※この作品はR-18です。

無表情天才美少女魔術師がメチャクチャギタギタに快楽を押し付けられる話。   作:ふぁふわ

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20 無表情アイドル、最後のステージ★★

 セリスたち「ブルームスターズ」の勢いは留まるところを知らなかった。ライブの翌日には魔導SNSで「#セリス無表情ピース」がトレンド入りし、ライブ映像の切り抜きがファンによって次々と拡散され、あっという間に王都最注目アイドルユニットと呼ばれるようになった。街角の大型魔導ヴィジョンには彼女たちのMVが流れ、書店では特集雑誌が山積みになっていた。

 

 ライブ後の控室。

 鏡の前に座ったセリスは、静かに無表情のまま、淡い照明に照らされた自身の姿を見つめていた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 今日は王都スター芸能の主催する定期ライブだった。曲目も踊りも完璧、歓声は熱を帯び、鳴り止まないアンコールの中で幕を閉じた。

 

 控室では、ミナが汗を拭きながら魔導スマホをいじり、エリナは黙々と水を飲んでいた。セリスは一言も発さず、衣装のスカートを整えている。

 

「…………」

 

 プロデューサー・レオンの特別レッスンによる支配を受け、セリスは彼の操り人形と化していた。それでも彼女は舞台に立つことを選んだ。

 

 セリスはもう一度鏡を見た。虚ろな瞳が自らを見つめ返してくる。今となってはもう、自分がどこにいるのかさえ、よく分からなかった。

 

 鏡の前で無言で佇むセリスを、エリナがじっと見つめていた。

 

 

 

 **********

 

 

 

 ライブ終了後、スタッフやメンバーたちが次々と控室を後にする中、セリスは一人取り残された。

 

 鏡台の端に、先日ファンから受け取った花束が置かれているのが目に入った。彼女はそれを一瞥し、思い出したように小さく呟く。

 

「……そういえば、これ……まだ、中見てなかった……」

 

 セリスは花束に差し込まれていた折り畳みの便箋を引き抜いた。読みかけて、少しだけ眉をひそめる。

 

「……長い、あとで……」

 

 手紙をまた差し戻すと、花束ごとキャビネットに放り込んだ。その時、カチャ……と、扉がわずかに開いた。

 

「……誰?」

 

 反射的に振り向いたセリスの前にいたのは、帽子を深く被り、マスクをした不審な中年男だった。その姿に見覚えがあった。

 

「……あなた、前にも……」

 

 セリスの声に、男は大きく頷いた。

 

「覚えていてくださったんですね……セリスたん……神の声を……俺は、信じていました」

 

 それは、先日、花束を差し出したファンだった。顔は汗で濡れ、眼は血走り、頬は痩せこけて、全身から尋常でない執着を放っていた。

 

「……すぐ、スタッフを……」

 

 立ち上がろうとするセリスの腕を、男が強く掴む。

 

「大丈夫です……誰にも言いませんから……だから……だから、少しだけ……俺に、救いを……」

 

 セリスは無言のまま、掴まれた腕を見つめていた。

 

 男の手が、震えながらセリスの頬に触れる。

 

「セリスたん、あのとき、花束、受け取ってくれたよね……『ありがとう』って言ってくれた……それだけで、生きていけると思った……でも……!」

 

 男の目に暗い炎が宿る。

 

「来てくれなかった。読んでくれなかったんだね、手紙……俺の気持ち……許さない……許さない……!」

 

 彼は狂気を孕んだ目でセリスに襲い掛かった。

 

「……っ!」

 

 反射的に叫ぼうとしたセリスの口を男の手が塞ぐ。体ごと倒れこみ、彼女を床に押し倒した。

 

「セリスたん……! お、俺だけを見て……! 誰よりも愛してる……!」

 

 男がセリスの首筋に顔を寄せ、ガブリと嚙みついた。

 

「……ぅ、いたっ!」

 

 首筋に僅かに血が滲み、セリスは痛みに顔を歪めた。男は彼女の青いフリル付きトップスを乱雑に引きちぎり、セリスの白いブラジャーが露わになる。

 

「はぁっ、はぁっ、セリスたん、俺だけの、俺だけの天使になってよ……!」

 

