※この作品はR-18です。

魔都精兵のライダー   作:SEEDに出会えてよかった

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いつも感想をくださる方のおかげで、今日のうちに3話も投稿できました。
本当にありがとうございます!


劇場版ガヴ エピソード3 別れと逆鱗。そして…

 

翌日、翔たちは買い物に来ていた。

なんでも、翔が突拍子もなく『お菓子の家を作りたい!』と言い出したのだ。

 

翔「お菓子の家って、実際に入れるの?」

 

天花(異)「絵本のお話だとね。悪い魔女が子供を誘い込むための罠なんだよ。けどそういうのって子供心にときめくんだよ。」

 

翔「ふぁ〜!ときめく〜♪」

 

吼「けど、そんなに大きいのどうやって作るの?」

 

翔「え…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天花(異)「私たちが作るのは、もっと小さいヤツだよ。食べやすい方がいいでしょ?」

 

京香「繊細で細かい作業になる。慎重に作ろう。」

 

翔「それに、お菓子の家を作れば、何か吼の記憶を取り戻すことができるかも。」

 

吼「よし!それじゃお菓子の家を作るぞー!」

 

4人『おー!』

 

翔「それじゃさっそく、っておっとっと〜!!」ガタンガラガッシャン!

 

翔はテンションが上がり過ぎて重ねていたボウルを倒してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「〜〜〜〜…!!」

 

翔は集中して壁のベースになるウエハースを積み重ねていた。

 

吼「クシュン!」

 

4人『あ…』

 

その時、タイミング悪く吼がくしゃみをしてしまってウエハースが崩れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「よいしょ!」

 

翔は小麦粉をボウルに移す時、誤って全て一気に出してしまい、小麦粉が舞い上がった。

その小麦粉が吼と翔の顔面にかかってしまった。

 

翔・吼『………ケホッ…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吼「中々出ないな…えいっ!あっ」

 

ホイップクリームを出そうとして、吼は強く押し過ぎてしまった。

そのホイップクリームは運悪く目の前にいた翔の顔面にかかった。

 

翔「……」

 

翔は鼻から思い切り息を吐いてクリームを飛ばした。

 

吼「ごめん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「ここをこうして…」

 

お菓子の家を作りながら、翔がふと吼の方を見ると…

 

吼「フフ、可愛い…」

 

吼は心から楽しそうだった。

 

天花(異)「吼くん、楽しそうだね。」

 

京香(異)「ああ。あんなに楽しそうにしているのは初めて見た。」

 

 

 

 

そして数時間後。

 

4人『完せーーい!』

 

4人が協力したおかげで、無事に綺麗なお菓子の家が完成した。

 

翔「頑張った甲斐あったなぁ!あ、そうだ。吼、なんか思い出した?」

 

吼「いや…途中から作るの楽しくて、記憶のこと忘れてた。」

 

それを聞いて、吼以外の3人は微笑ましかった。

 

天花(異)「じゃあ、早速食べようか。」

 

翔・吼『いただきまーす!』

 

翔は屋根のクッキーを、吼は煙突のマカロンを食べた。

 

翔・吼『おいしぃ〜♪』

 

天花(異)「うん、やっぱりお菓子は美味しいね。」

 

京香(異)「頑張って作ったから、尚更美味しく感じるな。」

 

すると、吼はお腹に手を当てた。

 

天花(異)「どうかした?」

 

吼「いや、なんか…」

 

翔「お。俺もだ。」

 

その時、2人のガヴから同時に一つずつゴチゾウが出た。

翔からはキャラメルのような茶色をしたウエハースのゴチゾウ。

吼からは黒くて大きな家のような形をしたゴチゾウが出た。

 

天花(異)「わあ!可愛いね。」

 

吼「コレって…?」

 

翔「これはゴチゾウって言って、お菓子を食べて幸せを感じた時に出てくるんだ。」

 

すると、物陰からたくさんのゴチゾウが出て来た。

 

京香(異)「こんなにいたのか!?」

 

翔「ハハ。てことは吼はここに居て、相当幸せを感じたんだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜。

 

翔「なあ、吼。明日ここに行ってみようよ。」

 

翔は吼にスマホの画面を見せた。

 

吼「ここって…」

 

そこは翔の母が経営しているお菓子屋だった。

 

翔「ここに行けば、少しは何か分かるかも。」

 

