とあるセフレたちの週末 〜繋がりっぱなし交尾で貪りあう二泊三日間〜 作:若菜はかり
「はぁ~、今のすっごく良かったぁ……。ありがとね、オナニー手伝ってもらっちゃって」
「そりゃどうも。まぁ、余計なおせっかいじゃないかとも思ったんだけどな」
「全然そんな。私こそ今までの癖でつい手加減しちゃうから、イけそうでイけない感じだったし……って、うわっ。何これ」
くったりとした笑みを浮かべつつ、真衣はのそのそと身を起こす。そのまま未だに動き続けるバイブへと手を伸ばしたのだが、触れた瞬間にぎょっと驚くような声を上げた。
今しがたまでトロトロの膣内に咥え込まれていた性玩具。それは挿入部どころか、持ち手まですっかり愛液にまみれてしまっていた。
かなり濡れているという自覚はもちろん彼女にもあったはずだ。だが一息ついてから確かめてみると、予想以上だったというところだろう。
「うわ~、これヤバ。もしかして私、また潮吹いちゃった? それともただ単にこれだけ濡れたってこと?」
「多分そうだろうな。派手にはイってたけど、風呂場の時みたいなことはなかったし」
「えぇ、マジか。う~ん」
「何だよ。このくらい、いつものことだろ?」
普段あまり表立って文句は言わないのだけれど、こちとら真衣が泊まりに来るたび布団の乾燥を強いられている身なのである。それだけ濡れやすい体質をしているくせに、今さら何をそんなに驚くことがあるだろう。
そう思いながらテーブルの上にあったティッシュを箱ごと手渡す。すると彼女は、いそいそとバイブを拭きながら伏し目がちに呟いた。
「いや、えっと……いつもオナニーではこんなに濡れることなくて。だから、ね?」
「そうなのか? 意外だな」
それは性に貪欲な真衣らしからぬ答えではあった。
しかし、考えてみれば不思議ではない。
高校までは家族と同居していただろうし、今は今で叔母夫婦と同じ屋根の下暮らしているのだ。そうすると自慰は隠れてこっそり行うしかなく、どうしても思いのままにとはいかなくなる。
自分では緩めてしまうという癖も、もしかしたらそういった環境へ適応した結果なのかもしれない。そう考えると、日頃セックスに積極的な彼女とのギャップにも納得できた。
無論、俺に見られながらという特殊な緊張感も少なからず影響はしていただろうが。
「おかげであのバイブの本領もわかったし、今後の参考になったよ。まぁ多分、家だとまともに使えそうにないんだけどね」
「だろうな。俺の部屋だったら場所くらい提供してやるから、それで我慢しとけ」
「ははっ、サンキュー」
「……あー、ところでさ」
「ん?」
「ソレなんだけど、結局何なんだ?」
会話に集中しようとしても、視線はついつい件の物品に引き寄せられてしまう。
やむなく観念し、指を差しながら問えば、真衣はあっけらかんと答えてみせた。
「あれ、ディルド知らない? これもアダルトグッズなんだけど」
「あぁいや違う。そこはわかるんだよ。問題は何でこんなもん持ってんのかってことで」
隆々と勃起した陰茎をリアルにかたどった、いわゆるディルドと言われる玩具。
先ほどまでの可愛らしいピンクローターや、ある種を備えたバイブとは明らかに趣を異にする。まさに性具といった風格を備えるそれは、真衣のような品よく眉目秀麗な女学生が持つにはひどく不釣り合いにすら映る代物だった。
だがそんなグロテスクな
「これ、ついこないだネットで買ったんだ。前から興味はあったんだけど、なかなか踏ん切りがつかなくて。ほら、この見た目だしさ。もし見つかったらってこと考えると、ダメージ大きそうじゃん?」
「でも結局買った、と」
「し、仕方ないでしょ。この一カ月、亮太との予定合わないうちにテスト期間突入して、欲求不満になっちゃったんだから」
「おい待て、俺のせいかよ」
思わぬ流れ弾に呆気にとられていると、なぜか真衣はディルドを俺に差し出してきた。
何だこれは。受け取って一体、俺にどうしろと言うのか?
