とあるセフレたちの週末 〜繋がりっぱなし交尾で貪りあう二泊三日間〜 作:若菜はかり
――やばい。マズった。
気づけば俺は、ベッドの上に仰向けで転がった真衣に覆いかぶさっていた。
演技を忘れた彼女の瞳が当惑に揺れる。それを見て、自分の軽率さに冷や汗が滲んだ。
『彼氏持ちの女子高生に詰られて逆上した家庭教師が、強引に迫って彼女を寝取る』。
言ってしまえば、今回のプレイの設定は以上の通り。だから大筋でいえば俺の行動に間違いはないのだが、事前の段取りからは少しばかり逸脱していた。
口論はもっと長めで、徐々にヒートアップしていく手はずだった。そのうちに俺と真衣が揉み合いとなり、一緒にベッドに倒れ込む。もちろん勢い余って怪我などしないように、二人で息を合わせる必要もあった。
それなのに俺はつい我を忘れ、彼女を強引に押し倒してしまった。
何故だ? まさかとは思うが、真衣が元カレの名前を口にしたからか?
予定にないアドリブだったのは確かである。あれほど苦い別れ方をした相手をこうしてプレイのネタにするのも驚きだったし、若干無節操に感じたことも否めない。
しかしだからといって、それが暴走の引き金になるほどの失言だったか?
これでは、俺がまるで――。
「……どうしたんですか、先生? 勢いよく押し倒しておいて、やっと自分が大変なことをやらかしたって気づきましたか?」
俺が自己嫌悪と自問自責に陥る中、真衣は一早く役者の仮面をかぶり直すと、強気を装った女子高生らしい憎まれ口を吐いた。
その煽るような声音に、俺はハッと顔を上げた。
――ちょっとしたアクシデントはあったけど、プレイは続行しよ?
真衣は小さく頷き、言外にそう告げていた。
それに安心して、俺も気を取り直した。激昂した家庭教師に再びなりきり、手始めに彼女の両手首を頭の上で抑えつけて、嘲笑うように笑みをつくる。
「そんな風に言えるのも今のうちだぞ。俺が男の怖さってやつをみっちり教え込んでやるからな」
空いた片手で制服のネクタイを解き、手首を縛ってベッドフレームに結び付ける。
もちろん強く締めすぎないように気をつけた。そうしてベッドから降りると、ローテーブルに置いていた麦茶のペットボトルを手に取った。
「隙を見て飲ませようと思ってたんだが、こうなっちゃ仕方がないな」
「な、何を言って……?」
真衣が戸惑いの声を漏らす。俺はそれに答えぬままボトルの中身を一口含むと、彼女にもう一度のしかかり、強引に唇を奪った。
「んっ、んんん……?!」
引き結ばれた唇をこじ開け、麦茶を彼女の口内へと流し込む。
一応拒絶するふりをしてみせるが、実際にはほぼ無抵抗だった。吐き出すこともせず、こくりと喉を鳴らして嚥下する。
「こほ……くっ、何を飲ませたんですか?」
「くくっ。女の身体が素直になる薬さ。媚薬、って言ったらわかるか?」
「……っ」
「お、知ってるみたいだな。このエロガキめ」
アドリブにはアドリブを。
そう思って捻り出した段取りにはない設定だったが、真衣は感心したように一瞬口元を緩ませた。しかしすぐに演技に戻り、反抗的な目で俺を睨む。
「はん! 結局、薬なんかに頼るんですね。自分の力だけじゃ女の子一人どうにもできない弱虫さんはこれだから」
「せいぜい好きに言ってろ。減らず口叩いてるうちに効き目が出てきて、しまいには俺に懇願するようになるぜ?」
「何を馬鹿なことを……んっ」
決して心を許さない、低く強気な声音。それが最後に甘く裏返った。
視線を下へ移せば、真衣の太もも同士が焦れたように擦れ合っていた。媚薬の熱に次第に浮かされ、いかにも自制心が効かなくなっているという感じで、実に名演だ。
「いい感じになってきたみたいだな。それじゃあ、そろそろ……」
「あっ、やっ」
俺は馬乗りに体勢を変えると、ブラウスのボタンを引きちぎるように外した。
清楚な白のブラジャーに包まれた豊乳が、眼下でたゆんと揺れる。そのもっちりとした柔肌と深い谷間を視線で犯しながら、俺はニヤリと口元を吊り上げた。
「まだ学生のくせに、こんなご立派なもんぶら下げやがって。あれか、例の彼氏とやらにたっぷり揉まれて育ててもらったな?」
