、こんなオレなんかに興奮して、バカみたいに投げ銭しちゃって)
「んっ……」
ため息のような、小さい声が口から出る。
オレはこっそりと自分の下腹部へ手を伸ばしていた。マイクが拾わないギリギリの音量で、はぁはぁと興奮と快楽がごっちゃになった吐息を漏らす。
衣擦れの音がしないように、ゆっくりとTシャツをめくる。下には何も穿いていない。だから布地をめくるとすぐに、オレの体の中で一番敏感な場所に触れることができた。
(声、気づかれてない……よな?)
「え、へへ」
画面の中では、ちょっぴり頬を染めた美少女が恥ずかしそうにうつむいている。顔出しを恥ずかしがっている顔……に見えなくもない。うん、バレてない。
オレはドキドキしながらもうちょっとだけ指を伸ばしてみる。
「んッ」
指先が、ぐっしょりと濡れる入口に触れた。同時にビクンと肩が震える。
(オレ今、リスナーに見られながらっ……こっそりオナニーしてるんだ)
バレたら詰みだ。配信中に自慰にふけるなんてありえない。大胆になるにしても限度ってもんがあるだろう。鏡の自分にキスするのだって躊躇ってるくせに……!
もう一人の自分が今すぐやめろと訴えてくる。なのに大勢の人に見られてると思うとゾクゾクとした背徳感が上ってきて、アソコを触る手が止まらない。
(バレたらやばいっ……バレたらっ)
漏れ出る吐息が小刻みになる。
一人でオナニーするのは、すごくいけないことのような気がしていまだにできない。なのにどうしてだか、オレで欲情するコメントを見ながらするオナニーは抵抗感が少ないのだ。これもコミュ症をこじらせた反動なのだろうか。
(オレ、オレっ……ヘンタイだ)
快感と恥ずかしさで恍惚としていると、背後でガチャリと音がした。誰かが部屋に入ってきた物音だ。トタトタと軽い足音が近づいてくる。
「うわっ、ちょッ、今日はこれでおしまい! じゃな!」
慌てて配信を切り、猫型ヘッドホンをデスクの引き出しに隠す。
振り返ると、制服姿のJKがにこにこしながら立っていた。綺麗な金髪ショートボブが印象的で、目鼻立ちが整った俺の姪っ子——神崎 亜美だ。
「やっほー、おじさん元気してたー?」
「おまっ、何しに……てかどうやって入った!?」
すると亜美は鍵を見せてきた。どう見ても合鍵だ。もちろん渡した記憶はない。
「この前来たとき、こっそり作っちゃったんだー、これ」
いっさい悪びれもせず、にっこりと笑みを深くする亜美。
というかドアチェーンも締めたはずなのに、どうやって入ってきたんだ……?
いや、考えるのはよそう。亜美に驚かされるのはもう日常茶飯事だ。
神崎亜美。
俺の年の離れた姪っ子にして、この家の唯一の訪問者。そしてオレが女体化したことを知る、ただ一人の子だ。
小さいころから頭がよく成績優秀で、特に科学分野で並々ならぬ才能を発揮する才女。今は確かお嬢様学校に学費免除で通っていて、ハーフ特有の整った顔立ちと知的な雰囲気から、学内では才色兼備で通っているらしい。
だがオレはこいつの本性を知っている。オレだけが、身をもって知っているのだ。
昔から亜美は実験が好きで、触れるとビリビリするガムのおもちゃやら、座るとケツが痛くなる座布団なんかを自作しては、オレで試していた。
オレの反応がよほど愉快なのか、亜美は中学に入っても高校に進学しても、飽きもせずこうして部屋に上がりこんできては、自作のイタズラ道具のモルモットにしてくるのだ。それはオレがTSしてからも続いている。いやむしろエスカレートしている。
半年前、俺がTS症になったとき「メールの返信こなくて心配しちゃった」とか言って、鍵をぶっ壊されて部屋に入ってこられたのが運の尽き。バラされたくなかったら言うこと聞いてね? と脅され、以来オレは髪の毛をサンプルとして何十本も抜かれたり、過呼吸になるまでくすぐられたり、いろんなところをつつかれたりした。
そう、正真正銘のS。
さらには好奇心旺盛だからタチが悪い。
そんな彼女にしてみたら、女の子になったオレなんてもうヨダレが垂れるほど実験したい——いやイジめたくなる相手なのだ。
正直こいつにだけは、オレがこっそり配信活動をしていることを知られたくない。
(もしバレたら……何されるか分かったもんじゃない!)
