※この作品はR-18です。

とあるセフレたちの週末 〜繋がりっぱなし交尾で貪りあう二泊三日間〜   作:若菜はかり

6 / 17
【Saturday(2日目)】
【9:17】寝起きの洗いあいっこ ※△


 寝苦しい蒸し暑さに目を覚ますと、俺の左腕には真衣が抱き着いていた。

 一瞬寝覚めのドッキリかと疑う。だが、どうもそうではないようだ。

 安らかに目を瞑ったままの彼女は、明らかにまだ夢の中にいた。これは単純に寝相が悪いというだけだろう。

 俺は頭だけを動かし、枕元の目覚まし時計を見た。

 現在時刻、九時一七分。

 疲れのせいか、ぐっすりと眠っていたようだ。

 今日は大学に行かなくていい。そう思うと何だか久しぶりにホッとした。

 

「……それにしても」

 

 俺はしばし逡巡した後、視線を真衣の方へと戻した。

 抱きすくめられている俺の左腕。その上腕は真衣の豊かな肉丘に挟まれ、肘から先は見えない状態にあった。

 ただただ温かく、柔らかい。

 そうとしか言いようのない幸せな感覚に包まれている。

 だが同時に、目視できない手の甲には別の感覚もあった。

 

「これって……もしかしなくても、だよな?」

 

 唇を湿らせながら、俺は手首を返してそれに触れた。

 鼻先をかすめる髪よりほんの少しだけコシのある、ふわふわとした手触り。

 間違いない。彼女の陰毛だ。

 

「……ん、んんぅ」

 

 普段じっくりと味わうことのない触り心地に俄然(がぜん)興味がわき、指を絡めようとする。

 だがそのとき、真衣が不快そうな寝息を漏らした。

 冷房が切れているので日が昇るにしたがって室温は上がっている。タオルケットから覗く細い肩をよく見てみれば、彼女もうっすらと汗をかいていた。

 

「……んぅ……んん? ……あ、おはよう」

「お、おはよう。よく寝てたな」

 

 息を潜めて様子を窺っていると、じきに真衣は目を覚ました。

 まだ開ききっていない寝ぼけ眼をしょぼしょぼさせ、(いぶか)しげに眉をひそめる。

 

「……暑い」

「今クーラーつけるよ。……リモコンどこだっけ?」

 

 俺は身体を起こし、目当てのものを探そうとする。

 しかし、その動きは真衣が抱きしめる力を強めたことで妨げられた。

 

「真衣?」

「……亮太のエッチ。どこ触ってんの」

「い、いや、これは。目が覚めた時にはこの体勢だったから不可抗力っていうか」

 

 真衣のジト目に慌てて手を逃がそうとするが、むっちりとした太ももに挟まれてあえなく御用となる。

 ……いや、これはこれでむしろ僥倖(ぎょうこう)なのでは?

 と、そんなスケベ心を発揮したのが更にまずかった。

 しなやかな手が俺の下半身へと伸びてきて、タオルケットにテントを張っている愚息を鷲掴みにした。その遠慮のない手つきに俺は思わず身体を強張らせてしまう。

 

「朝から元気だね、亮太のおちんちん」

 

 ニヤリと笑みを向けてくる真衣に、俺は強がってみせる。

 

「くっ……仕方ねぇだろ。朝勃ちは生理現象だ」

「でも勃起してるのは事実じゃん。ねぇ、一発抜いとく?」

 

 細い指先がタオル地の上から勃起をゆるく撫でる。その間接的な刺激が余計に焦燥感を煽るものだから、俺の下半身はさらに硬度を増してしまった。

 脳裏に蘇る昨夜の記憶もまた拍車をかける。

 たしか今日は真衣も一日予定を空けていると、そう言っていたはずだ。

 つまり彼女も期待している。休日を丸一日費やし、ひたすら性行為に耽ることを。

 正直に言って、それは俺が大いに望むところでもあった。今すぐ甘い誘惑に乗るのも全然やぶさかではない。

 ただ一点。肌にまとわりつく不快感を完全に無視すれば、の話ではあるが。

 

「なかなか悪くない提案だな」

「でしょ? だったら……」

「けど、その前にひとっ風呂浴びねえか? 昨日汗だくのまま寝ちまったから、どうも身体中が気持ち悪くて」

「……あっ」

 