吼「そうだね。ありがとう。」

 

翔「お互い様だよ。」

 

2人は一緒に歯を磨いていた。

もちろん、ガヴの歯も。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、吼と翔は花が営むお菓子屋に来ていた。

しかし

 

翔「え…?何だこれ…!?」

 

その店は看板を倒され、扉は壊されていた。

2人が急いで店に入ると、店の中はめちゃくちゃに荒らされていた。

 

吼「ひどい…」

 

すると、厨房の方から子供の啜り泣く声が聞こえた。

翔が行くと、そこには花の娘がいた。

 

翔「大丈夫?何があったのかな?」

 

花の娘は怖がりながらも声を出した。

 

「ママが…怪物に…連れてかれた…」

 

翔「っ…!わかった、俺がママを必ず助かるから。」

 

「お兄さんが…?」

 

翔「うん…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

翔と吼は足早に店を出た。

 

吼「良かったの?あんな約束して。」

 

翔「俺の母さんは…向こうじゃ、もう死んでるからさ。あの子には、そんな思いして欲しくないんだ。」

 

吼「そっか……なら、俺も一緒に行くよ。」

 

翔「え…?いや、危ないから俺は1人で…」

 

吼「頼ってくれよ。だって俺たち、似たもの同士だろ?」

 

翔「吼……」

 

すると一体のゴチゾウがやってきた。

 

翔「え…!?」

 

吼「どうしたの?」

 

翔「京香さん達が…連れ去られた…!」

 

吼「え…!?」

 

 

 

 

 

 

翔と吼はゴチゾウの案内に従って森の中を走っていた。

森をしばらく進んでいると、かなり広い村のような物が見えた。

 

吼「何あれ…」

 

翔「行こう!もしかすると、誰かいるかも。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人が森を抜けて村に出ると、そこにはお菓子の家があった。

もっとも、家と呼ぶには大き過ぎる物ではあるが。

 

翔「お菓子の……家…?」

 

吼「うっ…!?」

 

すると吼は前にあったように頭を抑えた。

 

翔「大丈夫!?」

 

吼「うん…俺、ここを知ってるかも…」

 

そして2人が周りを見回すと、白い服を着た子供達が何人かいた。

 

翔「連れ去られた子供たち…?」

 

吼「何か知ってるかも。聞きに行こう!」

 

 

 

 

翔「ねえ!君たち何か…」

 

翔がそう言うと、子供達は逃げていった。

 

吼「連れ去られた子供じゃない…?」

 

翔「だとすると…一体…」

 

翔はふとお菓子の家を見る。

 

翔「あそこに行こう。何か分かるかも。」

 

吼「わかった、行こう!」

 

ついに2人は意を決して突入した。

 

 

 

 

 

 

重く大きな扉を開けて中に入ると、中は何とも豪華絢爛だった。

大きなシャンデリアに大きな階段。

 

翔「広いな……家って言うより城だ…」

 

吼「これ、本当に全部お菓子なのかな?」

 

翔「触ってみりゃ分かるでしょ。」

 

試しに翔は、通路の中心にあった石像の台座の角を触ってみた。

すると、不思議なほど簡単に取れた。

どうやら本当にお菓子のようだ。

台座のお菓子はスポンジケーキの中にメープルシロップが入っており、外側の大理石のようなものはチョコレートだった。

 

翔「あむあむ…」

 

吼「ちょ!それ食べて大丈夫?」

 

翔「うーん!これ美味い!」

 

翔は今度はシャンデリアに手を伸ばし、ぶら下がっているシャンデリアの一部をもぎ取った。

そして翔はそれを口に入れた。

 

翔「こっちはハチミツのグミだ!食べる?」

 

吼「いや、いいよ…っ!こっち!」

 

突然、吼は翔を階段の陰に連れていった。

 

翔「何突然?」

 

吼「シーっ…!」

 

翔がふと階段を覗くと、そこにはあの槍を持った怪物がいた。

それを見た翔は慌てて自分の口を塞いだ。

しかしなぜかお菓子は離そうとしない。

 

と、その時。

 

ドォォォン!

