次にアルが目を覚ましたのは、太陽が空高く昇った、昼下がりのことだった。
「……んん」
全身を包む、心地よい倦怠感。まるで上質な羽毛布団に包まれているかのような、気だるい感覚に、アルはしばらくの間、微睡みを楽しんでいた。
(……よく寝たわ……)
昨夜の出来事は、まだ夢の中にあった。激しい快感を伴う、少し不思議で淫らな夢。その余韻が、まだ体の奥にくすぶっているような気がする。
アルはゆっくりと体を起こした。その瞬間、股の間に微かな痛みと、何かが流れ出るようなぬるりとした感覚を覚えて、小さく眉を顰める。
「……?」
寝台を見下ろすと、毛皮のシーツには見覚えのない湿った染みが広がっていた。そして、自分の体からは、汗と、それとは違う濃厚な匂いがする。
(……変ね。汗をかいただけかしら……)
まだ頭がぼんやりとしていて、昨夜の出来事が夢ではなかったという事実に、アルはまだ気づいていない。
気を取り直して、小屋の外の様子を窺うために、入り口の布をそっとめくった。
そして、目に飛び込んできた光景に、アルは完全に固まった。
集落の様子が、昨日とは一変していた。
昨日は女と子供、老人ばかりだった場所に、屈強な男たちが大勢加わっている。彼らは狩りから帰還したのだろう、集落は活気に満ち溢れていた。
だが、アルが驚いたのは、そのことではない。
集落の、至る所で。
男と女が、肌を重ね合わせていたのだ。
家の壁に女を押し付け、背後から腰を突き上げている男。広場の真ん中で、複数の女に囲まれ、その体を好き放題に貪られている男。木陰で、岩の上で、川のほとりで。場所も時間も関係なく、まるで獣のように、彼らは交わっていた。
女たちの表情は、苦痛ではなく、恍惚とした悦びに満ちている。漏れ聞こえてくるのは、甘く蕩けた嬌声ばかり。それは、昨日アルが見た女同士のスキンシップなどとは比べ物にならないほど、直接的で、あからさまな性行為だった。
(な……な、な……)
アルは言葉を失う。
(こ、これも……風習……? い、いや、流石にこれは……!?)
アルの楽観的な思考回路が、ようやく目の前の現実についていけなくなる。
これは、ただの「スキンシップが盛んな文化」などという生易しいものではない。集落全体が、一つの巨大な宴の場と化している。男たちが狩りから帰還したことを祝う、性の祭典。
そして、アルの脳裏に、昨夜の“夢”が鮮明に蘇った。
あの湿った音。腹の底を突き上げる熱い塊。全身を駆け巡った、稲妻のような快感。そして、自分の口から漏れた、淫らな嬌声。
あれは、夢ではなかった。
「ひっ……!」
アルは短い悲鳴を上げ、慌てて小屋の中に引っ込んだ。
自分の体に残る微かな痛みと、濃厚な匂いの意味を、今、完全に理解した。
昨夜、自分も、この性の祭典に巻き込まれていたのだ。
顔が、カッと熱くなる。羞恥と、混乱と、そして微かな恐怖。
(ど、どうしよう……! 私、これからどうなっちゃうの……!?)
陸八魔アルの、本当の意味での受難は、まだ始まったばかりだった。
アルが小屋の中に逃げ帰ってからも、外の喧騒は止むことがなかった。
布の隙間から恐る恐る外を覗くと、信じられない光景が続いている。
ある女は、背後から男に腰を激しく突き上げられながら、隣の女と何事もなかったかのように談笑している。別の場所では、男の腰に跨ったまま、器用に木の実の皮を剥いている女もいた。
彼らにとって、性行為は呼吸をするのと同じくらい、日常的な営みの一部なのだ。仕事も、会話も、食事も、すべてが性と地続きにある。中には、互いの体を貪り合い、熱いキスを交わしながら、恍惚とした表情で見つめ合っている恋人同士のような男女もいる。そこには羞恥などという概念は存在せず、ただ生命の根源的な喜びだけが満ち溢れていた。
(なんなのよ、この部族は……! 破廉恥にも程があるでしょう……!)