背中に嫌な汗をかいていると、亜美がゆっくり近づいてきた。
「で、おじさん今日は何してたの?」
「べ、別に? いつもどおりゲームしてただけだぜ」
「ふーん」
亜美がまるで興味のなさそうな、澄ました表情を浮かべる。だがオレは騙されない。こういう顔をしているときの亜美は、何かオレの弱みを握ろうとしているか、すでに弱みを握っているかのどちらかだ。そしてたいていは後者だ。
だけど大丈夫。配信は切ったしヘッドホンも隠した。きっと大丈夫だ!
(あれ、なんか亜美の視線がオレの太ももあたりをじっと……)
気づけばオレはノーパンのままだった。おまけに股ぐらはさっきのオナニーのせいでぐっしょり湿って汁が漏れている。
まずい、そう思ったときにはもう遅かった。いや……彼女がオレの部屋に来たときから、オレはすでに詰んでいたのだろう。
亜美が、自身のスマホ画面を見せてくる。
「ちなみにさぁ、これっておじさんだよね?」
画面には、猫耳ヘッドホンをして「うへへ」とにやけているオレがスクショされていた。
「うえぇっ!?」
(最悪だ……!)
「いやこれは、そのあのっ……」
視線を上下左右にさまよわせて危機を脱する方法を探すが、もとより人と話すのが苦手すぎて言い訳すら考えたことのないオレが、亜美をごまかせるわけもない。
獲物を見つけた捕食動物のような目をして迫ってくる亜美に、冷や汗が止まらない。
「ねぇこれ、バラされたくなかったらさ、私の実験台になってよ」
「じ、実験……?」
どうせまた、ろくでもないことに付き合わされることに違いない。でもこう言っちゃなんだが、亜美の実験にはもう結構慣れっこだ。
(……まあいいや、適当に付き合って——)
「じゃーん、これだよっ!」
亜美が嬉しそうに学生カバンから取り出したのは、ピンク色の卵のような物体だった。だけど卵にしては小さいし、先っぽには紐がついている。なんだこれ?
いや、なんとなく……なんとなくだけどエロ漫画で見覚えがあるぞ。
「へ……それって……」
「うふふ、ピンクローターだよ。おじさんの髪色と同じの見つけるの苦労したんだから」
嬉しそうに大人のオモチャを掲げてはしゃぐ姪っ子。家族や学校の同級生たちが見たら卒倒することだろう。だけど亜美はこの本性をオレの前でしか見せない。まさに天使の顔をした小悪魔なのだ。
亜美がふんふんと鼻歌を口ずさみながら、チェアに座ったオレの背後に回る。正直イヤな予感しかしない。
「前から気づいてたんだけどさー、おじさんっていっつも配信中にオナニーしてるでしょ?」
(やっぱり……やっぱりバレてたんだ。最初から……!)
きっと亜美はオレの配信のことはとっくに知っていて、配信中オレがオナニーしていることにも気づいていたのだろう。そして満を持して合鍵を使って侵入してきた。入念に準備を進め、オレを憐れなモルモットにするために……! なんてこった! 後はもう煮るなり焼くなりされるのを、ただ受け入れるしかないんだ!
(……え?)
亜美の手が、オレの露出した左肩をなぞった。するすると手が這って、たるんだTシャツの中に滑り込んでくる。
やがてすべすべした手のひらが、オレの、オレの……おっぱいに。
「んぅッ……!」
(こいつ、なに考えて……っ、あひゃっ!)
