※この作品はR-18です。

エンゼル・フォールン ~少女たちは歪んだ教義の犠牲になる~   作:水上些事

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07-2. 眩きもの(パメラ:イラマチオ、フェラチオ(女側責め))

 

「――さあ、そろそろ舞台の準備も済むころでしょうか」

 

 長椅子に腰かけた貴族たちの視線が集まる中、司祭マティアスが演説している。

 彼の背後、一段高い前方の壇上では、すでに六人の貴族が肉棒を丸出しにした状態で横顔を晒していた。

 

 その前で膝立ちになっているのは、それぞれにあてがわれた六人の女たち。いずれも投薬で意識を熔(と)かされた状態で、一様に目前のペニスに向かって熱い息を吐いている。

 中には初潮を迎えているかすら怪しい少女も混じる中で、一番中央にいるパメラの姿はとりわけ強く観衆たちの目を引いた。

 

 その場の誰よりも大きく主張している乳房。

 黒土から掘り出したばかりの宝石のように艶やかな褐色の肌と、それに負けないほどの整った容姿。

 太く長い張型は、未だに根元まで膣内に収められたままでいる。その刺激をもはや当然のものとして受け入れた淫らな体は、観衆たちに見せつけるように腰を揺らしながら熱い蜜をぼたぼたと垂らし続けている。

 

「はっ♡ はっ♡ んぐっ……はぁっ、はぁっ、はぁっ……♡♡」

 

 顔を突き出そうとしては、背後にいる黒衣の男に首輪の紐を引かれる。

 今のパメラは、ご褒美をねだる大型犬じみた様子で、自分からペニスを咥え込みに行こうとしては、そうやって静止させられることを繰り返していた。

 とうに理性の熔けた頭は恥も遠慮もなく、首輪を引かれるたびに喉を鳴らしてはマティアスの演説をたびたび遮っている。

 

「ご存じかと思われますが、新顔の方々が一通り『聖液』を放出した後は――」

「おーい、君。そこにいる躾の悪い犬のせいで、話に全く集中できんよ」

 

 一人の貴族の野次をきっかけに、ひとしきり笑いが巻き起こった。マティアスはばつの悪そうな顔をしたあと、背後のパメラを睨む。

 

「……大変失礼いたしました、皆様にお楽しみいただくのが第一ですからな。それでは早速、穢れた女どもに皆様から慈悲を与えていただくこととしましょう」

 

 その言葉を待ち望んでいたかのように、端に立っていた男がおもむろに少女の頭を掴んで、肉棒をいきなり喉奥まで突き込んだ。少女が胸部をせり上げて激しくえづくのも構わず、がつがつと性処理具のごとくその喉を使い始める。

 いいぞぉ、と観衆の貴族たちから歓声が上がった。それに習い、他の男たちも同様に目の前にいる少女たちの口をイラマチオ用の便器として扱い始める。

 さながら、擬牝台にむかって陰茎を振り乱す馬の集団を眺めるかのような醜悪な光景。

 

 ……部屋中に焚きしめられた香から発せられる薄紫色の煙。それは血中のアルコール濃度に応じて、強い発情作用をもたらす。

 今回の出席が初めてではない者たちは症状をある程度コントロールできているが、壇上の初参加の者たちはそうではない。

 香の作用を知っている者たちから言葉巧みに酒を勧められ、心の備えのないまま女たちと同様に我を忘れさせられ、衆目の前で女を嬲る醜態を晒している。

 いわば、仲間入りのための儀式の一環。

 

 

 

 

「うおっ……」

 

 パメラの口元に肉槍の先端を近づけたその男は、火傷しそうな吐息の熱さに思わずひるんだ。

 無理やり従わせるまでもなく、そのエキゾチックな美しい顔はすでに上方に向いている。哀願するような潤んだ目線は、真正面でびくびくと震えるペニスをじっと凝視して微動だにしない。

 

「はぁー、はぁー……♡」

 

 可能な限りの大口を開け、舌を大きく突き出したそこは、唾をふんだんに溜めて男の欲望を迎え入れる準備をとうに整えている。

 真上から覗き込んだそこは、ぬらぬらと濡れ光る口腔を通り抜けると、どこまでも奥深く入っていきそうな暗闇に続いている――もはやセックスのための陰部と遜色ない肉口の艶やかさに、男は生唾を飲んだ。

 

「……ふん、そんなに欲しいのならすぐにくれてやるわ、穢れた雌豚が」

 

 自らを鼓舞するように呟くと、男は他の者と同じようにパメラの後頭部を掴んだ。そのまま力の差を分からせてやるために、一気に喉奥まで肉幹を押し込む。

 

 ――ずるっ、ぐぶちゅっ……!

