髪をしっかりと乾かしてあげた後、ベッドの縁に腰掛けて、その裸体を惜しげもなく晒しているアンカレッジ。
そんな彼女と俺のいる部屋。
窓から日の射し込むそこで、アンカレッジは唇の端から唾液を伝わせながら、啄むように俺の唇を貪っていた。
「んむ…はむっ…はぁむっ…♡」
唇を押し当てて、離す。すると、お互いの唾液に塗れた唇から、ちゅぷ、ちゅぱっ、と小さな粘音が響く。
風呂から出たあとに青のリボンで髪を結った、いつもの髪型のアンカレッジ。彼女の普段とは違う情欲の炎の灯る瞳が、俺の目を捉えて離さない。
「せんせー、アンカレッジ…ぺろぺろしたい」
アンカレッジはそう言ってから、口を小さく開けて、「れぇ〜♡」と舌をこちらに突き出してくる。
「…………へんへー、はやふぅ♡」
そうしたまま、待ちきれないといったように舌をくねらせる。
さっきまで、性のせの字も知らなかったであろうアンカレッジ。そんな彼女の煽るような仕草に、興奮しないはずはなかった。
「……っ!♡」
腰に回していた手でアンカレッジをより強く引き寄せながら望むままに自分の舌を出すと、彼女の舌は喜々としてそれに飛びついた。
ぺろぺろと未だに拙く舐めてくる彼女に合わせて舌を動かし、空中で互いの舌を絡ませ合う。
それと同時に、彼女の秘部の表面をゆっくりと愛撫する。
「っ♡ ぁうっ♡……えぁ♡」
彼女の舌の動きにリンクさせるように指を動かすと、そのたびに彼女の喉から快感に染まりきった声が漏れ出る。
喘ぐたびに止まるアンカレッジの舌。それに合わせて指の動きを止めると、続きをせがむように彼女の舌が動く。
「はっ♡……はぁっ……んひゅっ♡ れろっ♡ れぇーっ♡ ……はにゅっ♡ せんせっ♡ ……はむっ♡」
もどかしくなったのか、アンカレッジは俺の首を抱き寄せて、にゅるりと俺の口にべろを入れてきた。
そして先程風呂場で俺がしたのを真似するように、俺の口内を必死に舐め侵そうとしてくる。
「……へぁ♡ んむぅ……れるっ♡ ……っ♡ へんへぇっ……♡」
そんな彼女に、お返しとばかりにこちらも舌をプレゼント。一瞬動きの止まったアンカレッジの口を逆に蹂躙してあげると、びくびくと身体を震わせながら瞳で「もっと」と訴えかけてくる。
そのまま唾液を交換するようにねっとりと口内を愛撫してから、口を離した。
「アンカレッジ。本当にキスが気に入ったんだな」
「…………うん。アンカレッジ、せんせーとキスするの……すき♡ ぺろぺろするのも、すき♡ たのしい……きもちいい……♡ あたまのなか、ふわふわってなって……おなかもきゅう〜ってなる♡」
頬を上気させ、潤みきった赤紫の瞳で、粘ついていると錯覚するほどの熱い視線のアンカレッジ。
彼女の柔らかな手は、いつの間にか男根を優しく擦り始めていた。
発情した少女。でも、無邪気さだけは変わらない彼女。
普段との差が、あまりにも淫靡に見えた。
「せんせー、おんちんちん…………どう、するの?」
「ああ。それはね……ここに、入れるんだ」
「……っ♡ ここっ……♡ ……ぅぁんっ♡」
俺はアンカレッジに答えるように、指を彼女の濡れそぼった秘肉へと挿れる。
抵抗なく、人差し指を飲み込むように受け入れたアンカレッジの中をかき混ぜると、彼女は快楽に震える身体を捩った。
「おまた……さわさわ…………なかっ……まぜまぜっ♡ きもち……いいっ♡ アンカレッジ、すきっ♡」
「そっか。じゃあ、続けるぞ」
「……っ♡ うん♡ もっと……せんせー……アンカレッジ、きもちいい……ちょうだい? ……っぁ♡ ……やっ♡ ぶるぶるっ♡ ふあぁっ!?♡」
求められるままに、今度は彼女の中でも特に弱い部分を優しく押して振動を与えてみたり、強く擦り上げたりすると、アンカレッジはこちらに向けていた顔を背けて大きな嬌声を上げた。
「あっ♡ はぅっ♡ んっぁっうぅっ♡」
「アンカレッジ。顔、ちゃんとこっちに向けて?」
さっきまで俺に見せてくれていた、あの快楽で蕩けきった顔。それが見れなくなったのがなんだか無性に寂しくなり、思わず彼女の顔を向くように促すと、アンカレッジは快楽に翻弄されながらも、こちらに向き直ってくれた。
「はぅ♡ せんせっ……んっ♡」
そんな愛らしい彼女の唇に、キスを落とす。
アンカレッジの瑞々しく柔らかな唇の感触。それを自分の唇で舐り、そのまま彼女の秘肉の内側、そこにある弱点を執拗に攻め立て続けていく。
「……っ♡ せんせっ♡ ふぅっ♡ んんっ♡ ふ……ぅうう゛っ♡ ひぅっ♡ これっ……さっきのっ♡ ふわふわぁっ♡♡」