 

爆発のような轟音が鳴り響き、お菓子の家が少し揺れた。

すると怪物は階段を駆け上がっていった。

 

吼「今のうちに行こう…!」

 

翔「ああ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

『キシャァァァァ!!』

 

2人はとある一室に来ていた。

しかし、そこはなぜかお化け屋敷のような場所だった。

 

翔「イヤァァァァァァァァァァ!!」

 

吼「こ、こっちだ……」

 

今度は背後にあるロッカーがガタッと揺れた。

 

翔「ヒャアァァァァァ!!」

 

 

 

 

 

 

今度は子供部屋のような場所へ来ていた。

 

翔「うわ〜!楽しそうなところ!」

 

吼「そうだ…怖いところ…楽しいところ。色んな気持ちになる部屋があるんだ。そして、こっちだ…」

 

翔「ん?おい、待ってよ。」

 

 

 

 

 

吼について行くと、研究室のような場所に着いた。

そこには、吼に付いているのと同じガヴが複数ぶら下がっていた。

それも、何やらべちゃべちゃした皮のようなものに引っ付いた状態だ。

そこからは青い液体が滴っていた。

 

翔「これは……!?」

 

吼「うっ!?」

 

再び吼は頭を痛がった。

 

翔「大丈夫か?」

 

吼「うん……俺、やっぱりここを知ってる。」

 

翔「え?」

 

吼「この先……」

 

翔「お、おい!」

 

 

 

 

 

 

翔が吼について行くと、そこには檻があった。

その中には花、京香と天花。そのほかにもたくさんの人がいた。

 

吼「京香さん!」

 

京香(異)「吼!?なぜここに?」

 

吼は何とか牢屋を開けようとするが、中々に頑丈な牢屋のため開かない。

 

翔「俺に任せて。ちょっと離れてて!ふぅ〜…フンッ!」

 

翔は思い切り牢屋の扉を引っ張ると、牢屋の扉はいとも簡単に外れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「こっち!こっちです!焦らないで!」

 

翔と吼は何とか抜け出し、森の中に来ていた。

 

吼「翔!あの子供達も…」

 

翔「ああ!吼はみんなを!」

 

吼「俺も行く!」

 

翔「ダメだ!」

 

吼「頼ってくれよ…仲間だろ?」

 

翔「吼…」

 

すると翔と吼を案内したゴチゾウが出て来た。

ゴチゾウは京香の肩に乗り、翔に何かを言った。

 

京香(異)「私たちは自分で行ける。お前達はお前達のやることがあるだろ!」

 

天花(異)「行って!2人とも!」

 

吼「京香さん…天花さん…」

 

翔「行こう…!吼!」

 

 

 

 

 

 

 

 

2人が走っていると、村の方で大きな爆発が起こった。

 

翔「なんだ…!?」

 

吼「っ!翔、危ない!」

 

すると攻撃が飛んできた。

 

翔「悪い、助かった。」

 

そこへ……

 

カリエス「なんだ。こっちに居たのか。」

 

翔「カリエス…!」

 

するともう1人、カリエスの手下らしき男が来た。

見るからに異常者。髪は金髪で目は焦点があっていなかった。

喋り方もどこか気味が悪かった。

奴の名はクラープ。

 

クラープ「カリエス様…あの村はまだ滅ぼさないでくださいとお願いしたはずです…あの子供達には、まだ使い道があったはずなのに…」

 

翔「村を…滅ぼした…?」

 

その言葉を聞いて、翔の中で最悪な可能性がよぎる。

クラープの言葉からしても、その予想は的を得ているのだろう。

そう、子供達を殺したと言う最悪の予想は。

 

翔「クソ野郎が…!!」

 

すると、クラープは吼を見る。

 

クラープ「おぉ…!お前は174番!自ら戻ってくるとは…何と可愛い子でしょう…!」

 

吼「え…?」

 

カリエス「なんだ。お前も培養体だったのか。」

 

翔「培養体…?」

 

クラープ「オリジナルの1人であるあなたに、敬意を表して教えて差し上げましょう!私達は様々な世界を渡り歩いて滅ぼして来ました…!その中で私たちは、あなたと同じオリジナルのガヴ機関を持つ者と出会いました。私は研究に研究を重ね、人とグラニュートの遺伝子を掛け合わせれば、ガヴ機関を培養できると分かりました!その研究の中で生まれた200体近い培養体の一体が、お前だ…!」

 

