※この作品はR-18です。

カバスの館 小さきゼクノヴァのもたらす揺らぎ   作:時田士郎

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カバスの館 セイラ・マス(少年兵へのトラウマ)

【前書き】

ジオン公国は一年戦争に勝利した。しかし、権力闘争に明け暮れるザビ家に宇宙の人々は疲弊している。敗れた地球連邦には、ジオン公国を押しとどめるだけの力はもうない。ザビ家の野心を挫くなら、サイド3内部の政変に限られている。つまり地球圏の人々の命運は、サイド3の反ザビ派であるダイクン派の活動次第である。アルテイシアは戦場で再会したランバ・ラルを通じて、ダイクン派を掌握した。だから今のアルテイシアの細い肩には、地球圏の未来が委ねられていた。


そんなアルテイシアはセイラ・マスの名を名乗り地球に潜伏している。ギレンの親衛隊の中に紛れながら宇宙のダイクン派をまとめ上げるのがランバ・ラルの仕事であり、地球でのコネクションを築きアルテイシアの即位を認めさせる下準備がセイラの役目である。

連邦のエースパイロットであるセイラは無名の存在ではない。戦争を通じて得た立場とそれなりのコネクションがある。そして本来の身分を明かせば、その先の扉も開かれる。地球にはバスク・オム少佐に代表される反スペースノイド強硬派も多い。慎重に相手の立場を確認しつつ、能力と動機を持つ相手とだけ顔をつなぐ。セイラの政治活動は、繊細なものだ。そしてザビ家に気取られる政治工作を行える場所は、そう多くはない。カバスの館は、条件を満たす数少ない場である。連邦そしてジオンの高官が頻繁に訪れ、娼婦との逢瀬を楽しむ場。連邦ともジオンとも強いコネクションを保持するセイラが、館の中の娼婦に紛れこむのは不可能ではない。

カバスの館の娼婦の中ならば、ザビ家の追跡は届かない。それに特別扱いを受けていて、本人が望まない客を受ける必要がない。あくまでもセイラは娼館に訪れる客に侍ったという体裁で、秘密の会合を持つだけだからだ。そこには当然、密談の為の訪問客との体の関係などなかった。

しかし客はジオンであれ連邦であれ、優秀な将官クラスが揃っている。指名客だけの何もしない娼婦というのは、噂や嫉妬を招きやすい。支配人は、そこから事が露見する可能性をセイラに示唆した。

「貴方様の会合には指名客という形で相手をお通しします。しかし、それ以外の客がまるでつかない。その扱いは他の娼婦に怪しまれます。」

その支配人の懸念は最もで、セイラは返答に熟考を要した。そして結論を伝える。

「それでは、少年専門としてください。それも、金持ちの気まぐれという触れ込みで。娼婦になる必要がない者が、自らの好みの為に少年のみ担当としているのだと説明してくだされば。普段の面会は、その為の父兄との事前面談の類と偽りましょう。」

「ほう、承知しました。」

支配人は感服したように頷く。確かに館を訪れる者は、他者の欲望には敏感である。少年好きの訳ありの婦人が自ら娼婦を務めるというのは、カバスの館の特殊性故に理解されやすい動機だ。好奇心は残るだろうが、同類と看做されれば深刻な懸念とはならないはずだ。セイラの身を安全に保つ為の隠れ蓑としてちょうどいい。こうして、カバスの館はダイクン派の地球における政治工作の拠点となった。

そんなある日、太客からの依頼が舞い込んだ。

「それで今回の件は、いかがされますか?」

依頼人である少年の資料を提示し、セイラに彼女の意図を尋ねる支配人。少年は太客の子息だ。通常ならばララァを繰り出す所だが、相手が大物であるが故にセイラの意向は無視できない。

少年は一年戦争で連邦のMS代替兵器である航空機生産で飛躍し、頓挫していた連邦のMS開発も成功させた地球の複合兵器メーカーの嫡男だ。年若く容姿淡麗な金髪の少年。少年の手ほどき専門の娼婦なら、セイラが第一候補とならないのはおかしい。これだけの太客相手に普段は温存しているセイラを使わない理由がないからだ。少なくとも、少年が選ぶ場に顔を見せる必要があるだろう。それで選ばれなければ失笑されるにしても疑われずに済む。そして、その少年は相手して然るべき存在とセイラにも思われた。もし取り込めれば、新たなコネクションを得られるのだ。その関係性からどこまで影響を行使できるかは、未知数であるとはいえ。