 

「ぶぐっ!? う"っ、お"っぇ"……!」

 

 硬い異物に一息で喉奥を割り開かれ、女の喉が嘔吐反射じみた動きをした。突然の侵入にひくひくと痙攣する様子に、男の心が征服感に満たされる。

 挿入された肉棒は天然のローションと化した唾液にまみれながら、舌の根元を押し潰して進む。やがて、赤い唇でできた輪の中に、逞しい幹が根元まで埋没した。

 

 恥骨に顔を押さえつけられ、体を震わせて苦悶するパメラの反応を楽しむように、男は一度ペニスを浅く引いた。

 滴る唾液の糸が落ちる暇もないうちに、角度を変えて敏感な喉の壁を勢いよく抉り上げる。そのまま内側をなぞるように、腰を円の形に動かしてねじった。

 

「ごぼぉっ! ぶふっ!!?」

 

 肺からせり上がった空気が唾と混じり、肉竿の周囲でごぼごぼと泡立ってむず痒い感触を男にもたらす。

 苦しさに涙を浮かべ始めた女にサディズムを刺激された男は、頭を掴んで何度か往復を繰り返した。

 じゅるっ、くぷ、ぐぽっ――口の中の唾液が抽送によって掻き出されるたびに、下品な音色を奏でる。

 数回抜き差しするごとに、ぐっと股を押し付けては自身の陰毛に女の顔を埋め、顔面の柔肌の感触と喉の蠕動(ぜんどう)の様子を楽しむ。

 取るに足りない身分の女ごときでも持っている、命の脈動の感覚――それを自身の敏感な部分で、思うままに味わう。

 興が乗ってきた男は、衆目の前でそれを何度も何度も繰り返した。

 

 抜いて、入れて。

 抜いて、入れて、抜いて、入れて。

 くぐもった絶叫じみた音が聞こえたのを見計らい、ぎゅ……っと、頭を握るように抑え込んだ。

 呼吸させないように、窒息させるように、陰毛の中に顔を固定する。

 

「……っぶ、ご、ぇ……っ」

 

 ペニスを数回抜き差ししたのち、女の頭部を自身の股間に押し付けることの繰り返し。

 呼吸の通り道を塞げるほどの巨根だからできる、女を悶絶させるための常となっている行為。

 

 男は、『これ』が好きだった。

 ペニスで口を塞ぎ、陰毛で鼻も塞ぐ。

 どんなに気が強い女だろうと、このセットを十数回も繰り返してやれば意識が朦朧となる。

 たわむれに口を解放してやれば、粘ついた唾をだらだらと垂らして全身で床にへばりつき、掠れた声で「もう許してください」と泣いて許しを請うようになる。

 

 初めのうちは口内の締まりや舌の力みに強気な態度があらわれているのに、段々とそれが弛緩していくのだ。

 目つきが朦朧とし始めて、涙を流しながら首を振り、それでも喉奥を突いてやると「ごぼぉ」と聞き苦しい音を鳴らす。

 そのままぎゅうっ……と強く後頭部を抱き、喉の狭い所を抜けたさらに奥まで亀頭を嵌めこんで固定する。

 女はこちらの両腿に手を添えてきて力を入れ、体を引きはがそうと空しい抵抗をする。

 

 だが離さない。何秒でも何十秒でも何分でも、ずっと固定する。

 そのうち、女の両手がだらりと落ちる。苦しみから逃れようと意識を手放し始める。

 許さない。

 またぐちゅぐちゅと激しく抜き差しを始めると、地獄の苦しみが再開したことに全身で悶える。

 その様子を見ていると、また気分が昂る――

 

