【完結】「ラッキースケベ?いいや、これは運命だった」〜転移してきたユウカと二人暮らし〜 作:春画屋@二次創作R18
アンケートなどを見た結果、内容、量、バランスなど考えて今回(7回)のような形にしました。物足りない方とかいたらすいません…
【恥ずかしい人たち】
お互いの気持ちが通じ合って、両想いになって告白してからのキス。それも二人ともファーストキス。そんな絵に描いたような完璧なハッピーエンド。僕がユウカが主人公の物語を書くとしたら間違いなくここで終わりにする。キヴォトスへの帰還がどうとか、
……いや、確かに男としては童貞卒業はさせてくれと思うけど……。……我がままを言っても仕方ないし、その話はやめておこう。何? それよりお前、のろけたいんだろうって? 分かってるから早くしろ? ごもっとも。
というわけで、次の日——正確にはあれは明け方近くのことだったので同じ日なんだけど、とにかくその日の話。
にへ。
「何だ、マモル。変な笑い方して、気持ち悪いぞ」
「えっ? 僕、笑ってた?」
「今もニヤニヤ笑ってるぞ?」
「そっ、そう? 別に何もないけど? そんな、嬉しさを我慢できないようなことは。全然ないよ?」
いや、本当は言いたいけどね。兄さんどころか、全世界に伝えたいけどね。(期間限定とはいえ)彼女が出来たぞ、と。好きだった子と両想いになったぞ、と。その上キスもしちゃって、相手のファーストキスを奪っちゃったぞと。
まあ、SNSなんてやってたら本気で全世界へ発信してしまって、知り合いに見られたら社会的に死んでしまいそうな状態だけど、深夜のあのドラマチックな展開を少しでも知っていれば許してもらえるだろう。許して欲しい。
それに、あの後仕事が終わってないのに気付いて徹夜でやってたので眠い。ユウカにも手伝ってもらっちゃって——
——はっ!
僕は立ち上がると、隣の部屋のドアの前に立ちはだかった。そうだった。ユウカはもう僕の彼女なんだから……
「兄さん、この部屋入っちゃダメだぞ! ドアも開けちゃダメだぞ! 絶対だぞ! 今、ユウカが着替えてるんだから!」
「いきなり、どうした。分かってるから開けないって」
「分かってても、気をつけてくれなきゃダメなんだよ! あの子、ガードがゆるいっていうか、変なところでポンコツっていうか、油断してると下着姿ぐらい簡単に見せちゃうんだから!」
「今まで一度もそんなことなかっただろ」
「本当なんだって! 兄さんが来るようになってからは割とちゃんとした格好してるけど、前なんか露出が激しくて、チラ見えはするわ、太ももはむき出しだわ、見ろと言わんばかりで——」
「何をベラベラしゃべってるのよ!」
背後で、ガラッとドアが開いた。そこには、しっかり着替え終わったユウカの姿。わなわなと震えている。
「全部聞こえてるんだからね! そっ、そんな、自分は何もかも見ちゃったみたいな……。しかも、今までそんなことを言ったことなんてないのに、今日になっていきなり……ま、まるで、昨日の夜中に何かあったみたいじゃないっ!」
「ユウカ⁉︎ そんなの、わざわざ言わなきゃ分からない……!」
「何かあったの?」
「あ、ありませんよ⁉︎ そっ、そんな、特別なことは何も! いや、特別じゃないことも別にありませんし、とにかく、全く、何も!」
「ユウカ、声が裏返ってる!」
「かかか、彼氏とか彼女とか、そういうの一切ありませんから!」
というわけで、僕たちがどんな関係になったのかは、教えるまでもなく速攻でバレた。
とはいえ逆に考えれば、バレるとか気にせず、二人きりの頃と同じように堂々とイチャイチャしていいということだ。兄さんの視線とか気にしなくてもいいんだから、むしろ好都合。逆転の発想というやつだ。僕は天才かも知れない。よし、早速、後で優しくひざ枕でもしてもらおう。
——というようなことを言ったらユウカに、「お兄さんが見てる前で、そんなこと出来るわけないでしょ!」と激怒されたわけだけど、最後に「ま、まあ、人前でしていい範囲で少しぐらいなら……。したいのよね?」と、まんざらでもなさそうな顔で付け加えたので、どっちもどっちだ。多分、大抵のことは「もう……少しだけよ?」とか「いっ、一回だけだからね!」と、最終的には許してくれるだろうし。ユウカのそういう甘いところ、大好き。
——え? こんな頭の悪そうなやり取りを、兄さんがどんな顔で聞いていたかって? 存在すら忘れて二人ではしゃいでたから、知らない……。
ともあれ、こうして僕とユウカの幸福で
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【イチャイチャ、その1 二人でお仕事】
先生、お元気ですか?