「それでは…」

ためらいがちにセイラは言葉を紡ぐ。

「彼を相手する資格のある娼婦を並べて、彼を出迎えさせてください。私もそこに混じりましょう。それでよろしくて?」

「それで本当にお相手をされるのですか?」

「私が相手を務めるかは、この子に選んでもらいましょう。もし私が選ばれたら、その時は…うふふふ。」

笑みをこぼすセイラ。言質を取ったと、支配人は安堵した。そして目的の物を得て、素早く逃げにかかる。

「承知しました。」

支配人は恭しく頭を下げ、セイラの部屋を後にした。

「頼みましたよ。」

セイラは素早く姿を消す支配人の背に、そう言葉を投げかけた。心配せずとも、あの男は玄人だ。セイラの意向を汲んで上手くやるだろう。

セイラは処女ではない。誰か特定の恋人がいた訳ではないが、あの戦争で処女を喪失した。生き残る為には、各自が最善を尽くす必要があったのだ。そしてセイラは、自分と同じ未熟な少年兵達と共にペガサス級で戦い抜いた。

生きて帰れる保証などどこにもなかった。出撃すれば、いや軍艦に乗っているだけで常に死の危険が付きまとう。「もうダメだ」と思った事は数えきれない。セイラもいつ戦死しても不思議はなかった。いや、そうではない。

セイラには優れたニュータイプとしての能力がある。その洞察力は、戦場の危険性を冷静に推測っていた。危険な場所、帰れない任務、死ぬであろう役目はすぐに分かった。だからセイラは買った。自らの貞操を対価として、自分の代わりに危険へと赴く同僚の少年兵の熱意を。

彼らは恐らく、セイラが何もしなくても戦争を生き延びられなかった。彼ら自身もそれを自覚していた。そんな彼らが絶望的な出撃を控えて、「お守りをください」とセイラに頼みにくる。それは恋人の陰毛だ。

明日、仲間が乗る母艦を守る為に死ぬであろう少年に頼まれると拒否はしづらい。セイラ自身を含めた艦の乗員全員の命が助かるなら、セイラの貞操など軽い。しかも相手は本気で、自分を慕い守ろうとしてくれていた者達ばかりだ。

ニュータイプであるセイラは、彼らの死を確信していた。絶対に生き残れるとは思えなかった。それでも彼らが出撃してくれなければ、自分が命を投げ出す順番が来る。だからどうしても全員の生還が際どいと思えた時、彼が死んでくれれば皆が生き残れると確信できた時だけは誰にも言わずに最初で最後の女を勤めて上げた。彼らは全員が期待に応えた。セイラやペガサス級を守る盾として散っていった。セイラを抱いて、生き残った者は誰一人としていない。そうやって、セイラはあの戦争を生き残った。

セイラが行ったのは、自らが助かる為の下劣な取引に過ぎない。一度のセックスで命を失うのは、代償としては余りに重すぎる。ただ、干渉しなくても彼らは疑いなく命を落としていた筈だ。セイラは彼らに今生の未練が残らないように身体を差し出しただけだ。彼らは自らの死を受け入れると共に、その死がセイラを生かす事を望んだ。セイラは決して強い存在ではない。彼女が生き延びたのは様々な存在に守られたからだ。

だからセイラの心の天秤は命を使ってくれた者達への負債で傾いている。アルテイシアとしてジオンをこの手に取り戻し、戦争のない平和な世の中を実現する。それを実現できたなら、彼女のために命を投げ出した少年兵の亡霊達も納得してくれるだろう。彼らは望んで命を差し出し、セイラを恨んでなどいない。あれは正当な取引だった。それでもセイラは思う。この少年に初めてを教える役目は、死んだ少年パイロット達の鎮魂として最も相応しいのではないかと。


【選別の場】

今宵の客は、連邦の新興財閥の後継者と娼婦達に告知されていた。支配人が厳選した娼婦が、彼を出迎える為に大広間に集められていた。こうした事は時折あり、珍しくない。少年がカバスの館で初めて女を知る場合は、大きく3つのパターンある。

一つは父と同じ娼婦をあてがわれる事。二つ目は支配人の推薦する娼婦をあてがわれる事。そして三つ目が、資格があると認められた者から少年が自身で相手を選ぶ形だ。どの相手が最善かは、人によって異なる。父親が自らの得た感動を息子に与える原動力とする場合は多いし、支配人の差配に任せるのも当然よく行なわれる。少年自身に選ばせるのは彼の好みを反映する意味ではシンプルな方法だが、複数の娼婦を待機させるため間違いなく大金を必要とする。ただでさえカバスの館は料金が高額だ。通常プランでも高いところ、初めてのお相手役は何倍もの割増料金に跳ね上がる。それを数名分も支払うというのは、今回のように財閥の後継者でもなければまず不可能な遊び方だ。

緊張した面持ちで今夜の主役が黒塗りのエレカから姿を現した。カイル・バックランドという名の17歳の少年はは、少年らしい華奢な体つきに知的な雰囲気を漂わせていた。支配人に誘われて大広間の中央まで進み出ると、カイルは緊張した面持ちで彼を出迎える娼婦達を眺めた。支配人が恭しく進み出て、柔らかな声で告げる。