 俺の言葉にハッと気づいたように、真衣は首をすくめて自らの身体の匂いを嗅いだ。そして何とも言えない表情を浮かべ、一足早くベッドから起き上がる。

 

「……そだね。先にお風呂にしよっか」

「あ~……念のために言っとくけど、別にお前が臭いってわけじゃないからな?」

「はは、お気遣いどうも……」

 

 真衣はわかりやすいほどに俺から距離を取ると、そそくさと浴室へと向かった。

 その背中を追いながら、(余計なこと言ったな……)と内心反省するのだった。

 

 ***

 

「……ん。シャワーの湯加減、ちょうどよくなったよ」

 

 カランを開け、浴槽に湯を張りかけていると、そんな報告とともに温かな水しぶきが俺の背中にかかった。

 

「こっちはいいから、先に浴びてろよ」

「そう? あ、でも待って。こうすれば…………っと、よし。これで一緒に浴びられるね」

 

 準備が終わって後は待つだけとなり、俺は後ろを振り向く。すると、真衣は頭上に手を伸ばし、シャワーヘッドを壁の固定具に取り付けたところだった。

 雨のように降り注ぐ湯を、彼女はその豊かな胸元で心地よさそうに受け止めていた。

 水滴は張りのある白肌を濡らし、女性的な起伏に富む肢体を優美に流れ落ちていく。

 その光景は息を呑むほどに美しい。それでいて、ベッドの上で見た裸体とはちょっと違った(なま)めかしさがあるような気がした。

 ここでちょっと冷静になって考えてみたい。

 入浴というのは幼少期の一時期を除き、基本的には極めて個人的な行為だ。温泉や銭湯など例外もあるが、それだって男女別が普通だし、一定のパーソナルスペースを取るゆとりは確保されている。

 だが、今の俺たちにはそのどちらもなかった。

 成人済みの若い男女が、この狭いバスルームで肌がくっつきそうなほどの距離感にいる。

 これは到底普通じゃない。だからこその非日常感が俺を否応なく興奮させるのだった。

 

「亮太の身体、私が洗ってあげるよ」

 

 汗と体液にまみれた肌を互いに一通り流し終えると、真衣は一旦シャワーを止めた。それからボディーソープのボトルを手に取り、適量を手のひらで泡立てながら言う。

 どうやら俺に拒否権はないらしい。答える間もなく、少しヒヤリとする泡まみれの手が俺の腕をしっかりと掴んだ。

 

「ほら、最初は背中洗うから後ろ向いて。そうそう。あとはちょっとだけ腋と足も開いてくれるとやりやすいかな」

 

 一体どこまで丁寧にするつもりなのか怪訝に思いつつも、指示には素直に従う。

 真衣の手のひらは俺の肩から背中を通り、腰や尻までをゴシゴシと擦っていった。上げさせられた腕も洗い終えると、背後で彼女がしゃがみこむ気配がした。太ももを両手で掴まれ、再び下へ下へと擦られていく。やがて足の先まで行きつくとなんと指の間まで洗ってくれた。しかし、これは流石にくすぐったくてかなわない。

 

「な、なぁ。自分で洗えるから、そんなところまではいいって」

「ダーメ。どうせついでなんだから大人しく洗われてよ。……ふぅ。じゃあ、次は前ね。このまま腕回して洗うから、背中はこっちに向けたままで良いよ」

 

 そう言うが早いか、立ち上がった真衣の手が俺の胸板にまで回ってきた。

 だが、これでは腕を回されたというより抱き着かれたと言った方が正しい。現に俺の背中には真衣の豊満な乳房が押し付けられ、柔らかくむぎゅっと潰れる感触があった。

 意識したくなくとも意識せざるを得ない。

 そんな幸せな葛藤の最中、背後の真衣がほうとため息をついた。

 

「やっぱりすごいな、亮太の身体。もちろん性別が違うんだから当たり前なんだけど、これだけ筋肉の固さとか厚みの違いを見せつけられると、もう生き物として別なんじゃないかって思っちゃうよ」