疑問を目で訴えるが聞き入れてはもらえず、そのうちに例のブツは俺の手に押し付けられてしまう。
実際に触れてみると結構なサイズ感があった。確かにブヨッとした樹脂製の人工物なのだが、見た目はやはり写実的に成形された男の逸物で、何とも言えない違和感は拭えない。
使い方が若干間違っている気もするが、『不気味の谷』とはこんな感覚なのかとも思う。
「でも実はまだ新品なんだよね。だから、使い初めしたくて」
「使い初め、って……」
真衣はそう言うと何かを期待するような瞳で俺を見た。
それに対し、俺はどうすれば良いのかわからない。
ただ彼女がしきりにぺろぺろと唇を湿らすのを見て、咄嗟にその口元へディルドを突き付けてみた。それを待っていたかのように、濡れたリップが疑似ペニスの亀頭に近寄ってくる。
「……んっ、ちゅ、ちゅっ……あ、むぅ」
挨拶するようにバードキスを二度ほど。そうしてから真衣はディルドを咥え込み始める。
俺と視線を絡めたまま大きく口を開き、見せつけるようにゆっくりと。
「んむっ、んんぅ……じゅ、ぐぽっ……ちゅぷ……くぽっ」
ゴツゴツとしたシリコンの樹皮を唇が這い、レプリカの男性器が口腔内に呑み込まれていく。その過程は彼女の鼻先がディルドの吸盤に触れるまで続き、それから今度は頬を凹ませながらの後退に転じた。
唾液濡れの肉竿が、小さな口の中から現れては消える。それは次第に速度を増し、淫らな音を奏でながら繰り返されるが、真衣は俺の顔から決して目を逸らすことはなかった。
そんな健気な努力のおかげだろう。彼女の放埓ながらも熱心な口淫を、俺は真正面からたっぷりと堪能することができた。それは普段通りの見下ろす視点では願っても拝めない眺めで、新鮮な興奮が肉棒を扱く手を捗らせてくれた。
「じゅぷ、ちゅぽっ……ぐぷ、んんっ……ぷはぁ、はぁ………ねえ、どう?」
「控えめに言って最高だよ。ったく、ドスケベなフェラ顔見せつけやがって」
「んふふ……亮太、興奮したんだ。もう見てるだけじゃ我慢できなくなってるね」
「そりゃあな。さっきのオナニーからこっち、ずっとお預け食らってるようなもんなんだ。聞かなくてもわかるだろ」
「あは、だよね」
と、そう言っているうちにも、自身の剛直を握る手に粘着質な水音が混じり始めた。先端から我慢汁が溢れ、肉幹に絡みついたのだ。
まるで己の昂ぶりをアピールするかのように、ねちゃり、くちゃり、と淫液は空気を孕む。そんな俺の下半身を、真衣の舌なめずりするような視線が撫でた。
「うわぁ。亮太の極太おちんちん、エッチな涎が垂れてヌルヌルになっちゃってる。私はディルド舐めてただけなのに、もしかして自分がフェラされてるって勘違いしちゃった?」
「……ああ、悔しいけどそうかもな」
「あ、あれ? 案外素直じゃん」
誤魔化すことなく白状したのだが、なぜかちょっと驚かれる。
「おい、どういう意味だよ」
「だって、いつもだったら『うるさい!』とか言うタイミングでしょ。亮太こそ、急にどうしちゃったのかなって」
「どうしたもこうしたも、それだけ堪えが効かなくなってるってことだよ。真衣のしゃぶり方があんまりいやらしいもんだから、昨日の晩のことも思い出して……」
そこまで言ってしまってようやく口を噤む。だが、もはや何もかも手遅れだった。
脳裏に蘇った昨夜のフェラの記憶。それはつい今しがた目にした光景と重なり合い、無意識のうちに生々しい想像を描いていく。
いつの間にか俺は真衣の口元からすっかり目が離せなくなっていた。
彼女もそれにすぐ気がつき、妖しく笑って赤い舌を突き出した。
そのまま見えない亀頭をくすぐるように、チロチロと舌先を小刻みに動かす。
たったそれだけで俺の勃起肉はビクンと跳ねてしまった。彼女の悪戯な表情はそれを見て、ますます愉しそうに笑みを含む。
「ふふっ、いいよ。私が偽物ペニスにご奉仕するところ見て、もっとおちんちん滾らせて。我慢できなくて亮太が自分でシコシコするところ、私も見ていてあげるから」
そう言うと、真衣は再びディルドに顔を寄せた。今度は一息に咥え込むことはせず、昨夜俺にしてくれたように亀頭だけを唇で包み込んだまま首を振り始める。