「カイル様、それでは今宵のお相手をお選びください。」

セイラは他の娼婦達の中に紛れていた。そしてその場に控えた娼婦達の全員が微笑みを浮かべながら少年を見つめた。カイルは最初に、褐色の肌の瞳の美しい女性に心惹かれた。しかしその横に立つ白い肌に金髪の女性の気品に心打たれた。一度彼女の存在に気づいてしまうと、まるで磁石に引かれるように彼女から目を逸せない。彼の喉が小さく動き、頬がほのかに赤らむ。セイラとカイルはしばし見つめあった。

「金髪の彼女を…お願いします。」

カイルの声は震えていたが、決意に満ちていた。支配人はカイルには見えないように、セイラへと尋ねるような視線を送る。セイラは小さく頷いてみせた。安堵した様子の支配人は、セイラを少年の元へと導く。セイラの手が少年の腕にそっと触れると、彼の身体がわずかに震えた。セイラは微笑み、彼を自室へと導いた。部屋の扉が閉まる音が、二人だけの世界の始まりを告げた。



セイラ・マス(少年兵へのトラウマ)

 

 

【騎乗位】

 

 

部屋は薄暗く保たれていた。そして無数のキャンドルが壁に揺らめく光を投げかけていた。天蓋付きのベッドからは薄いヴェールが垂れ下がり、年頃の少年の描くロマンティックな夢の世界の雰囲気を醸し出していた。名も知らぬ香水の香りが漂い、少年の心を高ぶらせた。セイラはカイルをベッドの端に座らせ、ゆっくりと彼の前に立った。彼女のシルクのドレスはキャンドルの光を反射して輝き、天使かあるいは女神そのもののように輝いて見える。

 

「緊張していますか?」

 

セイラの声が柔らかく、少年の心を撫でた。カイルは恥ずかしさのあまり自分を覗き込むセイラの大きな瞳から目を逸す。そして答えた。

 

「うん…すごく、緊張してる。」

 

少年の正直な言葉に、セイラはくすりと笑う。そして少年の顎に指を添え、彼の顔を持ち上げた。

 

「大丈夫よ、カイル君。私の名前はセイラ。私が、貴方を大人の世界に連れて行ってあげるわ。」

 

目を覗き込みながら耳に注がれるセイラの刺激的な言葉は、カイルの心をざわつかせ興奮させる。セイラは少年の興奮など気づかぬそぶりで、ゆっくりとドレスの肩紐を滑らせた。セイラを覆う布が床に落ちる音が静かな部屋に響く。ドレスの下のシルクのランジェリーは、セイラの持つ見事な曲線を際立たせていた。カイルは興奮で息を呑み、裸身を晒そうとしている金髪美女から目を逸らせないでいる。

 

セイラはベッドにカイルを座らせる。そして少年の膝に跨り、ゆっくりと彼のシャツのボタンを外していった。少年はまだ華奢だったが、若々しい肉体は熱を帯びていた。彼女の手がその肌を撫でると、カイルの身体が小さく震えた。

 

「セイラさん…」

 

少年の声は掠れ、まるでセイラに祈るように漏れ出た声が内心の欲望を吐露する。セイラは自らに欲情するこの可愛らしい少年に微笑むと、彼の唇にそっとキスを落とした。柔らかな唇の感触に、カイルの心臓が激しく鼓動した。セイラの舌が彼の唇を割り、ゆっくりと絡み合う。少年の息が興奮と呼吸困難の両方で荒くなる。セイラはキスを続けながら、自らのブラジャーを取り去った。そして震える少年の手を優しく握り、自分の胸へと導いた。

 

「私に触ってみて、カイル君。」

 

そう囁きかけるセイラの声に潜む甘い誘惑に、少年は欲望を更に高ぶらせた。カイルの指が、セイラの柔らかな胸に触れる。乳首がすでに硬く尖っているのが感じられ、彼の指先がそれを捉えた瞬間、セイラの身体が小さく震えた。

 

「んっ…」

 

女の甘い吐息が漏れ、カイルの耳元を刺激する。セイラはカイルに胸を触らせてから、少年のズボンと下着を脱がせてやる。カイルの昂ぶりが解放された。若々しく、熱く脈打つカイルの男性器。セイラの手がそれを優しく握り、ゆっくりと上下に動かす。少年の吐息がすぐに荒くなり、彼女の指の動きに合わせて腰がわずかに揺れた。彼女の指先が少年の敏感な先端を撫でると、カイルは背中を仰け反らせ、小さな声を漏らした。

 

「あっ…セイラさん…!」

 

少年を絶頂させないように注意しながら、セイラは敏感な少年の男性器を悪戯する。

 

「カイル君、焦らないで。まだこれからよ。」

 

セイラは囁き、しばし少年をクールダウンさせた。少し落ち着いた様子を示したことを確認すると、今度は少年の男性器に口づけ舌を這わせた。快感に身を震わせたカイルが背中を反らせる。セイラの舌は巧みに動き、少年を未知の悦楽へと導いた。唇が敏感な部分を包み込み、軽く吸い上げる。

