【完結】「ラッキースケベ?いいや、これは運命だった」〜転移してきたユウカと二人暮らし〜 作:春画屋@二次創作R18
ユウカのラッキースケベ描写を書きたかっただけだろうと言われると、ぐうの音も出ないので、他の要素も出来るだけ頑張ります。
約10万字にて完結しました。
「むぐ」
僕の目の前には……僕の顔には、柔らかいふくらみが押しつけられている。そのふくらみは二つ……その谷間の部分に、顔を
さらに、ふっくらと柔らかい物体から布越しに伝わってくる、ほんのりとしたあたたかさ。多分、人の体のあたたかさ。何となく、いい匂いもする気がする。……ということは、つまり、僕が顔を思いっきり谷間に埋めているのは——女の子のおっぱい。
そんな僕の予想を裏付けるかのように、のしかかっていた存在が、うーん、とうめいた。そして、
「な、何なの……。何かクッションになってくれたみたいだけど……って、きゃあああああっ! だっ、誰っ⁉︎」
「ちょっと、大きな声出さないで!」
僕は彼女の体を押しのけようとして、思いっきりその二つのふくらみ——要するにおっぱいを、ぐにゅっとつかんでしまっていた。そんなことをしてしまったんだから、大声を出されても仕方ないんだけど、彼女は声を出さずに僕の上からどいてくれた。
「ご、ごめんなさい。あなたが下にいるの、分からなくて。あの、ここって……」
「わぁぁぁぁっ!」
「な、何⁉︎」
今度は僕が叫ぶ番だった。だって、
「み、見え、あの」
「え? 何?」
僕は、何とかして彼女に、下着が見えてしまっているのを伝えようとした。両ひざを曲げて、体育座りのようにして道路に尻もちをついている彼女の両足は、左右に軽く開いている。そのせいで、白いパンツが見えてしまっている。何しろ、黒いスカートの丈が短すぎる。それが完全にめくれてしまっているせいで、パンツはもちろん、おなかまで少し見えてしまっている。
「————っ!」
声にならない叫び。出来るだけ見ないようにしながら、必死に指を差して教えていたので、やっと気付いてくれたらしい。顔を真っ赤にして、目いっぱいスカートの
女の子の胸に顔を埋めるなんて経験はもちろんないし、触ったことだって、もろに下着を見てしまったこともない。彼女だっていたことのない僕には刺激が強すぎた。目の前の女の子以上に僕がパニックに陥ってしまって、どうすればいいのか分からない。
そうこうする内に、やっとちゃんと下着を隠してくれた女の子が、コホン、と
「ここって……「キヴォトスの外」、ですよね?」
「「キヴォトスの外」?」
——「キヴォトスの外」という言葉、それに、黒のブレザーの上に白いジャケットを
「あなたも向こうの通りにいる人たちも、ヘイローもないし、銃を持っている様子もない。先生の言っていた通りだもの。ここって「キヴォトスの外」なんですよね?」
「……
「え? 私の名前……知って——」
間違いなかった。そこにいるのは、ゲーム『ブルーアーカイブ』のキャラの一人、早瀬ユウカさんだった。
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「……つまり、私の姿がその「ブルーアーカイブ」というゲームのキャラと全く一緒、ということなんですね?」
「うん、そう。僕も、途中までやってやめちゃったからよくは知らないんだけど。ほら、『ユウカ』って君とほとんど一緒でしょ?」
「はい。あなたの言っているように、私はミレニアムの生徒だし、セミナーに所属しているところも一緒。それに、見た目も……」
僕がスマホで見せた『ユウカ』を見ながら彼女——この子も「ユウカ」と呼んでしまっていいと思うけど——は、眉間にしわを寄せ、むずかしい顔をしていた。君はゲームのキャラだ、なんて失礼な扱いはしないよう気をつけているつもりなんだけど、やっぱりブルアカの『早瀬ユウカ』のキャラ画像なんて見てしまうと、何か思うところがあるのだろうか。まずかったかな。
「……つまり、あなたがこのお店に入るまで、普通に歩いていても大丈夫、と言っていたのは——」
「ん? うん」
「私をちらちら見ていた人たちや、小さな声で何か言っていた人たちは、私がそのゲームのコスプレをして歩いていると思ったからで……」
「う、うん」
え? 気にしてるの、そこ? ユウカは、顔を両手でおおったまま、ピクピクと体を震わせている。そんなにショックなの?
