※この作品はR-18です。

巨乳エルフ族の隠れ里にヒト族の少年が一人、何も起きないはずがなく……   作:Rオウ

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プロローグ

 人魔大戦の終結から50年。

 

 ヒト族と魔王軍の争いが遠い記憶となりつつあった頃、巨乳エルフ族の隠れ里がある大森林の外れで真っ赤な血と鉄臭い匂いがまき散らされていた。

 無残に破壊された馬車、引き裂かれた荷物、そして屈強であっただろう護衛の男たちが獣に食い荒らされたあとの無惨な骸。そして商人と思われる若い男女の損壊した死体。

 

「ガフッ! ガフッ!!」

 

 その惨劇の中心で巨躯を誇る漆黒の魔狼たちが最後の死体を貪っていた。

 

 その時、一陣の風が森を駆け抜けた。

 

「──ッ! 黒狼の群れか! 魔獣が大森林のこんな所にまで」

 

 舌打ちする音と共に三つの影が大樹の枝から音もなく舞い降りた。

 

 先頭に立つのは長く艶やかな金髪と、森の奥深くにある湖のような翡翠色の瞳と特徴的な長い耳を持つ里の長エロリナだ。皮鎧に包まれたエロリナの胸は一際大きなHカップであり、身体を動かす度にその柔らかさを誇るように揺れている。そしてその腰は折れそうなほど細くくびれ、一方で臀部は脂がのって形よく大きく張り出していた。

 そして彼女に付き従う二人のエルフもまた豊満なGカップの胸と、戦士としての引き締まった肢体を持つ金髪の美女たちだった。

 

「グルルルルァァァッ!」

 

 群れの頭である最も巨大な黒狼が食事を邪魔された怒りに牙を剥き、エロリナたちを威嚇する。

 その黒狼は馬ほどもある巨躯で、黒い毛皮の下では凶悪な筋肉が盛り上がり真っ赤な眼球でエロリナたちを睨みつけた。

 

 まぎれもなく危険な魔獣だ。

 ヒト族の基準に従えばA級に分類され、群れで行動する極めて危険な魔獣だった。

 

「殲滅する! 一匹も逃すな!」

 

 エロリナの号令と共に三人は同時に弓を構えた。

 

 彼女たちの手にした弓、そして番えられた矢には淡く小さな光の粒が踊るようにまとわりついている。

 巨乳エルフ族が誇る精霊の力が込められた魔弓だ。

 

 その魔弓から放たれた矢が異なる軌跡を描き風を切って飛翔する。

 

 エロリナの供の女戦士が放った矢は炎を噴き上げながら灼熱の塊となって黒狼の群れを斜めから駆け抜けた。

 もう一人の供の一人が放った矢は光の尾を引きながら黒狼のボスの眼に向かって左から弧を描いて襲い掛かる。

 

「ガアアアアッ!」

 

 群れのボスである黒狼は身を翻して炎の壁と化して襲い来る矢を避けたが、ボス狼の動きを追尾した光の矢が黒狼の右目に深々と突き刺さった。

 そして怯んだその一瞬の隙をエロリナは見逃さなかった。

 

「風精よ、穿て!」

 

 エロリナの矢は風の精霊の加護を受け、空間を切り裂くかのような勢いで魔獣に向かって突き進んだ。

 

 矢は弓から放たれた後も風で加速し続け、渦巻く突風と化す。

 それはもはや矢ではなく、小型の竜巻そのものだった。

 

 風精の矢は黒狼の硬い毛皮も、強靭な筋肉も、頑強な骨すらも意に介さずその心臓を貫き、体内でその風を解き放った。

 黒狼の身体が一瞬で膨らみ爆散する。

 断末魔の叫びを上げる間もなく、巨大な魔獣は肉片となってあたりに散らばり絶命した。

 

 群れの頭を失い、炎で焼かれた黒狼たちは恐慌状態に陥った。

 蜘蛛の子を散らすように逃走を始めた黒狼を後追いの矢が次々と仕留めていく。

 

 黒狼の最後の一匹が倒れると、ようやく森に静寂が戻った。

 

 エロリナたちは黒狼の死体から馬車の残骸へと視線を移した。

 

「ヒト族の商人か……」

 

 ヒト族──かつて、夫や息子、同胞たちの命を奪った敵でもある。

 その末裔たちが無残な死を遂げていた。

 

 エロリナとて思うところがないわけではない。

 寿命の極めて長いエルフ族にとって、50年の月日は何もかも忘れるには短すぎた。

 しかし、巨乳エルフ族には死者を鞭打つ趣味はない。

 