アルは顔を真っ赤にしながら、頭を抱えてその場にうずくまった。
昨夜の出来事が、フラッシュバックする。見知らぬ男に体を貫かれ、快感に溺れ、無様に喘いだ自分の姿。あれが、この集落では「当たり前のこと」だというのか。
(これからどうすればいいの……? 酋長が帰ってくるまで、ここにいなくちゃなのよね……? まさか、毎晩あんなことを……!?)
想像しただけで、身の毛がよだつ。いや、体の奥が疼くような、奇妙な感覚も同時に湧き上がってくる。昨夜の快感が、まだ体に染み付いているのだ。
混乱する頭で、必死に今後の対策を練る。便利屋68の社長として、この状況をどう切り抜けるべきか。逃げ出す? いや、この険しい峡谷から一人で脱出するのは不可能に近い。戦う? 相手は屈強な戦士たちだ、勝ち目はない。
「うぅ……もうおしまいだわ……」
絶望に打ちひしがれ、アルが床に突っ伏した、その時だった。
小屋の入り口の布がめくられ、一人の女が顔を覗かせた。それは、昨夜アルの体を弄んだ女の一人だった。彼女はにこやかに微笑むと、大きな木の葉を皿代わりにした食事を手に、中へ入ってきた。
「……!」
アルは思わず身構える。だが、女は特に何も気にする様子はなく、アルの前に食事を置くと、にこやかに何かを話しかけてきた。
言葉は分からない。しかし、女は目の前の食事を指差し、次に外で交わっている男女を指差した。そして、男たちが力強く弓を引いたり、槍を構えたりするジェスチャーをする。
どうやら、「男たちが頑張って獲ってきたご馳走だから、たくさんお食べ」とでも言っているらしい。その表情には、昨夜の淫らな雰囲気は欠片もなく、ただ純粋な善意だけが浮かんでいる。
そのあまりのギャップに、アルは毒気を抜かれてしまった。
目の前に並べられた食事は、昨日までのものとは比べ物にならないほど豪華だった。昨日までは、干し肉と固い木の実、それに水だけという質素なものだったのだ。
(なるほど……昨日までのは、男たちがいない間の節約食だったというわけね)
アルは一人納得する。目の前には、こんがりと焼かれた、香ばしい匂いを立てる大きな肉の塊。色とりどりの瑞々しい果物。そして、乳白色の液体が満たされた木の器。
ぐぅ、とアルの腹の虫が盛大に鳴った。羞恥も恐怖も、食欲の前では一時的に後退する。
(……しょ、しょうがないわね。せっかく持ってきてくれたんだから、食べてあげないのは失礼だもの)
これもまた、アウトローとしての礼儀だ。アルは咳払いを一つすると、あくまでも施しを受けるのではない、という態度を装いながら、肉の塊に手を伸ばした。
一口かぶりつくと、口の中にじゅわっと肉汁が広がる。絶妙な塩加減で、噛めば噛むほどに旨味が溢れ出てきた。
「お、美味しい……!」
思わず声が漏れる。空腹は最高のスパイスとはよく言ったものだ。アルは夢中で肉にかぶりつき、喉が渇けば果物を頬張った。
中でも、アルが特に気に入ったのは、白くて丸い、ライチのような見た目の木の実だった。恐る恐る口に含み、その薄い皮を歯で破る。
途端、とろりとしたクリーミーな果肉が舌の上に広がり、同時に芳醇で甘い香りが鼻腔をくすぐった。瑞々しくて、濃厚で、それでいて後味はすっきりとしている。ゲヘナの高級レストランで出てくるどんなデザートにも負けない、極上の味だった。
「な、なんなの、この木の実は……! 美味しすぎるわ!」
アルは目を輝かせ、次から次へとその木の実を口に放り込む。女はそんなアルの姿を、満足そうに微笑みながら見つめていた。
食事に夢中になるうちに、アルの心はすっかり落ち着きを取り戻していた。
(まあ、昨日のことは事故よ、事故! 文化の違いで起きた不可抗力なんだから、くよくよしていても仕方ないわ!)