 女を苦しめるのは気持ちがいい。最高だ。

 女の体は性欲処理のための道具。それ以上でもそれ以下でもない。

 ここで女を手玉に取る強気な態度を見せておくことで、きっとこの場の誰もが一目置くだろう。

 こういった集まりでは、始めに舐められたら終わりだ。

 自身がいかに強権的な存在であるかを見せつける。力強い雄であることを示す。

 

 ――その筈だった。

 

 

(……な、なんだ、この女……)

 

 黒髪をひっ掴んで、良いようにしているのに。

 普段ならとっくに、許しを請われている筈なのに。

 

 だが、今のパメラの姿はこれまでの女とはまったく違う。

 顔は酸欠寸前で真っ赤にのぼせ、汗とも涙ともつかない体液で肌を濡れ光らせながら、しかしその瞳はまぎれもない恍惚の色に染まっている。

 まるで、与えた苦痛がそのまま快楽に変換されてしまっているかのようだと男は感じた。激しくすればするほど、苦しめれば苦しめるほどに、その体の中で得体のしれないものが目覚め始めているようにすら思えてくる。

 

 ふと男は、自身の肉竿にまとわりつく口内の動きが尋常ではないことに気づいた。

 さながらペニス全体の型を取るかのように、食道までの狭い道がぎゅっと締まってくる。頬肉や舌先をまとわりつかせたまま、根元から引っこ抜くかのようにじゅうっと吸い上げてくる。

 嚥下のうねりで奥まで導こうとする様は、苦しめようという意図がなくとも最奥まで入れていたくなるほどに気持ちがいい。

 

 男がいったん腰を引けば、自分から追いすがろうとしてくる。

 その分腰を突きだした時にはより深くまで入ってしまって、しかしそれでも女は興奮に呻く。沸騰した蒸気にも似た熱い息が体内からせり上がり、肉根を溶かすかのように感覚を麻痺させていく。

 

「ちゅっ、じゅっ……♡ んぐ、ぅ……っ♡」

 

 それはもはや、常人の反応とは思われない。心底から快楽を甘受しているような熟れた声。

 陰茎を引き出すと、女が熱い上目遣いで男を見上げる。

 いったいどれほどの被虐を味わえばこうなるのか――唖然とする男の前で、パメラの両眼には明確な何(・)が(・)し(・)か(・)の(・)意志の光が宿り始めていた。

 

 ――これじゃ、足りない。

 もっと、欲しい。

 

 

「……うぉっ!?」

 

 男は不意に、誰かが自分の腰に触れた感触に驚愕の声を上げた。

 数秒遅れて、それがパメラのものだと気づいた時には、すでにその褐色の両腕は腰を強く抱き締めている。

 もはや膣肉にすら遥かに勝る、きゅっと窄まった温かい女の口が、外気にはみ出ていた肉竿を自ら根元まで飲み込み始めた。

 

 ――じゅる、ずぞぞぞぞぞ……

 

「ひっ!?」

 

 ぐぷ……と、幹の全てが隠れる。

 自分から陰毛に顔を押し付けて気道を塞いでおきながら、それでもなお足りないというふうに顔をぐりぐりと恥骨に押し付ける。まるで女の体というネジ穴自身が、相手の突き出たネジを無理やりはめ込もうとしているかのように。

 

「やっ、やめっ、離れろ……っ!!」

 

 焦った男は、慌ててその頭を引きはがそうとした。

 しかしパメラの口内は万力のように肉竿を締め付けつつ密着していて、引き抜くことを許さない。

 それどころか、抱き締めた腕で後ろから、喉の締め付けで前から――前後同時に体を拘束されているような状態で、じゅるじゅると舌の表面が肉幹全体を舐めまわし始めた。

 唇は閉じ、鼻呼吸も止めて口内全体の密着状態を維持したまま、牛の乳を無理やり絞り抜くような強い吸引を始める。

 

「おっ、おっ、あぁっ!!? は、離せっ、やめてくれっ……」

 

 男はもはや、経験豊富な娼婦に翻弄される童貞のように情けない声を上げていた。

 自分勝手に女体を貪り奉仕させてきた経験しかないため、逆に責められる経験など全くと言っていいほどなかった。

 

 女への恐れから、頭部の拘束が緩む。それを待っていたかのようにパメラは唇を引いた。

 ずぞぞぞぞ……と、下品な音色とともに、舌先の軌跡を残して湯気の立った肉幹があらわになる。たっぷりとまぶされた唾が、ペニスの表面でぬらぬらと濡れている。

 亀頭の下のカリ首がほんの一瞬、衆目に晒された瞬間――女は激しい口淫を始めた。

 

 ――じゅるっ! じゅっ! じゅぞっ、じゅるるるっ!!

