巨乳エルフ族の隠れ里にヒト族の少年が一人、何も起きないはずがなく…… 作:Rオウ
「ティオが芽吹きました」
「おお……」
隠れ里の集会所の床に、巨乳エルフ族の長老が輪になって座っていた。上座には里長であるエロリナが座っている。
列席している長老たちはエロリナも含め、ヒト族の感覚では全員20代の容姿にしか見えない。
そして二度見したくなるほどのスタイル抜群の美女ばかりだ。
「しかし、早いですね」
「うむ、まだわずか10歳であるというのに」
「それはそうと芽吹きはどのように確認されたのですか?」
長老からの質問にエロリナが答える。
「エルフ男性と同じです。毎夜毎晩一ヶ月に渡って非発情状態にある男の子の男性器を丁寧に刺激して、十分な堅さを伴ってきちんと勃起するのか、そして刺激の果てに放精の伴わない射精動作に至れるのか。この二つの
「ほう」
「そしてティオは10歳の身で見事に成し遂げたのです。」
「ほほう……ヒト族と言えど男性機能はエルフと同じなのですね」
「ええ、私も意外ではありましたが」
淡々とエロリナが答える。
「年齢はともかくとして体格はまだ子どもに思えるのですが、本当に射精動作を見せたのですか?」
「ええ、昨晩私がこの目でしっかりと確認しました。ティオの可愛らしいおちんちんが私の手の中でビクンビクンと痙攣しまして、放精の伴わない素敵な射精動作がおよそ5分間に渡って続いたのです」
淡々と語ろうとしつつどこか失敗しているエロリナ。
「……5分、間? 随分と長くありませんか? エルフ男性なら長くても10秒程度で収まるのですが」
「それは種族の違いでしょう。
「確かに」
疑いの声を上げた長老は頷きつつ引っ込んだ。
「しかし……夢魔族から聞いておりましたが、ヒト族というのは本当に成熟が早いのですね」
エロリナの報告にほとんどの長老が納得していたが、比較的若い長老であるハロリアを始め一部に首を傾げている長老もいた。
「エロリナ様のことを疑っているわけではないし、ティオに隔意があるわけでもありませんが、やはり信じがたい。ヒト族の男子というのはわずか10歳で芽吹くものなのですか? よちよち歩きの赤ん坊ではありませんか」
「今更何を。体格ではフィリアやルリアの身長をすでに抜き去っているのをそなたも見て知っていよう?」
「それはそうですが、性的な成熟にはさすがにもっと時間がかかるだろうと……ドワーフ族の男の子でも見た目はああですが、成人するのは50歳でしょう?」
「髭もじゃのドワーフは例として適当ではなかろう」
「私の亡き夫など、成人したのは124歳だったのだぞ?」
「それ、エルフ族としては普通であろう?」
里の集会場に居並ぶ長老たちが口々に喋り始める。
「お静かに」
エロリナが雑然とし始めた空気を引き締めた。
「失礼。だがティオが芽吹いたというのであれば、だれがあの子を夫にするのだ?」
ハロリアが腰まで届きそうな長い金髪を揺らし声を上げる。
彼女の緑と濃緑の薄手の服を内からJカップの胸が押し上げ、細くくびれた腰と張り出した尻の大きさは里長であるエロリアを超えるほどだ。
「ナリアでしょう。初花季が目前に迫っている未婚の女子は彼女だけです」
「そうだな、フィリアが初花季を迎えるにはまだ最低でも20~30年はかかろうし、ルリアはもっと先だ……」
巨乳エルフ族は平均的に90歳から130歳くらいの年齢で
そして巨乳エルフ族の慣例として
そのすごく常識的な回答に、他の長老たちが意味ありげに視線を交わす。
「だがそれでは我ら一族は遠からず滅んでしまう」
「その通り。以前から度々話し合ってきたが今こそ結論を出すべきだ。一族存続のために婚姻についての規則を変えよう」
「……鬼人族のようにかね? あの一族は強い男性が複数の妻を娶って子をなしているが」
「婚姻の規則を永遠に変えろと言ってるわけではない。一時的であるなら良いだろう?」
「それよりやはりエルフ族と交渉して男子を融通してもらうべきでは? 難しいのは分かってるがそれが正道であろう」
別の長老が首を横に振る。
「以前も話したが我らが姉妹たるエルフ族から男子を融通してもらうのは無理であろう。あそこも大戦で男衆がほぼ全滅してしまった。村に残っている男子は二人しかいないのだ。そのうちの一人を差し出せなどあまりにも無茶だ。交渉の席にもついてもらえないだろう」
「…………そもそもティオの成長がここまで早いのであれば、一夫多妻のルールを設けようとフィリアとルリアの成人までに寿命が尽きるのではないか?」
「我らの知る数少ない情報だとヒト族は数十年で老衰して死ぬという話だ。昔は信じていなかったがティオの成長の早さを見ると、事実だと思える」