ちゅぷ、ちゅぷ、ちゅぷ。
可愛らしい音とともに、凶悪なまでにえぐれたカリ首が扱かれる。
俺はそれを再現するように指で輪をつくり、亀頭冠を刺激した。
当たり前だが、気持ちはいい。それでも何となくもどかしさは残った。
「私の真似しちゃって面白いなぁ。じゃあ、次は……」
今度は彼女の顔が肉棒の下に潜った。これも昨日と同じだ。たっぷりと膨らんだ陰嚢を唇で啄ばみ、そこからハーモニカを吹くように要領で裏筋を啄ばんでくる。
これは再現が難しかった。指先で同じところをくすぐってみるのだが、どうも物足りない。ああいった刺激はきっと真衣にしてもらってこそなのだろう。それはわかるのだけれど、だからこそ焦燥感が募り、逸物を摩擦する手ばかりが速くなる。
そんな俺の反応を見て、真衣はまた満足したように声を弾ませた。
「亮太ってば必死におちんちん擦って、いつになく可愛い。ねぇ、そろそろ私の中に入れたくなってきたでしょ。違う?」
「……まぁ、その。正直に言えば、な」
「ん~? ふふっ、期待しちゃってるね。でも、まだダメだよ。せっかくの機会なんだから、私がこれで気持ちよくなるところも見てからにしなって」
俺の手からディルドを引き取ると、真衣はベッドを降りた。そのままフローリングの上に膝をつき、付属の吸盤でもってそれを据え付けにかかる。何度も場所を変えては試し、やっと納得できたのだろうか。しばらくして「よし」と呟く声がした。
それにしても男性器が床からにょきりと生えた光景というのは実にシュールであった。さながら地面に植わった妙ちくりんな植物の苗木でも見ているようだ。
と、そこでこちらに向き直ろうとした真衣に、俺は勢い込んで待ったをかけた。
「あっ、こっち向かなくていい。そのまま、背中向けたままでいいから」
「え、いいの? おっぱい揺れてるところとか見えなくなるけど」
「大丈夫だ。それに真衣だって、俺が見えない方が何かとやりやすいだろ?」
「ん~、そりゃあまあ。見られてるとどうしても意識するし、顔が見えないだけでも恥ずかしさは違うとは思う……でも何が狙い?」
いつもの俺らしくないと思われたか、彼女は訝しげなジト目を向けてくる。わかってはいたものの、こういうところはやはりスルーしてくれない。
とはいえ、下手に誤魔化す必要もないほどの理由ではある。
俺はほとんど悩みもせず、あっさりと白状してしまうことにした。
「ああ、大したことじゃねえよ。今度は真衣の自然体なオナニーが見てみたいってだけで」
「自然体って……あ~、なんかわかったかも。もしかして亮太、素人ものとか盗撮ものが好きなタイプだ」
「いやいや、ちょっと待て。どうやったらそんな結論になる」
斜め上方向の推理に思わずツッコミを入れる。そんな俺にくすくす笑いで応える真衣は、跨いだディルドに向かって膝をついたまま腰を落としていった。
こちらに再び背中を向けたので、肉鉾の穂先が秘裂に突き刺さる様子は深い尻の谷間越しに丸見えだった。竿肌にとろりと滴った一筋の蜜さえ、くっきりと垣間見える。
先ほどの絶頂の余熱がいまだに冷めやらぬのだろうか。あるいは、疑似フェラを披露するうちに改めて股間を疼かせたのかもしれない。
そんな想像を巡らせながら視線を上げる。すると肩越しに振り返った彼女もまた、とろんとした瞳を俺に向けているのに気づかされた。
「入れる、よ…………あっ」
密やかな囁きとともに陰唇が押し広げられ、シリコンの亀頭がつぷりと真衣の中に沈み込む。
小さく漏れる甘い喘ぎ。だが彼女の腰は重力に従ったまま、落下を止めることはない。
「あああぁ……くっ、はぁ……っ」
膝が深く折れるにつれ、彼女の声は明らかに上擦っていった。眉根が悩ましげに寄り、官能的な震えが全身に広がる。
そうしてたっぷりと時間をかけ、張形が半ば過ぎまで膣内に収まった時だった。
「……あ。ヤバいかも、これ」
腰の沈みが不意に止まる。
代わりに聞こえた声の雰囲気に、俺はどこか既視感があった。
「ヤバいって……もしかして、入れただけでイキそうなのか?」
「…………うん」
「おいおい、マジか」
もしやと勘づいて問いかけると、果たして真衣は面目なさそうな表情で首肯した。