 

「ひぃっ! おっ、あっ、ああぁぁっ!!?」

 

 体を抱いて逃げられなくした状態で、パメラは自分から激しく頭を前後させた。これまでさんざん男たちに躾けられてきたその口技は、並みの男が耐えられるものではない。

 じゅっぷじゅっぷと先端から根元まで舌を絡めながら激しく前後しては、亀頭の周辺や裏筋の敏感な部分をちろちろと舐め上げ、男の声が上ずったところでまたずぶずぶと食道の入り口まで陰茎を迎え入れる。

 

 それは、単なる口内での直接的な刺激だけに留まらない。

 長い竿が口の中に隠れたり現れたりする、視覚の刺激。

 いやらしい音を立てて肉幹を唾液とともに吸い上げる、聴覚の刺激。

 そして部屋の中に充満する香や、パメラの全身から立ち上る蠱惑的な匂いが混ざり合った、嗅覚の刺激。

 体の芯まで仕込まれたアプローチは、瞬く間に男の意識を射精準備に至らせ始めた。

 

「あっ、駄目だ、出る! もう、出てしまう……っ!!」

 

 男の体が限界を告げる。だが、パメラはそれを許さない。

 自分から男根を限界まで飲み込み、男の腰をがっちりと抱きしめた。その状態で頭を上下に揺らしながら、ごくりごくりと喉を嚥下するよううに蠕動させ、敏感な先端部分を膣や尻以上の圧力でしごき上げる。

 

 男の喉から悲鳴とも喘ぎ声ともつかない音が漏れたのを契機に、数回ほど激しくじゅぼじゅぼと唇で全体を責め立てる。

 そしてまた喉奥まで飲み込み、口内から食道付近までのすべてを使ってペニスを圧迫する流れを繰り返す――先ほど男にされたことをより執拗にやり返しているかのようなその動きを、観衆のほとんどが食い入るように見ていた。

 

 貧しいものたちを虐げるのが当たり前という認識でいるこの場の者たちにとって、その光景はひどく新鮮なものに映った。

 女の側から情熱的すぎる奉仕を受けている男が、前のめりになりながら快感の声を絞り出している。その様子に、何人かの貴族はすでに肉棒を取り出して自らしごき出している者すらいる。

 

「おぉっ、おっ、待てっ!! 出る、出るっ、出るうぅっ!!!」

 

 男の体が大きく痙攣した。

 凝縮した精液を格納している睾丸が固く縮み上がり、強制的に白濁を搾り上げられる。

 その瞬間を、パメラの喉は逃がさない――精液の『通り道』が狭い方がより勢いよく、気持ちよく出せるでしょう? ――そう言わんばかりに竿を圧迫したのが駄目押しになった。

 灼熱の奔流と化した精液が、勢いよく放出される。

 

 

 ――びゅるっ、びゅるるるるるっ、びゅくっ、びゅるるっ!!

 

「お"ぁ"っ、あっ、あ"っ!! かはっ、ぁっ」

「んぐっ……♡ ごくっ、ん……♡♡」

 

 放出されたすべてを、一滴残らず胃の中に収めていく。その顔は嫌がるどころか、待ち望んでいたものがやっと与えられたという極限の恍惚に満ちている。

 精液を飲み下す喉の動きは、同時に精液を絞り出す動きともなって男の体をのけぞらせた。さらに追い打ちで、脈打つ尿道を舌先で導くように押し上げられ、抑えられない呻きが漏れる。

 

 無理やり精飲させている普段よりも、倍以上の汚濁を一度に絞り出された男の体は、糸が切れた人形のように膝から崩れた。

 みっともなくその場に尻餅をついて、疲労しきった荒い息をつきながら、慄(おのの)くように目の前のパメラの顔を見上げる。

 

「う、ふぅーー……♡♡ ふうーー、ふうーー…………♡♡♡」

 

