※この作品はR-18です。

ふたなりな世界の常識   作:すっごい性癖

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思っていたより需要があった様なのでもう1話投稿させていただきます

そして、もう1話書くとしたらこの内容、って決めていた内容があったのですが書いてて思ったより長くなったので前後編に分けました

ので、あと1話書くと言いましたがさらに需要がありましたら後編を書きます


おまけ話(前編)

 

「あっつ……、夏だからって調子乗ってんじゃないの?なんだよ35度って……」

 

なんて意味もなくボヤキながら図書館からの帰り道を歩く。ふぅ、と息を吐きだしながら両手で顔をパタパタ煽っても、まったくもって涼しくならない。それでもやってしまうのは心の奥底から涼を望んでいるからだろうか。

 

「汗でぺったり服と肌がくっつく感じも気持ち悪い……。最悪ぅ……」

 

本当ならこんな真夏日に家の外なんか出たくはないのだ。出たら死が確約されてんだから、誰だってそうだろうけど。しかも夏休み中ってんだから出る必要一切無いし。ホントならエアコン効いてる部屋で寝間着のままボーっと惰眠を貪ってたはずだってのに。ホント、夏休みラブなのに。マジガチ恋勢。抱かれてもいいよ。

 

……だってのに外出居なくなった理由は、そんな大好き夏休みのお供のせい。太陽が昇ったら影が生じるみたいに、切っても切り離せないアレの存在。

 

「……ほんっと幾つになっても嫌いだわ、夏休みの宿題」

 

お題、『なんでも良いから読書感想文』。規定、200ページ以上。分類は問わないが、『ここ最近の賞を取った作品なら高得点あげる……、かも?』発言アリ。ついでに最近お財布事情が厳しい前提条件追加。

 

こんなわけで適当な本を探しに図書館に行ってたわけだけど。今更ながらミスったわ、判断。明日は暑いよ~、なんて夜の天気予報で言ってたのを聞いて『夏なんていっつも暑いでしょ。さっさと行くか~』なんて思ってた自分をマジで殴り倒したい。その後、『オレって勤勉~』なんて内心自画自賛してたオレも一緒にぶん殴る。

 

……まぁ、全ては過去の話だ。

 

すでに図書館で本を借りた帰り道。エアコンの効いた館内が恋しいが、後は帰り道を行くだけでミッションコンプリートなのだ。もうひと踏ん張り、もうひと踏ん張り。

 

今更だけど、借りたってことは返さないと、ってわけだけど……。今は忘れよう。返却期限2週間とかマジ、忘れておこう。脳の隅へとフッ飛ばそう、過去の自分の代わりに。

 

「……せん」

 

しっかしあっついなぁ。帰ったらアイス食べよ。シャーベット系で絶対体温下げてやる。あとエアコン。絶対18度の強風。寒いって思うレベルの冷風ガンガンかけて、実際寒くなったら布団被る。

 

「…みません」

 

ってかその前にシャワー浴びなきゃ、かな?流石に汗かきすぎてこのままは気持ち悪いだろうし。あと汗の臭いでハルナが発情しかねん。流石にこんな真夏日のあっつい中でヤりたくない。てか死ぬ。多分気持ちイイんだろうし、例年通り何回かするんだろうけど、アレのしんどさ知ってると自分からやりたいとは思わん。なんというか、なし崩し的になるもんなんだよ、あれ。

 

そもそも初めてヤったときだって……。

 

「すみません」

 

「アイツがさぁ……、えっ?」

 

思考の沼に浸りすぎていたせいか、声をかけられていたことに気が付かなかった。

 

目の前にはスーツを着た女の人が立っている。……いや、女の人じゃないな、よく見れば。めっちゃイケメンだし。ふたなりか。ふたなりって生まれついてみんな顔面偏差値高いんだよなぁ。

 

(うっわ、マジで顔イイなぁ……。切れ眼な感じがクールっぽくてカッケぇ……。)

 

顔を見た瞬間、太陽で燃えてた身体が内側から熱を帯びだす感覚を覚える。この世界特有の感覚だ。生れついてってのもあるし、この世界で生きていくうちに身についていく感覚でもある。

 