 

「ああ…セイラさん、ダメ…!」

 

その声には絶頂に達しそうな、危険な響きが含まれていた。幾人もの少年兵を死へと誘った経験を持つセイラは口を離し、カイルを見上げた。彼女のタイミングはカイルにとって早過ぎず遅すぎずもせず、正に完璧だった。

 

「それで、準備はできた?」

 

カイルは緊張した面持ちで頷き返した。遂に初めてを迎える時が来たのだ。セイラは微笑み、見せつけるような仕草でするりと下着を脱ぎ捨てる。彼の腰に跨り直した。その間に、カイルが脱がされたズボンから避妊具の箱を取り出す。そして慣れていない手つきで、避妊具の装着に取り掛かる。セイラは少年のその動きを手で優しく制し、微笑んだ。

 

「必要ないわ、カイル君。」

 

「で、でも。」

 

「貴方とは直接繋がりたいの、ダメかしら?」

 

「本当にいいんですか?」

 

問い返すカイルの声は驚きと興奮に震えていた。そんなカイルにセイラが甘く囁きかける。

 

「ええ、構わないわ。それに私も、避妊具なしで繋がるのは貴方が初めてよ。」

 

セイラの声は逃れられぬ誘惑としてカイルの心をとらえた。

 

「避妊具なしは初めて…? セイラさんが…?」

 

彼の声は震え、驚きと感動が混じっていた。セイラは微笑み、少年の唇にそっとキスを落とした。

 

「そうよ、カイル君。貴方は特別なの。だから、私達を遮るものなく繋がりたいの。ダメかしら?」

 

彼女の言葉は、まるで少年の心に深く刻まれるように響いた。カイルは慌てて頷いた。

 

「うん…いい、です。セイラさん、僕…嬉しい…!」

 

カイルの声は特別扱いされる純粋な感動に満ちている。それはセイラの心も軽く震わせた。戦争が終わり5年の月日が流れた。セイラはすっかり大人になっている。しかし目の前の少年に、かつて自分と体を重ねて死んでいった少年兵達の純粋さが思い出される。その記憶に、セイラは自身の欲望が深く疼くのを感じた。

 

彼女の手が少年の男性器を握り、ゆっくりと自分の秘部へと導く。そしてセイラは少年の男性器を自分の秘部に当てた。彼女の秘所は少年を受け入れるべくすでに濡れており、熱を帯びていた。少年にまたがるようにしてゆっくりと腰を沈めると、カイルの硬直したものが彼女の中へと滑り込んだ。

 

「あっ…!」

 

初めて味わう感触にカイルが声を上げ、セイラもまた小さく喘いだ。彼女の内壁は少年を優しく締め付け、熱い脈動が二人を繋ぐ。初めての生の感触に、セイラの身体が微かに震えた。戦争の最中では妊娠のリスクを冒せなかったし、一夜の相手にそこまでする義理はなかった。しかし今、そんな過去の埋め合わせをしようというのか。セイラは自ら望んで、少年をそのまま受け入れた。

 

5年ぶりに男性器を迎え入れたセイラの秘所は、もう一つの口であるかのように少年の男性器を咥え込む。飲み込んだ少年の形に合わせて締まり、熱く脈打った。そして本来の形を少年の男性器に合わせて歪める。

 

(こんなにも直接的だなんて…)

 

初めて味わう遮るもののない男性器の挿入に、セイラは内心で呟く。そして自身の快楽が少年の純粋さに触発されて更に高まるのを感じた。興奮に打ち震えるカイルは、綺麗なセイラの顔を見つめながら小さな声を漏らした。

 

「セイラさん…こんな気持ちいい事は初めて…!」

 

セイラの腰の動きは優しくリズミカルで、押し寄せる波のように滑らかだった。行き場をなくしていたカイルの手が彼女の腰を掴み、その動きに合わせて身体が揺れる。セイラの胸が上下し、揺れる乳首が少年の視線を釘付けにした。セイラが金髪を振り乱し、芳しい香りの汗が首筋を滑り落ちる。少年の手は引き寄せられるようにセイラの胸に伸び、柔らかな膨らみを握りしめた。少し強く握られて、セイラの身体が震えた。快感から小さな喘ぎを漏らす。

 

「んっ…いいわ…!」

 

官能に震えるセイラの声は甘美で、少年をさらに高ぶらせた。セイラの内側では、快楽の波が次々と押し寄せていた。初めての避妊具なしの感触、その刺激は直接的で圧倒的な快楽をもたらした。そして華奢な少年と触れ合う事で、かつて戦争の時に体験した記憶も呼び起こされていく。あの時の交わりは半ば義務であり、生ける死者を鎮める儀式でもあった。神聖で厳かであっても、心の底から快楽に耽溺した事はなかった。所詮相手は、数日以内に死ぬとわかっている相手だった。しかし今、少年の熱い脈動が大人になったセイラの内壁を刺激している。その感触に、セイラはまるで身体の芯が溶けるような感覚に襲われていた。