 奉仕のために自ら呼吸を止めていたその体は、本来なら酸素が足りずに卒倒している筈の状態にある。

 しかしな(・)ぜ(・)か(・)その顔は未だに余力が残っている――男の肉棒を熱く見据えたままの両眼には、満足の色など微塵もない。むしろ、まだ全く足りていないと主張するかのような飢餓の獣じみた光を宿して、うっすらと笑みを浮かべている。

 

「ひっ……」

 

 男が恐怖に息を飲む。思わず後退しようとしたのを、パメラは逃がさない。

 飛び掛かった勢いそのままに、汗に濡れた豊満な胸をぎゅうっと体に押し付ける。相手の耳に向かって顔を押し付け、その耳をちろちろと舌で愛撫しながら、肉幹を握ってぬちゃぬちゃと上下にしごき始めた。

 

「や、やめっ……」

「くふっ……♡ ふー、ふー……♡」

 

 男のなけなしの抵抗は、耳朶を甘噛みされて遮られた。間髪入れずに耳の奥に吐息を吹きかけられ、情けない喘ぎ声を漏らす。ときおりカリ首を爪でひっかかれたり裏筋をこすられて、刺激に慣れることを許さない。

 いくら悶えてのけぞっても、女の手はさまざまな技巧を駆使して止まることは無い。女の体から立ち上る匂い立つ体臭も相まって、どんどん脳の考える力が奪われていく。

 

 その様子を、椅子に座っている貴族のうちの一部――この手の遊興に慣れている年配の者たちは指さして嘲弄していた。中には、腹を抱えて笑っている者すらいる。

 

「はっはっは……見ろ、ブラウン卿の無様な姿を。強気だったのは初めだけ、あっというまに手玉に取られておる」

「あれで『穢れ落とし』などと、はたして穢れを落とされているのはどちらでしょうな」

「どっちが首輪をつけるのに相応しいか分かったものではないわ。なあ、そう思わんかね司祭殿」

 

 話の水を向けられたマティアスが苦笑いを返す。パメラの行動は予想外だが、笑っている者たちはいずれもとりわけ重鎮のグループである。パメラを止めて興が削がれたと文句を付けられないか、判別がつかない。

 一方で、ブラウン卿と呼ばれた男は屈辱に身を震わせていた。

 他の壇上の者たちは、仰向けで気絶した女の口に肉棒を突っ込んでぐぽぐぽと情け容赦なく喉を掘り抜いていたり、意識を無くした頭を掴んだまま未だに腰を振りたてたりしている。

 

 ――そうだ。それこそがあるべき姿だ。女など虐げられるべき存在だ。

 こんな雌豚ごとき、俺が本気を出せば簡単に押し倒せる。押し倒して、このペニスを全力で叩きこんで、二度と逆らう気が起きないように――

 

 

 ……かりっ。

 

「おほぉっ!?」

 

 内心の激情とは裏腹に、その体は正直だった。

 亀頭への刺激によって我に返った男が、現状を認識してしまう。

 既に一度、強制的に吐精させられて疲れ切った体に、熱く柔らかい褐色の乳房を押し付けた女がしなだれかかっている。

 

 ペニスへの愛撫と刺激は止まらないまま、男は片腕で抱き留められた状態で正面から顔を近づけられ、女の舌が唇に侵入するのを許した。

 じゅる……と、男の唾液で水分補給でもするかのように、突き出した舌先で歯の裏や口内を舐めまわしたり、舌同士を絡めた状態で音を立てて唇を吸い上げていく。

 

「は、っぷ……♡♡ じゅる、じゅっ、じゅぅぅぅっ……♡♡♡♡」

 

 されるがままに口を吸われている男の怒りの感情は、とっくに消え失せていた。

 屈辱を与えられるほど、見下している女の手で辱められるほど、むしろ興奮で滾る血流が股間の一点に集中していく。

 本来なら萎えてそのままだった筈の陰茎は、みるみる硬さを取り戻していった。パメラは自身の手の中で、再度屹立したペニスの感触を確かめ――キスをやめたその口元を、三日月の形に歪める。

 

「あ……♡」

 