亜美がオレのおっぱいを手のひらで包み、くにゅくにゅと揉んできた。初めて自分以外の手に触れられ、こそばゆさで先っぽがツーンと痺れてしまう。
「でもおじさん、なんかオナニーするの慣れてなさそうだったから」
オレの胸のサイズや柔らかさを確かめるように、亜美の指がピアノを弾くみたいに動く。おっぱいの奥がジンジン熱くなって、アソコがじわりと疼いてしまう。自分で触るとのとぜんぜんちがう。
「だからね、私が姪っ子として、おじさんのオナニーを手伝ってあげようかなって」
まさか姪っ子の口から何度もオナニーなんて言葉を聞く日がくるなんて。
なんてことを思っているあいだに、Tシャツの裾をくるんとめくられた。濡れ濡れになった無垢な割れ目が亜美の前にさらされてしまう。
「あ、やめっ……」
懇願する間もなく、亜美の手がオレのアソコに触れた。
「んぅぅっ……!」
(こ、これ、ローターっ)
敏感なアソコに異物が入ってきた感覚。中をかき分けて硬いものを挿入された圧迫感。見たくても分かる。亜美がオレのおマンコにローターを挿れたのだ。
(あっ、やばい、やばいこれっ……中、勝手にっ、締まっちゃうっ……!)
「あはっ、おじさんって感じやすいんだ……かわいい」
ビクンと体を震わせているオレをあざ笑うかのように、亜美が吐息を吹きかけてくる。思わず目を細めると、薄い視界の中でパソコン画面の矢印カーソルが動いていた。
巧妙に隠したはずの配信プラウザを難なく見つけられ、『配信開始』のボタンがクリックされる。
「ちょ、いったいどういうつもりっ……」
素早い動きでカメラの画角外に消えた亜美を、視線で追う。すると彼女は「続けて♡」と口パクをしてウインクした。
気づけばパソコンには謎のUSBが差し込まれている。なんだこれは。
予期せぬ出来事の連続でパニックに陥っていると、コメント欄が動き出す。
——お、再開した!
——美少女再降臨☆
——トイレか?
——なんか汗かいてる?
——エロッ(百億回目)
なるほどローターを挿入したまま配信を続けろということらしい。それで恥ずかしがっているオレを見て愉しむつもりなのだろう。なんてドSな発想なんだ。だがとにかく今、亜美の指令は絶対だ。従うほかない。
それに、顔出ししながらオナニーなんて変態行為をしていたオレだ。リアルならともかく、リスナー相手ならこれくらいの恥ずかしさ、もう慣れっこだ!
「や、やっほー、再開するぞー」
——再開を祝して
ピコンとスパチャが入ったその瞬間、おマンコ内のローターがブブッと振動した。
「んぁッ!」
(な、なんだこれっ、スパチャが来たと同時にっ……)
横目で亜美を見ると、彼女はにっこりと天使のような笑みを浮かべていた。
(くそ、アミの悪戯道具かっ)
おそらくパソコンに付けられたUSBの仕業なのだろう。スパチャが入るとローターが連動して震える仕組みなのだ。こんなくだらないことに才能を注ぎやがって。
——なんか、スパチャと同時に感じてなかった?
——まさかー
——ワイも投げてみるわ!
察しの良すぎるコメントたちに悪寒が走る。これはマズい。マズすぎる。
「あ、まってまってっ!」
画面に訴えたそのとき、またもやスパチャが入ってローターが振動した。
「あぁんっ……!」
出したこともない甘ったるい声が喉奥から発せられる。
敏感なおマンコに味わったことのない刺激を加えられ、全身がビクビク震える。内股をぎゅっと閉じ、太ももをこすり合わせる。もし立っていたら今ごろ床にへたり込んでいた。それくらいの快感が全身にビリビリと広がっていく。
涙でにじむ視界の中で、コメント欄に色付きコメントがポコポコと湧いてくる。
(え、うそっ……)
「あぁっ、やめっ……あんッ、まってぇっ、ひぅっ……あっあっ! あっ、ハァッ……!」
ブブブブブッとたて続けにローターが振動し、快感の電流がほとばしる。感電したみたいに肩を震わせ、両手で股を押さえることしかできない。あまりに強烈な性感に、目端から涙がこぼれ落ちる。
画面の中では、絶世の美少女が頬を真っ赤にして
(やだっ、やだやだっ、よりによってリスナーの前で、こんなっ、こんなエロい姿見せたくないっ、恥ずかしいっ……耐えなきゃっ、耐えなきゃなのに、エロい声、止まんな——)
「ひゃうッ」
——ニトちゃん感じてる!!
——声えっろおおおおお
——感じてるニトちゃんあばばばば
——うぅ、出るっ!!!
——これ間違いないぞ!
——おい、やるんだなっ、今ここで!!
——全マネー投下!!!!
