とあるセフレたちの週末 〜繋がりっぱなし交尾で貪りあう二泊三日間〜 作:若菜はかり
「やっぱり少しお酒臭いね」
真衣がそう呟いたのは、互いの鼻先が触れあいそうなほどの距離まで近づいた時だった。
彼女は俺の膝の上に座っている。向かい合わせになった上半身は俺の身体にすがりついており、その豊かな乳袋を惜しげもなく押し付けていた。
「そんなのいつものことだろ」
「うん。だから、ちょっと興奮する」
俺の答えに、そう言いながら真衣は目を瞑る。
あながち嘘でもないのだろう。
口づけの直前、瞼を閉じる間際に見た彼女の唇は、何かを期待するように微かに綻んでいた。
「んむ、ちゅ……あっ……んぅ、ちゅる、ちゅ……んっ……」
唇が重なる瞬間、見た目以上にプルンとしているその感触にはいつも驚かされる。
下唇を啄ばむように軽く吸い、続いて舌を突き出す。生温い舌先が触れると、抱きしめていた彼女の背中はピクンと震えたが、すぐに自らも舌を伸ばして迎え入れてくれた。
ちゅくちゅくと舌先を絡め合わせ、互いの唾液を混ぜ合わせる。視界ゼロの俺の頭の中は、至近距離から響いてくる粘着質な水音でたちまち一杯になった。
「んぅ……亮太ぁ……」
キスの合間に聞こえる真衣の甘え声に、理性が溶けそうになる。
控えめな鼻息の熱さ、それから彼女の肌から立ち上る甘い体臭。
男としての本能がいやというほど刺激され、股間に全身の血が凝集していくのがわかる。しかし同時に、単なる性的興奮とは違う柔らかな熱も腹の奥底から湧いてくるようだった。
俺はそれを伝えようと、丹念に唇を食み、舌を絡ませ、そして唾液を啜った。
「あ、ふぅ……なんだか今日のキス、普段より優しくない?」
透明な糸を引きながら唇が離れる。真衣は薄目を開き、うっとりとした表情を浮かべてそう聞いた。
「明日から休みだしな。今夜くらい、たまにはじっくりやってみてもいいかなって」
「お、なかなか言うようになったじゃん? いつもはエッチとなったら必死にがっついてくるくせに」
「うるせぇな。なら、お望みどおりにやってやろうか?」
「あっ、ちょっ……んっ、んんんぅっ……!」
返事は待たない。俺は真衣の後頭部を引き寄せると、強引に唇を貪った。
今度は目を見開いたままだ。悩ましげに寄る眉根を眼前に捉えながら、乱暴にリップを吸い、彼女の口腔内に舌先をねじ込んでいく。
むわりとして生温かい、小さな口の中。
舐めつくすように舌をくねらせると、行儀よく並んだ小さな前歯に触れた。その一本一本に俺の唾液を塗りこめていく。そして、頬の内側をなぞったところで堪らず出てきた彼女の舌を捕らえ、逃げられないように自らの舌を巻きつかせた。
「……あ、むっ……んぁ……んんっ、むぅ……っ」
一方的なディープキスに瞳を蕩けさせながらも、真衣は腕の中で身を捩り、健気な抵抗を示した。
だが、いくら彼女が女としては長躯であろうと、男の力には到底敵わない。しかも俺は並大抵の男よりさらに上背があるし、身体を鍛えてもいる。逃がさないというだけであれば、何なら片腕のみでも十分事足りた。
だから、自由にできるもう一方の手で別の場所を虐めてやることもできる。
たとえば、俺の胸板の上でひしゃげているたわわな柔乳。
たっぷりと重量感のあるそれを手のひらですくい上げるように揉んでやれば、真衣は更なる刺激に目を
すると。
「ひぃ、う……っ!」
途端に彼女の喉奥から溢れ出る、声にならない嬌声。
その何とも可愛らしい声に、口の端がニヤリと持ち上がる。
それを真衣に見咎められた。
「……はぁ、はぁ、はぁ……もう、ちょっと調子乗り過ぎじゃないかな?」
強引に首をひねってキスから抜け出した真衣は、恨めしそうに俺を睨んだ。
相変わらず憎たらしいまでのイケメン顔だ。とはいえ、頬を赤らめているのでいつもの格好良さは幾分か鳴りを潜めてもいた。
その頭を機嫌取りに優しく撫でてみる。だが、この場合は逆効果のようだった。
「何、この手? それにいつまで胸揉んでるつもり?」
不機嫌そうに振り払われた左手は行き場をなくし、再び真衣の背中に着地する。