翔「なるほどな…お前らはショウマさんの世界でグラニュートの遺伝子を手にいれた。そして、人間の遺伝子を手に入れるため、偶然にも俺の元いた世界に似たこの異世界を使った。あの研究室にぶら下げられてたガヴは培養体にされた被害者達の皮膚。滴ってた青いのは被害者の血液。そして、生命維持を担うガヴを無理やり取られた人達は、そのまま生き絶えたってわけか…フフ…つくづくゴミ野郎だな…。」

 

カリエス「何だと?」

 

翔「テメェらが何者かは知らないし興味もない。だがな、テメェらの自分勝手でこの世界を滅ぼすってんなら、到底見過ごせねぇ。それとよ、吼の事を物みたいに言うな。コイツは俺の仲間だし、親友だ。」

 

吼「翔……」

 

カリエス「そうか。ならオリジナルのガヴ機関だけを残して死ね。」

 

翔「言ってろカス野郎。」

 

カリエスは黒いゴチゾウを、翔は白いゴチゾウをセットした。

 

『ケーキング!』

 

翔「はあっ!」

 

カリエス「フンッ!」

 

翔はガヴホイッピアーでカリエスに攻撃する。

しかしカリエスは爪で防御する。

 

 

 

吼「俺にも…戦える力があれば…ハッ…!そうだ!」

 

吼は自分のガヴに以前の黒い大きなゴチゾウをセットし、見よう見まねで変身の工程を踏んだ。

しかし

 

『ビー ビー』

 

警告音のような音が鳴った。

 

吼「なんで…?」

 

再び変身しようとするが

 

『ビー ビー』

 

しかし、やはり変身できない。

 

吼「なんでだよ…!?」

 

何度も、何度も何度も、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も繰り返した。

 

しかし、それでも変身できなかった。

 

吼「なんで…」

 

吼は自分の無力さに打ちのめされ、その場に膝をついてしまう。

 

吼「俺にも…力があれば…!」

 

すると

 

吼「うっ!?うぅぅ…!うぅぅ!うあぁぁぁぁぁ!」

 

禍々しいエネルギーを放ちながら、吼は姿を変えた。

全身は青く、背中には未発達の翼のような物がある。その姿は人間のものではなくなってしまった。

そしてガヴの見た目も変わり、上顎の白い部分に赤黒い物が付いた。

 

翔「吼…!?ハッ、しまっ…!?ぐあっ!」

 

吼の変化に気を取られた翔は、隙を突かれてカリエスに吹き飛ばされる。

そしてカリエスは大量の雑魚敵を召喚し、吼に向かわせる。

 

翔「させねぇよ!」

 

『デコレーション!』

 

翔はガヴホイッピアーにグルキャンのゴチゾウをセットし、大量のホイップ兵を召喚した。

ホイップは全てグルキャンのガトリングを持っており、一斉に発射した。

ホイップ兵は吼が翔の元へ行けるように道を開き、吼はその中を走り抜けた。

 

吼「うおぉぉぉぉぉぉ!」

 

走り抜けた吼は勢いをつけたままカリエスを殴りつけた。

カリエスは爪で反撃するが

 

翔「吼!」

 

翔がガヴホイッピアーで爪を弾き、そのままの流れで吼を助けた。

 

吼「翔…!」

 

翔「ああ、行こう!」

 

2人は駆け出してカリエスに攻撃した。

翔はガヴホイッピアーで斬りつけ、吼はカリエスを殴りつける。

 

カリエス「チッ…」

 

カリエスは吼を殴りつけて吹き飛ばそうとするが、吼はカリエスの襟元を掴んで後ろに投げ飛ばした。

 

翔「そのムカつくアホ面に喰らえっ!!」

 

投げ飛ばされたカリエスの顔面を、翔はボールのように蹴り上げた。

 

吼「フッ!ハッ!」

 

翔「ハァッ!!ウォラッ!」

 

カリエス「チッ…」

 

その時、カリエスのガヴが溶けた。

 

カリエス「クラープ!」

 

投げ渡されたガヴをカリエスは装着し、再び変身した。

 

吼「翔!」

 

翔「セリャァァァ!」

 

吼が翔に合図を送り、吼がカリエスを投げ飛ばし翔がカリエスの顔面に跳び膝蹴りを叩き込む。

 

カリエス「クッ…培養体とガキが…調子に乗るな!!」

 

カリエスは両腕の爪で回転攻撃をし、2人を容易く吹き飛ばした。

 

翔「うあぁぁぁぁぁ!?」

 

さらに、カリエスは吼を執拗に攻撃する。

間髪入れずに攻撃を叩き込まれ、吼の胸元には大きな傷がつく。

カリエスは吼の上に立つ。

 

カリエス「そんなガヴ機関は初めて見る。俺が使ってやる。」

 

カリエスは吼のガヴに手を伸ばし、吼のガヴを鷲掴みにする。

ギチギチと音を立てるが、カリエスはそんなものお構いなしに外そうとする。

 

翔「やめ…ろ…!」

 

そんな翔の声も虚しく、残酷な現実は突きつけられた。

 

ブチィィィ!