「……なんてことも、モモトークが使えない以上、帰ってから言うしかないのよね。みんなにも、待っててって言いたかったけど」
やっぱり、ミレニアムのみんなが心配していると知っていて、ちゃんとした説明もなしに帰らなかったことは気になっている。先生が早く帰ってこられるよう努力してくれたのに……とも。それでも、もう少しだけ——
「ユウカ、終わったよ。チェックして」
「え? あっ、そうなの? ——ふーん、どれどれ……」
先生、結局私はこちらでも書類づけです。手持ち無沙汰でいるより、こういう方が性に合っているみたいです。付き合わされているマモルくんには悪いですが、充実しています。それに、何より好きな人と一緒ですから……♪
「うん、バッチリね。どんどん仕事も出来るようになってるし、これならすぐにでも就職出来るわよ」
「本当?」
「本当よ。私が保証してあげる。やっぱり覚えも早いし、真面目だからね。そういう人って伸びるのも早いのよ。それに……」
聞きながら、マモルくんが嬉しそうにしている。成長していく彼を見ていると、こっちも嬉しくなる。ふふっ。やっぱり仕事が出来る男の人ってカッコいいわよね——って、
「もっと
「……え?」
「頑張ったんだから、もっと褒めてよ! 褒めて、褒めてー」
「…………」
この人、どんどん甘えん坊になってきた気がするけど大丈夫かしら……。何かこう、私がどう思うかはいいとして、帰った後が心配になってくるわね……。
「えっと……すごーい、有能、仕事のできる男……これ、嬉しい?」
「棒読みなのはともかく、余計なことまで言わないでよ」
「もう、めんどくさいわねー」
甘えん坊というより、
そうね、私のことを好きすぎてこんな風になっちゃってるなら、しょうがない。恋する気持ちは数式では表現しきれない、測定不能なものなんだから。変数が多くなりすぎて思考がバグっちゃっても仕方ないのよ、うんうん。いや、私はバグってないけど。いつだって冷静沈着、計算通り、完璧な早瀬ユウカだけど。
それに、仕事が出来るようになったら褒められたいのは私も分かる。だったら——あっ、いいこと思いついた! うん、今なら二人っきりだし、これなら……♪
「マモルくん。褒めるより、もっといいご
「もっといいご褒美って——あっ」
ちゅっ
油断している
「どう?」
「うへへ、嬉しい」
「良かった♪ じゃあ、休憩したら、仕事に戻りましょうね」
ふふっ、これじゃ自分にもご褒美ね。
「あらあら、顔がゆるみっぱなしよ〜? シャキッとして、仕事しないと。さ、頑張りましょうね♪ はい、鉛筆を持って」
「はーい」
そして……
「ユウカ、終わったよ!」
「じゃあ、貸してくれる? ……うん、うん、誤字や脱字もなさそうだし、計算ミスも……。そっちのファイルは? うん、終わってるのね。…………。……うん、完璧ね。よく出来ました〜」
「じゃあ、またご褒美!」
ふふっ、何だか
「今度は普通にキスで」
「——えっ」
「普通に」、ということは、唇と唇の接触……の方よね? え、したいの? それは、ちょっと恥ずかしいような……。
一応、「唇に?」と聞いてみると、マモルくんは勢いよく、うなずく。ほっぺにじゃなくて? と聞くと、ほっぺじゃなくて、と答える。迷いなく答えるわね、この人。なんていうか、自分の欲望に素直になったというか……。