 プロデューサーの支配を受けたセリスは無感情に抵抗せず、されるがままの状態となっていた。レオンの支配はファンとプロデューサーに対して全てを受け入れるという暗示だったため、ファンと認識してしまったこの男に対して拒絶することができなくなっていた。

 

「うう~~! セリスたん、俺を見て! どうして見てくれないの!?」

 

 虚ろな表情で天井を見つめるセリスに苛立った男が、ブラジャーを無理やり剥ぎ取った。桃色の突起が乗った小さな乳房が控室の照明に照らされ、男が彼女の乳房に噛みつく。セリスは微かな痛みにピクリと眉をしかめた。

 

「……っ!」

 

「お、俺のっ! 俺だけのっ!」

 

 男は乳房に荒々しくしゃぶり付いたまま、セリスのスカートをペチコートごと脱がした。アイドル衣装が全て剥ぎ取られ、彼女がパンツ1枚になる。

 

「……」

 

 ほとんど暴力的な愛撫に対しても、散々開発されてきた彼女の体は反応してしまい、割れ目が僅かに湿っていた。

 

「あっ! セリスたん……これ! 感じてるんだね?」

 

「…………」

 

 男は濡れたパンツを見て目を輝かせ、自分が受け入れられていると確信した。そのままセリスの両足を開き、ズルズルとパンツの上から愛液を啜り取る。一心不乱にパンツを啜る男と、虚空を見つめ、腕を投げ出し足を広げて恥部を吸われているセリスの、酷く異様な光景がそこにはあった。

 

「セリスたん、俺のこと、特別って言ってくれたよね?」

 

 男はゴクリと愛液を飲み込むと、セリスのパンツをそっと脱がし、ペニスを取り出した。彼女の秘裂にゆっくりと押し当て、中に侵入しようとする。

 

「せ、セリスたんの初めて、俺が貰うね……?」

 

「…………」

 

 ヌルヌルとした狭い肉穴に男のペニスが入っていった。温かくうねる感触に男が恍惚とした表情を浮かべる。

 

「うああ、あったかい……! セリスたんの処女、嬉しい……!」

 

「…………んっ」

 

 セリスが僅かに喘ぎを漏らすと、男は彼女を抱きかかえて無我夢中で腰を振った。無抵抗なセリスが虚ろな目で揺さぶられ、歯型の残った小ぶりな乳房が微かに揺れていた。

 

「セリスたんっ、セリスたんっ、ゆっ、許してっ! 俺を救って!」

 

 男が腰の速度を速め絶頂に向けて動き出した。ヌルヌルとした狭い肉壺が男のペニスを締め付ける。その時、虚空を見ていたセリスの目が焦点を合わせ、僅かに男と目が合った。

 

「…………いいよ」

 

 それは慈愛だったのか。諦めだったのか。ただの空耳だったのか。

 

「…………!!」

 

 男はセリスの中で果てた。

 

 狂乱の中、欠片だけ残されていた男の理性が自問する。

 

 俺は罪の無い彼女を犯したのだと。自分勝手に偶像化し、独りよがりに彼女に気持ちを押し付けて、無理やり襲ったのだと。

 

 そう思っていた。許されざる罪を犯したと、理性が告げていた。

 

 だが、彼女は受け入れてくれたのだろうか。こんなどうしようもない男を、最後に赦してくれたのだろうか。

 

 ただ、アイドルだけを追いかけて来た男の人生には、セリスという救いが確かにあったのだ。

 

 

 

 **********

 

 

 

 その時、激しい音と共に控室の扉が乱暴に開かれた。

 

「セリス!? ……なっ、なにやってんだ、そいつ!!」

 

 叫んだのは、マネージャーの田中だった。続けてミナも飛び込んでくる。

 

「えっ……誰、これ!? キモッ! だ、誰か来てぇーっ!!」

 

 すぐさま近くにいた警備員数人が駆け込んできた。田中が男を突き飛ばす。

 

「てめぇふざけんな!!」

 

 男は叫んだ。

 

「違う! 俺はもう……!」

 

 男が何かを言おうとしたその時、銃声が鳴り響いた。警備員に眉間を撃ち抜かれ、頭から崩れ落ちる。床のタイルがゴトンと鈍い音を立てた。

 

 男がピクリとも動かなくなる。死した男の表情はどこか安らかで、笑っているようにさえ見えた。

 