「……ええと、それって」

「あ、別に怖いとかそういうんじゃないよ。ただ、何て言うのかな……男と女の違いを実感させられるっていうか。私みたいに普段は女の子っぽさから距離を置いてる人間でも、結局は一人の女でしかないんだって気づかされる感じ? それが嫌なわけじゃ全然ないし、むしろ新鮮な驚きではあるんだけど」

 

 語りながら真衣は、その実感を深めていくように俺の身体を触った。筋張った肩回りや胸板、腹筋の溝の一本一本まで繊細な手つきで撫でていく。

 そうして彼女は何か得心したように「うん、やっぱりそうだ」と呟いた。

 

「多分、これが男らしさっていうか、男の人特有のセクシーさみたいなものなんだろうね」

「セクシー? 俺が?」

 

 自分には全く似つかわしくない表現につい笑ってしまう。

 けれど真衣はさほど気分を害した様子もなく、手のひらで俺の肌を擦りながら続けた。

 

「少なくとも私はそう思うよ。だって亮太の身体、しっかり鍛え上げられてて、見てるだけで惚れ惚れしちゃうもの。筋肉がまるで鎧みたいで、でもボディービルダーってほど極端でもなくて、ちゃんとスポーツマンの肉体って感じ」

「そう言ってくれるのはありがたいけどな、結構気持ち悪がられたりもするんだぜ。男からも女からも」

「うん、まぁ、その気持ちもわからなくはないかも。こんなこと言っといてなんだけど、私も亮太と今の関係になるまでは結構すらりとしたタイプが好きだったし」

「だよな。前に見せてもらった元カレの写真からすると」

「でも、それは亮太だって同じじゃない? 昔から小動物系女子が好みだったんだよね」

「……酒飲んでるときにチラッと言っただけだろ。なんで覚えてんだよ」

「ふふっ。私、お酒飲んでも記憶はなくならないタイプだから」

 

 そう言って、真衣は愉快気に笑う。対して俺はわざとらしく、やれやれ、と肩をすくめてみせた。

 だが実際のところは、内心ドギマギしていた。いつの間にか太ももまで下りてきた彼女の指先が、天に向かって屹立する陰茎に今にも触れてしまいそうだったからだ。

 俺の背後にいるとはいえ、気づかないわけがない。

 焦らしプレイにも似た緊迫感が続く。

 やがてようやく発見したかのように、真衣の両手が俺の肉竿を包み込んだ。

 

「で、ここも筋肉の塊みたいにバキバキになってるんだけどさ」

 

 呆れた苦笑交じりに、ボディーソープ塗れの手指がゆるゆると陰茎を弄び始めた。

 まずは包皮を剥くように左手で扱きつつ、ズル剥けになった亀頭を右手のひらで完全に覆いつくす。そのまま滑らかな手首の回転運動も交え、敏感な肉先を磨くように擦り上げられた。

 それだけでも俺は思わず情けない声を漏らしそうになる。

 だが、まだこれで終わらない。真衣の左手はさらに肉竿の根元、勃起に引っ張られ持ち上がった陰嚢にも狙いをつけていた。

 ぬめった指先が強張りをほぐすように、男の急所を優しく揉みしだく。

 射精感を煽るような強い快楽ではない。しかし、普段馴染みのない感覚ゆえに堪え方がわからず、俺は震えながら天井を仰ぐ羽目になった。

 

「……なぁ。お前からしたら、こんなところもセクシーだって言うのかよ」

「うん、そうだよ。もしかしたら、セクシーさで言えばここが一番なのかもしれないね」

「いや待て、これもうセクシーどころの話じゃねえだろ。今どこ触ってると思ってんだ」

「え? どこってそりゃあ、亮太のおちんちんだけど」

 

 なんだか頭が痛くなりそうな会話だった。ただそのうちに気づいたのは、穏やかに続く真衣の手つきがどうやら性的興奮を煽る目的のものではないということだ。むしろ先ほど筋肉を撫でまわしていたのと同じ、男らしい肉体を堪能するためのタッチといった方が的確だろう。

 だからこれはひょっとすると、前戯ですらないのかもしれない。

 しかしながら、俺の身体はそんな些細な違いを峻別(しゅんべつ)できるほどに利口ではなかった。

 あまりに素直に、あまりに明け透けに。女の柔らかい手に勇んで頬擦りするように、青筋だった男根はわなわなと自らの身を震わせてしまう。

 見るも情けない有様だ。俺は下唇を噛みつつ、じっと愚息を睨み据えた。

 