 歓喜の吐息とともに、抱き着いていた体を離す。そのまま流れるように男の胸板を手で突いて、仰向けに押し倒した。

 顔をしかめる男を意に介さず、パメラはその両脚の間に正座して収まった。地に伏した男の体の中で、ただ一つ天に向かって立っているそれに向かって、ゆっくりと顔を近づける。

 

「な、何を……うひっ!?」

 

 いつの間にか伸びて来ていた女の手のひらが、陰嚢を下から持ち上げた。二つの睾丸を痛みがないようころころと優しく転がしながら、肉幹の裏筋に向かって優しく、ふぅっ……と息を吹きかける。

 腰を浮かせた男をさらに嬲るために、玉袋のそばまでパメラは顔面を這わせた。袋とペニスの接合部あたりに唾液を塗り付けたあと、舌先だけでゆっくり、竿全体を下から上まで舐め上げるのを何度も繰り返す。

 

「ひっ、ひっ……」

 

 今にも捕食されんがばかりの熟練した愛撫。

 文字通り急所を握られている男の恐れとは裏腹にますますペニスは膨張し、変わりに意識がはぎとられていく。

 もはや抵抗する気も無くし始めた男の陰茎は、先ほどまでの疲労が嘘のように完全な硬さを蘇らせていた。その頂点にある窪んだ鈴口から、聖杯のようにじわりと透明な我慢汁が滲み始める。

 

 それを見たパメラの目の色が変わった。

 薄く潮っぽいだけのその香りは、今の女にとっては何よりも甘美な香りに等しい。

 顔を上げて、その部分に焦点を合わせる。遠く離れた男の顔が恐怖と期待の色に染まっているのを朧げに見ながら、くぱぁ……♡ と開いた口をそのまま亀頭の先端に被せた。

 

 ――ちゅっ、じゅっ、ちゅるっ……

 

 口を小さくすぼめているその様は、さながら花の蜜を吸う生娘のような無垢さを醸し出している。

 先ほどまでの妖艶な奉仕とは打って変わった落ち着いた様子に男は――観客の貴族たちでさえも、呆気に取られた。

 女の側からの奉仕はこれで終わりか、まあこれはこれでいい余興にはなった――弛緩し始めた空気の中で、相変わらずパメラはちゅるちゅると汁をすすっている。もはや反抗の意志もなくしたブラウンは、心底から胸を撫でおろした。

 これでようやく終わる。これ以上の醜態から、解放される。

 

 

 

 ――じゅ、ずるる……。

 

 

「……え?」

 

 男は、熱く粘ついた何かが亀頭の裏側に這う感触を覚えた。

 それがパメラの舌だと気づくのに、数秒を要する。

 その間にも、長い舌は唇をはみ出して、限界まで下方に伸ばされている。いつの間にか汁をすするような音が、聞こえなくなっている。

 

 ――パメラは、鈴口に浮かび上がった我慢汁という名の湧き水を飲み尽くした。

 でも、足りない。

 これだけじゃ足りない。

 もっと欲しい。

 こんな半透明の汁だけじゃない。

 もっと濃いのが。奥から出てくるのが。

 いっぱい、ほしい……。

 

 

 

 ――じゅ、ぞ。 じゅるるるるっ……

 

「わっ……うわっ、あ、あっ、あっ!!!?」

 

 奉仕が、再開される。

 舌の位置が降りていく。女の顔の位置が、じょじょに下へ向かっていく。

 唇で出来た門を亀頭が通過し――唾液で満たされた肉色の暗闇の中に、肉の柱が埋没していく。

 

「んふ……♡ んっ、ん……♡♡」

 

 亀頭が飲み込まれる。

 歯の先端を擦って。

 舌の腹に撫でられて。

 上あごの硬いアーチ部分を滑りながら、喉の入り口の軟口蓋に達する。

 ……それでも、まだ止まらない。

 狭い部分を亀頭で押し広げ。

 カリ首を通過させて。

 さらに奥へ入りかけたところで、ようやく物理的に、進行は止まった。

 

「ごぶ……♡ う、ん……♡」

 

 一般の男性と比べても長大な巨根。

 それが、こんな華奢な体のどこに収まっているのかと思うほど――肉色の蛇を真上から一飲みにした女は、男の陰毛越しの恥骨に鼻を押し当て、悦楽に浸りきった笑みを浮かべていた。