持ち前の楽観主義が、再び頭をもたげる。
(それに、この木の実……! これはビジネスになるかもしれないわ! これをゲヘナに持ち帰って販売すれば、大儲け間違いなしよ!)
転んでもただでは起きない。それが陸八魔アルという女。
すっかり元気を取り戻したアルは、最後の木の実を口に放り込み、満足げにため息をついた。
その時、アルはまだ知らなかった。
彼女が今食べたそのクリーミーで美味しい木の実が、この部族において常用されている、特殊な果実であることを。そして、それをお腹いっぱい食べた自分の体が、今夜、どれほど大変なことになるのかを。
その日の夜。
アルは豪華な食事に満足し、すっかり元気を取り戻してはいたものの、やはり昨夜の出来事が頭から離れなかった。
寝台に横になっても、目が冴えてしまって眠れない。耳を澄ませば、外からはまだ、時折女たちの甘い嬌声と、男たちの荒い息遣いが聞こえてくる。その音が、昨夜の記憶を嫌でも呼び覚ました。
(……だめよ、考えちゃ……)
アルは必死に頭を振って雑念を追い払おうとする。だが、一度知ってしまった快感は、体の奥底に根を張っていた。
思い出せば思い出すほど、体の中心が疼き始める。見知らぬ男の硬く熱いちんぽが、自分の内側を抉った感触。子宮の奥が痺れるほどの、圧倒的な絶頂。
「ん……っ」
無意識のうちに、アルの指が自らの体を探っていた。部族の衣装は、その行為を阻むものなど何もない。指先が、昨日と同じように胸の革帯を解き、硬く尖った乳首に触れる。
「ひゃぅ……!」
自分で触れているだけなのに、びくりと体が跳ねる。それほど、昨日の快楽はアルの体を敏感に変えてしまっていた。
指は乳首を弄びながら、ゆっくりと下腹部へと降りていく。そして、まだ微かに熱を持っている秘裂へとたどり着いた。
そこは、昨日食べた木の実の効果なのか、それとも昨夜の記憶のせいなのか、既にじっとりと湿り気を帯びていた。
「はぁ……っ、んん……」
指が濡れた肉の襞を掻き分け、小さなクリトリスに触れる。く、くり、と優しく刺激すると、脳に直接響くような甘い痺れが走った。
「あ……っ! だめ、こんな……っ!」
理性が最後の抵抗を試みる。だが、もはや欲望の奔流を止めることはできなかった。
指はより大胆に、深く、自分の内側を探っていく。昨夜、男のちんぽが埋め尽くした場所を、自分の指でなぞる。
「あっ、あぁ……ん、んぅ……っ!」
一人きりの小屋に、アルのくぐもった喘ぎ声が響く。
昨夜の男の腰つきを思い出しながら、自分の指を激しく動かす。もっと、もっと気持ちよくなりたい。あの時のような、意識が飛ぶほどの快感が欲しい。
「い、く……! いっちゃう……! ❤️」
やがて、体は限界を迎え、アルは一人、寂しい絶頂に達した。びくん、びくんと痙攣する体を押さえつけ、声を殺して喘ぐ。
(……私、どうしちゃったのかしら……)
天井を見つめながら、アルは疲れ果てて眠りに落ちた。
◆◇◆◇◆◇
翌朝。
アルは重い体を引きずるようにして目を覚ました。昨夜の自慰行為のせいか、体は気だるく、気分も晴れない。
昨日と同じように、部族の女が朝食を運んできてくれた。メニューはまたしても、あの美味しい木の実が中心だった。
そして、朝食を終えてしばらく経った頃だった。
アルの腹部に、今まで感じたことのないような、強烈な便意が突如として襲いかかったのだ。
「~~~~~っ!?」
ぐ、ぎゅるるるるっ! と、腸がのたうつような激しい動き。腹の中で、何かが凄まじい勢いで出口へと向かってきている。
(く、くるしい……! な、なによこれ……!?)