「ち、違いますっ。先生みたいな変態と、ハルキ君を一緒にしないでっ」
服を剥かれて辱められながらも、真衣は果敢に抗い、恋人の名誉まで守ろうとする。
そんな健気さが、かえって俺の嗜虐心をくすぐった。俺はますます口元を歪めつつ、ブラと生肌の境目に指先を這わせた。
「ああ、そうかい。そりゃ悪かったな。……ま、どちらにせよ。これから俺が楽しませてもらうのに違いはないんだけど……なっ!」
「……っ、きゃあっ!?」
真衣の背中に強引に手を差し込み、ブラジャーのホックを外す。それと同時にカップをずり上げれば抵抗も間に合わず、ボリュームたっぷりの生乳房がその姿を現した。
彼女のそれは相も変わらず、何度見ても飽きない美巨乳だった。
仰向けに寝そべっているために少し広がっているが、綺麗なお椀型は健在だ。シミ一つない山腹を辿っていけば、頂上には淡い桃色の突起がふるふると震えていた。
「へぇ。まだまともに触ってもないのに、芦原の乳首、もう固くなってるな。勉強は不真面目だが、その代わりこういうことには素直ってわけだ」
「や、やだ……見ないで……っ」
「無理言うなよ。こんな綺麗でエロいおっぱい、男なら誰でも釘付けになっちまうんだから。……それとも紳士的な彼氏クンとやらは、本当にこのおっぱいに興味ねえの?」
そう何気なく尋ねると、真衣は答えに迷うように視線を逸らした。ここまで口籠ることがなかったことを考えると、少し意外だ。あるいは実際の元カレもそうだったのだろうか。
「おいおい、マジかよ。そいつ、EDなんじゃねえか?」
「馬鹿なこと言わないでくださいっ。ハルキ君は先生みたいにガツガツしてないだけで、そんなんじゃ……」
「じゃあ、セックスはしてるんだな?」
「……答える必要ありますか? それ」
「いいや。でも、大体わかった。遊んでそうな見た目で年上の彼氏と付き合ってるわりに、こっちについては案外初心だってこともな」
「せ、先生だって童貞のくせに、何言って……んんぅっ」
わかったような口を利く俺を忌々しそうに見上げてくる真衣。
その視線を軽く躱し、両手で乳房を鷲掴みにすると、彼女はくぐもった声を漏らした。
「ったく。彼女がいたことないって愚痴ったことはあるが、俺が童貞だなんていつ言ったよ」
「……え?」
「女との付き合い方なんて、何も恋愛関係だけじゃないだろ。例えばセフレとか、身体だけの関係ってのもある。それを含めれば、流石に俺の方がお前より経験豊富だと思うぜ?」
「……っ、何それ、最低…………んっ、はぁ……っ」
こちらを童貞だと見下していた驕りもなくなり、罵倒の文句さえ弱々しくなる。それに乗じてむっちりとした柔鞠を揉みしだけば、瑞々しい唇からついに甘い吐息がこぼれ出た。
「おっ、意外と可愛い声も出せるじゃないか」
そう揶揄うと、真衣は先ほどより潤んだ瞳で気丈に睨んでくる。
「……うるさい、黙れ」
「なんだつまんねえな。もう敬語を使う余裕もなくなったのかよ。そんなんだと、これから先が思いやられるんだが」
「あっ、ん……こら、胸……んっ……か、勝手に、揉むなぁ……っ」
数分前とはすっかり立場が入れ替わり、俺は思うさまに教え子の美巨乳を堪能し始めた。ただし、すぐにその中心に触れてしまわないよう、細心の注意を払う。
円を描くように捏ね上げれば、ふくよかな脂肪の塊は自由奔放に形を変えた。その若々しいハリといい、手のひらに吸い付くような触り心地といい、弄んでいるだけであまりにも気持ちが良い。目にも愉しくて、つい演技を忘れてしまいそうになるほどだ。
そうしていると、真衣の息遣いが次第に荒くなっていくのがわかった。
揉みほぐされていく乳肌は薄く上気し、膨らみかけだった乳頭もいつしかツンと物欲しげに尖り立っている。彼女の下半身がモジモジと揺れているのが、馬乗りになった尻にも感じられるほどだった。
俺はそれを確認すると、しみじみと独り言のように言った。
「本当に最高だよな、芦原のおっぱいって。こんなに重量感があるのに垂れてもないし、かといって妙に張ってるわけでもない。おまけに乳輪も控えめで形も綺麗だし、これを独占できる彼氏クンが羨ましいよ。……って、ああ悪い。お前らはプラトニックな関係なんだったな?」