「はぁっ……しょうがないわね。ちょっとだけだからね?」
「そんなこと言って、ユウカもものすごく嬉しそうな顔してるよ? 何かニヤけて」
「そっ、そそそ、そんなことないわよ⁉︎ 恋人同士なんだから、キスなんて普通だし! もう何度もしてるし! そんな、改めて喜ぶようなことでは……普通、普通だってば!」
し、しまった。バレバレ? 普通のことだなんて思うわけない。何回目になっても、すごくドキドキする。だって、好きな人とキ、キスするんだから……。早く彼の唇が欲しい……んっ……
「……ちゅっ♡ んっ♡」
「はむ、んっ……」
はぁ……好きな人とのキスって気持ちいい……。何だか頭がぼーっとして……ん、もっと……もっと……
「ちゅっ♡ んむっ♡ は、ンむっ♡」
「ん、は、ンン……ユウカ……」
彼が私を抱き寄せる。
「ちゅっ♡ ちゅっ♡ はむっ、ンっ♡」
「は、ン、ユウカ……」
はぁ……はぁ……もっと、唇に触れていたい。私はぐいっと彼を引き寄せると、何度も何度も熱いキスをする。ネットで調べた通りに舌と舌をからませてみる。くちゅくちゅといやらしい音を立てる、大人のキス。私たちは息を荒げ、
そして。
「ユウカ、激しかったね」
「い、言わないで……あんなに夢中になっちゃうとは……わ、私、変な顔になってなかった?」
「ん? 可愛かったよ。ユウカはいつも可愛いよ」
「答えになってなくない⁉︎ どうだったの⁉︎」
うぅ……今回も我を忘れてしまった……。だって気持ち良すぎるんだもの。
「じゃあ、休んだら仕事に戻って……ま、また、ご褒美あげてもいいから、頑張るのよ?」
「そんなこと言って、自分もキスしたいんでしょー」
「ち、ちがっ……! ちが……わない、けど。——って、何言わせるのよ! もうっ、もうっ!」
「あはは、コーヒー二人分
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【イチャイチャ、その2 二人でお買い物】
「……よし、ピッタリ時間通りに終了、完璧〜♪」
ユウカが嬉しそうに言った。自分の分の仕事が終わったらしい。
——心配だ。
最近、……こう言ってはなんだけど、ユウカのIQが落ちている気がする。落ちまくってる気がする。やたらと「完璧」って言うのは元からの口ぐせだから構わないんだけど、段階を追って「完璧」→「完璧〜♪」→「かぁんぺきぃ〜♪」と、この第三段階あたりになってくると、流石にちょっと心配になってくる。
まあ、よっぽどテンションが高くなるか、睡眠不足の深夜でもなければ、そこまでにはならないんだけど。僕と付き合ったせいでアホの子になってしまったとすれば申し訳ない。とはいえ、大体そういう時は、幸せそのものって顔をしているので(出来立てのカッコいい彼氏のことで頭がいっぱいだと思われる)、微笑ましいし、可愛いから個人的には全然オッケーなんだけど。頭を
でも、帰ってから苦労したらかわいそうだしな。「ユウカ、何かアホっぽくなったよね」とか言われたりして、さらに「そうそう、何か丸くなったっていうか」、「前より親しみやすいよね」……あれ? あんまり問題ない気がしてきたな?