 

吼「ぐあぁぁぁぁぁぁ!!」

 

嫌な音を立て、吼の悲鳴が響いて、吼のガヴが引きちぎられた。

ガヴは吼のような人からすれば生命維持を担っている心臓のような機関。

それを無理やり外されれば、待っているのはもちろん『死』。

翔はその光景に、声を出すことすらできなかった。

 

カリエス「フッ…」

 

カリエスは吼のガヴを持ち、吼から降りたと思うと、吼を思い切り蹴り飛ばした。

自らのガヴが時間切れで溶けたカリエスは、吼から奪ったガヴを付け、黒いゴチゾウをセットした。

すると、カリエスの姿が変わる。

全身が黒くなり、白い口のようだった顔は口が開いたようになり、中からはもう一つのライダーじみた顔が出てくる。

 

カリエス「フフフフ…クハハハハ!コレはいいガヴ機関だ。気に入った。」

 

翔「テメェ…!それを返せ!!」

 

翔はガヴホイッピアーでカリエスに斬りかかり、その刃は命中した。

しかし、カリエスの体はドロドロの黒い液体のようになり、刃は当たるがダメージは通らなかった。

するとカリエスは左腕を黒い液体の触手の様にし、先端を鎌の様に尖らせて翔を攻撃した。

 

翔「ぐあぁぁっ!」

 

その強大な力に、翔は吹き飛ばされて変身が解けてしまう。

 

カリエス「クラープ、ゴミの始末は任せる。」

 

カリエスはそういうと去っていった。

しかし、翔はそんなことお構いなしに一直線に吼に走った。

 

翔「吼!吼!!」

 

吼「翔…ごめん…何もできなくて…」

 

翔「喋るな…!もう喋らなくていいから!」

 

吼「なあ…翔…京香さん達に…よろしく…」

 

翔「やめろよ…これで最後みたいに言うなよ…!」

 

吼「この世界を……守ってくれ……」

 

翔「ダメだよ…!そんなこと言わないでくれよ…!」

 

吼「俺…翔に会えて…楽し…かった…よ…ありがとう…僕の…親……友…」

 

そう言い残し、吼は消えた。

翔の目の前で。

 

クラープ「お別れは済みましたか…?次はあなたの番です…できれば貴重なオリジナルを殺したくは無いのですが…」

 

翔「っ……!!うあぁぁぁぁ!!」

 

翔の怒りの限界点は、とうに超えていた。

何度も何度もクラープの顔に拳を放つが、周りのミューターに邪魔されて届かない。

そして変身が解けた翔を、ミューターたちは槍の柄部分で殴りつける。

 

翔「ぐっ……!」

 

翔はついに限界を迎え、その場に膝をついてしまった。

そのまま後ろに倒れる…かに思われた。

誰かが翔の背中を軽く叩いて支える。

そんな時だった

 

ミューターの軍団の中に誰かが紛れ、剣で切り裂いた。

さらにはブラックホールが現れてミューターを飲み込んだ。

 

クラープ「何ですか貴方たちは…!」

 

クラープの姿が怪人の物に変わる。

 

「アイツらで間違いない。」

 

「うん、翔くんがいなくなった時にいた奴らだよ。」

 

「誰だか知らねぇけどよぉ、アタシらの翔をこんなにしやがって…!絶対許さねえからな!」

 

その声に、翔は聞き覚えがあった。

そして背中を叩いた人物を、翔は見上げた。

その人物は、魔防隊最強の女、地球の答えとまで言われた女。

 

恋「生きて帰れると思わないことね。」

 

『魔防隊総組長 山城 恋』だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 






いや長かった…ここまで長かった…
おそらく次回でガヴの映画のエピソードは最終回です。
自分に出来る限りの事をして書くので、お楽しみに!

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