だが文句をぶつけられても右手の方は執念深く、胸の膨らみを堪能し続けていた。
その手に彼女の手が重なった。しかし、無理に引きはがそうとする様子はない。代わりに何か言いたそうなジト目が俺に向けられていた。
「おっぱい、触れて嬉しい?」
彼女が聞いてくる。
「ああ。やっぱり何度触っても良いもんだよな、おっぱいって」
「……あっそ、良かったね」
正直に答えると、真衣はつっけんどんにそう言った。
ただ、そんな彼女の口元がほんの一瞬、ふっと緩みそうになったのを俺は見逃さない。
そのままなし崩し的に真衣の乳房を揉みしだき続ける。じっと俯き、その様子を時々身動ぎしながら見守る彼女に、俺は尋ねてみた。
「で、真衣はどっちが好みだったんだ?」
「どっちって……んっ、優しいキスと強引なキス?」
「そうそう。後学のためにも、ぜひ教えてもらいたいなと思って」
聞いておいてなんだが、我ながら無遠慮な質問をしたものだと思う。
きっと恋人同士の関係でも、こんなことはなかなか聞けないし、答えにくいはずだ。
その点、俺たちは恋人ではない。
だから多少は気楽にこんな話もできるのだ。
「う~ん、そうだね……。優しいのは嫌いじゃないし、私はむしろ好きな方かな。でも」
「でも?」
俺が問い返すと、真衣は挑発的にニヤリと笑う。
「お腹の奥にズンって響くのは、強いキスの方。というか、こんなことは聞かなくてもわかってるでしょ?」
私たちの仲なのに何を今更、といった口調で打ち明けられる本音。
その羞恥と期待が入り混じる表情があまりにも蠱惑的だったものだから、俺はもっと彼女の奥底まで迫りたいという衝動に駆られた。
「お腹の奥ってどのへんなんだ? たとえば、ここ?」
乳房から離した右手を真衣の下腹部へと向かわせながら問いかける。
ジーンズベルトのバックル、その真下。ちょうどジッパーの上端あたりを軽く押し込む。
「……はぁっ、ん……」
彼女が小さな溜息を洩らした。俺はそれを聞きながら、さらに指先を下へと移動させる。
「それとも、こことか?」
「あっ、や……そこは……んっ、はぁ……」
真衣は俺の太ももに跨るように女の子座りをしている。その無防備な股間に手を差し入れ、生地の合わせ目に沿って爪先で引っ掻いた。
厚いデニム生地に阻まれるせいで、どれほどの刺激も伝わらなかったことだろう。
しかし、最もデリケートな部分に今夜初めてもたらされた愛撫だ。真衣はたまらず甘やかな声を漏らし、はしたなく腰をカクつかせた。
「感じすぎだろ。キスだけでもう濡れてきてるんじゃないのか?」
彼女は答えない。ただ恥じらい含みに目を伏せたのを、俺は肯定の意として受けとった。
「このまま直接触ってやろうか?」
尋ねながらベルトに手をかけようとする。だが、真衣は首を横に振った。
「まだいいや。今日は先に亮太のこと責めたい気分だから」
俯いたままの真衣の熱っぽい視線は、俺の股間に注がれていた。
きっとその瞳に映るのは、ジャージパンツを突き破らんばかりに勃起している俺の陰茎なのだろう。
女性としてこの上なく魅力的な彼女の、唾液の味。柔らかい身体。可憐な声。
その全てに俺が昂ぶり、今すぐにでもセックスしたいと思っている明白な証拠だ。
そんな下卑た欲望丸出しな姿だったが、彼女はむしろ満足げな表情を浮かべてくれる。
「ふふっ、今日も元気が良いね」
そう言いながら、真衣は俺にジャージを脱ぐように促してくる。
俺が素直に応じて下半身を剥き出しにして座ると、彼女は両脚の間で腹ばいになり、いきり立つ肉棒に顔を近づけた。
「あぁ、すごくおっきい……」
うっとりとした顔で思わず感嘆の声を上げる。
今まで異性と交際してきた中で一番の大きさだと語る俺のペニスは、真衣にとって大のお気に入りだった。
「よしよし。ちゃんと綺麗にしてるね」
「そりゃあ一応シャワーは浴びたからな」
「うん、わかるよ。ちゃんと石鹼の匂いするし。でも、亮太の匂いもちゃんとする」
真衣の小さな鼻先が亀頭に触れた。すんすんと匂いを嗅がれる。そのたびに鼻息がかかって、ムズムズとくすぐったい。
