その猫娘はいつの間にか街に棲み着いていた。
日の当たらない路地裏の入り口から、時折、通りを眺めている姿を目にする。
灰色の髪が肩を撫で、尻尾をゆらりと揺らす。猫の耳は音を捉えてそわそわ動き、青い瞳がこちらと合うと、影のように路地の奥に逃げ去る。
知らず知らずのうちに、路地裏に彼女の姿を探している自分に気づいた。
ある日、路地裏の暗がりに彼女の姿を見つけた。驚かせないようゆっくりと近づくが、猫の耳は鋭く音を捉え、素早く距離を取る。青い瞳がこちらをじっと見つめ、警戒の光を宿す。これ以上近づけば、きっと闇の中へ逃げてしまうだろう。
距離を保ち、そっとしゃがみ込んで彼女を観察する。肩に掛かる灰色の髪は乱れながらも柔さを感じさせ、幼い身体はなめらかで肌には傷一つない。その姿は汚れていながらも美しさが漂う。もしかしたら、何処かから流れ着いた飼い猫娘なのかもしれない。
ふと思い立ち、昼食用に用意していたパンをちぎり、優しく投げる。彼女は一瞬身を震わせ、警戒しながらも地面のパンに顔を寄せる。鼻を近づけ慎重に匂いを確かめると、小さな手で拾い上げ、むしゃむしゃと食べ始めた。パンを平らげた彼女はチラリと視線を向けると、さっさと路地裏の奥へと消えていった。
それ以来、昼時になると彼女を探すようになった。時間が許す限り路地の入り口を巡り、彼女を見つければ逃げ出す寸前まで近づき、食べ物を与える。彼女は食べ物の選り好みをするようだった。野菜には見向きもしなかったし、干し肉は勢い良く齧ったものの、塩辛さに顔をしかめて吐き出した。いろいろな食べ物を試したが、彼女が好んだのは柔らかい小麦のパンと、味付けのされていない腸詰めだった。
日々を重ねるうち、彼女との距離に静かな変化が訪れる。いつものように路地裏に彼女を見つけ、慎重に近づき、一定の距離を保つ。だがその日は違った。彼女が瞳にこちらの姿を映すと、自ら歩を進め、いつもより近くまで寄ってきたのだ。
また別の日、いつもの距離を保つ。彼女の変化に気を大きくし一歩二歩と踏み出すと、逃げ出す素振りを見せ尻尾を小さく揺らす。ここが限界だと悟るが、今までより少しだけ接近を許されたことが、胸に温かな喜びをもたらした。
さらに別の日、ついに手を伸ばせば触れられる距離まで近づけた。逸る心を抑え、彼女の好むパンを取り出す。いつもは遠くから投げていたが、今日は手に持ったまま差し出す。彼女は鼻を寄せ匂いを確かめると、小さな手で受け取り食べてくれた。間近で目にするその姿は、遠くから眺めるよりもずっと愛らしく、心を掴んだ。
パンを食べ終えても、彼女は路地の奥に消えなかった。いつもならとっくに姿を消していたが、今日は違った。警戒の色が薄れ、指に付いたパンの欠片を舐め取っている。意を決し、灰色の髪にそっと手を伸ばす。触れた瞬間、彼女の身体がビクッと震え、青い瞳がこちらを見据えるも逃げる気配はない。乱れた髪を優しく撫でると、彼女は静かに受け入れ穏やかな吐息を漏らした。
彼女との距離は日々縮まり、今では共に食事をとるまでになった。彼女が好物の柔らかいパンにかぶり付く傍ら、自分も食べ物を取り出し並んで口にする。そんな穏やかな昼下がりを過ごすのが日常になっていた。今までは出会える日も疎らだったが、今では毎日、同じ時間、同じ場所で彼女と顔を合わせられる。
暖かな日差しが街を温め、路地裏の寒さも和らぐ頃、彼女に変化が訪れた。
いつものように彼女を見つけ、食べ物を差し出す。だが、彼女はそれを残し、気まぐれに路地の奥に消えることが増えた。ある時は、切なさが滲む甘い鳴き声を上げ、表通りにまで空気を震わせる。またある時は、小さな身体を擦り寄せ尻尾を高く掲げる。彼女の積極的な仕草は懐いているわけではなさそうだった。
彼女を気遣いながら、いつものように昼食を共にしていると、突然彼女は自分の秘部へと手を伸ばす。掠れた喘ぎ声を漏らし、細い指で陰部を撫でながら脚を開き、ちょろちょろと水音を響かせ淡い黄色の液体を垂れ流す。彼女は濡れた指を唇に運び、ゆっくりと舐めて綺麗にすると、ちらっと視線を投げかけ、路地の奥に姿を消した。
後に残ったのは、地面に染み込み鼻腔を刺す尿の臭い。彼女が秘部を弄り放尿を行う姿が脳裏に焼き付き、見慣れたはずの幼い身体に抑えきれぬ劣情が疼き始める。
翌日、いつもの時間、いつもの路地裏に彼女の姿はなかった。これまで彼女と出会った場所を巡ったがどこにも見当たらず、ひとり静かに昼食を済ませた。
次の日も、さらにその次の日も彼女は姿を見せなかった。寂しさと不安が胸に積もり、心がざわめく。ふと彼女が食べ物を残していたことを思い出し、病気の可能性を疑う。あるいは単純に、街を去ったのかもしれない。いや、まさか――不吉な想像を振り払うように首を振る。それほど長い時間を過ごしたわけではないが、いつの間にか、彼女が心の深い場所に根付いていることに気づかされた。
その日も彼女には会えなかった。だが日が落ち、街に灯りがともり始めたころ、聞き慣れた鳴き声が路地の奥から響いてきた。声のする方へ足を向け、暗がりに目を凝らすと彼女がいた。
居ても立っても居られず、思わず距離を詰める。いつもなら驚かせないよう気遣うが、今はその余裕がない。心配を込めて髪をそっと撫でると、彼女は小さな手を重ね、柔らかくざらつく舌で腕を舐めてくる。そして、甘く切ないあの鳴き声を漏らしながら、身体を擦り寄せてきた。尻尾はゆらゆらと揺れ、吐息が肌に熱を伝える。
以前目にした彼女の仕草がよぎり、否応なく意識が昂る。ふっくらと膨らんだ小ぶりな胸と桜色の乳首、なだらかな腰の曲線、どこか野生を感じるむっちりした肉付きの脚、恥じらうことなく晒される股間の柔肉。その幼い身体が街の暗闇を彷徨う姿に、今更ながら身体が熱く反応する。
彼女は撫でられる手からするりと離れ、四つん這いで身を屈める。尻尾を高く上げ、誘うように腰を揺らし、秘部を見せつける。振り返った彼女の瞳には雌の色香が宿り、路地裏の冷たい空気に雄を求める匂いが混ざり始めた。
猫娘は甘く誘うように鳴き声を響かせる。幼さを湛える、縦にぴっちりと閉じた秘裂が視線を絡め取った。彼女の陰部はしっとりと湿り気を帯び、仄かに光沢を帯びる。
その姿に陰茎が硬くそそり立つ。雄の本能が彼女を雌と認識し、欲している証拠だ。獣と交わる背徳感が心臓を締め付け、鼓動だけが耳に響き、雑音を消し去った。
柔肉の隙間をそっと撫でると、彼女の小さな身体が震え鳴き声が漏れる。ぷっくり膨れた肉の内部は愛液で満たされ、指を滑らせるたびグチュリと粘ついた音が響く。指を離せば濃厚な蜜が糸を引き、淫靡に輝いて二人を繋いでいた。