顔面を蒼白にさせ、アルは下腹部を押さえてうずくまる。これは尋常ではない。今すぐに出さなければ、大変なことになる。
だが、この集落にトイレなどという文明的な設備があるはずもない。アルは慌てて小屋の外に飛び出し、昨日食事を運んできてくれた女を捕まえて、必死にジェスチャーで訴えた。腹を抱え、苦悶の表情を浮かべ、森の方を指差す。
女はすぐにアルの言いたいことを察したようだ。にこやかに頷くと、集落から少し離れた、木々が鬱蒼と茂る森の一角を指差した。どうやら、あそこが共同の便所代わりになっているらしい。
アルは礼を言うのももどかしく、一目散にその森へと駆け込んだ。
人気のない、開けた場所を見つけると、アルはためらうことなく葉のスカートをたくし上げ、その場に屈み込んだ。
もう限界だった。肛門が、内側からの猛烈な圧力で、はち切れんばかりに押し広げられている。
「んんん────ーっっ!!」
アルは顔を真っ赤にして、力いっぱい気張った。
すると、むり、むりむり……! と、信じられないほどの太さの何かが、肛門をこじ開けて顔を出す。
「ひっ……! な、なにこれ、太い……! 太すぎるわ……っ!」
これほどまでに巨大なものが、自分の体の中から出てくるという事実に、アルは恐怖と羞恥でパニックに陥りそうになる。
あの木の実の効果だった。豊富な食物繊維が便をまとめ上げ、たっぷりの油分が滑りを良くし、そして未知の成分が腸の蠕動運動を異常なまでに活発化させる。それらが合わさって、驚異的な快便作用をもたらしていたのだ。
「んぐぅぅぅううううううっっ!!!!」
アルはありったけの力を込める。
ぶりりりりりりりりッッ!!!
凄まじい音と共に、極太のそれが一気に肛門から押し出された。どぶり、と重い音を立てて、地面に巨大なとぐろを巻く。それは、アルの華奢な体からは想像もつかないほど、立派で、長く、そして太い一本糞が鎮座していた。
だが、それで終わりではなかった。
「まだ……出るの!?」
一度栓が抜けたことで、腸の動きはさらに活発になる。アルは近くの木の幹に必死にしがみつき、尻を高く突き出すような格好になった。
「んんんんん────ーっ!」
ぶりゅっ、ぶりゅりゅりゅりゅりゅぅぅぅっ!!
もはや自分の意思では止められない。第二、第三の極太の糞が、次々と産み落とされていく。肛門はヒリヒリと痛むはずなのに、それ以上に、ぬるりとした巨大なものが体内を通過していく奇妙な快感が勝っていた。まるで、腸の中を直接撫でられているような、背徳的な感覚。
腸の中が空っぽになるまで、その猛烈な排泄は続いた。
やがて、嵐が過ぎ去ったように静かになると、アルは木の幹に体を預けたまま、ぜぇぜぇと荒い息をついた。尻を突き出し、肛門を無防備に晒したまま、ただ呆然と、自分が産み落としたものの山を見つめる。
羞恥と、驚愕と、そして今まで感じたことのない種類の、奇妙な達成感。アルはしばらくの間、その場から動くことができなかった。
その時だった。
背後の茂みが、がさがさと音を立てた。
「……!?」
アルが驚いて振り返ろうとした瞬間、茂みの中から一人の男がぬっと姿を現した。
その男は、これまでアルが見てきた屈強な戦士たちとは違い、腹はだらしなくたるみ、覇気のない、眠そうな目をしていた。部族の中では、おそらく狩りにも出ない、いわゆる「はみ出し者」のような存在なのだろう。