俺に見られているという特殊なシチュエーションや、初めてのディルド体験という期待感が作用している面はもちろんあるだろう。とはいえ、リアル志向な性玩具の威力がまさかここまでのものとは思わなかった。
ただ一方で、真衣の体質を考えればさほど不思議でなかったのも確かだ。ただでさえ感じやすく、性経験の浅い俺相手でもオーガズムに至れる彼女は、一度達すれば簡単に連続絶頂してしまう身体を持つ。少し時間を置いたとはいえ、バイブであれだけ派手にイったのだ。その影響が全くないとは言えないだろう。
そんな俺の推測を丁寧に裏付けてくれる――というわけではないはずだが、背中を向けたままの真衣は早口で言い訳を並べ出した。
「し、仕方ないじゃん。さっきあんなに深くイっちゃって、まだ余韻が残ってるんだから。それにこのディルドも大きめのサイズだし、このままだと絶対奥まで届いちゃう。そしたら、私……」
そこまで喋ったところで、真衣はひっと声にならない悲鳴を上げた。
彼女の怯えた視線の先には俺がいる。立て続く御託をほとんど聞き流し、ベッドの上から無造作に手を伸ばした俺の姿が。
「そっか。つまり、また俺に手伝えってことだな?」
「ち、違っ……!」
その手は何者にも邪魔されることなく、真衣の豊満な尻たぶまで届いた。はちきれんばかりの緊張に震えるそこは、サイズに似合わず何とも可愛らしい小動物のようだ。俺は早速力を込めるでもなく、ただただ優しく餅肌を撫で回す。
しかし、その行為は図らずも最後の一押しになったらしかった。
「だ、ダメ……力抜けちゃう……っ」
中途半端に腰だけ浮かせた体勢はそもそも長く続かなかったのだろう。その上に指先でこそぐるように触れられては、もう力を入れる余地などなくなってしまった。
真衣はそれでもほんの数秒だけ堪えた。ただ、我慢はそれきりだった。
「あっ…………いっ、あぁ……ッ、あっ、あっイク、あっイクっ……イク、イクぅ……ッ」
女の子座りでぺたんと尻餅をついた真衣は、一瞬の静寂ののち、絞り出すような声量で絶頂を吐露した。全力疾走を終えた時にも似た、喘ぐような息遣いが後に続く。
それ以外は極めてしめやかなオーガズムだった。
自らを抱きしめるように両腕を巻きつかせ、彼女は丸まった背中をビクンビクンと波打たせる。ディルドをずっぽり咥え込んだ下半身も間欠的にくねらせては、後引く快楽を最後の最後まで享受しようとしているようだった。
その艶めかしくも静かな後姿に、俺はいつしか見惚れてしまっていた。
そうでなければ、俺まで黙り込んでしまう必要などどこにもなかったはずだ。
そうして真衣が肩で息をする音だけがしばらく続いた。
「はぁ……はぁ……はぁ……んっ……もう、ダメって言ったのに」
ようやく肩越しに振り向いて、真衣は恨めしそうな視線をこちらに寄越した。
その流し目はけれども言葉に反し、トロンと熱っぽく濡れている。いかにも男の嗜虐心を煽る艶めかしさに、俺は思わずくつくつと笑い声を漏らしてしまった。
「……何かおかしい?」
「いいや。そう言うわりには満足そうな顔してるもんだから、つい」
「べ、別に満足そうだなんて……」
拗ねたようにプイと顔を背ける真衣。だが、男好きする桃尻がうずうず焦れるように揺れるのまでは到底隠せていない。つい今しがた達したばかりとはいえ、膣内をみちみちと押し広げる圧迫感に見舞われているのだ。彼女の肢体に新たな肉欲の火が灯りかけているのは間違いないだろう。
そして実際、次のアクションを起こしたのは一度恥じらってしまった真衣の方からだった。
「……ずっとこうしてるのもなんだし、そろそろ動くから」
「おう。しっかり見といてやるよ。だから、真衣の好きなように腰動かしてみ?」
「……ん」
真衣は俺の言葉に頷くと、床に後ろ手をついて仰け反る格好になった。
そのまま尻の筋肉をきゅっと引き締める。そうやって目一杯まで下腹部を突き出しておいて、今度はふっと力を弛緩させながら腰を引いた。
「あっ……んぅ……っ」
そのたった一度の腰遣いで、彼女の声は甘く色づいた。あとは呼び水のように、もう一回、さらにもう一回、と腰を振らずにはいられなくなる。