「……くっ、この……っ! ……んっ、あっ、いや……今、そこ触っちゃ……っ」
わざと煽るように言葉を付け足せば、真衣は歯噛みして悔しがる。
だが、ここでようやく乳首を指先で引っ掻いてやると、その引き締まった口元は呆気なくほどけた。
「あっ、あっ、やぁっ……待って、お願い待ってぇ……っ」
「ん、どうした?」
「……その、やめてください。そうやってカリカリ擦るの」
「わからねぇな。はっきり言ってくれないと」
「ん、ひぃ……!? あ、やだ、やめっ、それダメぇ……っ」
俺は一瞬手を止めるが、真衣のはっきりしない答えに愛撫を再開する。
ぷっくりと充血した二つの蕾を容赦なく弾かれ、彼女は引きつけを起こしたようにビクビクと身悶えした。己の手を縛るネクタイをぎゅっと握り込み、軽く仰け反って切ない快楽に酔いしれる。
「なんだ、気持ちよさそうじゃないか。薬の効き目もあるし、もしかしてこれだけでイったりしてな?」
「うっさい……そんなわけ、ないから……あぁんっ……いっ、はあぁ……っ」
なけなしの罵声もよがり声の中に掻き消え、あれほど憎々しげな色を宿していた瞳がとろんと蕩けた。唯一自由に動かせる両脚からもくったりと力が抜けていく。
それを見計らい、俺は再び真衣に覆いかぶさる体勢になった。今度は股の間に身体を割り込ませ、顔が彼女の胸元に丁度くるように調整する。
「この分だと、こっちも期待できそうだな?」
「あっ、嘘……っ。そっちはダメっ、本当に嫌だったら……んくぅ、ああぁ……っ」
内ももに這った指の気配に、真衣が反応して脚を閉じようとする。だが、そこには既に男のがっちりとした胴体が収まっていて、試みるだけ無駄というものだった。
そんな可愛らしい抵抗に頬を緩めつつ、俺は彼女の右乳首を口に含んだ。わざとらしく、じゅぷ、ちゅぷり、と音を奏でながら吸い立て、舌先でチロチロと弄んでやる。
色めいた喘ぎとともに、女体からふっと力が抜けた。その隙に指をスカートの奥へと侵入させていけば、やがて明らかに手触りの異なる滑らかな生地に触れる。
そこはムッと熱を帯び、ぬるりとした潤みを滲ませていた。
「ほらやっぱり。胸を触られただけで、もうこんなに濡れ濡れじゃないか」
「あ、あぁ……いや……」
クロッチにぽってりと浮かび上がった肉の土手を、俺は指でそっとなぞった。
その軽いタッチに、真衣の腰は女々しく反応する。かくかくと小さく跳ねあがったかと思うと、さらなる愛撫をせがむようにあさましくくねり始めたのだ。
「口では嫌だとか何とか言っても、こんなに物欲しそうに腰振ってたら説得力がないな。本当はおまんこ弄って欲しくてたまらないんだろう? なぁ、正直に言ってみろよ」
「……ち、違う。私はそんなこと思ってないっ。濡れてるのも……そう、薬のせい! だから勘違いしないで。あんたみたいな変態に触られて、気持ちよくなるわけないんだから……っ!」
真衣は頑なに拒絶の態度を崩さなかった。言葉遣いにこそ余裕はないが、女としての弱みを見せまいと必死に強気の態度を取り繕っている。
だが、そうでなくては面白くない。
俺は密かにほくそ笑み、再び彼女の凝り立った乳頭にむしゃぶりついた。それに合わせてクロッチをめくり、指先を布地の奥へと侵入させる。
「あっ、ひぅ……っ! はぁ……や、やめ、触んな……くっ、あぁ……んっ」
身をよじる真衣の秘所に直に触れ、俺は素直に驚いた。そこは既に灼けるように熱く、とろとろに濡れそぼっていたからだ。
いくら敏感体質とはいえ、乳房を弄っただけでこれはさすがに感じ過ぎである。単に愛撫のせいというより、このシチュエーション自体に興奮していると考えた方が妥当だろう。
――こりゃあ、無理矢理触られて感じてない演技なんてとても無理だな。
今さらながらだが、媚薬を飲ませるという流れにしておいてよかったと思える。別にこんな素人芝居にリアリティを求めるわけではないけれど、下手な矛盾はない方が演技に没頭できるというものだ。