雌として、ふたなりに身体が勝手に媚び始めるのだ。多分あっちはあっちで似たような感覚をこっちに持っているのだろう。だから一切躊躇いなくこっちに声をかけてこれているんだと思うし。

 

で、まあふたなりだし用件は1つか。

 

「ちょっとお相手していただきたく……。お時間大丈夫ですか?」

 

「あ~、はいはい。ダイジョブですよ~。ただここだと暑いんで、そっちの路地の方でイイっすか?日陰なんで」

 

なんて提案すれば、あちら側も問題はないのかコクリと頷いて移動を始める。その際、一切躊躇いなくオレの手を繋いで引っ張っていく感じが、ふたなりだなぁ、って感じがする。なんというか、生物的に強いって言うか、着いていきたくなるって言うか。

 

しかもこの有無を言わせない感じが目の前の名前も知らない彼女の大きな性欲を感じさせて……。

 

……あーあ、帰ったらシャワーと着替えは確定だわ。手、繋がれただけで下腹部あたりがキュンキュンしちゃって、なんか濡れてきてる感じがする。ホント難儀な身体と世界だ。

 

にしてもスーツってことはOLとかかな?どうなんだろ、この時間帯に外いるってのも気になるけど、ふたなりって特例多いし。それこそ会社によっては高い成績さえ保っていれば労働時間が自由、だなんてことも聞いたことがある。

 

そんな事を考えているうちに近くの路地裏に入った。瞬間、日光は建物に遮られヒンヤリとした風を感じなくもない。さっきまでの地獄を思うと大分天国だ。きっと普段ならここも良くは感じないだろうけど。

 

「口でイイっすか?ちょっと借り物の本持ってるんで」

 

と。移動も終わったので早速本題を、と切り出す。現在の持ち物は借りてきた本だけ。荷物は面倒だからと全部置いてきたから借りてきた本、剥き出しなのだ。さすがにこのまま地面に置くのは気が引ける。ので、自由が利くのは口とかだけとなる。

 

あちら側も時間がないのか、ちょっと残念そうな顔をするも一切文句なく頷く。ただ、何やら注文があるようで……。

 

「ファスナー等を下ろす作業も口でお願いします」

 

おおう、と。若干面食らう。澄ましたイケメンフェイスでまあまあ凄いことを言う。ファスナー下ろしたり、パンツ、下着をずらす作業を全部口でって……。

 

「おねーさん、顔に似合わずモノ好きですね♡」

 

まぁ、そのくらいなら全然OKだ。

 

ふたなりが求めたら基本、性処理を行うこととなる世界だ。この位なら問題ない。

 

「んじゃ、早速……。はむ……」

 

カチリ、と前歯と前歯との間に金属製のファスナーを挟み込む。ポーズは相手が仁王立ちしている前で、こっちは蹲踞しているような状態。右手には借りてきた本。普通ならまあまあ疲れる格好だけど、ほぼ毎日しているポーズだからこの位、苦でもない。

 

まあ、唯一の苦はこれだけで、布越しとは言えふたなりの股間目の前に鼻を近づけたせいで、頭がクラクラしてしまうことか。

 

このままだと作業をサボって臭いを嗅ぎ続けてしまいそうだ。

 

そうなる前に、急いで動く。

 

「……」

 

ジー、と音を鳴らしながらファスナーを下ろす。開かれた先には黒い下着が覗いて見えた。クールな見た目によく似合っているなぁ、と思う。その分、指令のアブノーマルさが際立つが、それさえ魅力に感じてしまうからふたなりってズルい。

 

出来ることならこのままパンツのホック等を外してズリ下ろしたい。楽だし。けれど手が使えない今、ベルトを締めている状態のパンツは下ろすことができない。

 

ので、しょうがないので……

 

「んむ……、っふ……」

 

開いたファスナーの狭い隙間に鼻先と口を突っ込み、先ほど見えた下着を下ろそうと模索する。当然、中は見えないので、口先と鼻先の感覚だけで探すのだ。

 

しかし……。

 

(……くっさぁ♡マジでヤバい……っ♡)

 

ただでさえの猛暑。そんな中で蒸れるスーツの中で熟成された蒸気だ。ふたなり固有の性の臭いや汗、それらフェロモン諸々が直接脳内に送り込まれ、トリップしかける。

 