 

 

 **********

 

 

 

 その場が静かになったあと、全裸で横たわり、首筋と乳房に歯形を残す痛々しい姿のセリスに対し、ミナが言葉を濁しながらそっと尋ねた。

 

「……セリスちゃん、大丈夫? その……」

 

 セリスは服を手に取り、裸体を隠しながら無表情で呟く。

 

「……だいじょうぶ」

 

 強がりなのか、本当に何も感じていないのか、それは誰にも、セリス自身にも分からなかった。

 

 

 

 

 

 翌日、控室のキャビネットには、あの花束だけが、変わらずそのままの形で置かれていた。

 

 手紙は、今も、開かれた形跡すらないままに。

 

 

 

 

 

 **********

 

 

 

 

 現役トップアイドルがファンに暴行されるという衝撃的な事件は、大手芸能事務所の力によって揉み消された。

 

 何事もなかったかのようにセリスたち「ブルームスターズ」は活動を続け、表面上は変わらぬ熱狂が続いた。

 

 彼女たちの人気は、もはや王都全体を巻き込んだ社会現象となっていた。新曲「天雷の裁断」は魔導チャートで初登場1位、魔導動画配信サイトでは関連映像の総再生数が1000万回を超え、王国ニュースでも連日特集が組まれるほどの熱狂ぶりだった。

 

 街角の大型魔導ヴィジョンには、彼女たちのMVが一日中繰り返し流れ、書店では表紙を飾る特集雑誌が即日完売。

 

 コラボグッズは再販を繰り返してもなお完売が続いており、王都中の少女たちが憧れる存在となっていた。

 

 魔導SNSではブルスタ関連ワードが数日連続でトレンド1位を記録し、破竹の勢いの中、王国最大のステージである王都武道館でのワンマンライブがついに決定する。

 

 路地裏の地下ライブから始まったブルームスターズがここに至るまでの歩みは決して順風満帆ではなかった。観客に心無いヤジを飛ばされ、エッチなファンサービスを展開した時もあれば、スケベなファンサービスを敢行してきた時もあった。

 

 だがそれでも、セリスはその静かなまなざしのまま、着実に階段を登ってきたのだった。

 

 名実ともに時代の顔となったブルームスターズの、クライマックスライブが始まろうとしていた。

 

 

 

 **********

 

 

 

魔導掲示板:【ブルスタ】ブルームスターズ 総合スレ714【本スレ】

 

124:エルダリアの名無しさん

ブルスタ、ついに武道館か……正直ここまで行くとは思わなかった

 

125:エルダリアの名無しさん

おシコリ報告スレが潰されて統合されたんだっけ?

報告ここでいいの?

昨日セリスとエリナの百合ックス妄想で2回抜いたんだけど

 

126:エルダリアの名無しさん

>>125

やめとけ、もうブルスタはそんな話題を許すレベルじゃなくなったんだよ……

 

127:エルダリアの名無しさん

地下アイドルスレに居た頃が懐かしいよ。てかスレ番も本家を抜いてるし

昔のあのスレで「セリス推し」とか言ってたやつ、今ごろ息してるか?w

 

128:エルダリアの名無しさん

まだ推してるよ。でも、もう手の届かない存在になっちゃった感じするよね

 

129:エルダリアの名無しさん

セリスの笑顔、最初に見たとき泣いたんだよな

今はもう、あの頃の距離感じゃないけど、でも応援はしてる。ずっと

 

130:エルダリアの名無しさん

古参気取りうぜーw

 

131:エルダリアの名無しさん

地下から這い上がったアイドルって感じがして本当すごい

アイドルらしくないところが逆に魅力だったんだよな

 

132:エルダリアの名無しさん

>>130

うるせえな殺すぞ

 

133:エルダリアの名無しさん

殺すぞといえばセリスのエロ話をすると必ず出てくるコテハン、最近見ないな

 

134:エルダリアの名無しさん

セリス、どこまで行くんだろうな……

 

135:エルダリアの名無しさん

小生はセリスちゃんがどこまで行っても推し続けますぞ

 

 

 

 **********

 

 

 

 クライマックスライブ当日。リハーサルを終えた控室には、熱のこもった空気と、ほんのわずかな緊張が漂っていた。

 