「どうだ? 彼氏クンに触られるのと比べて。ひょっとして、いつものセックスより気持ち良いんじゃないのか?」
意地悪く尋ねれば、真衣は表情を見られたくないのかそっぽを向く。
それでも荒い息遣い混じりの声音は、まだまだ強情さを残していた。
「……馬鹿じゃないの。そんなわけないじゃない。ただ触られてるだけでも気持ち悪いのに、前戯も独りよがりでヘタクソなんだね。あんたに今まで抱かれた女の子たちが、みんな可哀想に思えてきた」
「はははっ、相変わらずの減らず口だな。けど、逆に面白くなってきたぜ。お前がいつまでその虚勢を張れるのか、俺が実地テストしてやるよ」
そう言って、俺は中指を蜜穴に咥え込ませた。
甘美に締めつけてくるものの、よく濡れていて抵抗らしき抵抗はない。そのほぐれ具合を見て、さらに薬指も滑り込ませる。
「ああぁ……っ、いや、中に……んっ、はあぁ……っ」
真衣の背中が仰け反ってベッドから浮く。その隙に俺は素早くGスポットを探り当てると、くの字に曲げた指先で執拗にそこをタップし始めた。
「あんっ、やっ、だっ、め…………あっ、あっ、あっ、あぁっ……!」
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ。
手首を往復させるたびに破廉恥な水音が漏れ、蜜濡れの膣襞がきゅうきゅうと指肌に絡みついてくる。それを心地よく感じながら、俺はひたすら膣の天井を責め続けた。それに合わせて乳首を唇で食み、親指で包皮越しに陰核を転がすのももちろん忘れない。
「くっ……あっ、はあぁ……っ。や……だめっ、だめだめだめっ……これ、おかしくなる……頭ジンジン痺れて、何も考えられなくなっちゃう……っ」
いかな意地っ張りでも、敏感な三点を同時に苛められてはどうしようもないのだろう。彼女ができるのは、声を上擦らせ、不自由な身体を艶めかしくくねらせるのが精々だった。
そうして哀れにも悦びの震えを肌に走らせるのが、何とも言えず男の愉悦を誘う。台詞は演技だとわかっていても、段々と好きでもない男の愛撫に馴染んでいく美女の姿は垂涎ものだ。否が応でも眠っていたSっ気を目覚めさせられ、自然と手つきも激しくなる。
「おいおい、随分と呆気ないな。さっきの威勢はどうした?」
「……うる、さい……んっ、はあぁ……っ」
「俺のテクはヘタクソなんじゃなかったのか? 触られてるだけで気持ち悪いんだろ?」
「それは……いっ、あっ、あっ……また、激し……っ。だから、だめっ……ずっとそこばっかり、しつこい…………くっ、ふぅん……っ!」
もうまともに返答もできなくなった真衣の口端からは涎が垂れていた。俺はそれをぺろりと舐め上げると、次いで彼女の唇にキスを落とした。
「んんっ……ちゅ、むっ……んく、ぷぁ……」
短い口づけを終えるのに合わせて、俺は一旦手首を休める。
無抵抗のままに口づけを受け入れた真衣は一瞬、役を忘れて素の表情をしていた。
その顔を至近距離で覗き込み、ニヤリと笑ってみせる。すると、ようやく彼女は俺に見られていることに思い至って、キッと目元を引き締めた。
「……何、その顔?」
「いいや。随分と気持ちよさそうな蕩け顔してると思ってな」
「だ、誰がそんな顔してるもんですか。ちょっとぐらい喘がせたからっていい気にならないで」
「ふっ、くくく。あれだけよがって、『ちょっとぐらい』かよ」
俺は吹き出しつつ、曲げた指先だけをクイクイと跳ね上げた。
たったそれだけで、
「あっ、やぁ……っ」
真衣の表情は淫らに崩れる。それが可笑しいのだが、不愉快げな彼女は眉を寄せた。
「……女の子をいたぶって楽しいですか? いいご趣味ですね」
「そんなことはない。どうせなら相手にも気持ちよくなってもらうってのが、俺のポリシーなもんでな」
「はっ、言うに事欠いてポリシーと来ましたか、この変態教師……んっ」
生意気な教え子に年上の男の怖さを教えてやるというのは何とも愉しいものである。
しかし、少し甘やかすとすぐにこうだ。これはしっかりと躾けてやらなければならない。