自然と開いている左手が下腹部に伸びる。が、流石にこのままオナりだすわけにもいかないので、なんとか我慢だ。

 

「あむ……♡っふ、んむ……♡」

 

早く舐めたい、しゃぶりたい、と脳内で声が響きだす。それら情欲に突き動かされるように、一心不乱、奥に奥にと顔を突っ込み作業を続ける。

 

唇で下着を食み、少しずらして奥に隠れるモノを導く。幸運だったことは、萎えた状態でも前世の男の平均を鼻で笑うような大きさであったため、いとも簡単に外へと放り出せたことだろうか。長さが足りなければ、そもそも外に出せず、太さが足りなければズラした下着の元に戻ろうとする力に負けていただろう。

 

しかし、それらに負けることなどあるわけがない。それが、理外の存在。「ふたなり」なのだから。

 

(……うっわ、デカぁ♡太いし、長いし……♡あれで平常時ってマジかよ♡)

 

ぼろん、としか形容できない様相で社会の窓から放り出されている存在。社会人だけあって、何人もの雌を食ってきただろう。淫水に焼け肌色は黒く焼けており、皮なぞ一切の余りもなく、カリ首もその存在を大きく主張している。

 

きっと、あの状態でもオレの膣内に挿入したら一切の抵抗を許さず、喘ぎ続ける雌に堕とされるのだろう。しかも、さらにあれにはもう一つ上があると思えば、勝てない、と本能的に覚ってしまってもしょうがないだろう。

 

オレがそんな風に見惚れていると、彼女は

 

「可愛らしい顔で発情しますね……♡」

 

と。そう呟きながら、オレの頭を軽く撫でた。すらりと伸びた白魚の様な五指が、さらり、さらりとオレの頭頂部が過ぎていくたびに、不思議な安心感を覚える。

 

「本当に、愛らしい。もし私に時間があったのなら、絶対に私の子供を身籠らせたでしょう……。本当に、本当に悔やまれる……」

 

(あ……っ、嬉しい……♡)

 

声自体は上からかけられているはずなのに、どうしてか耳横から囁かれているかのように錯覚するほどに身体の芯へとその声が染みわたる。目の前の、圧倒的に格上な存在が、可能ならば孕ませたかったと。そう言われて、心の奥底から歓喜してしまう。

 

「しかし、今は本当に時間がない。早速、お願いします……」

 

「はい♡」

 

声に色は乗る。媚びが乗る。情が乗る。

 

言われた通りに、と。オレはすぐさま、持てる全力をもって愛撫を開始する。まずは、萎えた状態のちんぽを、大きくさせなくては。

 

「んちゅ……、れろれろっ♡……んあ~~~♡」

 

重力に従い、真下を向いている彼女のそれを勃たせようと軽くキス、からの舌先で舐めあげ。竿の脇の面を唇に挟み、ハムハムとマッサージするようにして揉む。

 

本当に簡単な、しかし全力の甘い愛撫だ。それに、精力旺盛なふたなりであることもある。

 

「ぇ~~~~……れろっ♡」

 

最後に、と竿の根元から亀頭の先端までの裏筋をゆ~っくりと舐め上げれば。

 

「すっご……♡」

 

ただでさえ大きかったというのに。海綿体に血液が集中し、その体積を大きく膨らませた状態、いわゆる完全勃起状態のそれはさきほどまでの大きさでも大したことない、とあざ笑うような大きさ天を衝いている。

 

(もしかしたら、ここ最近見た中で一番……。てかこれまで見た中でも、もしかしたら……♡)

 

子宮の疼きが止まらない。今すぐ、目の前のそれを咥えこみたい、子宮に注ぎ込まれたいとこの世界の身体が叫んでくる。

 

「……大きいでしょう?これ、私にとっても自慢なの♡」

 

そりゃあ、そうだろう。こんなもの、ある種の凶器だ。少なくとも、雌であれば抗えない。性を知らない幼児でさえ、こんなものを見せられては自身の性を自覚をしてしまうとさえ思う。

 

もはや、我慢は出来なかった。このおかしな世界で培った経験と常識が、オレに複数の選択肢を許さなかった。

 