 ミナは魔導スマホを手に、笑顔でSNSの通知をチェックしている。エリナは椅子に座り、黙ってストレッチをしていた。

 

 そしてセリスは鏡の前に立ち、髪を整えていた。彼女の表情は、相変わらず感情を読み取らせないままだった。

 

「……セリス君、少しいいかな」

 

 控室のドアがノックされ、プロデューサーのレオンが顔を覗かせる。

 

「……ん」

 

「すまないが、ちょっと来てもらえないか。専務からの指示で、特別な最終調整があってね……」

 

 セリスは躊躇なく頷いた。

 

「……わかった」

 

 消えて行く二人の背を、エリナが光の消えた目で見つめていた。

 

 

 

 **********

 

 

 

 武道館の奥、防音設備が完備された特別仕様の個室。

 

 セリスが静かに立っている前で、レオンが眼鏡を外しながら深く溜息を吐いた。

 

「……セリス君。君のポテンシャルには、本当に驚かされるよ。ここまでの成長……完璧な造形……美しさ……従順さ……」

 

 レオンが彼女の頬にそっと触れる。

 

「そして何より、君の無垢さが……芸術的だ。今まで数多くのアイドルを見てきたが……君が一番素晴らしい」

 

 レオンがセリスの顎を持ち上げ、キスをした。彼女は何も言葉を発さず、ただ、命じられるままに、レオンの指示に従う。

 

「そして今、王都武道館ライブという最高の舞台が整った。最高の舞台を前に、最高の素材を味わえる機会は他にないと思ってね……」

 

 レオンがアイドル衣装の上からセリスの胸を揉んだ。彼女は黙ったままプロデューサーを見つめている。

 

「だから始めよう。これがブルームスターズが伝説となる前の、最後の特別レッスンだ」

 

 アイドル衣装のまま秘部だけ晒したセリスにレオンは指を挿し入れた。カリカリと内壁を擦ると、すぐに愛液が湿り出し、レオンの指を締め付ける。

 

「……んっ」

 

 もう何度ほじられたか分からないレオンの指をセリスの膣が受け入れ、彼女がくぐもった声を上げた。レオンが満足そうに微笑む。

 

「本当に君は素晴らしい。何回使っても締め付ける花弁。ここもトップアイドルにふさわしい名器だよ」

 

 レオンがクリトリスに指を押し当てながら膣穴を抉るような動きで指を返すと、即座にセリスの体が反応し、愛液をお漏らしし始めた。

 

「……っ、……あ……!」

 

 ブルッとセリスの体が軽く絶頂し、レオンが指を引き抜くと、チュポンッと音がして膣口から糸が引いた。愛液が床に滴り落ち、咲いた花のような香りが特別室に立ち込める。密閉された空間で甘い香りに包まれたレオンが一瞬呆然とした後、首を振り、少し困惑した表情で呟いた。

 

「セリス君……いや、私は…………ふふ、では入れるよ」

 

 レオンが剛直を取り出し、アイドル衣装のセリスのスカートをめくって後ろから突き込んだ。ヌプヌプと肉棒が彼女の体内に収まり、往復するたびにゾリゾリと膣壁と快楽を引きずり出す。白いお尻が揺れ、結合部から濁った愛液が垂れ落ちていった。

 

「……あっ、……あっ……いいっ……!」

 

 レオンは何かを打ち払うかのように、パンパンと容赦なくバックから腰を打ち付け、ナンバーワンアイドルの膣穴をハメ倒した。突き立てられる肉棒をセリスの膣孔が包み込み、ねろねろと中がうねるように肉棒を絞る。レオンはセリスの思わぬ逆襲に思わず呻いた。

 

「ぐっ……? やるね、セリス君。君は本当に予想を裏切る……だがまだ!」

 

 レオンは得意のポルチオ責めで子宮を突き倒した。散々に開発されたポルチオに、メチャクチャギタギタに快楽が叩き込まれ、一瞬で主従が分からされる。セリスが嬌声を上げた。

 

「……ああっ! ……ふ、深い……あ、だめ、だめ……!」

 