さっきのふわふわ……そうか、またイきそうなんだな。
「アンカレッジ、さっきお風呂から出てから教えたこと、覚えてる?」
快楽に飲まれて答えられない、なんてことはならないように、指の動き小さく変化させながらアンカレッジに問う。
「……ぅっ……はぁ♡ はっん♡ おふろのあとっ……えっ、と……」
さっき、風呂から出てすぐにアンカレッジに教えていたこと。
別に大したことを教えたわけではない。
けれど、それはアンカレッジは絶対に知らなかったはずの言葉だった。
「……きもち、いいと………あっ♡ アンカレッジっ、どこかに……とんでいっちゃいそうになる……から……っ……ぅあっ♡ やっ♡ んはぁっ♡♡」
記憶を辿るようにして思い至ったようなアンカレッジを見て、そのまま彼女への愛撫を再開する。
秘肉の内側、外側、さらに空いている手で彼女の乳首を責め立てていくと、アンカレッジの身体が跳ねて、甘い悲鳴が響き渡る。
「ふぎゅっ♡ ふぅっ♡ ……ぅあっんうぅぅ゛ぅ゛♡ あ゛ーっ♡♡」
きゅうきゅうと指を締め付ける彼女の蜜壺の弱い部分を執拗に責め、クリトリスをゆっくりと擦り、乳首を挟み、くりくりと捻り上げる。
そしてアンカレッジはそのまま────
「はっ♡ やぁ……っ♡ とんでぇ、いっ……い…くっ♡ いくっ……♡ せんせっぇっ♡ アンカレッジっ♡ イクっ♡ ふぁ………っ♡ んうぅぅぁ゛〜〜〜っ♡♡♡」
俺が教えた通りの言葉を発して、その体を一際大きく震わせた。
「────ぅう゛ーっ♡ ふぅうっ♡ ……はっあ……んんっ♡」
「よしよし、おかえり、アンカレッジ」
「……っ♡ せん……せぇ♡」
さらさらの髪と一緒に彼女の頭を撫でながら優しく声を掛けると、へにゃりと崩れた笑みが視界に映った。
上気した頬を緩ませて、蕩けた眼差しとともに、笑顔を俺に向ける彼女。まだ絶頂にも慣れていないだろうに、健気に笑みを見せるアンカレッジに、胸の奥が締め付けられて、興奮が募る。
そして、俺にはもうそれに抗うような理性も残っていない。
「……アンカレッジ」
「……? せんせー? ……わっ♡」
必然というべきか、俺はアンカレッジの両肩をつかみ、ゆっくりと押し倒す。
アンカレッジは特に抗うようなこともなく、そのまま俺が彼女に覆いかぶさるような形となった。
「……せんせー……? あっ♡」
その状態で、俺は痛いほどに屹立しているモノを、秘肉へと押し当てた。
アンカレッジの柔らかな秘部が、竿に柔らかな感触を伝えてきて。
このまま、今すぐにでも挿れてしまいたいと思った。
何も知らない彼女を貪るように行為に及んでしまうのも、一興だと。
けれど、すんでのところで踏みとどまる。
どれだけ、アンカレッジとまぐわいたいと思っていたとしても、彼女の心の傷になり得るようなことは出来ないし、したくはなかった。
そのまま彼女の秘肉に入らないようにしながら、彼女の股座を緩慢に擦り上げる。
くちゅっくちっ♡ ぬちゅっ♡
それと同時に激しい水音が鳴るほどに溢れ出している彼女の蜜が、自分の怒張をコーティングしていく。
「初めておちんちんを挿れると、最初は痛いと思うけど……アンカレッジは我慢できる?」
「……せんせーが……いたく……?」
俺の言葉を繰り返すようにして、アンカレッジは首を傾げた。
「……せんせー、おちんちん……アンカレッジにいれたら……きもち、いい?」
「……あぁ、そうだな。とっても、きもちよくなれる」
「……それなら……アンカレッジ、いたいの、や……だけど」
答えを聞いて少しだけ何かを考えてから頷いた、アンカレッジは言う。
「でも……せんせーが……きもちいい…………アンカレッジ、うれしい……から」
そのまま、アンカレッジは両手で秘部を開いて────
「……せんせーのおちんちん、アンカレッジに……いれて?♡」
期待するような眼差しの上目遣いに、甘く切ない声で誘われるまま、俺は陰茎をあてがう。
「……アンカレッジ、行くぞ?」
「……うん、アンカレッジ……がんばる……!」
アンカレッジは胸の前でぐっと拳を握る。
その仕草を微笑ましく思いながら、俺は充てがったモノをそのまま突き入れて、彼女の初めてを突き破った。
「────ぁぐっ……ぅううっ……いっ……」
「……ごめんな、アンカレッジ」
破瓜の痛みに涙を流すアンカレッジの姿に、胸が締め付けられる。そして、彼女の同意があったとはいえ辛い思いをさせてしまったことに、罪悪感を覚えた。
だが──
「……は……ふっ……ぁ……せんせぇ……が、んばった……」
アンカレッジは痛みに耐えて途切れ途切れの呼吸のまま、それでも笑顔でそう言った。