 はみ出た舌の先端が、陰嚢の付近をぺろぺろと舐める。

 さきほどまで童女のように亀頭をすすっていた女が、一転して娼婦でもやらないようなディープスロートを行っている――その刺激に、先ほどよりもはるかに多い量の粘液が、鈴口からじゅわっと滲み出た。

 

「……んぅ。ん、ふ……♡」

 

 先ほどすすったのと、同じもの。

 その感触と熱を感じ取ったパメラはゆっくり、実にゆっくりと、その頭を引き始めた。

 ずにゅ、るるるる……と、肉幹が口内を引き返してくる。たった一回の往復で新たな熱い唾まみれになったそれは、快感にびくびくと打ち震えながらその全貌をあらわにしていく。

 やがて唇が亀頭から解放される寸前、女は先ほどと同様に、鈴口に湧き上がった蜜を舌ですくい取る。

 

 ――まだ、出る。

 まだ、出してもらえる。

 やりかたは、分かる。

 さっきと、同じように。

 

 パメラの両手が、男の両腿にぐっと添えられた。

 逃れられないようにしている――男は遅れて察し、必死に身をよじろうとするが、まるで鉄の塊で抑えつけられているかのようにびくともしない。

 

 ぶるぶると震える棒の先端から、透明な潮が飛び散る。

 ――ああ、もったいない。これ以上減らないように、早く吸い上げなくちゃ。

 

 すっ、と瞳が細まる。

 飢えた獣のような眼光が、その眼に宿る。

 次の瞬間、パメラはいきなり激しい音を立てて、精液を根こそぎ絞り出すための猛烈な搾取を開始した。

 

 ――じゅるるるるるっ! じゅぞぞっ、じゅっ! 

 ぢゅるぢゅるっ、ぢゅるぅぅぅぅっ!!

 

「ああ"ぁ"ぁ"っっ!!? や、やめてくれ! もう、もう出ないぃっ!!」

 

 暴風じみた激しい口淫。

 頭だけでなく上半身全体を使って行う、ピストンのような激しいフェラチオ。

 黒髪を振り乱し、大きな乳房をたぷたぷと揺らしながら行われるそれは、先ほど笑っていた観衆の貴族たちからも言葉を失わせていた。

 

 頭を振るたびに、亀頭の傘で掻き出された唾液が飛び散る。

 体を反らすこともままならない中で行われる、純粋で濃密な快楽の地獄。

 男は察した。

 これは奉仕ではない。

 ただただ男の尊厳を、生命の根源を吸い上げるだけの行為。

 熱と欲情に濡れた女の瞳が、こちらを見る目が、はっきりと物語っている。

 

 ――お前はただの、精液袋。

 お前ひとり、絞りつくして死んでしまったところで、どうでもいい。

 

「うわっ、あっ、嫌だっ!! イくっ、い、いきたくないっ、い、イくっ……!!」

 

 男の体が再度の限界を迎えて、射精の恐怖に絶叫する。

 それを合図に、女は体内に男の象徴を咥え込んだまま男に密着した。

 最後の一滴まで残らず、飲みつくすために。

 

 

 ――びゅーーーーーーっ、びゅるる、びゅくっ、びゅぅっ!!

 

 勢いのついた白濁が、直接体内に叩きつけられる。

 熱くて、粘ついて、生臭い……待ち望んでいたものに涙すら流しながら、パメラはそれを体内に取り込んだ。喉が波打つたびに、男の体も痙攣する。

 しかし、パメラの奉仕はそこで終わらなかった。まだ激しい射精が続いているというのに、激しく息を吸い上げながら尚も顔を激しく前後させる。

 

 ――ぢゅるるるるるっ、ぢゅるっ! じゅっ、じゅうぅぅぅっっ!!