「あんっ……あっ……あっ……いぃ、あぁ……っ」
初めこそ控えめだった腰つきは回を重ねるごとにどんどん滑らかになっていく。真衣のような美女が見せる、その何とも生々しい過程を目の当たりにして、俺は自ら慰めるしかない陰茎を一層膨張させた。
ただ、変化したのはどうやら速度だけではないようだ。
秘部に深々と突き刺さった疑似ペニス。その質感を膣全体で味わおうとするかのように、グラインドが次第にねちっこいものになっていることに気がつく。
「あっ、やっ、見られてるの恥ずかしいのに、腰動いちゃ……あっ、あっ、あっ」
やがてディルドがすっかり肉壺に馴染んだ様子で、真衣の腰は小気味よいリズムを刻み始めた。か細い喉奥から嬌声が溢れ出るが、そこにも何の衒いも感じられない。いかにも素朴な、ありのままの快感を表現する女の声音だ。
腰遣いも最初は水平運動に近い動きのはずが、ふと気づけば斜め上方向へ突き上げるようなそれへと変わっていた。それに伴って身体の仰け反り具合も深くなり、ゆさゆさと揺れるバストを頭越しに観察できるほどだ。これはきっと意識してのものではなくて、Gスポットをいかに心地よく刺激できるか本能的に模索した結果なのだろう。
そして今、彼女は一旦腰振りを止めていた。その代わり膣奥を掻き混ぜるように下半身をくねらせ、女の部分で張形の凹凸をじっくりと確かめる。
「はぁっ、はぁ……あっ、んぅっ……はぁ、あ、あぁ……っ」
恍惚に濡れた背中がゾクゾクと震えあがったのは、初めて咥え込んだディルドの味わいに満足できたからだろう。腰が円を描くたびに切なげな声は徐々に熱情を増し、真衣は淫奔な性運動へと駆り立てられていく。
俺はそんな彼女を邪魔しないように静かに息を潜めていた。できる限り存在感を消し、自慰行為だけに集中できる空気を演出してやる。
確かに真後ろからの視点だと、玩具にみちりと押し広げられた秘裂や、重量感たっぷりに暴れる美巨乳を拝むことは叶わなかった。とはいえ、卑猥な緊張と弛緩とを繰り返す尻肉は十分見応えがあるし、吹き出した汗でテカる背中もこれはこれで股間に来るものがある。つまり興奮材料に困らないわけで、俺の右手は溜まりゆく乳酸にも負けずフルスロットルで動き続けていた。
いっそこのまま射精に至り、目の前の綺麗な背中を汚してやったらどんな反応をしてくれるだろう。そんな妄想さえ興奮に拍車をかける。
だが俺の射精感が頂点に達する随分手前で、早くも真衣の方が限界を迎えたらしかった。
「あっ、あっ、あっ……いいっ、あぁ、これ好きぃ……っ! お腹の奥ゴリゴリ削れてるのに……気持ちよすぎて……んぅっ……腰止まんない……っ」
ずちゅっ、ぐちゅっ、ずちゅっ、ぬちゅっ……。
動き方からしてさほど大きく抜き差しはしていないはずだ。にもかかわらず、秘部とディルドの摩擦が奏でる水音は派手で、かつ粘っこい。
その蠱惑的な音色に誘われるまま、俺は前のめりになって尻の谷間を覗き込んだ。
結合部は空気を孕んだ本気汁で真っ白になっていた。腰が揺れるたび、ねっとりと糸を引く。そのうち一筋の流れは床まで達し、零れたヨーグルトのような丸い広がりを作っていた。
「りょ、亮太……」
「ん?」
名前を呼ばれて顔を上げるが、真衣は先ほどと違ってこちらを振り向かなかった。絶え間なく腰を使い、吐息に甘いものを含ませながら、彼女は遠慮がちに言葉を続ける。
「亮太はさ……あんっ……もう、イキそう?」
「ああ……いや、すまん。だいぶいい感じだけど、もうちょっとかかりそうだ」
「そ、そっか。うん、わかった」
それだけ聞くと、真衣は急に腰の速度を緩めた。
たしかに息は上がっている。しかし、もう動けないほど疲れたわけではないだろう。見るからに手加減している雰囲気で、焦れったそうに尻をもじつかせている。
俺を興奮させると言った手前、自分だけ何度も達していることに引け目を感じているのだろうか。そんなこと考えなくてもいいのに、何とも律儀なヤツである。
「別に遠慮なんかしなくていいんだぞ。真衣が感じてる姿、しっかり見せてくれ。何ならその方がいいオカズになるしな」
本音が半分、あとは気楽に投げかけた言葉に、真衣は横目で見つめ返す。