「はむっ♡ジュルルルルル……っ♡じゅぽっ、じゅぽっ……♡ジュゾゾゾっ♡」

 

脳みそを空っぽにして目の前の竿にしゃぶりつく。躊躇いとか、恥じらいとかは無い。あるのは一心、目の前のちんぽに奉仕したい、という感情だけ。

 

もはや自制など効くわけもなく。左手も勝手に下着の中へと刺しこんでおり、あふれ出る愛液を掻き分け、必死に自身を慰めていた。路地裏の地面に、濃い染みを創り上げていく。

 

「ん……♡すごい、テクニック♡ホントに学生?プロ顔負けの技術だと思……、あっ、そこイイ♡」

 

「んぶっ、んぶっ、んぶっ♡♡♡じゅるるるるるっ♡じゅるるるるるるるッ♡♡♡」

 

「……この感じ、貴女。特別、フェラチオが好きなんでしょう?私に向かってモノ好きなんて言って……。モノ好きはどっちでしょうね?ホント、愛らしい♡」

 

「じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ♡♡♡ん~~~っ♡」

 

「ああ、良い♡もう少しで射精しそう……♡」

 

その太さを咥えられるように、思い切り口を開いて飲み込む。必死に顔を上下に振っても、その長さから口からちんぽが出ることはない。

 

奥まで咥えこめば亀頭はオレの喉奥を開き、口の周りには下着の下から出てきた陰毛を感じ。限界まで引けば口内にでっぷりと大きな亀頭の存在を感じる。

 

きっと、外から見たらだらしない恰好をしているのだろう。一切の恥じらいなく行うひょっとこ顔のフェラ、自身の唾液に巻き取られ、口周りにへばりついた陰毛、至福を感じ白目をむきかけている状態。

 

それでも止められないし、止まらない。もはや、自分の意思でも止められないのだ。

 

これを止めるには、行為自体の終わりが訪れなければ……。

 

(あ~、やっば♡イキそ……♡オナるの止まらない……♡)

 

「じゅぽっ、じゅぽっ……♡ん、んっ、んっ♡♡」

 

(……あっ、おっきくなってきた♡おねーさんもいイきそう♡……一緒にイこ?♡♡)

 

やはり時間がないのか。それとも溜めていたのか。はたまたオレのテクが思ったより通用したのか。

 

理由は定かではないが、彼女は確かに絶頂へと向かっている。そしてそれは自身も同じ。可能ならば、一緒に……。そう思いながら、ラストスパートをかける。

 

「んむっ、んむっ、んむっ……!♡♡」

 

「っふ♡……ふふ、本当に上手♡一朝一夕のモノではない、良くやっているのでしょう?……えぇ、もうすぐ射精しますから……。全部……、受け止めてください♡♡」

 

もはや思考は不可能。

 

まるで機械のように、ちんぽをしゃぶる、まんこを弄る、といった命令を壊れたように繰り返し続けるのだ。その先の幸福を確かに予感して。

 

じゅるるるるっ♡じゅるるるるるるるるッ!!♡♡♡

 

 

 

 

(あ……、イク……)

 

 

「ん、ん~~~ッ!!♡♡♡」

 

 

ビュルルルルルルルルルルルルっ!!ビュクククっ、ビュルルルっ!!!

 

 

勢いよく放たれた大量の精液。当然口内など一瞬で埋め尽くし、他の隙間を求めだす。しかし、絶対に零さない、と身体が動き、その一滴も逃さない。

 

コクリ、コクリ、とその総てを胃の奥へと叩き込む。まるで腹で子を孕むのではないか、と言ったようにすべてを受け入れるのだ。

 

(あ~、やっべ♡イクの止まんね……♡うっ、イク゛っ……♡)

 

十年以上と繰り返されてきた口内での射精。もはやオレの口内は完全に性感帯として開発され切っており、まるで本当に子宮に射精されているような感覚だ。

 

喉奥に精液が叩き込まれるだけで脊髄に電流が走り、腰を跳ねさせ、潮を吹いて絶頂するのだ。もはや腰は砕け、必死に咥えこんでいるちんぽを支えに立っているだけ。

 