どうなんだろう、と仕事が終わって手持ち無沙汰の様子のユウカを見る。目が合った。えへへ、とユウカが甘ったるい表情になる。そんなユウカに、あはは〜、と微笑み返す。お互い、恥ずかしくって視線を
ヒラヒラ〜と、ユウカが手を振ってきた。表情からすると、恥ずかしいのを誤魔化してるんだろうか。とりあえず、僕もニコニコしながら手を振ってみた。するとユウカは、ふふっ、と軽く笑って、目を伏せた。でも、チラッチラッとこちらを見るたび、笑みを抑えきれない感じだ。いちいち仕草が可愛い。
何だろう、この
さて、どうだろう。今のユウカはアホっぽいか? まあ、色ボケと言われたらそれは否定できない。僕が仕事もしないでこんなことやってるのに注意しないし。計算力とか
そうこうする内に、もうすぐお昼という時間。
「今日はどこで買ってこようか? コンビニばっかりってのも何だし、いつもの弁当屋とか?」
二人に聞きながら、作業を終える。基本的に食べ物を買って来るのは僕の担当だ。
「マモルくん。今日は私、仕事ももう終わっちゃって暇だし、いつもあなたにばっかり頼んじゃって悪いから、一緒に買いに行ってあげる」
「そう? 気にしなくていいけど」
「行ってきていいですよね、お兄さん? 終わった書類は、こことここに置いてありますから、分かると思いますし」
「構わないけど、二人で行くの? ヘイローとか隠さなきゃいけないし、わざわざ……」
「べっ、別に、一緒に歩きたいとか、二人っきりになりたいとか、そういう理由じゃありませんよ⁉︎ まあ、結果的にはそうなりますけど、荷物だって二人で持った方が効率的ですし、おまけをしてもらえる確率も上がるじゃないですか! 私の計算によれば、あそこのお弁当屋さんでは……。……月曜日は……。注文の数……——」
「…………」
言い訳、なっが。ていうか、何をどう計算したんだ。延々と効率がどうとか確率がどうとか、弁当屋でおまけしてもらうための独自理論を語っているけど(どこまで本気で言ってるんだろう)、どう聞いても僕と二人になりたいのに理由をつけてるだけだし。……ん?
……そうか、そんなに僕と二人になりたいのか。そうだよね。何しろユウカは僕の彼女だし。どうにかして二人っきりになりたくって、多少おかしなことを言い出してもしょうがない。だって、彼氏と彼女だもんな。愛し合う二人だもんな。うんうん。キスだって何度もしちゃったし、付き合いたてだし。実はあんなこととかこんなこととかしたいと思ってるだろうし。そっかぁ……
と、自分がどれだけ愛されているか考えてみたら、やたらとテンション上がってきた。よし。
「ユウカ、行こう! 二人で行った方が楽しいよね!」
「そっ、そうよね? あなたもそう言うんだから、しょうがないわよね。私も、別に二人で行くことはないんじゃないかなー……なんて思い始めたところだけど、やっぱり一緒に行った方がいいわよね!」
「それじゃあ、お金を持って〜、行って来まーす♪ …… 兄さん、何か言いたいことでも?」
「いや別に」
何か失礼なことを考えてそうな気がしたけど、気にしないことにした。僕は鼻歌でも歌いそうな浮かれた気分で、ユウカと二人でお昼を買いに出かけた。
「……ね」
「うん」
歩きながら、僕はアイコンタクトを取り、そっとユウカの手に触れる。どちらともなく相手の指に指をからめ、しっかりと握る。ああ、女の子の手って柔らかい。
「女の子と手をつなぐのって初めてだ……」
「私たち、初めてのことばっかりね」
「そうだね」
うふふ、あはは、とばかりに、二人で手をつないで歩く。そうそう、こういうのでいいんだ。僕が求めていたのはこういうのなんだ。
ぎゅっとユウカが体を寄せてきた。
「う……腕も組んで、いい?」
「う、腕? うん、いいよ」
腕を組む……カップルっぽい。ユウカが、しがみつくように体を寄せながら、僕の腕に自分の腕を絡ませる。そして、軽く寄りかかるようにして密着してくる。な、なんか腕に柔らかいものが当たっているような。これはもちろん……ユウカのおっぱい。おっぱいの感触……。