 

「わああああああぁぁぁっ、ああぁぁーーーーーーーっっっ!!!!」

 

 強制的に引き出される快楽。

 自分でコントロールできないそれは、もはや極限の苦痛じみた感覚を男に与えた。

 抑えつけられた体の中で、自分の体がペニスだけになったかのように蠢いている。

 吸われている。

 自分の体という地面の底にある何かを、引き抜かれている。

 

 永遠に続くかと思われた射精が、ようやく終わる。

 その体はすでに指一本すら動かないほど虚脱し、ぐったりと体を投げ出している。

 誰もがようやく、終わったと思った。

 

 パメラ以外は。

 

 

 

 

 ――じゅる……。

 

「ひっ……ひぃっ……!?」

 

 また、舌先が幹の周囲を這う。

 男は死の恐怖に覚えた。

 女の動きは止まらない。 

 出るものが無くなって急速に萎み始めたそれを鼓舞するかのように、また頭を前後させ始めている。

 

 ――まだ足りない。

 まだ欲しい。

 まだ絞り出せる。

 まだ、まだ。

 まだ、まだ、まだ、まだ。

 

 じゅぽ、じゅぽ、ちゅぼっ、じゅる――

 

 

 

「――た、助け……! やめさせろっ!! はやくっ……助けてっ! 助けてくれええぇっ!!」

 

 その懇願の叫びが、ようやく部屋の時を動かした。

 マティアスの目配せに反応した黒衣の男が、パメラの首輪についた紐を鋭く引く。

 

「んぎゅうっ……!?♡」

 

 ぶぽんっ、と音を立てて肉幹が女の口から離れた。口元に何重もの白い糸を引きながら、パメラの体が引きはがされる。

 しかし、紐が緩んでその両手が床についた瞬間、パメラはまたもブラウンに向かって飛び掛かった。予想外の行動に黒衣の男が一瞬たたらを踏み、今度はパメラの首を締め上げるかのように紐をしっかりと強く引き寄せる。

 

「ぐぎッ……、いぁ"っ、あっ、あ"ぁぁっ……♡」

 

 それでも、女の動きは止まらない。

 もはや人としての意識が残っているのかも怪しい様子で、血肉を求める亡者のように手を突き出して、目の前の肉棒を求めて獣じみた声で哀願している。

 

 マティアスはその様子を、信じられないものを見る様な目で見ていた。

 いくらなんでも、これほどまでに我を忘れさせるような効能があるなど聞かされていない。

 いくら王の使いから受領したものとはいえ、鵜呑みにしてそのまま使わせるべきではなかっただろうか――シアのことも頭によぎり、逡巡しかけていた男はふと、声をかけられて我に返った。

 

「司祭殿」

 

 気づくと、目の前には三人の貴族が立っている。

 さきほどブラウンを笑いものにしていたその重鎮たちは、既に壇上の者たちと同じように下半身をさらけ出し、がちがちに固まった一物を突き立たせていた。

 

「本来なら、マンコやアナルを使うのはもう少し後の段どりなのは承知しているがね」

「あれを見せられたら、こちらも昂ってしまってねえ。いいだろう? 多少順番が前後しようが」

 

 にやにやと要求を突きつけてくる男たちに、マティアスは否やと言えるはずもなかった。彼らの機嫌を損ねて献金の額を引き下げられでもしたら、今後の運営にかなりの痛手を負う。

 

「……ええ、構いません。皆様にお楽しみいただくのが、第一でございますので」

「おう、なら好きなようにさせてもらうぞ。壊してもいいんだろう? こいつらは」

「うっ……そ、それは」

 

 渋い顔をするマティアスを押しのけ、三人はパメラの下に歩み寄った。

 黒衣の男の懐で未だに首輪を鳴らしていた女は、新たに現れた男たちの勃起した陰茎を見て、ぱっと顔をほころばせる。

 

「あっ、あ……♡ ああっ……♡♡」

 

 今の女には、自分のことを見下ろす三人の目が、嗜虐の色に歪み切っているのも分からない。

 これから始まる性の狂乱によって、自分の体が会場中の男たちに何時間も嬲られ続けることも察せない。

 

「――我々の手で、存分に可愛がってあげよう。パメラちゃん」

 

 くい、と顎を持ち上げられた女は、かすれた声で返事をした。

 その肢体を惜しげもなくさらけ出して。

 大きな胸をふるふると揺らして。

 もはや男の性の象徴以外、何も映っていない瞳で。

 言葉もろくに知らない、小さな子供のように舌足らずな声で。

 

 

 

 ――あい。おれがい、ひまう……♡。

 

 

 

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