「……弔って差し上げなさい。どれほど憎み合った相手でも、死者を辱めるのは恥ずべきことです」

 

 エロリナの言葉にお供の二人は静かに頷いた。

 そして墓を作るためにせめて身元が分かるような形見はないかと、破壊された馬車の荷物を検(あらた)め始めた。

 

 その時だった。

 

「…………ぉ゛ぁぁ…………」

 

「……え……?」

 

 確かに聞こえた。

 血と死の匂いが満ちるその場所にそぐわない、か細い泣き音だった。

 聞き間違えでなければ赤子の泣き声のようだった。

 

「今、赤子の声が……」

 

「こちらからですわ、エロリナ様!」

 

 お供の一人が、半壊した馬車の荷台の奥を指差した。

 そこには他の荷物とは別に頑丈な木の蔓で固く補強された大きな木箱が転がっていた。

 

 泣き声は、その中から聞こえてくる。

 

 エロリナたちが慎重に木箱の蓋をこじ開けると、その中には上等な毛皮と分厚い布に幾重にも包まれた小さな赤ん坊がいた。

 泣き声の主だ。この子の親が最後の最後にこの子だけはと守り抜いたのだろう。

 

 赤ん坊は血に塗れた森の中で生命の輝きを放っていた。

 燃えるような赤毛と透き通るようなアイスブルーの無垢な瞳。

 

 エロリナはその愛らしくも力強い赤子の姿に思わず見入ってしまった。

 

「………………」

 

 黙り込んだエロリナを供の者が心配そうに見つめていた。

 

 大戦が終結して50年。

 ヒト族の寿命は短く数十年しか生きられないと聞く。

 

 この子はもちろん、その親たちもおそらくは大戦とはほぼ無関係の者たちだろう。

 この小さな命に過去の憎しみの咎を負わせるのはあまりにも酷だ。

 

「……この子を里で保護します」

 

 エロリナの決断にお供たちは驚きながらも反対の言葉は口にしなかった。

 赤子のその無垢な瞳が彼女たちの心のわだかまりをわずかに溶かしたのかもしれない。

 

 

 

 ◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 赤毛をしたヒト族の赤ん坊は「ティオ」と名付けられ、里長であるエロリナが自ら里親となって育てることになった。

 

 当然里では大きな反発が起こった。

 ヒト族との大戦で夫や息子を亡くした者たちにとってヒト族の赤子を里で育てるなど、到底受け入れられることではなかったのだ。

 ティオに向けられる視線は冷たく、そして時には憎しみに満ちていた。

 

 しかし、歳月はゆっくりと、しかし確実にエルフたちの頑なな心を癒していった。

 ティオは巨乳エルフたちの愛情と、森の恵みの中ですくすくと育っていった。

 

 いつしか、彼は同じ年恰好のエルフの少女たちとも分け隔てなく遊ぶようになっていた。

 特に仲がいいのはフィリアとルリアだった。

 里の広場で背丈の違う三人の子供たちが無邪気な歓声を上げて駆け回る日常。

 

 その光景をかつてティオに冷たい視線を向けていたエルフの女性たちが今は皆、どこか懐かしむような、そして慈しむような、和やかな表情で見守るようになっていた。

 

 彼女たちの心から、悲しみが完全に消えたわけではない。

 しかしティオという子供がこの女性だけの静かな隠れ里に新たな風とそして小さな希望の光をもたらしつつあることを、誰もが感じ始めていた。

 

 

 

 これが後に巨乳エルフの里の運命を大きく変えることになる、ヒト族の少年ティオの物語の始まりであった。

 




【Q&A】
 Q1:あのー、そもそも巨乳エルフ族ってなんですか?
 A1:エルフ族の亜種です。大昔、エルフ族の若い少年が夢魔一族の巨乳娘に逆レイプされ、その後少年を気に入った娘が押しかけ妻となり、生まれた娘が巨乳エルフ族の祖となったと歴史書には記されている。エルフの特徴的な長い耳と清楚な佇まいに夢魔一族の高い魔力と身体的特徴が組み合わさり子孫へと引き継がれ、エルフ女性特有のAAAカップ未満だった胸のサイズはHカップ、Gカップ、Jカップ等の巨乳に、更にむちむちでパツンパツンの巨尻となった。エルフ男性への抜群の訴求力から、巨乳エルフ娘の結婚争奪戦が起こり、結果として各世代で最も優れた形質のエルフ男性と番いまくり、子孫が増え、年月が経つうちに完全な上位種として固定された。別名H(ハイ)なエルフ。
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