「いや、街中をコスプレで歩いてる人で、ヘイローまでちゃんと再現してる人、珍しい(?)から。それで目立ってただけで」
「ま、街中を、コスプレして歩いて……特に何かそういうイベントがあるわけでもないのに……は、恥ずかしい……死にたい……」
「だ、大丈夫! 秋葉原って、そういう街(?)だから! 他にもたまにいるから!」
もし、該当するような人がこの店の中にいて聞いていたとしたら、とにかく彼女に落ち着いてもらうためなんです、と謝ろう。それにしても、人の多い通りに出る前に説明をしておくべきだっただろうか。ここまでショックを受けるとは。でも、説明したらしたで、この様子だと移動出来なくなっちゃっただろうし、とにかくこの喫茶店に入ってボックス席に座れた以上は、気にしなくていいはずだ。
「ブルーアーカイブ」——確か、今流行っているスマホのゲームだ。学園都市「キヴォトス」を舞台に、いくつもの学園の女の子たちが、青春あり、笑いあり、銃撃戦ありと、いろんな物語を展開していくゲーム……僕はそんな風に認識している。
その中でもかなり人気のあるヒロインが、僕の目の前にいる——おそらく本人であろう——「早瀬ユウカ」だ。ゲームの方は
現実離れするほどに整った顔、魅力的な瞳、知性を感じさせる
「でも、おかしいわ、これ」
「おかしい? 何が?」
彼女は、僕が見せたブルーアーカイブのストーリーを大まかに紹介したサイト(もちろんネタバレなんだけど)を見せた。
「連邦生徒会長がいなくなったことなんてないし、特異現象捜査部なんて聞いたこともない。ヒマリ部長やリオ会長だって特に変わった様子はないし、少なくともミレニアムにこんな事件が起きるはずな……起きるはずがないんです」
「でも、将来起きるかも知れないって可能性は?」
「いえ、何よりアリスちゃんの出自ははっきりさせた上でミレニアムに入学させたんです。キヴォトスの命運を左右するような存在であるはずがない。あり得ないとまでは言えな……言えませんが、どちらかと言えば私のいた「キヴォトス」に、何かがいた、あるいは起きたと仮定して作った創作に見える……見えます。ゲマトリアとか預言者なんて聞いたこともない……ありませんし」
「あのさ、敬語をつかうのやめない? さっきからしゃべりにくそうなんだけど」
「いえ、別にしゃべりにくかったりは……平気ですよ?」
そうかなあ……。
「でも僕、多分君と同い年だよ?」
「同い年⁉︎」
ブルーアーカイブのユウカなら、確かミレニアムサイエンススクールの二年生。高校二年生の僕とは同じ年齢のはずだ。
「あ、そう……そうなんだ。同い年なのね。ふーん……そう。そっか……」
「僕は、篠原
「そ、そっかー。なら同い年だし、敬語じゃなくても構わないわよね、うん。マモルくんっていうのね? ち、ちなみに、さっきからそうじゃないかとは思っていたのよ? ちょっと聞きそびれていただけで!」
「…………」
腕組みをしたユウカは、さも「そのぐらい当然よね!」といったポーズを取っているが、どう考えても嘘だと思う。バレバレなんだから、見栄を張らなくてもいいのに。
「でも、ユウカの言った通りなら、ゲームとは関係なくユウカのいた「キヴォトス」が存在している可能性は高いよね」
「う……ん、私がここに来る直前の記憶がないから、はっきりとは言えないけど……」
「でも、実際にここにユウカがいて、ヘイローだってある。服装だって一緒だし、目の色だって。違うのは、銃を持ってないことぐらいだ」
「そう。私みたいな特異な存在がいる場所として、キヴォトスはどこかにあるはず。だから、何とかしてそこに帰らないと……」
そう言って、ユウカは目を伏せた。同年代の女の子が、こんなに深刻で不安そうな表情をしているのを見たことがない。でも、不安になって当たり前か。
ブルーアーカイブの舞台、キヴォトスは、ロボットや獣人の市民がそこら中にいて、銃撃戦が日常的に起きる場所だという。僕から見れば、そんなとんでもないところと比べれば、この秋葉原の街はいたって平和で安心できる世界だ。でも、彼女にとっては見知らぬ街であり、見知らぬ世界だ。不安になって当たり前だ。しかも、どうやってここに来たかも、どうやって帰ればいいのかも分からないという。