「……ああ。アンカレッジ、頑張ったな」
そんな健気さに、どうしようもないほどの愛おしさが胸を満たした。
いつも褒めているときと同じように撫でてあげると、嬉しそうに目を細めて、自分から手に頭を押し当ててくる。それと同時に彼女の中が緩くうねり、途中まで入っている肉棒の先端を優しく刺激する。
「ふぁ……♡ せんせぇ……もう、いたくない……かも……?」
その拍子に快感を覚えたのか、彼女の口から再び甘い声が漏れ出る。
「……ぁ……えへっ……はっ♡ きもち、いい♡ ……っ♡……もう、だいじょうぶ……うん!」
やはりいくら幼い言動であっても、流石にただの人とは違う、[[rb:艦船 > KAN-SEN]]というべきか。初めてを失い股座から血が流れているが、既に痛みに耐えるような素振りもない。それどころか自分から揺り動いて快感を探り当てているようにすら思えた。
「なら、動くぞ?」
「……っ♡ うん! せんせー……たくさん、きもちいい、して?」
先ほどの苦しげな表情とは違う、楽しげで蕩けた顔のアンカレッジに応えるように、そのまま彼女の奥までゆっくりと進んでいく。
「っ…は……ぁっ……ひゅっ……ふぁ……ぁ♡」
優しく抵抗してくる温かな柔肉をかき分けるように、ゆっくりと腰を押し出して最奥に到達すると、アンカレッジが[[rb:艷 > あで]]やかに鳴く。
蕩けた顔の彼女にキスをしてから、ゆっくりと出し入れすると、アンカレッジが一段と艶が乗った声を響かせた。
「あっ♡ はっ♡ ひゅ……」
彼女の中を広げるように、自分のモノを全て彼女へと挿れて。
「ッ♡ ぁっ♡ ふぁ♡ ……〜〜ッ♡」
カリで彼女の中のひだを引っ掛けながら、ゆっくりと引き抜き切る寸前まで抜いて。
「ぁはっ♡ ふぅ……やっ……ぁ♡」
また、アンカレッジに突き挿れて。
彼女のいいところを探るようにしながら中をゆっくりと擦り上げるたびに、快楽に染まった声が響く。今まで知ることのなかったはずの行為、快感に翻弄されているようにアンカレッジは声を上げている。
アンカレッジの膣は柔らかく、それでいて強く締まりっぱなしだ。彼女の中をならすように俺のモノをゆっくり出し入れると、甘えるようにきゅう、と更に締め付けが強くなり、そのまま引き抜いてみれば、より強い快感が俺と彼女を襲う。時折強めに腰を彼女の尻に打ち付けるたびにアンカレッジが震え、甘い水音と喘ぎが耳朶に届くのが、より興奮を加速させた。
くちゅ♡ くちっ♡ ぱちゅっ♡
「ぁ♡……きもちっ……いい………おちんちんっ♡ すごいっ♡………ぁうっ♡」
「俺も、すごく気持ちいいよ」
「……っ♡ ぁ♡ あは♡ えへっ♡ なら……もっと……きもちいい……いっぱい♡」
目を合わせて囁くと、アンカレッジは嬉しそうにはにかむ。そして拙ないながらも、今度は俺の動きに合わせて自分からも腰を動かし始めた。
予測不可能な快感に思わず息を漏らすと、アンカレッジはやっぱり嬉しそうにしながら「せんせー……ちゅー、したい……♡」と口を可愛くすぼめてみせてくる。
「ちゅ……♡ んちゅっ♡ ……ちゅ〜〜っ♡」
激しくはない、優しく柔らかなバードキス。
アンカレッジはそれを嬉しそうに堪能している。唇を合わせるたびに、俺の形を覚えるかのように彼女の膣が強く締まった。
「ちゅ♡ はぁむっ♡ ────っ♡ ぁっ♡ せっ……んせぇ♡ またっ……ぃ……ひゃっ♡ ぁああ゛っ♡ 〜〜〜〜っ♡」
そんな彼女の中を解すようにそのまま腰を動かすと、アンカレッジは電撃が走ったように身体を震わせて声にならない声を上げる。
「……っ、ぃ♡ はっぁ、ぁあ♡ いっ……♡ ったぁ……♡ せんせっ♡ アンカレッジ……イった……よ♡」
「あぁ。ちゃんと言えてえらいぞ」
褒めてくれと言わんばかりに報告をするアンカレッジ。その頭を撫でさすり褒めてあげると、無邪気で蕩けた微笑みが返ってくる。
「せんせー、は……まだ、イって……ない?」
「ん……あぁ、そうだな」
「……せんせーも、イこ? アンカレッジの……なか、たくさん……ごしごし。アンカレッジ、きもちいい♡ せんせーも…きもちいい♡」
やけに淫靡な雰囲気で、アンカレッジはそう言った。
確かに、彼女は姿だけ見れば非常に魅力的な女性に見えることもあるだろう。けれど、その心や頭脳は少女……そう呼ぶこともふさわしくないほどに幼い。
そんな彼女の口から溢れた淫らな誘い。
考えれば考えるほどに、罪悪感と興奮で頭に熱がこもり、何も考えられなくなりそうになる。
「……せんせー♡」