俺はそう決心し、真衣の顔をじっと見つめながら手首の運動を再開した。次は途中で止めてやるつもりなどない。彼女が怒ろうが泣きわめこうが、知ったことか。
「あっ、くぅ……この、また……あっ、うんっ、んっ、んぅっ」
真衣は今度こそ恥ずかしい姿を見せまいとして、喘ぎ声を堪え始めた。
だが、すぐに今までと様子が違うことに気がつく。彼女の抵抗に対し、俺はむしろ望むところといったように口元を緩めたまま、無言を貫いたからだ。
その沈黙と絡み合う視線に先に耐えきれなくなったのは、やはり真衣の方だった。
「な、何……? 急に黙り込んで……んっ……何か言いなさいよ……っ」
じゅぷ、じゅぷ、じゅぷ、じゅぷ。
俺は黙り込んだまま、ざらつく肉襞を指の腹で愛で続ける。糸引くほどにねっとりとした蜜は手首まで流れ伝い、ベッドの上に滴ってシミをつくっていた。
「いや……そんなにじっと見ないで……んっ、あっ……やん……ん、くぅん……っ」
じゅぷっ、じゅぷっ、じゅぷっ、じゅぷっ。
女体が感じる一定のリズムを保ったまま、手首の返しを少しずつ速くしていく。真衣は依然として奥歯を食いしばり声が漏れないようにしていたが、それも限界に近かった。
頬は艶っぽく火照り、目尻には随喜の涙が浮かぶ。何より彼女の膣壺は頑固な上の口と違い、早々に淫行教師の手に屈服していた。今では甘えるようにきゅんきゅんと吸い付いてくるほどで、まるでじゃれつき甘噛みしてくる子犬のようだ。
そんな素直で愛らしい濡れ肉を蹂躙しながら、俺はようやく口を開く。
「このまま最後まで手マンでしてやるよ。我慢せず、いつでもイっていいからな」
「ふ、ふざけんなっ。誰があんたなんかの手で……んっ、あぁん……っ! あっ、あっ、あっ、あぁ……っ」
腋の下に腕を回して真衣を抱き寄せると、俺はほぐれきった膣襞に最後のラッシュを浴びせかけた。ぷっくりと膨れたクリトリスと、ぬかるみの中のGスポット――いずれも彼女の大の弱点だ。その二つを挟み込むようにして、小刻みに震わせてやる。
すると、これまで被り通した強気の仮面は破れた。少女の柔な本音は切なげな悲鳴となって、震える唇から溢れ出る。
「やだ……これ、やだぁ……気持ちよくなんてなりたくない……なりたくないのに……っ」
抵抗を封じられたまま容赦なく肉快楽をぶつけられ、あれだけ大人を舐めていた少女はまるで子どものようにぐずりだした。指が白むほどの手枷を握り、何とか執拗な愛撫から逃れようとやたらめったらに悪あがきする。
その哀れさすら感じる悶え姿に、俺は言いようもない愉悦を覚えた。
真衣演ずる女子高生の脳裏にはきっと、操を立てるべき恋人の姿がチラついているのだろう。今このまま絶頂に達してしまえば、彼を裏切ってしまう――その一念が彼女をこうして肉悦への抵抗に走らせているはずだった。
だからこそ、そんな彼女に背徳の味を教えたかった。この上なく甘美で、一度取りつかれてしまえば後には引けなくなるほどの罪悪感をその身に叩き込んでやりたくなった。
「ほら、さっきまで見下してた男の指でイけ! 大好きな彼氏に謝りながら、盛大に裏切りアクメ決めちまえっ!」
「いやっ、いやあぁ……っ! ――あっ……?」
俺の下衆な命令に、激しく首を横に振って拒絶する真衣。
だが、その動きはすぐにぴたりと止んだ。代わりに彼女の下腹部が生み出す震えが、段々と波を高くしながら全身へと広がっていく。
「あぁ……イっちゃう……こんなのいけないのに、私、もうイク……イクぅっ」
最後の最後まで声を押し殺そうとしながら、真衣は達した。強く抱きすくめられながらも背中を浮かし、我慢に我慢を重ねた絶頂を受け止める。その瞬間、彼女の汗ばんだ胸元からムッと濃密な雌の香りが立ち昇った気がした。
あるいはそれに誘われたというわけでもないが、俺は責め手を止めなかった。指先をしゃぶり尽くそうとする膣洞を抉り、快楽に痺れた性感帯を続けざまに擦り上げる。
一度絶頂を極めて惚けていた真衣も、すぐそれに気がついた。
回らない頭の中で役と本人の思考がないまぜとなる。そうして紡ぎ出されたのは、自己矛盾に満ちた一言だった。
「だ、めっ……やめて……亮太先生……っ」
――ん? 今なんて……?