——くっ、危ない。いろいろ、あれやこれやエッチな経験をしていなかったら、これだけで興奮して死んでしまうところだ。ああ、でも、めちゃくちゃ柔らかくて気持ちいい……。ちょっと腕を動かしてもいいかな……。
「好きよ」
そう言って、ユウカが体をさらに寄せたせいで、おっぱいがぎゅうっと押しつけられる。むにゅっと変形して、僕の腕が埋まってしまう。その上、言葉にはしなくても、ユウカは「好き好き」と甘いオーラを全身から発している。ああ、幸せ。
うふふ、と嬉しそうに笑うユウカと笑い合って、腕を組んだまま少し歩いて……僕は気がついた。
「ユウカ、ちょっと離れて」
「え? あ、ごめんなさい。あんまりベタベタするの、嫌だっ——」
「違う。めっちゃ見られてる」
「あっ」
二人になってはしゃぎすぎて、ここが外だということを忘れていた。イチャイチャしすぎて、その辺の人たちがチラチラ見ている。恥ずかしい……そして、割と迷惑。いや、かなり迷惑。
「ご、ご、ご、ごめんなさい!」
「あっ、待って! ヘイロー見えてる!」
「本当⁉︎ や、やだ、もうっ!」
うっかり見えてしまったユウカのヘイローを隠すようにして、二人でダッシュ。うーん……しばらく、この辺を歩きづらい……。
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【アンラッキースケベ】
ここ何日か、懐かしい気分だ。ユウカが来てすぐの頃を思い出すからかも知れない。
——今思うと、パンツが見えちゃったとか、裸を見ちゃったとか、大したことでもないのにいちいち大騒ぎしていたなぁ……。
童貞を卒業したわけでもないのに、よくまあそんなに上から目線になれるもんだ、と言われるかも知れない。でも実際、いろんなことを経験して余裕が出来たというか、今から本格的にエッチでもしようという時でなければ、アクシデント的なものでは動じないと思う。見えちゃったって、大体は一瞬だしね。
こんなことを思うのは、疲れ切った体をひさしぶりに暖かいお湯に浸しているからだろうか。労働の喜びが少し分かった気がする。硬くなった身体を、じわりと
さて、出るか。湯船から出ようとして、懐かしく思い出す。ユウカがここでシャワーを浴びてる時に、僕が踏み込んで裸を見ちゃったんだよな。
ガラッ
——と、こんな風に扉を開けて…………って、えっ?
「…………」
「…………」
目が合った。そこにいたのは、自分はしっかりバスタオルで体を隠したユウカ。
「ご、ごめんなさい」
「見ただろっ!」
「最悪だよ……。全部見られた……」
「あ、あなたなんか、とっくの昔に私の裸見たでしょ⁉︎」
「それにしたって、あんなにまじまじと見ることなかったじゃない」
「だ、だって、これがあんな風に大きくなるんだなって。直に見たの初めてだし」
「平常時は小さいとでも言いたいの⁉︎」
「ああもう、めんどくさいわね〜。お湯、流すわよ」
散々ああいう経験をしておいて、まさか自分が見られる側になるとは思わなかった。しかも、バッチリ全部。ユウカの方は、しっかりバスタオルを巻いて、何も見えなかったのに。ずるい。
ちょっとぐらいユウカも見せてくれたっていいじゃないかとごねたところ(我ながらめんどくさい奴だ)、バスタオル姿のまま背中を流してもらうことで話がついた。全裸でもないユウカが後ろにいるからって、あんまり嬉しくないけど(
「ていうか、私が見られた回数を考えたら、もっとじっくり見せてもらってもいいぐらいだわ」
「それはまあ……何? 見たいの? 僕の
「そうね、見せてもらおうかしら」
「え? あれっ⁉︎」
しまった、別にそういうわけじゃないけど、とか言うと思ったのに。
「『千年難題』って知ってる? ミレニアム生にとって、探求って自分の存在証明みたいなところがあるのよね」
「は、はあ。何のお話でしょうか」