欲望のままに彼女の腰に手をやると、期待するように見上げるアンカレッジの瞳が目に入った。
「……いっぱい、きもちいい……なって♡」
「っ……アンカレッジっ……」
「ぁ♡ はぁ♡ かちかち……♡」
ダメ押しとばかりのその言葉に、彼女の中で愚息がより一層反り返る。
「……アンカレッジ、もっと激しくするからな」
「ふぇ……? ふぅぁ゛!?♡」
刺激された本能のままに、一度引き抜いてから膣へと深く突き入れると、彼女は目を見開き、口から驚きの混じった嬌声を溢れさせた。彼女の両足を自分の肩にかけてから尻肉をできるだけ優しく掴んで、そのまま腰を打ち付けてから彼女の奥を円を描くようにぐりぐりと刺激すると、彼女は身を捩り陰茎を強く締め付けながら甘く叫ぶ。
「ぁうっ……はぅぅあっ♡ せんせーっ……せんせぇっ♡ これぇ……こっこわいぃっ♡ あ、アンカレッジ…へんっ♡ へんになるっ♡」
「これ? どれのことだ?」
「ぁ………おちんちんっ♡ アンカレッジのなか……おくっ♡ ぐりぐり……するのぉ♡」
「痛い?」
「ちっちがうっ♡ きもちいいっ♡ でも……でもへんにっ……ぁっ♡ なるぅっ♡」
またも味わったことのない快感に振り回されながらそう言ったアンカレッジの涙でぐずぐずになった顔。それを覆いかぶさるようにしてから手で軽く拭うと、彼女の腕が縋り付くように俺の首に回される。
アンカレッジの情欲に塗れた瞳に射抜かれて、限界がまた一つ近づいたのを感じた。
「……アンカレッジ、そろそろイきそうだ」
「っ! ……うんっ♡ イって?♡ せんせー……きもちいい、アンカレッジ……うれしいっ♡ ……あっ……おくっ…だめぇっ♡」
彼女の中を隈無く愛するようにストロークを大きくしていくと、彼女の温かな締め付けが絶頂を促してくる。
カリでヒダを引っ掛けたり、奥をコツコツと刺激するたびに上がるアンカレッジの甘い悲鳴に、興奮が収まらない。引き抜くと追い縋るように締め付けが強くなり、強烈な快感に息が漏れ出た。
そして────
「はぁっ♡ せんせっ♡ アンカレッジっ……またっ……またぁ……っ♡ ─────あっ♡♡ 〜〜〜〜〜ッ♡♡♡」
「っ、俺もっ……ぐぅっ!」
彼女の震える腰に一際大きく突き入れて押し付けながら、俺は果てた。
先程風呂で達した時よりも長く、勢いのある射精。俺のモノが脈打ち、アンカレッジの奥に先程よりも濃い精液が吐き出されていく。
精が吐き出されるたびに、深くイっている最中のアンカレッジの身体が大きく震えて、膣がせがむ様にうねり、さらに身体の奥から種が絞り出されていく。
「っ♡ ……っ♡ 〜〜〜っ♡ あっ……たかぃ♡ ……ぁ♡ はぁっ♡」
それを味わっているかのように呟いたアンカレッジと目が合う。肩で息をする彼女の頭を優しく撫でると、身体を震わせて「えへ……♡」と嬉しそうに目を細めた。
「……せんせー♡ きもちいい……アンカレッジ、できた?」
「ああ。とっても気持ちよかったよ」
「……えへへ。せんせー、なでなで……いいきもち!」
無邪気な笑顔を向けてくれたアンカレッジだが、ふと何かに気付いたように、自分のお腹を擦る。
「せんせー……まだ、おちんちん……かちかち?」
「……そう、だな」
無邪気な笑みを浮かべている顔が、快感によってぐずぐずになっている。その姿が脳裏にこびりついて、今も興奮が収まらない。
それが、俺の陰茎をいまだに硬くさせているのだ。
「……ぁうっ♡ ふぁんっ♡」
彼女の中からモノを引き抜くと、精液と愛液の混じった濃い白にコーティングされているのが目に入った。
「……まだ、かちかち…………もっと、せんせーと……きもちいい……したい……♡」
それを見た彼女の口から出た言葉に、陰茎がまた一段、硬くなった。
未だに萎えることのない陰茎。それを柔らかな秘肉で挟んで、仰向けの俺に跨ったアンカレッジはゆっくりと腰を前後に揺らす。
「ん、しょ……ぁっ……ん♡」
素股でじっくりと互いの快感を蓄積させるようなゆったりとした動きだが、その緩慢差と反比例するように、下腹部には絶え間なく熱が募り、先ほどよりも硬くなったような気さえする。
彼女の秘肉の入り口で竿が撫でるように優しく扱かれて、それを喜ぶように鈴口から透明な汁が溢れて出ていた。
「……おちんちん、あつい……せんせー…からだ、へいき?」
「……あぁ。アンカレッジがえっちだから、さっきよりも嬉しくてこうなってるんだよ」
「えっ……ち? ……せんせーがうれしいなら…もっと…………やっぱり、おまた……いれる?」
「……そうだな、今度は自分でおまんこに挿れてみて」