 

(みんな、みんな私の為に死んでいった。)

 

双方合意の取引だった筈だ。それでも、自分の差し出したものは相手の命と引き換えるにはささやかな対価だった。過去が変わる事はないし、変えられたところでセイラには全員を救える力量もない。過去の自分とは異なり、セイラは腰を動かし続けた。そうやって少年の反応を楽しみながら、自身の快楽に溺れた。

 

大人になったセイラは、自分がちょっと悪いお姉さんであることを発見する。少年を愛する、少年しか愛せないいけない女。それでも、いやそうだからこそ自分に欲望を向ける相手を逃す気はない。そんなセイラの快楽に呼応するように、カイルの吐息が荒くなる。射精に向けて腰を突き上げる。

 

「セイラさん…気持ちいい…!」

 

そう喘ぐカイルの声は切なげで、彼女の心をざわめかせた。

 

「そうよ、カイル君。もっと感じて…」

 

セイラは囁き返し、快楽の果てにこの少年を誘ってみせると自らの腰の動きを速めた。少年の動きが遂に頂点に達した。身体が硬直し、男性器が吐精しようと瞬時に膨らむ。そして熱い脈動がセイラの中に放たれた。その飛沫を受けて、彼女の身体もまた快楽に震えた。

 

「あっ…!」

 

暴発気味だった自分の射精を、少し恥じたようなカイルの声が響く。そしてセイラは少年の放つ熱を膣内で受け止めた。彼女の内壁は少年を優しく締め込み、最後の一滴まで搾り取るかのように味わい尽くす。吐精したカイルの子種がセイラの膣内で混じり合い、白い混合液となる。そして怒張していたカイルの男性器が硬さを失うと、自然にセイラの膣内から押し出された。

 

少年にとって初めての行為が終わった。セイラは少年の男性器をそっと口に含み、優しく清めた。彼女の舌が丁寧に動くたび、カイルは小さく身震いした。果てた彼には強すぎる刺激だったが、男になった満足と自信が彼の中に満ちていく。

 

「セイラさん…ありがとう…」

 

感謝の言葉を述べる彼の声は震えていた。セイラは微笑み、彼の額にキスを落とした。

 

「まだ、夜は始まったばかりよ。」

 

 

【幕間】

 

 

カイルを清める終えると、セイラはそっと自身の後始末を終えた。幸い育ちの良いカイルは、セイラのすることをまじまじと覗き込むような下品さを持たない。だからセイラはあまり気にすることなく、自身の膣に放たれたカイルの精子の始末を終える。

 

小さな筒形の器具を挿入し、膣内に射精されたカイルの精子を残さず回収する。これは必要な措置だった。若いカイルとの交わりはこの一度では終わらないだろうし、その際に自分が吐精した残滓が流れ出たら興醒めさせトラウマとなりかねない。男にはそれを好む者もいるかもしれないが、セイラ自身がそのような姿を少年に晒す気はなかった。

 

それにアフターピルを飲むにせよ、避妊という観点でも重要である。そして何よりも、証拠の保全となる。特定の相手との性交の痕跡は、女性側にとって諸刃の剣だ。恐らくこれを使うような事態はない。それでもなお、備えは必要だった。そしてカイルは(女性の後始末は大変だな)という意識で、なんとなくセイラの背中を見つめていた。彼には精力を回復させる時間が必要だったし、清潔に保ってもらうのは彼の希望とも合致していた。

 

全て処置を終えたセイラは、カイルと共にベッドに横たわり静かな会話を楽しんでいた。汗を沈め、興奮が落ち着く中で次の快楽に向けて直走る準備を整える時間。その認識は二人に共有されている。

 

「ねえ、カイル君。自分が達する時はそう声に出すものなの。そうすれば女性も同時に達する事ができる。一緒って素敵な事でしょう。」

 

「分かりました。次こそは必ず。」

 

知ってはいたが飛んでいた知識。それを念押しされ、カイルは改善を決意した。

 

「うふふ、それでも先程は一緒に行けたと思うのだけれどね。」

 

セイラは笑う。ニュータイプである彼女はエスパーではないが、相手の快楽などの兆しは読みやすいのだ。

 

「ねえ、セイラさんが良ければまた来たいんです。」

 

恥ずかしそうに吐露するカイルに、セイラは嬉しそうに笑う。でも、きっぱりと首を横に振る、彼女の目的のためには、関係は一夜で十分だった。感動や記憶は薄れる。なら今夜のセイラの姿を、カイルには記憶にとどめて貰いたい。それにカバスの館に入り浸るのは、年若いカイルにお勧めしたい生き方ではない。