「先っぽの方はあんまり匂わないかな。でも、ほら。ここは匂いが濃い」
肉竿に沿って下っていく鼻先がペニスと陰嚢の境目に差し掛かる。と、嬉しい発見でもしたように真衣の声が弾んだ。そして、まるで好物にありついた犬のようにクンクンと鼻を鳴らし出す。
「それにやっぱり。たまたまの裏、蒸れてて亮太の匂いが籠ってる。あぁ、本当にすごいよ……」
目を閉じた真衣は俺の陰嚢に鼻を突っ込み、無我夢中で男臭さを堪能する。肉棒の向こうに見え隠れするその表情は眉尻が下がりきり、だらしないまでに恍惚としていた。
そこに『文学部の王子様』と称される凛々しさはもはや一欠片もない。
あるのは男好きで淫乱な女の姿。
いや、一匹の雌の姿、と言った方がより相応しいのかもしれない。
「なぁ、真衣。そろそろ舐めてくれないか?」
突き上げた尻を淫らにくねらせつつ、すっかり俺の匂いに耽溺する真衣に声をかけてみる。彼女は目が覚めたように瞼をうっすらと開け、こちらを見てこくんと頷いた。
ちゅ、ちゅ、ちゅく、ちゅ。
啄むような口づけが陰嚢に落とされ、淡い快感が広がる。俺は思わず背を反らした。
そんな素直な反応に真衣は気を良くしたようだ。わざと見せつけるような角度で、今度は裏筋に沿って男性器に唇を這わせていく。性感帯を柔らかく吸い上げられ、彼女が見ている前で鈴口には透明な我慢汁がジワリと滲み出た。
「ふふっ。亮太のエッチなお汁、私が頂いちゃうね」
からかい交じりの口調とともにキスの雨は亀頭に達する。ぷくりと雫になっているカウパー液を、ちゅっと音を立てて吸い上げた真衣は赤い舌をぺろりと見せた。
だが、それだけでは終わらない。彼女は更に亀頭をはむっと咥えると、舌先を尖らせて尿道口をほじくってきた。敏感な肉先に突如として訪れた強烈な快感に、俺は反射的に腰を浮かしそうになった。
「あぁっ、すげぇ……」
亀頭だけをピンポイントで狙った口唇愛撫は真衣の狙い通りだったらしい。
肉悦に心地よく呻く俺を見上げる彼女は愉しそうに目を細め、舌先を動かし続ける。
そしてひとしきり舐めつくすと、そのまま肉竿全体をじゅぷりと咥えこんでいく。とはいえ、人並み外れた俺の男根を一息に呑み込むことは難しいようだ。
ぐぷっ、じゅぷっ、ぐぷっ、じゅぷっ……。
肉幹の中腹辺りまでを口内に収めると、真衣は首を前後に振り始めた。そのたびに唾液に濡れた陰茎と唇が擦れ、淫靡な音色が小気味よく奏でられる。
彼女はそうして自らを慣らしながら、次第に喉奥深くまで挿入を試みた。
だが、唇が根元まで達する前に、亀頭が彼女の喉へ突き刺さってしまう。
うぐっ、と苦しそうにえずく真衣。その頭を優しく撫でながら、俺は無理をしないようにと窘めた。
「もうその辺でいいぞ。真衣の口の中、これでも十分過ぎるくらいに気持ち良いんだから」
真衣は涙で潤んだ瞳をこちらに向け、かすかに頷いたようだった。
そうしてもう一度、今度は無理をしない程度の深さで首を振り出す。根元まで咥えられなかったことを詫びるように、彼女のフェラチオは丁寧かつ情熱的なものだった。
「はぁ、うぅっ、あぁ……いいぞ。その調子だ、真衣」
ぐぽっ、ぐぽっ、ぐぽっ、ぐぽっ……。
温かな口腔粘膜によってたっぷりと唾液を塗りたくられた陰茎が、ムチリとした唇に扱かれて破裂音にも似た大きな水音を鳴らす。さらには見えないけれども、口の中にはねっとりとした舌肌が待ち受けていた。侵入を繰り返す亀頭冠に巻きついては、薄く敏感な粘膜を丹念に舐り上げてくれるのだ。
性感帯をこうも密に責め立てられては、すぐに辛抱たまらなくなりそうだった。しかしそんな肉感的快楽もさることながら、眼下に広がる眺めも実に素晴らしい。
モデル顔負けのしなやかなスタイルに、ジーンズ越しでもわかるボリューム満点のヒップ。そして何より、口淫に勤しみながらもこちらの様子を窺ってくる媚びた上目遣い、である。
真衣は誰もが憧れはすれども、手を伸ばすのも躊躇われる高嶺の花のような存在だ。そんな彼女を跪かせ、あまつさえ己の肉棒を舐めしゃぶらせている。非現実的なシチュエーションを前に、俺は自分でも意識したことのない支配欲が満たされていくのを感じていた。