「……おまんこ?」
「女の子のお股のことだよ」
「おまんこ……アンカレッジ、もってる……せんせー、もってない」
「うん、そうだね」
「ぁんっ♡ ……おとこのこと…おんなのこ。これ、するから……?」
呟きながらゆっくりと腰を浮かせたアンカレッジは、そのまま俺のモノを優しく握って、入口を探すように秘部の表面を滑らせる。
くち、ぬちゅ、と淫靡な音を立てながら自分の愛液を塗りたくるようなその姿に、痛いほどに下腹部に血が集まっていく。
「……っ…もっと、かちかち……」
それを熱っぽい視線で見つめながら、彼女はようやく入口に亀頭を充てがった。
「おとこのこと、おんなのこ。ふたりで……きもちいい、する……」
考えを整理しながら、アンカレッジはそのまま──
「せんせーと、アンカレッジ。もっと……きもちいい、する……♡」
ずちゅりと、一気に腰を下ろした。
「っ!? ぅあっ……締め付けがっ…」
「ぃっ……ぁ……?♡ …っ♡ ぁっ♡ あぁああ゛っ──〜〜〜〜♡♡♡」
熱く柔らかな膣壁が隙間なく陰茎を締め付けてきて、心地よさに思わず震えた声が漏れた。アンカレッジは勢いよく腰を下ろしたせいで最奥に感じたであろう強烈な刺激に、背を丸めて悶えている。
「──はっ……はぁっ……ふぅっ♡ きもちっ……いぃ♡ せんせーに……あげるっ♡」
そのまま彼女は俺の胸板に手を置いて、腰を前後、左右に動かし始めた。
「っ……ぅあ……ア…ンカレッジっ……すごく、気持ちいいぞ……っ」
「はぁっ♡……アンカレッジ……もぉっ♡ とっても……きもちいいっ♡」
自分で『きもちいい』を探るように、そして俺に『気持ちいい』をあげようと、アンカレッジは一心不乱に下腹部を動かしている。
アンカレッジの口は開いたまま、飽和した快感を逃がすかのように可愛らしい舌を出している。それは先程まで純粋であった彼女とは違う、アンカレッジが俺が教えてしまった快楽の虜となってしまっていることをまざまざと見せつけてきていた。
髪を振り乱し、豊満すぎる乳肉を弾ませながら快感を貪るように腰を動かす彼女の姿に、魅力ある雌を夢中にさせている優越感と、アンカレッジの純粋さを穢してしまった背徳感が混ざりに混ざって、どうしようもなく情欲が煽られた。
「こんなに揺らして……えっちになっちゃったな、アンカレッジ」
「ぁっ……ふぁんっ♡ ぷにぷにっ……もみもみぃっ……ぁ♡ はぁんっ♡ はぅ……はぁっ♡」
先ほどから俺を誘っている彼女の乳房に手を伸ばし、膨れきったその先に軽く触れると、アンカレッジは短く声を上げて動きを止める。
そのまま、無遠慮に強く捏ね回すと、それに合わせるようにアンカレッジは下腹部を突き立っている陰茎に強く押し付けていく。
「奥、気持ちいいか?」
「ぁ……ぁっぁっあっ♡ ん……ひゅっ♡」
俺の問いに答える余裕がなさそうに、声の代わりにこくこくと可愛らしく頷いたアンカレッジ。
そのまま奥を自分でひたすらいじめていた彼女は、そのうちゆっくりと大きなお尻を打ち付けるように動きを変える。
初めて性行為を知ったとは思えないほどに淫靡な腰使いに、視覚からの快感が押し寄せる。
「はぁっ♡ せんせーのっ……おちんちんっ♡ きもちいいよぉっ♡」
水音を響かせながら、快感を手繰り寄せてよがる。そんな彼女にさらに『きもちいい』をあげたいと、欲望が肥大していく。
「ぐっ……アンカレッジ……っ!」
一際強く震えるアンカレッジを、俺は体を起こして抱きかかえ押し倒した。
「──んひゃんっ!?♡ せんせぇ……?」
「アンカレッジ。お尻、こっちに向けてくれる?」
「おしり……んふぁっ♡ おちんちん……でちゃうっ……♡」
「また、すぐに気持ちよくしてあげるから」
姿勢を変えるために抜いた男根に熱い視線を注ぎながら、名残惜しそうに腰をへこへこと揺らすアンカレッジは、俺の言葉に頷いてお尻を向けてくる。
そんな彼女の秘所に愚息を充てがって、彼女の望みに応えるように一息で奥まで埋め尽くす。
こつりと先が当たる感覚と同時に、アンカレッジが悶えた。
「っあ……おくっ♡ はっんっ♡……ぁ゛♡」
「……奥、もっといじめてあげるからな」
「っ……♡」
驚きながらも媚びるような悲鳴を上げるアンカレッジに一言囁いて、奥を小さく何度も突いてあげる。そうすると彼女から溢れて止まない愛液が飛び散り、淫猥な粘音が部屋に響く。
「ぅ゛ぁあっ♡ やんっ♡ ……ぁぅあ゛♡」
「はぁ゛っ……くそっ、ほんとにっ……!」
エロすぎる。