男は、アルの姿──尻を突き出し、大きく開いた肛門を無防備に晒している、そのあまりにも淫らな痴態──を認めると、その眠そうな目に、じっとりとした欲望の光を宿した。
彼の股間もまた、正直に反応していた。だらしない体つきとは不釣り合いなほど、立派なちんぽが、彼の貧相な腰布を力強く押し上げている。
「あ……あな、た……」
アルは恐怖で声が震える。今、自分は最も無防備で、最も屈辱的な格好をしている。逃げようにも、腰が抜けて力が入らない。
男は何も言わず、ぬるりとした笑みを浮かべながら、アルの背後へと回り込んだ。そして、おもむろに自身の腰布を解き放つ。
現れたちんぽは、興奮で赤黒く膨れ上がり、先端からは粘り気のある先走りが滴っていた。
「や……やめて……!」
アルが懇願の声を上げるが、男はそれを無視した。
男はアルの腰をがっしりと掴んで固定すると、その無防備に開かれた肛門に、自身の熱く硬いちんぽの先端を押し当てる。
「ひぃっ!?」
冷たい空気と、熱い異物の感触。そのコントラストに、アルの全身が総毛立つ。
普通であれば、そこは決して異物を受け入れる場所ではない。無理に入れようとすれば、激痛が走るはずだ。
だが。
あの木の実の効果は、快便作用だけではなかった。その豊富な油分は、腸壁の粘膜を厚くコーティングし、まるでワセリンを塗ったかのように保護し、滑りを良くする効果も持っていたのだ。
男が、ゆっくりと腰に力を込める。
にゅるり。
「あ……え……?」
アルの口から、困惑の声が漏れた。
痛みはない。あるのは、固く閉ざされていたはずの場所に、ぬるりとした異物が滑り込んでくる、信じられない感触だけ。男の亀頭が、抵抗なく肛門の括約筋を押し広げ、中へと侵入していく。
男はすぐに恍惚とした表情を浮かべると、残りの部分を一気に根元まで突き入れた。
「んぐぅううううううっっ!!!!」
アルの体が、再び大きくのけぞった。
膣とは全く違う、内側を無理やりこじ開けられるような、圧迫感と背徳感。だが、痛みはない。むしろ、さっきまで便が詰まっていた場所を、熱い雄のちんぽが埋め尽くす感覚は、脳を直接揺さぶるような、倒錯的な快感を生み出していた。
「あ……ぁ……っ! だ、だめぇ……! そこは、だめなのにぃ……っ!」
口では拒絶しながらも、アルの体は正直だった。男の動きに合わせて、腰がくねくねと蠢き、そのちんぽを奥へと受け入れようとしてしまう。
男は満足げに喉を鳴らすと、アルの腰を掴んだまま、ゆっくりと、しかし確実に、腰を突き上げ始めた。
ぐちゅ、ぐちゅ、と、膣とは違う、鈍く粘着質な水音が、静かな森に響き渡る。
陸八魔アルは、今、人生で初めて、その聖域を男に犯されていた。
(この男……きっといつもこうしているんだわ……!)
アルの脳裏に、一つの推測が浮かぶ。
この覇気のない男は、部族の屈強な戦士たちのように、女たちから相手にされることがないのだろう。だから、こうして女たちが無防備になる排便の瞬間を狙い、その欲望を晴らしているに違いない。あの木の実を食べた女が、驚くほど素直に後ろを受け入れることを、経験則で知っているのだ。なんという卑劣で、狡猾な男だろうか。
(最低よ……! 便利屋68の社長であるこの私に、こんな卑怯な真似を……!)