「でも、帰る方法を探すとしてこの後どうする? とりあえず、店を出たらどこかに移動しなきゃいけないけど……」
「そんなこと言われても……今頼れるっていえば、あなたぐらいしか——あ、いや、その」
一瞬、上目づかいに僕を見たユウカが、しまった、といった風に視線をそらした。
——そうか。
僕は当たり前のことに今さら気付いた。ユウカが今誰かを頼るとしたら、それは僕しかいない。僕が力になってあげるしかないんだ——胸に熱いものがこみあげてくる。もちろん相手がこれだけの美少女だから、という浅ましい助平根性もあるのは否定出来ないけど、何にしてもここで見捨てられるはずがない。
遠慮しているのか、ユウカは、あの、その、と必死に訂正しようとしている。僕はじれったくなって、かーっと頭が熱いまま、こう言ってしまった。
「僕が君をキヴォトスに帰してあげる。絶対に」
「ちがっ、私、そんな意味で言ったんじゃ……そんな迷惑はかけられないし、第一、そんなの無理でしょう?」
「無理でも、力になる。僕にまかせて」
「まかせて、って、そんな……」
僕は、今までにしたことがない程の真剣な目で彼女を見つめ続けた。その内に、とまどっていた彼女の表情がゆるんだ。
ユウカは、ふぅ、と息を吐いて、
「うん。お願いするわね、マモルくん。ありがとう。素直に頼ることにする」
少し落ち着いたのか、僕を見つめるユウカはしっかりして見えた。体から力が抜けたように見える。やっぱり今まで緊張していたんだろう。
「でも、何か当てがあるわけじゃないんでしょう?」
「うっ、それはそうなんだけど。何とかするよ」
「ふふっ、気にしないで。そんな風に言えるあなたが、何だか先生に似てるなって、そう思っただけ」
「先生? 先生って、「シャーレの先生」?」
「そう。根拠もないのに何でも「大丈夫」なんて言っちゃって、それでも何故か説得力がある、頼りになる「大人」。何だか、あなたが先生と同じように見えて」
「説得力、あった?」
「そうね、男の子にそんなことを言われたのが初めてだからかも。少なくとも、今は不安じゃないわ。きっと、あなたのおかげだと思う」
「そっか」
良かった、と思った。先のことは分からないけど、気休めでも、彼女を少しは安心させることが出来た。微笑んで僕を見つめる彼女を見ていると、ドキドキして顔が熱くなる。
——先生か。
「先生」——ブルーアーカイブにおいては主人公的存在であり、生徒を無条件に助けてくれる存在。主人公補正を考えれば、メタ的に言えばほとんど全能の存在。そこまでではないにしろ、「先生」が実在するとすれば、ユウカを助けることだって——
「先生⁉︎」
「え?」
見ると、ユウカが自分のスマホをびっくりした顔で見つめていた。彼女のスマホは、ここでも使えるんだろうか? ユウカが僕にも画面が見えるよう体を近づける。そこには先生からのメッセージが——
『やっほー』
……ずいぶんノリが軽いな。こっちは結構大変な状況だと思うんだけど。それとも、余裕なのかな。
ユウカが素早く返事を打つ。
『先生? これ、先生なんですよね? 私が今どこにいるか分かりますか? 「キヴォトスの外」ではないかと思うんですが』
『そうだよ。キヴォトスの外、私のいた場所だね』
そのまま、ユウカと先生のやり取りを見守る。……ふと見ると、彼女の顔は僕の時とは比較にならないぐらい安心したものになっていた。……少し嫉妬した。それは少し前まで、僕に向けられたものだったのに。
——何、馬鹿なことを考えてるんだ。せっかく、僕より頼りになる人と連絡がついて、ユウカが帰れるかも知れないのに。本当に彼女を助けたいと思うなら、醜い
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こちらの状況を伝え、向こうのことを教えてもらう。自身も「キヴォトスの外」から来たという先生は、多くのことを知っているようだ。——それこそ、ゲームの中では語られていない知識まで。
『説明が難しいんだけど、そこにいる彼に、どこか行ったことのない国を思い浮かべてもらって。アメリカでもドイツでもいいけど』
アメリカ……黒人、白人、それ以外も多くの人種が住んでいる。日本と違って広々としていて、銃を所持できる。ドイツ……ビールとかソーセージが真っ先に思い浮かぶ。あとは……第二次世界大戦のイメージが強い……発想が貧困でこのぐらいしか思い浮かばないが、一応想像は出来る。