——スパチャ投入しろおおおおー!!
——イけイけイけ
——うおおおおおおおおおお!!!!!!
「おねがい、やめっ……」
ブウウウウウウッとモーターのような振動音が下腹部で響く。
(ああ、だめだっ、我慢できないっ……気持ちいいの、上ってくるっ、こんなの知らない、オナニーで味わったことないっ……ああそんなっ、そんな震えたらっ、イっ……く、イくっ、イっちまうっ、リスナーの見てる前で、姪っ子の、見てる前でっ……そんなのダメだ、ダメなんだっ、ダメなのにぃっ……イっ、イくっ、イくイくっ、イっ——)
「んうぅぅぅっ~~ッッ!」
ビクッとお尻が浮いて太い快感が脳天まで突き抜ける。まぶたの裏がチカチカ光る。全身が痙攣して粟立ち、体の内側を電気ショックみたいな性感が何度も往復する。
(……なに、これ……頭、白いモヤがかかったみたいに——)
オレは直感的に、自分がメスイキしたのだと分かった。
(お……女の絶頂って、こんなにすごいのか……!?)
オレの人生初のメスイキは、亜美の悪戯道具と、リスナーたちの絨毯爆撃のような課金によってもたらされた。
震えながら、なんとかマウスに手を伸ばす。
やっとのことで配信ボタンを切ると、涙目で亜美を睨む。
「もう、十分だろっ……」
叔父として姪っ子を叱ったつもりだったが、亜美はといえば愉悦に顔を歪ませていた。ゾクゾクと顔に書いてある。今のオレはしょせん美少女だ。亜美の目には、涙目の美少女が絶頂に悶え、ハァハァと熱い吐息を漏らしながら睨んできている姿が映っているのだろう。
亜美は満足げに微笑むと、さらに口角を上げた。
「まだだめー、もっと私の言うこと聞いてもらうから」
「な……」
「おじさんの配信用の服、外に買いに行こ♡ そんなヨレヨレのシャツじゃなくてさ、うんとカワイイやつ。私が選んだげる」
(え、今……亜美のやつ、外って言ったか……!?)
「外!? いやだ、外はヤダ!」
俺はピンク髪を振り乱して首を振った。外だけは嫌だ。
ただでさえコミュ症の引きこもりニートだったのだ。なのにしかも女の姿で外に出るなんて、俺にはハードルが高すぎる!
(それにこんなピンク髪の美少女ロリが歩いてたら、絶対エッチな目に遭うんだ!)
今にも土下座をしようかというオレに、亜美はにっこりと恐ろしい笑顔を向けてきた。
「言うこときかないと、バラしちゃうよ? いろいろ」
「うぐっ……でもほらっ、俺外用の服持ってないしっ」
すると亜美は学生カバンから制服を取り出した。彼女の着ているものよりも少しサイズが小さい。
「へへ、そう言うと思ってちゃんと用意してきたよ、おそろの制服~!」
「ぐぅ……卑怯だぞ」
(こいつ、どんだけ用意周到なんだ……!)
「あーそうだ、おじさんそれ、外しちゃダメだからね」
「……は?」
亜美がオレの下腹部を指差している。
「はぁっ!?」
つまりはローターをアソコに挿入したまま外出せよということらしい。とんだ変態だ。変態は外だけじゃなく身内にもいたんだ!
「さ、行こ行こ、おじさんと初めてのお出かけだー♡」
亜美がウキウキでオレのTシャツを脱がしてくる。
「ま、まてまてっ、自分で着替えるから!」
「あ、そーお?」
「着替えるからあっち向いてろ!」
「えー、私たち女同士なのに~」
体はそうでも心はちがう。いくら情けなくメスイキしてしまったとはいえ、オレはちがうのだ。
「……あの、ところで下着は……?」
用意されたのは制服だけ。俗にいうブラジャーとかショーツといったものが見当たらない。中はもともと持っていたトランクスとかを穿いていけということだろうか。
すると素直にあっちを向いている亜美が、小首をかしげた。
「ん? ないよー。どうせならお店で買おうと思って。だからお店に着くまではおじさんノーブラノーパンね」
「……ははは」
(ほんと最悪だ……!)
オレは全裸の上から、不気味なほどサイズがぴったりな制服を着ると、諦めのため息をついた。