 しかしセリスが絶頂へと高まると同時に、陰茎を絞り上げる膣肉の圧力も高まった。ヒクヒクと痙攣するアイドル牝穴の動きが加わり、レオンの肉棒に濃密な刺激を与えて来る。彼はポルチオを激しく突き立てながら射精感に耐えた。

 

「ぐっ、イけ! アクメしろ! 俺の言うことを聞け!」

 

「……っあ、んっ、い、いく……イクぅっ……!」

 

 レオンが深く突き込むとセリスの全身が痙攣し、絶頂した。しかし同時に膣穴がギュウッとうねりながら肉棒を絞り出し、彼もまた堪え切れず射精する。レオン自身も信じられない程の量がドクドクと子宮に叩き込まれ、二人は荒く息を吐いた。

 

「ぐっ、はぁーっ、はぁーっ。セリス君……」

 

「……はぁ、はぁ、ぅぅ…………」

 

 自然とレオンのペニスが抜け、セリスの膣穴からドボドボと精液が溢れ出した。

 

 レオンは行為途中で自身に芽生えた何かを探るように、セリスを見つめて佇んだままだった。

 

 

 

 **********

 

 

 

 突如として、特別室のドアが荒々しく開いた。

 

「……セリス、レオンさん……やっぱり……。何してるの……?」

 

 そこに立っていたのは、エリナだった。

 

 白い尻を突き出して膣穴から精液を溢しているセリスと、引き抜いたばかりで湯気が立ち、先端から白い液体を滲ませた陰茎を露出したままのレオン。何が起きたか明らかな構図を見たエリナの目が、大きく見開かれた。

 

「……っ……ふざけないで……っ!!」

 

 彼女の手には、鋭く光るナイフが握られていた。

 

「どうして……どうして、セリスばっかり……っ!!」

 

 エリナが猛然と駆け寄ってくる。セリスは無意識的にレオンを守ろうとしたが、その刹那、レオンが両手を広げて前に立った。

 

 そして――

 

 ザクッ――

 

 ナイフがレオンの腹部に突き刺さる。

 

「が……っ……あ……」

 

 レオンは目を見開いたまま崩れ落ち、床に血が広がっていく。

 

「あ……あ……レオンさん……? 見て……私、やったよ……?」

 

 誰を刺したのかも分からないほど壊れた精神のまま、泣きじゃくるエリナ。

 

 その後、駆けつけたスタッフにより、彼女はすぐに拘束された。即座にクライマックスライブは中止が発表され、会場には厳戒態勢が敷かれた。

 

 田中やリリア、スタッフ達は事後処理に奔走し、セリスも長い事情聴取を受けることとなった。

 

 

 

 **********

 

 

 

 中止発表後の会場の狂騒は惨憺たるものだった。落胆する若い男性ファン、スタッフに詰め寄る中年ファン、泣きじゃくる小さな女の子。誰もがこのステージに期待し、羨望し、渇望していた。

 

 だが、王都武道館のゲートは固く閉ざされたまま、やがて希望は失望へと変わり、一人、また一人と、肩を落とし踵を返していく。いつしか会場には誰もいなくなり、祭りの跡の静けさだけが残った。

 

 

 

 数時間後――

 

 照明が落ちた会場。

 誰もいないステージ。

 

 そこに、一人立っている少女の姿があった。

 

 セリス。

 

 彼女はアイドル衣装のまま、真っ暗な客席を見つめていた。

 

「…………」

 

 無言のまま、ゆっくりと口を開く。

 

「……みんな、来てくれてありがとう」

 

 

 

 誰もいないはずの観客席に向かって、セリスは静かに、歌を口ずさみ始めた。

 

 非常灯の光が、スポットライトのように幻想的に彼女を照らす。

 曲は、かつて彼女がセンターで初めて歌った、デビュー曲だった。

 

 声は震えていなかった。

 彼女は最後まで、無表情のまま、ただステージに立っていた。

 

 そして――

 

 歌い終えた彼女が、そっと手を振る。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「……また、来てね……」

 

 いつの日にかファンに送った、同じフレーズ。

 

 誰もいない客席に、静かに、ゆっくりと。

 

 

 

 幕が降りた。

 

 さよならではなく再会を願うその言葉は、誰にも届かなかった。

 

 拍手も、なかった。

 

 それでも――

 

 彼女の最後のステージは、美しかった。

 

 

 

 

 

 

 






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