『じゃあ、それはどこにある? 地名や方角を使わずに、感覚で分かる?』。先生の問いに、僕は答えられない。僕に分かるのは、せいぜい関東までだ。言われてみると、それ以上はピンとこない。
「「知っているけど、場所が分からない」って、そういうことなのね。確かに、来る前から私にも「キヴォトスの外」のイメージはあったもの。ある程度、先生から話を聞いていたし」
説明は省くけど、そんな感じの話だと思っておいて、とのこと。実際にはアメリカやドイツには飛行機に乗れば連れて行ってもらえるわけで、あくまでたとえ話だそうだ。それよりも——
「キヴォトスが実在するって分かったんだから、場所より大事なのはユウカが帰れるかどうかだもんね」
そう。問題は、ユウカをキヴォトスに連れて行ってくれる「飛行機」に当たるものがあるのかどうかだ。
僕が言うと、ユウカは再び不安そうな顔になった。『私、帰れるんでしょうか?』とメッセージを打つと、先生から『大丈夫だよ。ちゃんと帰ってこられる』と返事が返って来た。良かった。先生は何かユウカが帰れる手段を知っているのかも知れない——
『いつかきっと』
「いつか⁉︎」
「きっと⁉︎」
僕とユウカが声をあげた。
「いつかじゃダメでしょ!」
「何かの物語のラストみたいになってるし!」
笑いでも取ろうとしたのか? 大丈夫なのか、この人?
『何か、下手したらずっと帰れないような言い方に聞こえるのですが……』
『大丈夫、大丈夫。調べてみないと分からないけど、多分、何とかなるよ。ただ、しばらくはかかるだろうし、モモトークもまた送れるようになるまで時間がかかるから、私からの連絡を待ちながら、そっちで生活してくれる?』
『生活してくれと簡単に言われても、こっちに頼る人もいませんし……』
『そこにいる彼にお願いすれば、きっと大丈夫だよ』
『いえ、彼は私がここに来た時に偶然居合わせただけの人で、確かに力になるとは言ってくれましたが、そこまで迷惑をかけるわけには……』
『大丈夫だよ。その子、いい人っぽいし』
僕とユウカは、顔を見合わせた。ユウカが説明しただけで、会話すらしてないのに何を根拠に。
「この人、大丈夫なの? ものすごく適当っぽいっていうか、さっきから見てて、どんどん不安になってきたんだけど」
「あ、あはは……。まあ、思い出してみるとこんな感じだったかも……」
こうしてみると、さっき「先生みたい」って言われたの、あんまり嬉しくないな。
苦笑いした後、ユウカの顔が
「僕は構わないよ。さっき言ったでしょ? 力になるって」
「で、でも……当てはないとも言ってたじゃない」
「大丈夫だよ。ちょうど夏休みだから時間はあるし、住むところとか生活費ぐらいなら、僕の家族も力になってくれるはずだから」
「あ、それで……。でも、いいのかしら」
「キヴォトスの話とかヘイローのこととか、簡単に他の人に言えないでしょ? 少なくとも、今日一日くらいは何とかなるよ」
「そうよね……。じゃあ、お願い出来る?」
家族のことを持ち出さないと納得してもらえないのが情けないな……と思いつつ、受け取ったスマホで先生とメッセージのやり取りをする。必要なのは、住むところ、生活費、生活を助けてくれる人間……うん、僕ではどうにもならないようなものはなさそうだ。
『——あとは、今言ったようにヘイローを隠せば普通に生活できると思う。それで大丈夫かな』
『はい』
『それでは、マモルくん』
『私の生徒をよろしくお願いします』
急に丁寧になったメッセージを読んだ瞬間、なぜだろう、僕は画面の向こうにいる先生が深々と頭を下げたような——そんな気がした。
『任せて下さい』
『ユウカさんは僕が預かります』
メッセージを打つと同時に、僕はその言葉を
こうして、僕とユウカの生活が始まったのだった。
設定は前作(ノノえもん)とは全く関係ないです。
あんなにがっちり作るつもりも、今のところないです。
この連載に主にどの要素を期待しますか?特にない場合はその他でどうぞ。
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