憤慨するアル。だが、その怒りとは裏腹に、体は男の与える快感に抗えなくなっていた。
「んっ……ぐ、ぅ……! ひ、ぐっ……!」
男の腰使いは、決して巧みではなかった。ただ、己の欲望のままに、がむしゃらに腰を打ち付けてくるだけだ。しかし、その粗野な動きが、かえってアルの腸壁を隅々まで刺激し、未知の快感を呼び覚ます。
快感のスイッチが男のちんぽによって的確に押されていた。ぐり、ぐりと直腸の壁が抉られるたびに、膣を犯された時とは全く質の違う、脳天を突き抜けるような鋭い快感がアルの全身を貫く。
「あ……っ! あぁん! ❤️そこ、だめ……! そこを突かれたら、おかしくなっちゃう……っ! ❤️」
もはや、アルの口から出るのは、拒絶ではなく、快感を求める淫らな喘ぎ声だけだった。木の幹に掴まる手に力が入り、白い指が食い込む。突き出された尻は、男のちんぽを受け入れるため、自らいやらしく左右に振れていた。
男はアルの反応を見て、さらに興奮したように息を荒くする。そして、アルの背中に覆いかぶさると、その豊かな乳房を背後から鷲掴みにし、激しく揉みしだきながら、腰のピストン運動を加速させた。
「ひゃんっ! ❤️あっ、あっ、あっ! ❤️だめ、だめだめ! それ以上やったら、私、本当に……っ!」
前と後ろからの同時攻撃に、アルの理性は完全に焼き切れた。
腸内をかき乱される背徳的な快感と、乳房を揉まれる直接的な快感。二つの快楽の波が、アルの中で混じり合い、螺旋を描きながら増幅していく。
「いぐ……! いっちゃう! うんち穴でイくぅぅぅぅぅっ! ❤️❤️❤️」
意識が、遠のいていく。
視界の端が、ちかちかと点滅し始めた。全身の力が抜け、ただ男の腰の動きに身を任せるだけの肉人形と化す。
そして、男が最も深く、強く、そのちんぽを突き入れた瞬間。
「んほおおおおぉぉぉっ!!!! ❤️❤️❤️❤️❤️❤️」
脳が、灼ける。
膣での絶頂とは比べ物にならない、暴力的なまでの快楽の奔流が、脊髄を駆け上り、アルの全てを破壊した。
そして、その強烈すぎる絶頂と同時に。
じょわああああ────ーっ……
アルの股間から、熱いものが勢いよく放たれた。快感のあまり、尿道括約筋が完全に緩み、我慢できずに失禁してしまったのだ。黄金色の液体が、放物線を描いて地面に叩きつけられ、じゅう、と音を立てて土に吸い込まれていく。
白目を剥き、口から泡を吹き、全身をがくがくと痙攣させながら、アルは前と後ろから同時に体液を垂れ流すという、この上なく無様で、屈辱的な絶頂を迎えた。
男は、アルの腸内の激しい収縮に刺激され、ほぼ同時に絶頂に達した。
「う、おおぉぉ……っ!」
低い唸り声と共に、男の精液がアルの腸内深くに、どくどくと注ぎ込まれていく。温かい液体が腸壁にぶちまけられる感覚が、失神寸前のアルの意識に最後の追い打ちをかけた。
やがて、男は満足したようにアルの尻からちんぽを引き抜くと、一瞥もくれることなく、再び茂みの中へと消えていった。
一人残されたアルは、木の幹に寄りかかったまま、しばらくの間、動くことができなかった。
尻からは男の精液がとろとろと流れ出し、足元には自分が産み落とした糞と、失禁した尿の染みが広がっている。
その光景は、あまりにも惨めだった。
しかし、不思議なことに、アルの心は先程までの混乱が嘘のように、すっきりと晴れ渡っていた。
腸の中が空っぽになり、膀胱も空になった。体の中に溜まっていた不要なものが、物理的に全て排出されたせいだろうか。体は驚くほど軽く、気分も爽快ですらあった。
(……なんだか、調子がいいわ……)
釈然としない気持ちはある。便利屋68の社長として、あってはならない屈辱を受けた。だが、それと同時に、この奇妙な爽快感もまた事実だった。
(……ま、まあ、これも異文化体験の一環よ! そう、デトックスよ、デトックス! おかげで体はすっきりしたし、結果オーライということにしておきましょう!)
彼女は、汚れた尻を近くの葉で拭うと、何事もなかったかのように立ち上がり、集落へと戻っていく。
その足取りは、ここへ来た時よりも、心なしか軽快だった。