 

「それはしないほうがいいと思うの。私は今夜、貴方を相手するだけの存在。こんな商売女ではなく、貴方自身に相応しい相手を探すべきだわ。」

 

「でも、セイラさんを超える人に巡り会えると思えない。僕が見た中で、貴方が一番美しい人なんです。」

 

「まあ、口が上手なのね。」

 

セイラはくすくす笑い、少し気をよくした。

 

「せめて僕の連絡先だけでも渡しましょう。」

 

何か話そうとするカイルの口を、セイラの指がそっと遮る。

 

「ダメよ。誰にでもそんな真似をしてわ。悪い大人に利用されるわ。」

 

諭すようにいうセイラに、カイルはなおも言い募る。

 

「僕は本気です。人を見る目だってあるつもりです。」

 

「そう、嬉しいわ。」

 

セイラはカイルに抱きつくと、その耳元で囁いた。

 

「それじゃ朝になっても貴方の気が変わらなければ、連絡先を教えてね。」

 

 

【後背位】

 

 

部屋の中で静かに時が満ちていく。見つめ合う二人は互いの呼吸から、タイミングを押し測る。今は言葉を交わさず、期待に満ちた瞳でただ視線を交わし合う。

 

部屋の空気は二人の熱で濃厚になっている。先に動いたのはセイラだった。彼女はふと立ち上がると、笑顔でカイルを見下ろした。それから少年の手を引き彼をベッドの端に導く。そして背中を見せつけるようにしながら、自分はベッドの上で四つん這いの姿勢を取った。彼女の金髪が背中に流れ、滑らかな肌がキャンドルの光を反射する。

 

「カイル君、今度は貴方が私を…犯して。」

 

セイラの声は誘うようで、少年の心を高ぶらせる。カイルは息を呑み、思わず前屈みになりながらセイラの背後に跪いた。セイラのヒップラインの曲線は柔らかで、その秘所は隠すものなく彼の視界の前に曝け出さてれている。セイラの全てが少年の目を釘付けとし、彼の魂を奪った。セイラは惚けているかのような少年へと振り返り、微笑んだ。

 

「怖がらないで。貴方の好きなように動いていいわ。」

 

カイルは自分の男性器を握り、彼女の秘部に押し当てた。

 

「セイラさん…入れるよ…」

 

興奮のあまり、彼の声は震えていた。セイラは小さく頷き、囁いた。

 

「ええ、来て。」

 

カイルは腰を前へと進め、彼女の中に滑り込んだ。

 

「んっ…!」

 

セイラの声が漏れ、彼女の身体が小さく震えた。少年は本能のままに腰を動かし始めた。パンパンと乾いた音が部屋に響き渡る。カイルの腰の動きに呼応して、セイラの身体が揺れる。その胸がベッドの上で淫らに揺れる。女を背後から思う様犯す感触と光景が、カイルの男性器の硬さを持続させる。

 

「あっ…、いい…!」

 

セイラが切なげに漏らす声は、少年をさらに煽った。カイルの動きが速くなり、彼女の腰を強く掴んだ。

 

(ねえ、みんないるのよね?)

 

セイラは亡霊となった少年兵達の存在を身近に感じていた。薄暗い部屋の中で、背後にいるカイルの顔を見ることもない。だからだろうか。あるいは少年との交わりが過去の記憶を呼び起こしたのか。かつて身体を重ねた相手に、側で見守られているような。それはあるいは、カイルの中で彼女との交わりを楽しんでいるかのような。そんな感覚に突き動かされて、セイラは快楽に身を委ねる。そしてまるで少年に屈服するかのように身体を開け渡した。

 

「ねえ、お願い。」

 

カイルは頷き、旺盛な制欲で背後からセイラを犯す。思うままに年上の美女をを犯す興奮。それは年若い彼が経験したことのない、天上の快楽。だが、そんな快楽の極致が長く続くはずがない。カイルの動きが早々と頂点に達する。

 

「い、行きます!」

 

「…ええ、お願い早くして。」

 

苦悶の表情を浮かべながら、その時を待ち望むセイラ。その刹那、カイルの熱がセイラの中に放たれた。

 

「あっ…!」

 

それは予告されていてもなお、衝撃を感じるほど。吐精された熱い噴射を子宮口に浴びて、セイラの身体が快楽に震えた。

 

「セイラさん…すごい…」

 

どこまでも貪欲に搾り尽くそうとするセイラの女性器に、少年が感嘆の声を漏らす。そして行為が終わった。セイラは再び少年の男性器を口に含み、優しく清めた。

 

「ね。満足、出来たかしら?」

 

「はい。女性がこんな素晴らしいなんて思わなかった。」

 

そう返答するカイルの声は満足に満ちていた。セイラは微笑み、彼の頬にキスを落とした。

 

「まだ夜は長いわ、カイル君。」

 

 

【幕間】

 