鼻を突き抜ける精液の臭いでも脳が絶頂し、もはや当分、絶頂は止まない気がした。

 

……。

 

…………。

 

………………………。

 

 

両者の絶頂も終わり、一息ついた。

 

オレは名残惜しく感じながらも、ぬぽぉ、と糸を引きながらチンポを咥えるのを止めた。その周囲はテラテラとオレの唾液と彼女の精液で輝いている。

 

オレはまず、残り少なくなった口内の精液を『ゴクンっ♡』と飲み干し、

 

「んあ~~♡」

 

と飲み干しアピールをする。普段は壁越しだったのであまりできず、密かにやってみたかったのだ。ふたなりの射精ってすっごいから、飲み干した後の達成感もすごいのである。

 

しかし、まだ性処理は終わりではない。このままでは彼女はチンポをしまえない。なんてったって、今は色々な粘液に塗れているのだから。

 

「待っててくださいね~♡今から綺麗にしますから……、ん♡」

 

ぺろ、ぺろ。と。舌先で粘液を舐めとっては飲み下す。時間が経てば乾燥するように、唾液だけにしていくのだ。

 

しかしせっかく性処理したのに、ここで相手の情欲を誘っては意味がない。ゆっくりと、丁寧に。例えるのならばマッサージのように、舐めていくのだ。

 

「ぺろ……、ぺろ……♡……ん♡」

 

最中、再度彼女はオレの頭を撫でだした。再び到来した安心感に、オレも身を預ける。

 

「ありがとうございます、最高に気持ち良かったです♡貴女に声をかけて良かった♡」

 

「んふ……♡うれし……、ぇろ♡」

 

少ししてお掃除フェラも終わったオレは、ちゅぽっ♡と音を立てて口を離す。これで、性処理は終了だ。

 

「これで、大丈夫ですかね……?」

 

「ええ、本当にありがとうございます」

 

「いえいえ、当然のことですから」

 

言っててやっぱり引っかかる、当然のこと、という言葉。しかし、やはり当然のことなのだから、変だよなぁ、と頭の片隅で思う。

 

すっ、と蹲踞の状態から久方ぶりに立ち上がった。

 

「あっ……♡」

 

瞬間、目の前の彼女はオレの腰へと左腕を回し、抱きかかえられる様相となる。

 

急接近する、2人の間。顔と顔もすごく近い。先ほどまでゼロ距離であったと言っても、やはり慣れはせず、ドキドキしてしまう。

 

(やっぱ、何度見てもカッコイイなぁ……)

 

しかし、そんな呑気なことを考えていていいのだろうか。

 

「……あの」

 

「……」

 

「あの、お急ぎだったのでは?」

 

「……そう、ですね」

 

声をかけると、彼女は、思わず、と言った様相で呟く。そんな彼女の動きが、オレの心にも刺さってきた。

 

 

 

 

「……あっ♡」

 

ちゅ、と。先ほどまでの下品とさえいえる粘性音とは打って変わって、渇いた音が路地裏に響く。

 

首のあたりがくすぐったくて、すこし熱い。

 

「この後の用事から、唇同士はできないので……。せめて、今日は首元に」

 

 

「予約、ということで」

 

 

そう言うと彼女はオレの胸ポケットに、何らかの紙を刺しこんだ。……見間違えでなければ、それは名刺だっただろう。

 

「次は、一切の遠慮なく、しがらみなく。心行くまで愛し合いましょう。……連絡、待っていますね?」

 

 

ぎゅ、と。

 

そう言った後、最後に1度強く抱きしめ、彼女は先に路地裏を出ていった。

 

もはやココに残っている痕跡は、股下の染みと、オレの口内の臭いくらいだろう。

 

(……帰る、か)

 

 

オレは、再度灼熱の歩道へと歩み出た。

 

 

まだまだ、夏休みは始まったばかり。家に、帰ろう。

 

 

「……♡」

 

 

口内に残る精液の臭いと、味。えぐみとか、引っかかる感じとか、その他もろもろ。それらを感じながら、しかし敢えて無視する。

 

きっと、それを自覚し続けていたら家に着く時間が分からなくなるから。




こんな貞操観念ゆるゆる世界ですが恋愛も結婚も有ります

そして後編は帰宅後です
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