「はい、これで終わり」

 

 男性器を隈なく撫でつくして満足したのか、真衣はそう宣言するとあっさりと身体を離していった。

 先に俺の身体を洗ってくれたのだから、今度は俺が洗う番なのだろう。

 そう当たりをつけて振り返れば、まさに予想通り。両腕を開くように上げた彼女は、ちょうどアルファベットのTに近いポーズで俺に洗われるのを待っていた。

 

「私も背中向けた方が洗いやすいかな?」

「いや、こっち向いたままでいいや。背中は……まぁ、後からでも何とかなる」

 

 頭の中でさして計画も立てぬまま、俺はボディーソープを手にとって泡立てた。真衣を驚かせないように人肌まで温め、まずは彼女の白い首筋に手を伸ばす。

 

「……んっ」

 

 滑らかな濡れ肌に触れれば、真一文字に結ばれた唇の奥から声にならない吐息が聞こえた。首筋から鎖骨を経て、今しがたピクンと跳ねた肩へと泡を塗り伸ばしていく。そのまま腕に至り、彼女の指一本一本まで丁寧に洗うと、俺は少し考えた後にこう言った。

 

「腋も洗うから、腕を頭の後ろで組んでくれないか?」

「えっ、腋も? ……う、うん」

 

 真衣も初めは戸惑っていたが、ほどなく俺の言う通りにしてくれた。

 生まれたての赤ん坊のように真っ白くもちもちとした腋肌。

 普段他人には決して見せることのない、そんな部位を俺の眼前に差し出してくれた彼女は、ひどく気恥ずかしそうに目を伏せた。

 

「……あっ、んふぅ」

 

 俺の武骨な手のひらがその薄い皮膚に触れた。少なからずこそばゆさもあっただろう。だがそれにも増して、彼女の頬が赤く染まっている原因は未体験の羞恥にあるらしい。

 

「何だかこれ、すごくいけないことしてる気がするな」

「だよね。ちょっと変態っぽい……んっ、はぁっ」

 

 指の腹が腋肉をなぞる。と、真衣はたまらず甘い吐息を漏らした。

 彼女の呼吸もいつの間にか浅くなっていた。忙しなく上下する胸元が豊満なバストを持ち上げ、そのたびに薄ピンクの乳輪を蠱惑的に震えさせる。そんなものを間近に見せつけられては、男としては網膜に焼き付けようと凝視するほかなかった。

 それでも結局見ているだけでは我慢ならなくなって、俺はそのたっぷりとした肉鞠に指を沈めた。

 しっとりとして柔らかく、どこまでも俺を受け入れてくれる豊かな母性の象徴。それを存分に手のひらで味わいながら、先ほど真衣が語った内容を俺は今一度考え直していた。

 

「……さっき真衣が言ってたこと、俺も考えてみたんだけどさ」

「さっきって……もしかして、セクシーがどうとかってやつ?」

 

 小首をかしげる真衣に、俺は頷く。

 

「そう、それそれ。やっぱり考えるだけ考えても、ちょっとピンとこねえわ。俺みたいなむさくるしい男が色っぽいとか、多分、真衣の感覚がズレてるだけだと思う」

「え~、ひどいなぁ。そう言われると、まるで私が特殊性癖みたいじゃん」

「みたいじゃなくて、実際そうなんだろ」

「うわ、辛辣」

「というか、セクシーなんて言葉、むしろお前のためにあるようなもんだろうが」

「……え?」

 

 何の気なしにそう言うと、真衣はなぜか驚いたようにきょとんとした表情になった。

 ……いや、待て。そんなわけがないだろう。

 お前がセクシーでないのなら、一体地球上の誰がセクシーだというのか?