アンカレッジにとって、知りもしなかった行為のはずだ。そのはずなのに、ここまでよがられて、媚びるような声を上げられて。
こんな姿を前にして興奮するなというのは、男として──雄として、無理だろう。
彼女の乱れた姿に、陰茎の付け根、そこより下で精子が急造されていくような感覚さえ覚えるほどに、性欲が刺激されて堪らないのだ。
とろとろになっているアンカレッジの膣を欲望のままに蹂躙すると、彼女の気持ちを代弁するかのように、竿やその先に甘えるように張り付いてくる。
そうして彼女のうねる膣壁を堪能していると、アンカレッジは徐々に自分からお尻を押し付けるようにしてきた。
まるで────
「ふっ…うぅ゛……ぅうう゛っ……♡」
「もしかして、奥……もっとぐりぐりしてほしい?」
「ぁっ……ぅ…やぁ♡ こわいっ……せんせー、こっ……こわいよぉっ♡」
「こら。逃げたらだめだよ」
「〜〜〜〜っ♡ ぁ゛うっ♡ んんぅっ♡」
彼女の乳房にも劣らない揉み心地の尻肉を強く掴み広げて、彼女の奥をさらに押し上げるようにすると、アンカレッジが逃げるように剛直を引き抜こうとする。それを許さないように尻を握る手に力を入れると、それだけで彼女は感じてしまっているようだった。
「大丈夫、俺がそばにいるから、何も怖くないよ。ほら、どうしてほしいか言ってみて」
「んうぅっ……はんっ♡ ぁう……せんせーのっ…おちんちんっ……お……おくっ♡……ぐりぐりって……してっ?♡」
余裕なく絞り出すようなアンカレッジの、俺に向けた媚びるようなおねだり。
きっと、彼女は無意識なのだろう。そのか細く辿々しく甘い声での懇願が、雄にどれほどの興奮をもたらすかなど、理解できてもいない。
けれど、彼女がどんなつもりかなど関係がなかった。俺にとってそれは、砂糖菓子よりもはるかに甘い毒となり、思考が溶けて本能に塗りつぶされていく。
「アンカレッジ。キス、しようか」
「っ♡ うん……するっ♡」
俺の言葉に嬉々として振り向いたアンカレッジ。
後ろから覆いかぶさるようにして、彼女を寝そべらせながら、赤く染まった頬にキスをして、彼女と口吻をする。
「んふっ……れろっ……んっ……れぁっ……♡ ──っ!?♡」
そうして彼女の舌と絡み合わせながら、子宮口に剛直を押し付けてぐりっと刺激をしていく。
その刺激にアンカレッジが身を捻ったことで顔が離れて、一瞬撓んだ橋が唇を繋いだ。
「ぁっふぁっ……ぉ゛………ぁ♡」
「ん、またイっちゃったか? まったく、本当にエッチなんだから」
「……ぇあっ♡ えっち……せんせー……アンカレッジ、えっち…………すき……?」
「……あぁ、とっても可愛くて好きだよ。もちろん、エッチじゃなくても、アンカレッジは可愛いけどな」
「……っ♡ えへっえへへっ♡」
浅く果てたアンカレッジの頭を撫で擦りながら、そのまま限界に到達するまで、彼女の両脇に手を置いて、尻肉を押しつぶしながら、中を蹂躙する。
浅く。深く。遅く。速く。弱く。強く。
突く度に緩急を変え、刺激する部分を変え、力加減を変えていく。
「んぐっ♡ ……ふぁ゛……♡ ……ぁっ♡ んうぅっ♡ もっとっ♡ なでなでぇっ♡ ……え……へへぇっ♡」
そんな中でもアンカレッジの要望に応えることも忘れない。
顔の見えない彼女は撫でられてご満悦のようで、蕩けた笑い声を響かせながら身体を震わせている。
汗をかいた彼女の背中に張り付いた長い髪。
突く度に耳に入るよがる声に、尻から出る乾いた音。
そして、それと同時に聞こえてしまうほどに大きな、結合部からする粘音。
それを感じながら、劣情のせり上がる感覚にとともに腰の動きをより強く、速くしていく。
「っ…アンカレッジ、もう出そうだっ……ぐっ……!」
「はぁんっ♡ せんせぇっ♡ だしてっ♡ きもちいいっ……なってぇっ♡」
アンカレッジの媚びきった叫び。
それが耳に入った瞬間。最後に大きく勢いをつけて、どちゅり、と奥を押し潰して。
「っ……はぁっ……イ……くっ!」
どくどく、と彼女の奥に吐き出すのと同時に──
「────はっ♡ う゛ぁんっ♡ ぁ゛うぅ゛……っ♡ 〜〜〜♡♡♡♡」
俺に後ろから覆いかぶさられて逃げ場のないアンカレッジは、シーツを握りしめながら、大きな嬌声を響かせて、大きく身体を反らし、イった。
「……っ♡ ……は……ぁ…ふ……ん……うぅ……」
数度の役目を終えた愚息を抜いて、アンカレッジの身体をゆっくりと仰向けにする。息も絶え絶えになったアンカレッジを撫でると、彼女は朦朧としながらも俺の手を掴んで、もっと撫でて欲しいと言外に強請ってきた。
