機動戦士Gundam GQuuuuuux 逆転した世界 裏側 作:ボルメテウスさん
「なあ……俺にもやらせてくれよ」
夕食後、ソファでくつろぐマチュの後ろに立つ。彼女は振り返らずに言った。
「ん〜? なにを?」
「昨日のお返しだ。俺もお前を脱がせてみたい」
一拍置いてマチュがこちらを向いた。目が細くなっている。
「ほぉ……」
その口調には明らかな警戒心があった。が、拒否はしない。むしろ期待が透けて見える。
「じゃあ……やってみて」
椅子から立ち上がるマチュ。今日は珍しく制服と紺色のセーターを着ている。学校指定の膝丈スカートに白いブラウス。いつもの彼女にしては落ち着いた格好だ。
「セーターから行くぞ」
指で襟元を掴むと、マチュの背中が僅かに硬直するのがわかる。彼女は何も言わずただ立っている。首の後ろまで来たところで一度手を止めた。
「ん?」
不審そうな顔で振り返るマチュ。その頬が微かに紅潮している。
「あ……いや」
わざと曖昧に返して再び脱がせ始める。ゆっくりと一枚ずつ服を取り除いていく行程は思った以上に官能的だった。特にブラウスのボタンを外すときのマチュの反応が興味深い。
一つボタンを外すごとに彼女の呼吸が浅くなる。
「ふ……」
微かな吐息が漏れる。それが妙に艶めかしい。
「なんでそんな丁寧なの?」
抗議するような口調だが目線は逸らされたままだ。それが余計にそそる。
「焦らしてたら怒るだろ?」
冗談めかして返すと彼女は黙り込んだ。代わりに髪を掻き上げる仕草が色っぽい。
ブラウスの前を開き終え、ついに下着が現れる。淡いピンクのキャミソール。その下には黒のシンプルなショーツ。
「……ランガのえっち」
恨み節を唱えるマチュだが声は小さく震えている。明らかに高揚しているのが伝わってくる。
キャミソールの紐を肩から外す際、首筋に指が触れた。
「んっ!」
短い悲鳴が上がった。そのまま肩を滑らせるように袖を通すと華奢な腕があらわになる。
「きれいだな」
思わず呟いた言葉にマチュが顔を赤く染めた。
「そういうこと……言わないで」
恥じらいを含んだ声。それが俺の理性を壊していく。
スカートのホックに手をかけた瞬間、マチュの身体が一際強張った。
「いい……自分でやる」
逃げるように後ずさる彼女の手を掴む。
「駄目だ。最後まで見届ける」
強い口調にマチュが怯えた目で見上げてくる。
ホックを外しチャックを下げる。パサリと床に落ちた布地の下から健康的な脚が伸びている。その光景に一瞬眩暈がした。
ショーツ一枚になったマチュの姿は信じられないほど扇情的だった。普段の元気な印象とはまるで違う儚げな美しさがある。
「……ランガ?」
不安げな声に我に返る。慌てて視線を逸らす。
「すまん……見惚れてた」
正直に告白するとマチュは小さく笑った。
「変態」
罵倒の言葉も可愛らしい。改めて目の前の裸体を観察する。
細くくびれた腰回りと柔らかそうな曲線美。それらが全て自分だけのものであるという実感が湧いてくる。
「やっぱり俺のものだ」
無意識に出た独占欲の表明にマチュは困ったような顔をした。
翌朝。ベッドの中で目覚めると彼女が既に起き上がっていた。
「おはよう」
掠れた声で挨拶するマチュ。窓からの陽射しが裸体を照らしていて眩しい。
「今日は一緒に出勤するか?」
提案すると彼女は嬉しそうに頷いた。
クローゼットに向かう彼女を追いかける。
「手伝おうか?」
冗談めかして聞くとマチュが振り返り、不敵に笑う。
「助かるよ」
そして制服一式を投げて寄越す。受取る際の紙袋の擦れる音さえ淫靡に感じてしまう。
「まずブラウスからな」
袖を通すマチュの背後に立ち、後ろのボタンを留めていく。
一つ目で既に違和感があるようだ。
「ちょっと……きつくない?」
抗議されながらも構わず進める。全て留め終えた時には彼女の肩が震えていた。
次にスカート。ベルトを締める際に腰回りを確かめるように触れた。
「……っ!」
マチュが息を詰める音が聞こえる。
「どうした?」
わざと聞いてみると彼女は恨みがましく睨んできた。
「何でもない!」
それでも俺の手を払うことはしない。最後にネクタイを締め始める。
首元の生地が肌に擦れる度、マチュの身体が小刻みに震えた。
「これくらいかな」
完了を告げる俺に彼女は呆然とした表情を見せる。鏡の前で姿を確認するマチュの姿勢は硬い。
第一ボタンまでしっかり留められた襟元。きっちり結ばれたネクタイ。全てが彼女の自由を制限している。
「……なんだか別人みたい」
ぽつりと漏れる感想に満足感が込み上げる。これが俺の望みなのだ。
ドアを開けようとするマチュの手を掴む。
「忘れてる」
鞄を渡す時にわざと指を絡めてみる。彼女は一瞬躊躇ったが素直に受け取った。
玄関を出ると涼しい風が吹き抜ける。
「行こう」
促すとマチュは頷いた。その横顔に昨夜の余韻が残っている。
駅までの道中何度も振り返ってくる。その度に視線が下がり、首元で固定される。
「似合ってるよ」
褒めるとマチュが微かに笑う。しかしその表情はどこか切ない。
ホームで電車を待つ間もずっと監視されているような気がした。周りの視線よりも彼女の眼差しが強い。
発車ベルが鳴り扉が閉まる直前、マチュが呟いた。
「ありがとう」
その声に滲む感謝と恐れが奇妙に心地よかった。
職場に着くと早速仲間たちの好奇の目が向けられる。
「お揃いじゃないか」
茶化す同僚に愛想笑いを返すマチュ。その肩は明らかに緊張している。
昼休み。カフェテリアで向かい合う。
「疲れたか?」
尋ねると彼女は苦笑した。
「ちょっとね」
でも続けた言葉に驚かされた。
「でも悪くないかも」
その柔らかな微笑みはまるで別人だった。
帰り道、また手を繋いで歩く。街灯の下でマチュが立ち止まった。
「ねえ」
振り返る彼女の瞳は潤んでいる。
「また……してくれない?」
その誘惑に抗えるはずがない。
再び始まる夜の儀式。服を脱がせ合う行為が新たな日常となっていった。
そして気づけば誰もいない部屋で二人きりの時間が一番幸せだと感じるようになっていた。世界が狭まっていく感覚が麻薬のように脳髄を侵食する。
でもそれで良かった。これが俺たちの選んだ形なのだから。