二人は再びベッドに横たわり、互いの体温を感じ合っていた。セイラの身体はまだ快楽の余韻に震え、彼女の金髪がシーツに乱れていた。カイルは彼女の肩に頭を預け、息を整えながら囁いた。

 

「セイラさん…僕、こんなに気持ちいい事があるなんてなんて知らなかった…」

 

彼の声は、まるで夢を見ているような柔らかさだった。セイラは微笑み、彼の髪を撫でた。二人は、互いの体温を感じながらベッドに横たわっていた。そして力を使い果たしていたカイルは静かに寝息を立てはじめていた。セイラは少年の髪を優しく撫で、彼の穏やかな寝息を聞きながら微笑んだ。

 

「カイル君…おやすみ…」

 

彼女の囁きはほとんど聞こえないほど小さく、少年の耳には届かなかった。カイルはすでに深い眠りに落ちていた。初めての夜の激しい経験が、彼の若い身体を心地よい疲労で満たしていたのだ。セイラはそっと彼の額にキスを落とし、浴室へと向かう。シャワーを使うだけでなく、歯を磨く必要もあるだろう、

 

そして浴室を出てもなお少年がその場にいる事に、違和感を感じる自分にセイラは苦笑した。戦争の頃は、一夜の恋人はシャワーのうちに去る習慣だったのだ。誰かの隣で眠るのはセイラにも初めての経験である。セイラもまた少年の隣で目を閉じた。瞼を閉じた彼女は、横に眠る少年の体温を感じている。その熱は、過去の少年兵たちの記憶も呼び覚ましていた。だが今夜だけは、その記憶は主にとは感じられなかった。セイラと共に、彼らの魂もまた癒しを得たのだろう。

 

部屋は静寂に包まれる。夜の帳が二人を優しく覆った。セイラの呼吸も次第に穏やかになり、彼女もまた深い眠りへと落ちていく。キャンドルの最後の炎が消え、部屋は完全な闇に包まれた。

 

 

【翌朝 正常位】

 

 

朝日がカーテンの隙間から差し込み、部屋を柔らかな光で満たしていた。セイラは最初に目を覚まし、隣で眠るカイルの穏やかな寝顔を見つめた。少年の金髪が朝の光に輝き、若々しい顔に安らかな表情が浮かんでいる。彼女はそっとシーツをめくり、彼の身体に目をやる。カイルの男性器は朝の昂ぶりで硬く、力強く脈打っていた。この違和感が、セイラを起こしたのだ。セイラは目の前のその光景に微笑み、胸の奥で疼くような熱を感じた。彼女はそっと少年の腰に手を伸ばし、硬く熱い感触を指先で確かめる。カイルの身体がわずかに動き、寝息が一瞬乱れた。

 

「あ、セイラさん」

 

それはきっと寝言だったのだろう。しかしだからこそ心の中から漏れ出た根源的な願いとしてセイラの心に届く。

 

(こんなにも朝から私を求めてくれるなんて…)

 

セイラは内心で呟き、少年の自分を慕う反応に心を動かされる。彼女はそっと彼の男性器を握り、ゆっくりと撫で始めた。カイルの瞼が動き、ゆっくりと目を開ける。セイラの美しい顔が視界に入り、彼の頬がほのかに赤らむ。

 

「セイラ…さん?」

 

カイルの声は眠気と驚きが混じり、掠れている。セイラは微笑み、彼の唇に軽くキスを落とした。

 

「おはよう、カイル君…朝からこんなに元気なんて、私、嬉しくなっちゃうわ。」

 

セイラの声は甘く、誘うような響きを帯びていた。彼女の囁きに、カイルの耳が赤く染まり、瞳が輝く。セイラの手は少年の男性器を優しく愛撫し続け、熱い脈動を感じる。カイルの吐息が乱れ、腰がわずかに動く。彼女は少年の反応を楽しみながら、そっと身体を寄せた。

 

「セイラさん…僕、こんな朝、初めて…」

 

照れくさそうな少年のその純粋な言葉に、セイラの心は軽く震えた。彼女は少年に覆いかぶさり、唇を重ねる。朝のキスは穏やかで、まるで二人の心を再び繋ぐ儀式のようだった。カイルの身体が反応し、彼女の温もりに引き寄せられる。セイラは微笑み、彼の胸に手を滑らせ、若々しい肌の熱を感じた。彼女の手はゆっくりと下へと進み、少年の男性器を再び握る。朝の昂ぶりはさらに硬く、熱を帯びていた。

 

「カイル君、どうかしら。もう一度愛し合わない?」

 

セイラの囁きに、カイルの瞳が輝いた。彼は無言で頷き、彼女の身体を引き寄せた。セイラは仰向けになり、少年を見上げる。彼女の金髪がシーツに広がり、胸が上下するたびに乳首が硬く尖っているのがわかる。カイルは息を呑み、彼女の美しい姿に目を奪われる。セイラは少年の手を握り、自分の胸へと導いた。