それに答えて撫でてあげると、徐々に意識が降りてきたのだろう、純粋な笑みを俺に向けてくれた。
「せんせー。アンカレッジ……せんせーの、たいせつ……なれる?」
そんなアンカレッジの口から出た問いに、先頃の記憶が呼び起こされる。
そうだ、彼女と行為を及ぶことになった、そのきっかけ。
それは確かに、『大切な人』でない、と俺に言われたと思った彼女の、悲しそうな顔だった。
「アンカレッジは、俺にとってずっと大切な人だよ」
先ほども彼女に答えたその言葉に偽りはなかった。
幼気で、可憐で、純粋な彼女。そんな彼女のことを、俺は守りたいと、そう思っていた。
そんな大切なアンカレッジを、俺は……
どうにか責任を、取らなければ。
「んー、えっと……ちがくて……」
俺の密かな決意を知らないアンカレッジは、さっきの自分の疑問にしっくりきていないように首を傾げた。
「……とくべつ、なれる? せんせーと、いつもいっしょのみんなと、いっしょの……とくべつ」
いつも一緒みんな……特別…………まさか。
まさか、そうなのか?
「アンカレッジ、せんせー……すき。すき……だいすき……だいだいだいすき……! だから……せんせー、アンカレッジ……ゆびわ…ほしい…! せんせーのとくべつ、なりたい! ……うん!」
そう言ったアンカレッジの顔は晴れやかで、その言葉には彼女の想いが詰まっているのだと、考えずとも感じられた。
そして、彼女の言葉の意味が俺に伝わらない、などということもなかった。
「そう、か……」
それがアンカレッジの願い……なのか。
アンカレッジがそう望んでいるのなら……叶えてあげよう。
彼女を穢してしまった責任をとる。
一生をかけて、彼女を愛し続ける。
愛する子がアンカレッジ一人だけでないのに、責任を取るなどと、虫がいいとは自分でも思う。
けれど、他のことも変わらない愛を、この子にも注いでいく。
「わかった。アンカレッジ──俺と、ケッコンしてほしい。これからはお嫁さんとして、君を愛させてくれ」
「……っ! うん! アンカレッジ、せんせーの、およめさん!」
お互いに生まれたままの姿での、指輪のないプロポーズ。それにもかかわらず、アンカレッジは屈託のない笑顔を向けて応えてくれるのだった。
そうして、嬉しそうに抱きついてきたアンカレッジの髪を梳いて、そのお返しと言わんばかりに俺の髪をアンカレッジが梳いて、と戯れていると。
「……あ。おなか、すいてきた……」
その言葉と同時に、ぐぅ〜、と。大きな音が、アンカレッジのおなかから響いた。
時計を見ると、丁度正午に差し掛かる頃合い。
「アンカレッジ、一緒に食堂に行こうか」
「……ごはんも、いっしょ! いいの?」
「今日はずっといっしょにいるよ。約束、しただろ?」
今日の朝に、俺を探し回りながら不安がっていた彼女との約束。それを思い出したのだろう、アンカレッジは目を見開いて、今日一番の笑顔を咲かせた。
「……えへ! うん! アンカレッジ、せんせー、ひとりじめ、する!」
「せんせー! はやくはやく!」
「ああ、すぐ行くよ」
砂浜で手を振る彼女のもとに駆け寄ると、彼女はすぐに俺の手を握って嬉しそうに微笑む。
「さんぽ……せんせーと、いっしょ!」
大きなフリルのあしらわれた純白のドレスを纏った彼女は、夕暮れに照らされて一際可憐に映った。
「すなはま、やわらかい…アンカレッジ、ころばないようにがんばる……!」
「危なくなったら腕にしがみついて。ちゃんと支えるから」
「せんせー……うん、あぶなくなったら…ぎゅー、する……!」
ドレスと同じ色のヒールで歩く彼女の小さな歩幅に合わせて波打ち際を歩きながら、ふと先ほどまでの光景を思い返す。
アンカレッジと同じ所属のユニオンの子たちや、それ以外にも彼女と仲のいい子たちが中心となって手伝ってくれた、砂浜で挙げるケッコン式。
愛の誓いの時の、アンカレッジの満面の笑顔。
列席してくれた子たちからの祝福。
そして、列席者も巻き込んで突如始まった昼間からの花火大会。
『せんせい……みて! ハートのはなび…!』
暮れ始めた日を背に、目の前で宣言通りにハートを象るように手持ち花火を動かしたアンカレッジの笑顔が、朗らかな気持ちにさせてくれた。
そうして夕暮れ時まで続いた式だが、アンカレッジの一言で終了となった。
『おひさま、まだいるうちに……せんせいとアンカレッジ、さんぽ!』
そうして、挙式を手伝ってくれていた子達に片付けを任せて今に至る。
振り向けば、今も彼女たちが会場を片付けている光景が小さく見えている。彼女たちにも、お礼をしなきゃならないな。