「人体の神秘の解明、もちろんそれも、その中に含まれる。だから、これは私にとっての使命みたいなもの。け、決して、いやらしい気持ちじゃないのよ? ほら、マモルくん。動かないで——」
「あっ、ちょっ、あぶな……」
「あ、あら? やっ、あーっ!」
ふざけてのつもりだったのか、ユウカが僕のアレを
そして、僕は見てしまった。四つんばいになったユウカの身体の、むき出しの白い肌。美しい胸のラインと、それが形作る胸の谷間。ふくよかなバスト。その頂点に乗っかった、綺麗な薄桃色の乳首。ユウカの身体を隠していたバスタオルは、床に落ちてしまっている。
ぐ、ぐ、ぐ、と、僕の愚息が膨れ上がり、大きく反りかえる。ユウカは、僕の目がユウカの裸に吸いよせられたままなのに気付いていないらしく、じっと見ているとどんどん硬く、大きくなっていく。ユウカはもちろん、自分も完全に裸なせいで、おかしな気分になっていく。そして……
「え?」
見られてしまった。尻もちをついて両足を広げているせいで、僕の立派な大きさになった
「なっ、え、何、これ。嘘でしょ」
少し後ずさって股間を隠したが、ユウカは気にもかけず、今見てしまった物体で頭がいっぱいらしい。やめて。もうそれのことは忘れて。
「こ、こう……最初はこれぐらい……え? あれが……こう?」
「その手つきやめて……。大きさの分析しないで……」
「あ、あり得ない……。
「もうやめて」
僕はさめざめと泣いた。ユウカの胸を見てしまったことより、男の子の大事な場所を思いっきり見られてしまった悲しみの方が大きかった。あんまりだ。きっと、心の傷は一生残る。
「——というわけだから、お
「何言ってんのよ! やっ、全裸でこっちに来るのやめて! やーっ!」
よく考えたら、さっき転びそうになったばっかりなので、危ないのですぐにやめた。風呂場の中で騒いじゃいけないよね。
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【彼と他の女の子】
「あら?」
スマホが鳴っているのを発見。マモルくんのものなので彼を呼ぶと、ありがとう、と言って電話に出る。
「……——いや、めちゃくちゃ忙しいよ。…………。んー、バイトみたいなもんかな。兄さんのところで……。……うん、うん。だから、悪いけど他の奴誘ってよ」
……友達かしら? 結局、夏休みのほとんどを私に付き合わせてしまったことに、今でも罪悪感がある。どこか遊びに行くのに誘われたのなら、出来れば行かせてあげたい……でも、今日も仕事があるし……
「——さん? いや、別に仲良くないよ? うん、席が隣になったことはあるけど。何で僕を誘おうって」
——あら、女の子の名前ね。ふふっ、これはちょっと見過ごせないわね。何しろ、私は彼の
——って、違うわよ! そんな
「うん、僕、彼女いるから無理」
「——ちょっと⁉︎」
「向こうに聞かれたら? 別にいいよ、それ言っちゃって。うん、それじゃ」
あっさり通話を切ったマモルくんがこっちを向く。な、な、な、何を考えてるのよ、この人……!
「あ、ユウカ聞いてた? 今の電話、友達からで……」
「何やってるのよ、あなたはーっ!」
「え? だから、遊びに誘われたから、ちゃんと断って……」
「女の子があなたのこと誘おうって言ったんでしょ?」
「うん、そう。あんまりよく知らない子だけど」
「だったら、断るにしたって断り方があるでしょ! きっと仲良くするきっかけが欲しかったのよ。もったいないじゃない。なのに、すぐにいなくなるのに、彼女がいるだなんてバカ正直に答えちゃって……!」
「??? 何で怒ってるの? まずかった?」
「……何で怒ってるのかしら。私もよく分かんない。おかしいわね……えーと……」
確か、私以外の女の子と仲良くしちゃダメよ! ってヤキモチをやこうか、それはちょっと酷いし、やめておこうか、なんて迷ってたはずなのに、どこで他の子とくっつかせるような話に……?