「んっ、ぷはぁ…………はぁ、はぁ……あは、ちょっと休憩」
視覚的興奮と肉体的快感が合わさり、どうしようもない衝動がむくむくと育っていく。
俺はそれを抑え込むように真衣の髪を撫で梳いた。すると彼女も疲れてきたのか、ペニスから一度口を離して息を整える。
「もう結構キてるね。やっぱり溜まってたんだ?」
「そりゃあな。でも、真衣だって今日はやけに熱心じゃないか」
「そう? 別に普通だけど」
「でも、いつもは奥まで咥え込もうとしないだろ。『亮太のは大きすぎて無理!』とか言ってさ」
「まぁ、そこは何事もチャレンジというか、ね? 諦めずに試してたら案外上手くいくってこともあるし」
「ゲームのボスキャラか何かかよ、おれのちんこは」
口には出さなかったが、俺は真衣も相当溜まっているのではないか疑っていた。そうでなければ、基本余裕を絶やさない彼女がこんなに前のめりな前戯をするはずがない。些細ながらも確かな違和感がそこにはあった。
しかし、俺がそれ以上何か言う前に彼女はフェラチオを再開してしまう。まるで更なる追及を避けるかのようではあったけれど、再び迫りくる快感の中で意思を貫徹するのは困難を極めた。
「はぁ……くぅ、あぁ……真衣、真衣っ」
全方位から生温かい粘膜で包み込まれ、俺は肉棒が溶けてしまうのではないかという感覚に襲われた。そのままの状態で、じゅぽっ、じゅぽっ、と音が鳴るほどに激しいピストンを浴びせられる。それだけでも至高の快楽だったのだが、その上に舌先が前後運動に合わせて裏筋を扱き上げてくるものだから、もう我慢のしようがない。
俺は声が裏返りそうなのを誤魔化すために、思わず真衣の名を連呼した。
けれども、その声すらどこかか細く、情けないほどに震えてしまう。
俺を見つめる上目遣いがニヤリと目尻を下げたように見えたのは、きっと見間違いではなかっただろう。
「んっ、ぐっ……んむ、ふぅ…………じゅっ、じゅるるるぅ……」
「あぁ……それ最高だ。そんな一生懸命に啜り上げてくれたら、もうそれだけで我慢できなくなる……っ」
頬を目一杯すぼませ、端整な美貌を犠牲にしてまで奉仕してくれる真衣。
俺はすっかりいいように弄ばれ、テクニックへの賞賛と共に歓喜の呻きを漏らすばかりとなった。
しかし、こうしていると全く意外なことなのだけれど、他人の目から見た彼女は不思議なほど性の気配が希薄な女らしい。それは身にまとう中性的な雰囲気や、キャンパスでは常に女性陣に囲まれていることも関係しているのだが、どうやらそれだけではないようだ。
おそらく端的に言うと、彼女は綺麗すぎるのだと思う。
見た目でなく潔癖感というか近寄りがたさというか、とにかくこの年代の男女が異性に向ける眼差しというものをほとんど感じさせないのだ。それゆえに注目は浴びながらも、真衣は多くの男たちから一定の距離を置かれている。もしかすると男に興味がないのでは、と口さがない噂を俺でさえ聞いたことがあるほどだ。
親しくなってから彼女本人が語ったところによると、今のキャラクターは周囲からの期待に応えつつ、その一方で自分に向けられるやっかみや嫉妬を撥ね退けようとした結果ではあるらしい。それ自体は処世術として理解できるし、むしろ同情するところさえあるのだが、同時に俺にとっては一つ困ったことでもあった。
つまりはやはり、仄暗い優越感だ。彼女の涼やかな顔を一皮むけば現れる、性に貪欲な素顔を俺だけが知っているというそれである。嬉しい悩みではありつつも、つい調子に乗ってしまわないように自制するのは並大抵の努力ではない。
そしてどうやら真衣もそんな俺の懊悩には気がついているようだった。
だからこそ俺の自尊心を甘くくすぐるように、彼女は素の自分を曝け出して積極的に俺を求めてくれる。そんな情の深さと最高の口淫快楽に打たれ、元々溜まりに溜まっていた射精欲求が急速に高まっていくのを俺は下半身に感じていた。
「……ぐっ。すまん、真衣。ちょっと早いけど、もう出そうだ……っ」