「ナリアにしても選んだ夫がそんな僅かな時間を共にしただけで亡くなっては悲しいし辛かろう……」
「……そもそもティオはナリアと子をなせるのかね?」
雑談のような議論の中で根源的な疑問が出てしまった。
長い歴史の中で多くの種族間で混血児が生まれてはいるが、巨乳エルフ族はエルフ族と夢魔族の混血から始まった種族だ。だがヒト族との間で子を成せるか試されたことはない。
集会所がしんと静まり、そこにエロリナの声が響く。
「その心配は無用です。
「……使うのですか、あれを」
「万年かけて貯めた雫ですぞ?」
「あれは精霊との親和性に乏しい生まれついての障害を持った子に飲ませるものでしょう?」
「ヒト族が飲めばどのような結果になるか分かりませんぞ? 思わぬ副作用とか、効果がほとんどない、もしくは強く出すぎるとか」
ハロリアを筆頭に反対の声が長老たちから上がる。
「大丈夫です。それに……他に打てる手などありはしませんよ」
エロリナの静かな反論で声を上げた長老たちは黙り込んだ。
確かにそうだ。
時がゆっくりすぎて直視しなかったが、今がまさに滅びの危機の渦中なのだ。
◇◇◇◇◇◇
長く理性的な話し合いが続き、最終的に長老衆全員の理解が得られた。
諦観、納得、消極的賛成……様々な思惑が入り混じったが全員の賛成を持って、ティオに
「……ところでエロリナ様。さきほどから気になっておったのですが、指輪はどうされたのですか?」
ハロリアがエロリナに尋ねた。
「私の不注意で失くしました」
「なっ!?」
集会所がざわめいた。
長老衆のうち何人かがエロリナの左手の薬指を凝視した。
巨乳エルフ族の既婚者は左手の薬指に夫婦で対となるミスリル製の指輪を嵌めている。
その指輪をエロリナがつけていなかったのだ。
大半の長老はエロリナが指輪を着けていないことに最初から気づいていたが、今頃気づいたハロリアを始め何人かが驚きの表情を浮かべている。
「私としたことが、ティオの
「そ、それではエロリナ様に発情期が来てしまいますぞ!?」
「ええ、なので発情期が来るまでには見つけたいと思っています」
あっけらかんとしたその物言いに長老衆の一部が驚き慌てる。
まるで探す気が無いようにも聞こえる。
「すいません、告白します。私もつい先ほど指輪を失くしてしまったようです」
長老の一人が挙手して告白する。
その長老の左手の薬指には確かに指輪が嵌っていなかった。
「馬鹿な。簡単に失くしていいものではありませんぞ!? 夫とのつながりを意味するのですぞ」
「つながりと言っても私の夫は大戦で亡くなっております」
「だからこそであろう!!」
ハロリアが激高する。
だがハロリアの隣に座っていた長老が指輪を外しつつ呟いた。
「巨乳エルフ族において、未婚、もしくは未亡人の身で発情期を迎えたものは未婚の成人男性に結婚を申し込むことができる。……拒絶された場合でも、男性と子を成す権利を有す」
「それは始祖の時代に作られた規則であろう!」
「……だが、今も有効です」
里長であるエロリアが言葉の後を引き継ぐ。
その言葉がトドメになり、決めかねていた残りの長老たちが次々と自分の指輪を外し、大切そうに懐にしまい込む。
「皆様ご正気であるか!? 夫とのかけがえのない指輪ですぞ?」
一人ハロリアが叫ぶ。
「だからこそであろう……」
悲しみを含んだ長老の言葉にハロリアもハッと表情を変える。
「夫が戦いに赴いたのは一族の存続のため。……このまま一族が滅んでは亡くなった夫に顔向けできませぬ」
その言葉でハロリアの顔が苦悩にゆがむ。
「だけど、それは……それはあまりにも…………」
「当然、強制は致しませんよ。ハロリア。ですが長老として里の他の者たちに対して率先して示さねばなりません」
ハロリアが美しい顔をゆがめ、目に涙を浮かべながら里長を見る。
「あなたの夫ファラエンは優しくそして勇敢な男でした。里を愛し、あなたを愛し、一族が生き延びるために魔王軍として戦いに赴いたのです」
しばらく二人は見つめあい、やがてハロリアは肩を落とすと自分の左手の薬指から指輪を外すのだった。
そして外した指輪を胸を押し当てほろほろと涙を流し続けた。
【Q&A】
Q5:巨乳エルフ族の指輪には何か意味があるのですか?
A5:精霊の祝福が籠められた特別な指輪です。単純に婚姻状態にあることを示す役割以外にも、指輪を嵌めた女性(妻)が年に一度発情期に入ると、対になった指輪を嵌めた男性(夫)も同じタイミングで発情します。尚、夫が亡くなると指輪をつけたままの妻には発情期が来なくなります。