 

「カイル君、私を感じて。そして忘れないで。」

 

カイルは勇気を振り絞り、彼女の胸に手を伸ばした。柔らかい膨らみを握り、指先で乳首を撫でると、セイラの身体が小さく震えた。彼女の吐息が甘く漏れ、少年の耳を刺激する。カイルの指は慎重に、まるで壊れ物を扱うように彼女の胸を愛撫した。乳首がさらに硬くなり、セイラの身体が熱を帯びていくのがわかる。彼女の頬はほのかに赤く染まり、瞳は潤んでいた。

 

「んっ…いいわ、カイル…」

 

セイラの声は甘く、少年をさらに高ぶらせた。カイルは彼女の反応に鼓舞され、顔を胸に寄せて、硬く尖った乳首に唇を這わせる。軽く舌でつつき、吸い上げると、セイラの身体が快感に震えた。彼女の背中がしなり、シーツを握りしめる手が白くなる。カイルはさらに愛撫を続け、朝日に照らされた彼女の反応を楽しんだ。そしてセイラの反応に、自身も興奮していく。

 

「セイラ…さん、綺麗…だ…」

 

少年の言葉に、セイラは微笑む。そして彼の髪を撫でた。セイラは少年の身体をそっと引き寄せ、膝を広げて彼を導く。カイルは彼女の間に膝をつき、男性器を彼女の秘部に当てた。朝の光に照らされた彼女の秘部は、すでに濡れて熱を帯びている。カイルは緊張しながら、彼女の瞳を見つめた。セイラは微笑み、頷く。

 

「大丈夫よ…来て。」

 

カイルはゆっくりと腰を進め、彼女の中に滑り込んだ。セイラの内壁は熱く、少年を優しく締め付ける。生の感触に、カイルは声を上げ、彼女もまた小さく喘いだ。

 

「あっ…セイラさん…!」

 

セイラの秘所は少年を深く迎え入れ、熱い脈動が二人を繋ぐ。彼女の身体は少年の動きに合わせて震え、快楽の波が押し寄せる。カイルはゆっくりと腰を動かし、彼女の反応を感じながらリズムを刻む。セイラの内壁は彼を締め付け、まるで離すまいとするように絡みつく。彼女の胸が揺れ、金髪が朝の光に輝く。頬は紅潮し、瞳は潤んでカイルを見つめていた。

 

「んっ…、いい…!」

 

悶えるセイラの声は甘く、少年をさらに高ぶらせた。カイルの動きが徐々に速くなり、彼女の腰を強く掴む。肌がぶつかる音が部屋に響き、朝の静寂を破る。セイラの身体は快楽に震え、少年の熱を受け入れるたびに心がざわめく。この朝の交わりは、昨夜の激しさとは異なり、穏やかで愛に満ちていた。セイラは少年の純粋な愛に心を動かされ、少年の熱に身を委ねる。カイルの動きが頂点に近づき、吐息が荒くなる。彼の声が切なげに響く。

 

「セイラさん…もう…!」

 

「ええ、来て…カイル君、私の中で…!」

 

セイラの声に応えるように、カイルの動きが頂点に達した。彼の身体が硬直し、熱い脈動がセイラの中に放たれた。彼女の身体もまた快楽に震え、少年の熱を受け止める。セイラの内壁はカイルを締め込み、最後の一滴まで搾り取るかのように味わい尽くす。吐精の衝撃に、彼女の身体が小さく跳ね、甘い喘ぎが漏れた。

 

「あっ…!」

 

カイルの声は満足と感動に満ちていた。行為が終わり、彼の男性器がゆっくりとセイラの膣内から離れる。彼女は少年の男性器をそっと口に含み、優しく清めた。舌が丁寧に動くたび、カイルは小さく身震いした。果てた彼には強すぎる刺激だったが、愛された実感が彼の心を満たしていく。

 

「セイラさん…本当に、ありがとう…」

 

カイルの声は震え、感謝と感動に満ちていた。セイラは微笑み、彼の額にキスを落とした。

 

「ええ、私も幸せよ。」

 

 




【エピローグ】


身支度を終えた二人は、互いの服装を確認し合った。

「大丈夫ね。」

そう言って服装を点検し終えたセイラは、少年の唇に名残惜しげにキスをした。

「あの、僕の連絡先は無くさないでください。…待ってます。」

「嬉しいわ、ありがとう。」

セイラは笑顔を見せた。その笑顔に、カイルは期待を膨らませる。

「セイラさん…また会えるかな?」

セイラは振り返り、優しく微笑んだ。

「それはね、運命が決めることよ。カイル君が素敵な大人になったら、きっとまたどこかで会えるわ。」

その言葉に、カイルは満足そうに笑った。二人は部屋を後にすると、カバスの館の廊下を並んで歩いて行った。

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