けれどもすぐに視線をふいと逸らし、おずおずと腰を揺らし始めた。その動きは張り詰めた情欲の赴くまま、あっという間に元のペースまで回帰していく。
ぐっちゅ、ずっちゅ、ぐっちゅ、ずっちゅ……。
桃色に染まった女体が滑らかに踊り、卑猥極まりない交接音が部屋中に響き渡った。
「んっ……あっ、やっ、あぁっ……だめっ……くる、くるっ……気持ちいのビリビリって昇って……偽物ペニス、おまんこが勝手に締めちゃう……っ」
切なげな声が耳朶を打つ。強く抱きしめたくなるほどに、その声音は愛らしい。
俺はついつい手淫さえ疎かにして、その耽美な光景に見入ってしまった。己の快楽よりも、目の前で絶頂へひた走る真衣の姿を脳裏に焼き付けておきたかった。
振り乱されるアッシュゴールドの髪、トロンと宙を見やる瞳、しどけなく半開きになったリップ。仰け反りすぎてほとんど逆さまになった彼女だったけれど、その乱れた表情すら呆れるほどに美しくて俺は慄然となる。
「亮太……はぁ、亮太ぁ……っ。見てて……私イクっ、馬鹿みたいに腰ヘコつかせて、ディルドで本気イキしちゃうからぁ……っ」
「……ああ。真衣のイキ顔、至近距離で見といてやる。だから存分に気持ちよくなれよ?」
「え、あ……」
俺はその言葉通り、真衣の下顎に手を添えると、陶然となった顔を覗き込んだ。
黒水晶のような瞳が驚きに見開かれる。その色彩は間もなく従順な青みを帯びた。
「……う、うん…………ん、ひっ……」
引き攣った悲鳴が白い喉の奥から零れる。
次の瞬間、跳ねまわっていた下腹部が急停止し、さざ波のような震えを全身に走らせた。
「――あ……イクっ……イッ、クううぅぅぅ……ッ!」
噛み締めた歯がカチカチと打ち合い、その隙間を縫って法悦の叫びが迸り出る。
手足の先までを襲う、狂おしいまでの絶頂。その極上の快楽に蕩け、惚け、酔い痴れて、真衣は誰にも見せられない淫らな表情を俺だけに見せた。
「……くぅっ、真衣っ!」
そんなものを見せつけられてなお我慢が効くほど、俺はできた人間ではない。衝動のままベッドから飛び降り、いまだオーガズムの白波に溺れている真衣の正面に回り込む。
仁王立ちになった俺を、彼女はうつろな目で見上げてきた。その眼前に愚息を突きつける。臨界点を迎え、はち切れんばかりにいきり立った剛直を荒々しく扱きあげてみせた。
「このまま出すぞ。その汗だくのエッロい身体に俺のザーメンぶっかけてやるからな!」
「あ、亮太……っ」
熱病のような昂ぶりのまま、答えも聞かず自分勝手にそう宣言する。
だが仕方ないのだ。一切合切、真衣がエロいのが悪い。
絶頂にとろけきった表情は言わずもがな。唯一身に着けたままのスポブラは深い谷間の部分に汗染みが広がり、湿り気を帯びた生地が乳鞠にぴったりと張り付いていた。その中心にツンと勃起した乳首の形が浮き出ているのが何とも色めかしい。
俺はさらに視線を落とし、彼女の陰部を凝視した。
発情した雌の匂いをむわりと漂わせる濃密なデルタ地帯。その下ではぷっくりとした大陰唇が左右に分かれ、床から屹立した極太ディルドを根元まで丸呑みにしていた。結合部にはやはり白濁した愛液がべっとり絡みついていて、先ほどまでの激しい交接の後を窺わせる。
「んっ……そんなにじっくり見られたら、恥ずかしいよ」
そうは言うが、真衣はぐずぐずになった股間を隠そうともしなかった。
むしろ熱っぽい視線を俺の肉棒に向け、射精を煽るように腰を軽く揺らす。
「でも、亮太のおちんちん、すごくおっきい……私のひとりエッチ見て、こんなに興奮してくれたんだね……」
真衣は心底嬉しそうな笑みを浮かべつつ、スポブラを捲り上げた。
たゆんとまろび出るGカップの美巨乳。それを突き出し、さらに誘惑する。
「いいよ、出しちゃえ。顔でも胸でもおまんこでも、好きなところにかけていいよ。亮太の熱くて濃厚なザー汁で、私の火照った身体をもっと熱くさせて?」
「うぅっ……くっ、こいつ」
真衣はむっちりとした双乳を両手で持ち上げると、口を開いて舌を突き出した。
どこででも射精を受け止めるというポーズ。もちろん、膝も開いて秘部も剥きだしだ。
一体どこに吐き出してやろう?