 

「まさか自覚ねえのか? その上等なツラと身体で」

「え、いや、そんなことは…………まぁ、自分で言うのもおかしいけど、人並み以上には恵まれてると思うよ。そこ謙遜しすぎると、かえって嫌味になるだろうし」

「だよな。ちょっと安心した。……じゃあ、なんで驚いた顔したんだよ?」

 

 乳房を揉み捏ねる手に力を込めながら俺は改めて追及する。すると真衣は、言葉の端々に(あで)やかな吐息を乗せつつ、ぼそぼそと喋り始めた。

 

「……んぅっ、いや、その……私のこと、いつもエロいとは言ってくれるけど、セクシーだって言ってくれることは……はぁ、ぅんっ……な、なかったでしょ? だから、ちょっとびっくりしちゃって……」

 

 今度は俺が眉をひそめる番だった。とはいえ、真衣が言わんとしていることは何となくわかる。どうやら「セクシー」と「エロティック」がイコールで単純結合している俺に対し、彼女の中ではこの二つに明確な差異が存在しているらしかった。

 それに言及しようとしたところで、俺は口を噤む。

 お互いの認識に齟齬(そご)がある。それは確かなのだけれど、真衣が悪く思っていないのならば別にこのままでいいのでは、と考え直したのだ。

 それに今の俺にはこの勘違いを当たり障りなく修正するだけの語彙力がない。

 そんな理性的な代物は、今もなお手のひらに心地よく感じられる柔らかさの前に、呆気なく雲散霧消していた。

 

「やっぱり女としてはセクシーって言われた方が喜ぶもんか?」

「ん~、まぁそうだね。エロいって言われるよりかは断然嬉しいかも」

「なるほど。今後のためにも覚えとくわ」

 

 そんな殊勝な言葉を口にしつつ、俺は蕩けるような下乳を撫でながら(こんだけ胸デカいと、今の時期は絶対蒸れるんだろうな)なんて下世話なことばかり考えていた。

 やがて柔乳の隅々までを泡だらけにし終えると、俺の手はようやく他の部位へと移った。

 薄く腹筋の浮き出た腹部を丹念に擦り上げ、次第に腰を落としながら、むっちりとした腰回りから太ももにかけての下半身を洗っていく。

 

「ちょっと足を開いてくれるか?」

「……う、うん」

 

 内ももが洗いにくかったので何の気なくそう言うと、真衣は一瞬の躊躇(ためら)いを見せた。

 彼女はほんの少しだけ股を開く。そのとき前髪が何かに触れた感覚があり、視線を上げた俺は目の前に飛び込んできた光景にハッと息を呑んだ。

 眼前わずか数センチの距離に真衣の股間があった。

 ふっくらとした女らしい下腹部に、涼やかな風貌とは釣り合わないほど濃密な陰毛がびっしりと茂っている。垂れた泡が絡んではいるものの、その一本一本の生え際までがわかるほどだ。

 その茂みの奥にはぼってりと肉厚な大陰唇も見えた。二枚の花弁の合わせ目はわずかに綻び、情欲をそそる可憐なピンクの肉ビラをちらりと覗かせていた。

 

「……よし。じゃあ、あとは背中だな」

 

 つい目と鼻の先にある秘所の誘惑に後ろ髪を引かれながらも、俺は手早く真衣の爪先まで洗い終えると重い腰を上げた。

 再び彼女の美しい裸体、その全貌が視界に入る。

 しかしまぁ、本当に見れば見るほどいい身体をしているものだ。

 その気さえあれば、今のままでグラビアアイドルとしても十分やっていけるだろう。

 そう思えてしまうほど、しっかりとメリハリのきいた(つや)めかしいシルエットだった。

 

「後ろ向こうか?」

「いや、いい」

 

 先ほどのお返し。というわけでもないが、俺はハグするように真衣の背中に手を回す。

 そうすると自然と身体の前面同士が密着した。泡濡れの柔肉がむにゅりと滑らかに潰れ、彼女の下腹部には俺の禍々しいまでに勃起した肉塊が突き刺さる。それを彼女は嫌がるどころか、俺の背中に腕を回すことで応えてくれた。

 

「……んぅ……はぁ……あっ……んっ」

 

 肩甲骨のふちを指でなぞり、引き締まった背中を優しく擦っていけば、真衣の唇からは官能的な吐息が途切れ途切れに漏れた。そのたびに身じろぎするものだから、陰茎が柔らかな腹部ににゅるりと押しつぶされ、俺も気持ち良いったらない。