いつもより早漏気味で多少情けなくはある。だが、小さな口で精一杯俺のモノを咥えこんでいる真衣のことを思えば、無駄に長引かせるだけ酷というものだろう。
だから、我慢はしない。
俺はこのまま射精することを彼女に宣言した。
「ぐぽっ、じゅぷ、じゅぽっ……んっ、んんっ……!」
射精が間近にまで迫った陰茎が更に膨れ上がると、真衣は苦しそうなくぐもり声を漏らし始めた。
だが、一向に口を離す気配はない。
じゅっぽ、じゅっぽ、じゅっぽ、じゅっぽ……。
むしろ彼女はより一層唇を窄め、ストロークを速くして、射精を急かした。
その瞳は「このまま口の中に出して」と言っているように見える。
「いいんだな、このまま出しても……?」
かすれ声で発した俺の問いに答えるように、真衣はじゅっと男性器を啜った。
俺はそんな彼女の頭を衝動的に抑え込んでしまいそうだった。そうしないために、代わりに太ももに置かれている華奢な手をとり、強く握る。
腰を浮かして不意に喉奥を突いてしまわないようにも気を付けた。
しかし、本能的な身体反応を抑え込むためには相当な注意が必要だった。
「真衣、そろそろイクぞ。辛かったら、無理せずに口を離せよ」
「んっ、むぅ……」
最後に一言だけ警告し、俺は息苦しいまでの切迫感に身を委ねた。
ただ、果たしてその声は聞こえていただろうか?
眼下の真衣は相変わらず濃厚な口腔奉仕に没頭している。
俺が限界を迎えたのは、そんな彼女が一際深くまで陰茎を咥えこみ、亀頭に突かれた喉奥が反射的にきゅっと狭まった瞬間だった。
「うっ、出る……!」
「……んっ!? んんんんぅ……ッ!」
根元でぐつぐつと煮えたぎっていた精液が一気に尿道を駆け上り、鈴口からほとばしり出た。その凄まじい快楽の衝撃に、ずっと抑えてきた腰がつい跳ねてしまう。
亀頭がぬるりとした喉奥に擦れて、腰が抜けそうになるほどの甘い痺れが脳天まで走る。
それはひどく粒度の高い白濁汁だったように思う。そんなものを俺は、何度も何度も真衣の口内へと吐き出し続けた。
「……んっ……んぅ……ぐぅ、ごほっ」
引きも切らず続く射精を、真衣は目を瞑って根気よく受け止めてくれた。
温かい口の中で幾度も幾度も肉幹が震え、そうしてほぼほぼ残弾が出尽くしたころ。彼女は尿道に残った精液まで余さず啜り取ると、どこか勝ち誇った表情を浮かべてペニスから口を離した。
「
上体を起こして視線の高さをそろえると、彼女は舌足らずにそう言ってから口を開く。
べぇと突き出された赤い舌の上には、白いゼリーのような精液がたっぷりとのっていた。
我ながら呆れるほどの量と濃厚さだ。
「マジか。最近してなかったとはいえ、すげえな」
射精後の放心の中で率直に驚きを示す。それで真衣は十分満足したらしく、白濁液が垂れ落ちてしまう前に舌を引っ込めた。
そして俺の目の前で見せつけるようにこくんと喉を鳴らした。
「……あは、すっごく濃厚。めちゃくちゃ喉に絡んで全然飲み込めないよ」
流石に一度であの量を飲み干すのは難しかったらしく、彼女は何度も嚥下を繰り返した。
そうしてやっと口の中のモノをなくすと、今度はおもむろにテーブルのグラスに手を伸ばす。残ったチューハイを一気に呷って口の中を洗い流した真衣は、そこでようやくすっきりしたように一息ついた。
「おい待て。ザーメンをアテに酒を飲むな」
「いいじゃん。どうせお腹の中で一緒になるんだし」
一応ツッコんではおくものの身も蓋もない答えしか返ってこない。
呆れて物も言えずにいると、その隙に真衣の手がそろそろと俺の股間に忍び寄ってきた。
あんなに気持ちのいい射精をしたというのに俺の逸物は全く硬度を失っていない。
彼女のしなやかな指に触れられてビクンと奮い立つ。その様はまるでまだ獲物を食い足りない獰猛な獣の牙のようだ。
「この調子なら連続でもイケそうだね」
「まあな。否定はしない」
すぐさま臨戦態勢に入った陰茎を真衣の手が緩やかに扱く。
そのまま見つめ合った俺たちは、どちらからともなく腰を上げた。
二人そろってベッドに上がる。
座り込んだ俺に体重を預けてくる真衣。その身体は服の上からでもそうとわかるほどに熱気を帯びていた。