手を動かしながらも、俺はかすかな違和感を持った。だが、言った本人はそれどころではないらしく、再び迫りくる法悦の白波から逃れようと必死に腰をくねらせていた。
「あっ、やっ、あんっ……もうやめっ……許し、て……ひぃんっ!?」
ぬるんだ花弁が往復する指肌と擦れ、ぐちょぐちょと卑猥な水音を鳴らした。その音色と重なり合うように、溶けた砂糖菓子のような嬌声が段々と切羽詰まっていく。
「んっ、あっ、あっ、はあぁ……う、嘘……またイク、イっちゃう……っ」
真衣自身がとうとうそれを認めねばならなくなったころ。一回目の余韻の中で甘い蠕動を繰り返した柔襞が、再びのエクスタシーに備え、断続的にヒクつき始めた。
極上の肉感が指先に密着する。これで挿入しているのが指先ではなく、自身の欲望であればどれだけ気持ちよかったことか――俺はそんな妄想さえ巡らせた。
「あ~あ。ちょろい女だな、お前も。あれだけ大口叩いておいて、こんな簡単に連続絶頂するんだから。例の彼氏クン、こんな芦原見たら泣いちまうぜ?」
「はぁ……あぁ……ごめんなさい、ハルキ君……私、私……」
謝罪の言葉とともに、真衣の目からは涙がこぼれた。
それは迫りくる快楽によるものか、はたまた感極まった演技によるものだったのか。
真相はわからない。だが、俺はたとえ嘘だったとしても元カレのために泣いてもらいたくなかった。仮に泣くのなら、俺がもたらした快感による随喜の涙であって欲しかった。
所詮それは、刹那によぎった他愛もない妄執に過ぎない。次の瞬間にはほとんど忘れ去っていたし、そうでなくとも振り払おうと努力したはずだろう。
だが、その束の間の欲動にも、俺の手つきを荒くするだけの効果はあった。
「あ、やだ、激し……っ。んんぅっ、あっ、やっ、あっあっあっ……!」
両手を頭上で縛られたままによがる真衣は、まるで拷問を受ける虜囚のようだった。
そんな彼女が、一歩、また一歩と崖っぷちへ歩を進めている。落ち行く先は至高の愉悦か、あるいは暗い絶望か。そのどちらにしても避ける道は残っていない。
そして、ギリギリのところで数秒踏みとどまったのち、彼女は大きく跳んだ。
「……はぁ、イク……あ、イク……イックぅ……あぁっ!」
まな板の上に揚げられた魚のように、腕の中で真衣の身体は幾度となく跳ね狂った。背中が反り、腰が浮き、脚が突っ張る。それと同時に、股間から潮を吹いた。
それは朝のバスルームで見たのとは違い、じょろじょろと漏れ出るような潮だった。既に愛液で満たされた手のひらへと流れ、すぐにあふれてベッドのシーツに滲んでいく。さながら失禁してしまったように、彼女の尻の下には大きな丸いシミが出来上がった。
「ははっ。こりゃ大変だ。まさか潮吹きまでするとはな」
「こ、これは……」
連続絶頂の余韻に溺れ、真衣は荒い息遣いをしていたが、その顔には本心からの焦りも浮かんでいた。まさかここまでの粗相をしてしまうとは思ってもみなかったに違いない。
そうしているうちにも、まだちょろちょろと潮の残りが漏れていた。本人としても止めたいのだろうが、身体に力が入らないのだろう。
「この責任は取ってもらわないとな。なぁ、芦原?」
厭らしげにそう言いつつ、俺は左手で真衣の頭を撫でた。
気にするなというメッセージを込めたつもりだが、どうやら伝わったらしい。
真衣は小さく頷くと、少し身体を休めるように目を瞑った。