幸せな悩みに悶えながら陰茎を扱き続ける。そろそろ我慢も限界だ。
「……くそっ、決められるか。全部かけてやる。真衣のいやらしいところ全部にっ!」
「あっ、やぁん……っ」
ペニスの根元で沸騰する射精感に俺は一歩進み出た。左手で乳房を寄せ上げ、できた谷間に亀頭を押し付ける。
白いマグマが噴火したのはその瞬間だった。
「ぐっ……出るっ!」
「んっ、きゃあ…………はぁ、すご、熱い……っ」
興奮のあまり肉竿を強めに握っていたせいであろうか。鈴口から噴き出した精液は、ビュルッ、ビュルルッ、と音が出そうな勢いで放物線を描き、真衣の胸元に降り注ぐ。濃厚な体液はたちまち上気した乳肌を汚し、谷間に白い橋を架けるほどだった。
冷静に考えれば、結局は自らの手による射精ではある。けれども火照った女の肌に溜め込んだ興奮を解放するというのは、ただの自慰とは比べ物にならない快感だった。
その昂揚感のまま、俺は有言実行のため陰茎を上へ下へと向ける。引きも切らず溢れてくる白濁液が真衣の頬から首すじに糸をかけ、下腹部のうっすらブラウンな陰毛にまで絡みついていく。
「うっ、はあっ……まだ、出るっ……」
「ひゃあ、んっ! ……うっわ、本当に顔にまでかけてくるし。こんなに全身汚されちゃったら、またお風呂入らないといけないじゃん」
「し、仕方ねえだろ。いいって言ったのは真衣なんだし」
可愛らしい悲鳴を上げる真衣に俺は反論する。その間にも余勢は収まらず、扱き出された雄汁が彼女の太ももにぽたぽたと滴り落ちた。
だが、彼女の文句はそこではないらしい。
「そりゃあ言ったけどさぁ。もうちょっと後始末のこと考えてくれるかと思ってたのに」
そう言って唇を尖らせるも、自らの裸が汚されること自体に不快感はないようだ。射精があらかた終わるとの見届けると、彼女は頬についた精液を指先で拭い、しばし見つめた後ちゅっと啜った。
「……えへ、やっぱり苦い」
「だったら舐めるなよ。ほら、ティッシュ」
「あ、ありが、と……」
ベッドの上にあった箱から何枚かティッシュを取り、真衣に手渡す。それを素直に受け取りかけた彼女だったが、ふと何か考え込み、上目遣いでじっと俺を見つめてきた。
……いや、違う。より正確には俺の下半身を、だ。
「んぁっ……ごめん、やっぱりいいや」
「えっ?」
真衣が腰を上げたので、陰部からずるりと抜けたディルドが床に転がった。
掴む者が居なくなったティッシュがヒラヒラと舞い落ちる。その行方につい意識を向けた間に、膝立ちになった彼女の接近を許していた。
「そりゃ」
「ちょっ、おいっ!?」
不意打ちに近い突き押しに脱力した足腰が耐えられるはずもなく、俺は真衣に押し倒された。成人男女二人分の体重を受け止め、ベッドが大きく軋みを上げる。
「よしよし。いい子だからじっとしててね」
「な、何を……っ」
股間に生温かくねっとりとした感触を覚えた。慌てて視線をやれば、真衣が顔を埋め、半勃ち状態の肉棒を口に咥えたところだった。
「
「ま、待てって。今イったばかりで敏感になって……うおっ!」
「じゅる、ぐぽっ……じゅぷっ、くぽぉ……っ」
一仕事終えた直後の男性器を真衣のバキュームフェラが急襲する。
精嚢から中身を引っこ抜かれるような肉悦を伴う口淫。そして、頬張りきれていない根元部分まで丹念に扱き上げる丹念な手つき。
これでは一人の男として辛抱できようはずもない。
温かな口腔愛撫が熱度を上げながら続く。その中で節操のない愚息が硬さを取り戻していくのを、俺はみすみす看過するしかなかった。