「あはは、ユウカのことだから、自分が帰っちゃった後、僕に彼女が出来ないんじゃないか心配して世話を焼こうとしてるんでしょ」
「そっ、そう! それよ、それ! まあ、だからって今から次の彼女を作る準備なんて、ずるいかも知れないけど……。でも、私が帰った後が心配だし……。ああ、でも今から二股かけるようなものだもの、まずいに決まってるわよね。ごめんなさい——なっ、何で、頭を撫でるの⁉︎」
「いやあ、ヤキモチをやくどころか、今は自分が彼女なのに僕の世話をしようとするユウカは可愛いなと。愛されてるな、と」
「あ、あなたが先のことを考えなさすぎなのよ。私のせいで、あなたに彼女が出来なくて寂しい思いをさせたら嫌だし」
「でも、ユウカがいるのに構ってあげずに、他の子と仲良くしたら嫌でしょ?」
「うっ……そ、それはそうなんだけど……」
「僕も、ずっと先に彼女が出来るより、ユウカが幸せそうにしている方が嬉しいし」
「うぅ……また、そういうこと言って……。でも、絶対寂しくなるわよ? そうしたら、ちゃんと誰かと付き合わなきゃダメだからね!」
そんな理不尽なことを言いながらも、彼の言葉が嬉しい。優しく
——お分かりでしょうか、先生。こういう人なんです。度が過ぎるお人好しで、あと先考えなくて、損得勘定なんてまるでなくて。私のために、何のためらいもなくこんなことをしてくれる人なんです。だから心配で、その分もっと好きになってしまって、それで別れがつらくなると分かっていても……。
……本当は、離れ離れになんてなりたくない。キヴォトスに帰りたい、みんなにまた会いたい、そんな強い願いを思い出しても、彼とずっと一緒にいたいという気持ちは全くおとろえず、別のものとして今も同じようにある。ずっと一緒にいれば、ずっと変わらず愛してもらえると信じてしまう。ずっと一緒にいられればいいのに……。
——でも、約束したものね。
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【カウントダウン】
「マモル、大丈夫か?」
「何が?」
ユウカが寝た後、家への帰り道だ。兄さんと二人きりになるのは珍しいかも知れない。
「お前のことだよ。ユウカちゃんがいなくなった後のこと。見送る覚悟が出来てるのは分かってるけど、その先を考えたらお前だって……」
「…………」
予定通りなら、明日には仕事は終わる。そして、次の日——
それにしても、ユウカも兄さんも心配性だな。全部終わった後の僕のことなんかより、ユウカが無事に帰れるかどうかを心配すればいいのに。僕は平気なんだ。元の生活に戻るだけなんだから。
「二人で決めたんだ。自分たちの気持ちに素直になるのは、ちゃんと予定通りに帰るのが前提だって。その分、十年分くらいは浮かれてはしゃいでイチャイチャした。だから、黒歴史になりそうなぐらいだったろ?」
「ならないさ。俺だって初めて彼女が出来た時は似たような感じだったし」
「兄さんが? そうなの?」
「あの子が心置きなく帰れるかどうかはお前にかかってる。分かってるよな?」
「他のことは周りに全部任せちゃってるんだから、それぐらいの
「……そうか」
先生が、『迷惑かも知れませんが、私はマモルくんも自分の生徒だと思っています。きっと大丈夫』と言っていたそうだ。それは、「先生」が誰かを信頼する時の言葉としては最大限のものだろう。ブルーアーカイブのプレイヤーなら、きっとみんなそう思うはずだ。迷惑に思うわけがない。
——ありがとうございます、先生。あなたの期待にきっと
その後、兄さんと別れて一人になってから少し涙が出そうになって、どうにかこらえた。泣いているところは誰にも見せちゃいけない。少なくとも、全てが終わるまでは。好きな人を
ツッコミ不在の、アホになった二人によるボケっぱなし回でした。
戦闘勝利時のご機嫌なテンションとか、いろいろなユウカが書けて作者は満足してます。
次の投稿(8・9・エピローグ)で完結になります。
二人を最後まで見守っていただければ幸いです。