 そのまま手を下ろしていき、最後には彼女の臀部(でんぶ)に行き着く。筋肉と脂肪がバランスよく付いたそこは、胸の膨らみとはまた違った女性的魅力に満ち溢れていた。

 

「あっ……お尻、そんなに捏ねちゃ……恥ずかしいよ……」

 

 男の俺の肉体が硬くて(たくま)しいのであれば、真衣の身体はどこまでも柔らかくて華奢(きゃしゃ)だった。いくらか筋肉はついているといえども、まるでレベルが違う。俺にとって彼女は力を入れれば容易く折れてしまいそうな葦のようなものだった。

 けれども、ここだけはどうやら違うようだ。欲望を多少強くぶつけようとも、この弾力に富む尻たぶならば、ほどよいクッションとなって真衣の身体を守ってくれるだろう。それを入念に確かめるように、俺は手に力を込めて豊かな双臀を揉みくちゃにした。

 

「そうだ。ここもちゃんと綺麗にしとかないとな」

「へ? ……あ、いやっ。そんな、そこはお尻の穴で汚いからぁ……」

 

 深い尻の谷間、その奥底の窄まりを軽くほじるように指の腹で撫でた。すると真衣はビクンと身体を震わし、か細い悲鳴を上げた。

 肩口に埋めた顔はおそらく羞恥に赤く染まっているだろう。

 それを想像してニヤつきながら、俺は軽い調子で「ごめんごめん」と謝った。

 

「さて、最後にもう一箇所。念入りに洗ってやらないといけないところがあるな」

 

 全身を洗ううちにすっかり薄くなった泡を補充するため、俺は真衣から身を離した。

 その際、お互いのぬるんだ下腹部に挟まれていた肉棒の先端が未練がましく粘液の糸を引いた。からかわれるかと危ぶんだが、真衣はただその卑猥に勃起したペニスを熱っぽい瞳で見送るだけだった。

 

「腰、俺に向かって突き出して」

 

 新鮮な泡をまとわせた指先を真衣の股間の前に据え、俺はそんな指示を出した。

 恐々とした上目遣いが真意を確かめるように俺の目を見る。それに答えないでいると、諦めたように目を伏せた彼女は意を決して、自らの腰をぐっと前に突き出した。

 肉のあわいに触れた指先が、くちゅり、と粘着質な水音を立てた。

 

「あっ、ん……っ」

 

 それがきっかけだったかのように真衣の腰がカクカクとわななく。

 しかしそれは反射的な肉体の震えというよりも、むしろ自発的に快楽刺激を求める淫らな腰つきの始まりだった。

 彼女がそれを必死に抑えようとしているのは見るからに明らかだ。眉間にしわを寄せ、俺の肩をしっかりと掴んで堪えようとしている。

 だがそれでも彼女の腰の動きは間断的にだが続いていた。

 俺は手を一切動かしていない。にも関わらず、ボディーソープとは違うぬめりけが肉ビラのブラシによって俺の指に塗りつけられていた。

 

「ご、ごめん。私……」

「ん? どうかしたか?」

 

 わざと気づかないふりをして、こちらからも指を動かし始める。

 昨夜俺を受け入れてくれた秘裂をねぎらうように、ゆっくりと穏やかに。

 ぬちゅり、くちゅり、と水音が聞こえてくるが、今はどうでもよかった。

 真衣が俺の男性器を洗い上げてくれたように、俺は彼女の秘部を綺麗にしてやりたい。

 その一心で、真心を込めて指を動かし続けた。

 

「……はぁ、うっ……や……あぁっ……」

 

 切なげな声がすぐそばに聞こえる。目線を上げると、真衣の濡れた唇が間近に迫って来ていた。

 俺はそれを認めると、彼女の股間からすっと手を抜いた。一瞬の困惑ののち、どうして? と彼女の瞳が問う。俺はそれにあえて答えず、壁に取り付けていたシャワーヘッドに手を伸ばした。

 

「もうそろそろ湯もたまったし、身体を流してしまおうか」

 

 そう言いながら片手間に浴槽のカランを閉じ、次いでシャワーの栓を開ける。

 少しぬるめの湯が二人の身体中についた泡を洗い流していく。それでもなお、一度火のついた真衣は物欲しげな眼差しでじっとりと俺のことを見つめていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。