猫娘を目にすることは少ない。
とても裕福な物好きが珍獣として飼育し、身内に自慢しているくらいだ。
しかしこの街には数多くの猫娘が闊歩していた。
人の営みの中に溶け込み、幼い身体を晒して暮らしている。
可愛らしい鳴き声をあげ、猫娘同士で堂々とじゃれ合い、街の人々に撫でられ、食べ物を分け与えられることもあった。
そんな風景に目を奪われ、時には昼寝している猫娘を眺めながら時間を浪費していたが、本来の目的を思い出し、後ろ髪を引かれながらその場を離れた。
向かった先は立派な店構えの肉屋。何を選ぶべきか迷っていると声をかけられる。
「猫娘が好きなのはこの腸詰めと、そっちの干し肉だよ」
恰幅の良い男はそう言って肉を選び取り、包みながら続ける。
「猫娘は濃い味が嫌いでな。量も、今の時期はこれくらいで十分」
求めていたものが、あれよあれよと準備される様に口を挟めずにいた。
「初めて見る若い男が、うちの店で迷ってるときの目的は間違いなくアレだからな。ほれ」
礼を言い包みを受け取り、代金を払って店をあとにする。扉に手をかけると「上手くやれよ」、と声を投げかけられた。
この街の猫娘は食べ物を与えると、代わりに身体を差し出す。
そんな噂を酒の席で耳にした。酒の入った噂話を本気にしたわけではない。それでも「神に愛された」とも言われる猫娘を一目拝み、あまつさえ、その身体とまぐわう場面を想像する。
頭にこびりついた妄想は日々大きくなり、ついに噂を確かめるため街にやってきた。
だが、猫娘の姿は見かけても、彼女たちが男と事に及んでいる様子は見受けられなかった。
日の下を歩き、追いかけっこをし、木陰で眠る、穏やかに昼下がりを過ごす猫娘たちを見ながら、やはり噂は噂か。と諦めかけ、肉屋に担がれて購入した肉をつまむため、包みに手を伸ばすと鳴き声が聞こえる。
それも普通の鳴き声ではなく、甘い雰囲気を孕んだ、情事を連想させる鳴き声。
包みに伸ばしかけた手を止め、路地裏から響く声に聴き入る。
やはり噂は本当なのか?、と思い直し生唾を飲み込む。そして物音を立てないよう細心の注意を払いながら、声の方へ進んでいく。鳴き声が大きくなるにつれ、鋭い水音が混じりはじめ、ついに見つけた。
曲がり角の向こう側を覗き見る。男が背を向け、鳴き声の主である、幼い身体に覆いかぶさり腰を振っていた。
顔は見えないが、動きに合わせて揺れる尻尾が猫娘であることを示す。肉棒が秘部を広げ、結合部の泡立ちが行為の激しさを物語る。
響く声や反応に嫌がっている様子は感じられない。それどころか自ら求めているように動く。
ふと二人の周囲に目を遣ると、地面に落ちた包みの中から食べかけの干し肉が覗いていた。
この街の猫娘は食べ物を与えると、代わりに身体を差し出す。――噂は真実だった。
居ても立ってもいられず来た道を引き返すも、路地裏から出られないでいた。男と猫娘が交わる光景が目に焼き付いて呼吸は荒くなり、陰茎が硬く立ち上がって主張する。
にっちもさっちもいかない状況にため息を吐き、壁に寄りかかっていると、路地の奥、曲がり角から顔を覗かせて猫娘がこちらを見つめていた。
視線が合い、胸が高鳴る。もしかしたら、が思考によぎる。袋から肉の入った包みを取り出してゆっくり近づくと、こちらを見つめる琥珀色の瞳は次第に見上げる形になった。
クリーム色のふわふわな髪が、路地を吹き抜ける冷たい風に揺れる。屈んで視線を合わせ、包みを差し出す。彼女は中身を確かめるように匂いを嗅ぐと、ぱあっと表情を輝かせて受け取り、両手で抱えるようにして路地の奥に歩き出した。
呆気に取られ立ち尽くしていると、彼女は振り返りこちらを呼ぶように鳴いた。
彼女について行った先は個室のような行き止まりだった。
食べ物を持ったまま走って逃げ出すかと思っていたが、そんな素振りは見せず、散歩でもするように案内された。
彼女は包みを上手に開くと、冷めた肉詰めを一つ頬張る。味を確かめるように目を閉じ咀嚼すると、満足したように鼻を鳴らし、頭の上の猫耳がリラックスしたように垂れる。どうやらあの肉屋は立派な店構えに相応しい品を提供しているようだ。
肉詰めを嚥下し包みを地面に置くと彼女は身体を開いた。すらりと伸びるしなやかな足、足元に比べむっちりとした太腿、毛も生えていないつるつるな恥部には陰裂が走る。