「あはぁ……やった。亮太のここ、すぐに復活したね」
青筋だった肉棒を口からちゅぽんと吐き出した真衣は、好色な笑みとともにコンドームを取り付けてくる。そしてそのまま俺の上に跨ると、騎乗位で挿入しようと腰を下ろした。
「……ん、んんっ!」
「くっ、あぁ……っ」
じゅぷり、という音とともに俺と真衣の身体が繋がった。ねっとりほぐれた柔肉が肉棒にまとわりつき、きゅっと甲斐甲斐しく締め上げてくる。まだ少しも動いていないというのに、ただそれだけで腰の奥に高まる射精欲求を感じる。
つい今しがたマニアックなプレイで満足いくまで精液を吐き出したはずだった。けれどもこうして交わってみると、やはり普通のセックスこそ一番だとも感じられた。
それはどうやら嬉しいことに、真衣の方も同じようだった。
「はあぁ、う、んっ……き、た……亮太の本物おちんちん、私の中に入ってきたぁ……」
白濁液をまとった裸体が艶やかに反り、ほうと漏れた吐息が悦びに染まる。
その美しさについつい見入ってしまいながらも、俺は憎まれ口を叩くのを忘れない。
「うっ、く……この淫乱め。もう何回もイったくせに、まだ物足りないっていうのかよ」
「ん~? 物足りないも何も、それがこのプレイの元々の目的でしょ? 私の一人エッチで亮太をその気にさせて、セックスに持ち込む。簡単なことじゃない。それとも、もう忘れちゃってた?」
「いや、忘れたわけじゃないが」
簡単に言い込められ言い淀む俺に、真衣は不敵な微笑みを浮かべながら腰を揺らした。
「それに……私はディルドなんかより、亮太のおちんちんの方が好きだよ」
「……っ」
その台詞に意図せず意外そうな表情を浮かべてしまったのだろうか。
真衣は俺の顔を見て、少し訝しげに小首を傾げる。
「だってそうでしょ? あのディルドは大きめサイズのはずだけど、それでも亮太のに比べたら長さも太さも敵わない。……あ、もちろん大きさだけ褒めてるんじゃないよ? それ以外にもカリ首の高さとか反り具合とか、あと射精が近づくにしたがってずんずん膨らんでくるのも私好みかな。っていうか、こういう自分の好みも亮太とセックスするようになってわかってきたんだけどね」
そう言って真衣ははにかみ、自分の下腹部を撫でた。その奥ではうねる膣襞が勃起肉に吸い付き、甘えるようにわななく。
その淡い快感と真衣の独白とに、俺の心臓は高鳴った。
「……あれ? もしかして、こういうこと言われると嬉しい?」
「い、いや、そういうわけじゃ」
我ながらヘタクソな誤魔化し方だ。
案の定、真衣はすべて合点がいったようにニヤリと笑みをつくる。
「ふ~ん。じゃあ、もっと褒めてあげるよ。亮太のペニスがどんなに女泣かせなのかってこと、しっかりと教えてあげる。もちろん実践込みでね」
真衣が覆いかぶさってきて、ふくよかな乳房が二人の間でむにゅりと潰れた。
ぞわりとした快感。それは耳元で囁かれたからだけではなく、彼女の腰がぐっと持ち上がり、肉棒が柔襞で扱きあげられたためでもあった。
「あっ、ん……っ、あっ、あっ!」
そのままピストンが始まる。パンッ、パンッ、と軽く響く、肌と肌とがぶつかる音。
俺はその肉悦に誘われるように真衣の肩を抱きしめた。
折れそうにか細く、けれども激しい熱情を秘めた女の身体である。
今度は俺がそれを受け止める番だろう。
床に転がる玩具を視界の端に映しながら、俺は全身で味わう真衣の肉体に静かに溺れていくのだった。