「せんせー? どうしたの?」
「……ごめん、なんでもないよ」
だが、お礼については後日考えることにする。
今はアンカレッジとのささやかなデートを楽しみたい。
波の音が耳に入り、柔らかな潮風が肌を撫でる。
海を見ながら歩くアンカレッジに倣うように目を向けると、夕暮れ色の海が輝いている。
「きれいだな」
「……うん、キレイ…!」
ふと溢れ出た言葉にアンカレッジは頷いて足を止める。喜びに染まった笑顔で、海を眺める彼女の姿。
それを、とても美しい光景だと感じた。
「でも、今の海よりも、アンカレッジのほうがもっときれいだよ」
「……えへへ。せんせいも……キレイ!」
「ん、そうか? ありがとう、嬉しいよ」
煌めく瞳で俺を見つめる彼女の柔らかな頬を手の平で優しく撫でると、ゆっくりと目を細めて繋いだ手を何度もぎゅっと握ってきた。彼女の頬が赤く染まっているのは、夕日に照らされているから……というだけではないだろう。
「……せんせー」
「うん?」
「アンカレッジ……せんせー、すき! だから……ずっと、いっしょ……せんせーと、アンカレッジ……ずっと、ずっといっしょ!」
彼女と繋いでいた、俺の左手。その薬指の付け根のそれを確かめる様に、彼女の指が撫でる。
「ああ、ずっと一緒にいよう」
「……えへへ、うん! ……せんせー、かお……ちかづけて?」
幼気な笑顔で頷いたアンカレッジはそう言って、俺の頬に手を添える。
彼女の手に導かれるまま、俺は彼女と[[rb:口吻 > くちづけ]]を交わす。
永遠に愛すると誓ったその時の添え当てるようなものではない、柔らかく少しだけ深いそれ。お互いの唇を感じながら、俺はアンカレッジの潤んだ瞳と視線を絡ませ合う。
波の寄せる音を聞きながら、どれくらいの間、彼女の瞳の中の夕日を眺めていただろうか。
やがて、どちらからともなくゆっくりと顔を離した。
俺は添えられていた彼女の左手に自分の手を添えて、今度はこちらから繋ぐ。
先ほどから頬に感じていた、彼女の薬指にあるひやりとしたそれを手でも感じて、実感が込み上げてくる。
──あぁ、俺は。本当にこの子と、ケッコンしたんだな。
きっかけは、あまりいいものではなかったと言い切れてしまえる。けれど、後悔はあれど、それはあくまでも脆い自分の理性に対する呆れ、というべきものであって。
アンカレッジとこうなることが、嫌だというわけでは、断じてない。
右手に少しだけ力を入れると、彼女は上目で俺を見ながら、嬉しそうに握り返してくる。
そんな彼女に、胸の奥から温かく確かな愛が溢れ出る。
「……アンカレッジ。とってもかわいいよ」
「えへへ…ほんと?」
「あぁ、本当にかわいい、大好きな笑顔だ」
「アンカレッジも……せんせー、えがお……だいすき! アンカレッジ、がんばって、まもる!」
「……ありがとう。俺も、アンカレッジの笑顔を守る。改めて、誓うよ」
「うん! せんせー……ずっと、えがお! アンカレッジと、いっしょ…!」
その瞳に決意を宿して、俺にそう言った彼女ともう一度、唇を重ねる。
「せんせい……アンカレッジ、せんせい……あいしてる…うん!」
「俺もだよ。アンカレッジ、愛してる」
お互いの愛を囁いて、微笑み合う。
「あっ!」
夕日に照らされた美しい笑顔のアンカレッジは、何かを思い出したかのように繋いでいた手を離して、自分の胸の谷間に右手を……ん!?
「ど、どうしたんだ?」
「うんっしょ……あった!」
そうして彼女が取り出したのは、一本の手持ち花火だった。
「な、なんでそんなところに……」
「みんなと、はなびであそんでたとき……ブレマートンがしまったの!」
「なにしてるんだ彼女は……」
俺の困惑をよそにアンカレッジは瞳を輝かせて、俺に花火を向けてくる。
「せんせー……アンカレッジのはなびに…ひをつけて!」
……そういえば、昼間に火をつけるために使ったライターがちょうど懐にある。これをやや強引に『いいからいいから、しまっておきなよ! どこで役立つかも知れないでしょ?』と言ってきたのは確か──ブレマートンだった。
若干困惑しながらも手持ち花火に火をつけてあげると、アンカレッジは楽しそうに駆け足になり、俺から少しだけ距離をとった。
「もういっかい……せんせいに、ハートのはなび…! あげる!」
砂浜で花火でハートを描きながら、純白を纏った少女が舞う。
嬉しそうに何度もハートを作ってみせる彼女を、夕日と寄せる波が演出する。
その姿に、幸せが心を満たしていく。
アンカレッジの指輪が夕日に照らされて、彼女の輝く笑顔に呼応するように一際強く輝いていた。