肌は絹のように滑らかで傷一つなく、路地裏の汚れに塗れてもなお輝く。
そして起伏の少ない幼い身体に不釣り合いな、大人の女性と比べても大きく、柔らかそうな胸を携え、その大きな胸に見合う見事な乳輪と乳首が存在感を放っていた。
猫娘は神に愛されている、彼女の身体を前にその言葉を思い出した。
幼い身体に見惚れていると、彼女はその身体をこちらに擦り寄せ始める。
柔らかい胸が押しつけられ形を変える。少女特有の高い体温と乳首の感触が服の上からでも伝わり、否応なく意識させられ股間に熱が集っていく。
蜂蜜のような琥珀色の瞳に疑問の色を浮かべ、誘うように鳴きながら見上げてくる。
その視線は純真さと幼さを抱く無垢な少女のものだ。少女の身体をした獣とこれから行うことを思い、逃れるように目を逸らし胸を揉む。
胸は掌にしっとり吸い付き、指が沈み込むほど柔らかい。乳房を揉みしだくたびに、彼女の吐息が甘く色づき、小さな喘ぎ声が混ざり始める。
秘部に指を伸ばすとすでに濡れていた。柔らかく脈打つ肉襞はすでに愛液で濡れそぼち、指でかき分けるたびにくちゅくちゅと粘度の高い水音が響く。彼女の膣は生き物のように蠢きながら指を締め付け、奥へと誘う。
誘われるまま指を深く沈めると、白濁した液体がとろりと溢れ、指を伝い滑り落ちる。
その光景に心が乱されることもなく、不思議と落ち着き、また納得していた。これほどの身体で他の男と身体を重ねていないわけがない。
だが、その事実は欲望を煽り、他の男の痕跡を塗りつぶしたいという衝動が股間の熱を一層強くする。
彼女の声に快感と欲求の艶が混ざり、腰が小さく揺れ始める。
湿った石畳に身体をそっと横たえると、柔らかな髪が乱れ、薄暗い路地に白い肌が輝く。大きな胸は未成熟な肋骨に沿って垂れ、秘部は淫らに濡れて愛液を滴らせる。
幼い身体に、成熟した胸と性の色香が同居する歪さが理性を溶かしていく。
躊躇いは無かった。ズボンを下ろし、硬く張り詰めた肉棒を解放する。猫娘を目前にしたそれは、鈴口からぬるぬると先走る液体を滲ませていた。
瞳に期待を浮かべる彼女の脚を広げて肉厚な扉を開き、ぐっしょりと濡れ、物欲しそうに蠢く小さな膣口に先端を押し当てる。ぬるりと滑りあっさりと挿入される感覚に、思わず呻きが漏れる。
ゆっくり腰を進めると内壁が陰茎を締め付け、快感が全身を駆け巡った。
薄暗い路地に響く彼女の喘ぎ声は、雄の生殖欲求を刺激する。
汗ばんだ胸を鷲掴みにし、柔らかな肉を揉みしだきながら腰を振ると、動きに合わせて乳房が揺れ、彼女の喘ぎ声が一層高くなる。
腰を打ち付け膣を擦るたびに愛液は溢れて粘性の淫靡な水音を響かせる。他の男の精液を掻き出すように深く、愛液を溢れさせ押し流すように強く突き上げる。
彼女の身体が跳ね、ふわふわの髪を乱してミルクをこぼしたように広がる。
彼女の膣が絶頂の瞬間を感じ取ったかのように、肉棒をきつく締め付ける。
あまりにも図ったようなタイミングに射精感が込み上げ、思わず腰を止めてしまう。だが、彼女は瞳を恍惚で潤ませながら、幼い身体を官能的に揺すり、容赦なく肉棒を擦り続けた。
その動きに我慢することを諦め、絶頂までの短い時間で必死に腰を振る。
欲望のままに腰を強く打ち付け、亀頭を最奥に密着させながら、他の男の残滓を塗り潰し、孕ませるつもりで精液を注ぎ込む。
脈動する肉棒から迸る白濁が、蜜壺を満たし溢れ出す。
彼女はお腹を擦り、満足気に鳴き声をあげる。闇を深める路地裏の中、汗と愛液に塗れて膣から白濁を零す幼い姿は、禁忌に触れてしまったかのように甘美だった。
一回の射精で全てを出し尽くして腰砕けの自分とは違い、彼女は絶頂の余韻もそこそこに身を起こし、こちらを抱きしめる。
胸を押し付けて優しく抱きしめてくる姿に再び欲望が疼き、陰茎が硬さを取り戻すも、動くだけの体力はもう無かった。
しかし彼女は止まらない。注ぎ込んだ白濁を垂らしながら腰に跨がり、更に求めて咥え込む。
温かな琥珀色の瞳がこちらを見つめる。優しげな色の奥深くに捕食者の光を宿し、獲物を喰らい腹を満たすように腰を揺すり始めた。
彼女は蜂蜜のように甘かった。
蟻が足を取られ抜け出せなくなるくらい濃厚な蜂蜜に絡め取られてしまった。
彼女を孕ませたい。毎日交尾したい。他の雄に渡したくない。
彼女が満足して交尾を終える頃、この街に移り住むことを考えていた。