巨乳エルフ族の隠れ里にヒト族の少年が一人、何も起きないはずがなく…… 作:Rオウ
「ティオの容体はどうなっていますか?」
里の集会所の床に敷物を重ね、そこにティオは安置されていた。
「今は落ち着いています」
「……そうですか」
エロリナは安堵のため息をついた。
それでも曇った表情はそのままだ。
周囲を漂う精霊がティオの身体に惹かれて入り込み続けているのがエロリナの目に映っているからだ。
「魔力障壁の維持の方は問題ありませんか?」
「順番を決めて休憩を入れつつ交代しておりますからな。大丈夫です、今のところ問題ありません」
ティオの身体の四方に座り、魔力障壁を張っている長老の一人が答えた。
エルフ族や巨乳エルフ族がよく使う、風の精霊の力を借りての障壁は今回は使えない。
風の精霊を呼べば、その風の精霊自身がティオの身体に惹かれてしまうからだ。
精霊の力しか扱えないエルフ族とは違い、夢魔族の血も引いている巨乳エルフ族は魔力も扱うことができる。
なので魔力を用いた障壁を構築し、集まりすぎている精霊を押し留め流れ込む精霊の量を抑え込んでいるのが現状だ。
「それに徐々に精霊が流れ込む勢いも減ってきております。おそらく今夜、月が昇る頃にはティオの精霊降ろしが終わるでしょう」
エロリナはティオの横に座り、額に手を当てた。
「発熱は大丈夫そうですね」
「ええ」
集会所に詰めている長老の一人が呟く。
「……それにしても
「ヒト族が世界樹の雫を摂取した記録は今までありませんでしたからね」
エロリナが眠っているティオの頬を優しく撫でる。
その姿を見た長老は、ティオが赤ちゃんの頃から里長であるエロリナがこうやって愛情を注ぎ、過剰な接触を続けてきたことも無関係ではないのだろうと考えたが口には出さなかった。
「ですが好都合ではあります。ティオの身体がこれほどの精霊たちを宿せるのであれば、刻印の規模をもっと大きくしても……その……余裕があるでしょうし」
「確かに」
頬を少し染めながら語るエロリナに長老も同意する。
エロリナはティオの柔らかな前髪を弄り、眠っている少年の額を露わにする。触れれば触れるほどもっと触れていたくなる。
可憐……という形容詞は男の子のティオにはあまり相応しくないが、エロリナにはそうとしか形容できなかった。長く生きてきたが、これほど愛らしい男の子は見たことがない。
巨乳エルフ族はもちろん、交流のあるエルフ族の中にもティオほど可愛い男の子は見たことがない。ティオが成長するにつれ、最初のころの反発が嘘のように消えていったのは、里の者全員が全員ティオの愛くるしさに心を鷲掴みにされたからに他ならない。
巨乳エルフ族の視点だとまだまだ幼げな男の子にしか見えないが、それでも
ヒト族と巨乳エルフ族という種族の差はあろうが、心配することはないだろう。
「予定通り今夜ティオに刻印を刻みましょう。このこと、里の者全員に周知して希望する者を集めなさい」
「初花季前のナリア、フィリア、ルリアも呼びますか?」
長老の問いかけにエロリナは考え込む。
「……そうですね、慣例に従って成人した男の子を夫にと望む初花季前の女子の要望を聞かねばなりませんし。ナリア……だけ、呼びましょうか。フィリアとルリアはまだまだ先になるでしょうし」
「では、そのように」
長老がコクリと頷いた。
◇◇◇◇◇◇
「あの! ティオは大丈夫なんでしょうか!?」
二つの月が夜空で輝く頃、集会所で眠り続けるティオの周りに里の女性が集まっていた。
呼ばれなかったフィリアとルリアは別にして結局全員が希望したのだ。
そしてナリアが眠り続けるティオの傍で心配そうな表情を浮かべていた。
「ええ、大丈夫ですよ、ナリア。ティオの精霊降ろしは無事に終わっています」
「ほんとですか!? よかったぁ……」
ほっと胸を撫でおろすナリア。
だけど、不安な表情はそのままだ。
「お母さん? そう言えばなんでみんな集まっているの?」
里のたった一人の男子であるティオが倒れたとはいえ、里の者がほぼ全員詰めかけているのは流石に変だ。
集会所には全員が入りきらないので、外をぐるりと取り囲んでいるのはナリアの目には異様に映った。
隣に控えていたナリアの母、ハロリアが静かに娘の疑問に答える。
「……これからティオの夜の成人の儀式を始めるからよ」
「夜の……成人の儀式?」
初めて聞く言葉にナリアが戸惑っている。
「里の男の子が成人すると、誰と結婚するのかその夜に話し合って決めるのです」
母親のハロリアの言葉にナリアの顔がボンと赤く染まる。
「前回の夜の成人の儀式は……確か92年前に成人したリリオンドでしたね。ナリアは当時37歳でしたから、幼いので呼ばなかったのです」
里長エロリナが補足する。
「ここにフィリアとルリアがいないのは、やっぱり……幼いから……ですか?」
顔を赤くしながら周囲を見渡し、ナリアは幼馴染仲間であるフィリアとルリアがいない理由を尋ねた。
「…………そういうことになりますね」
エロリナの答えを聞いたナリアは一瞬嬉しそうな表情を浮かべ、次に顔をしかめた。
喜びと、それを喜んだ自分自身への自己嫌悪が入り混じり、百面相を始めたナリアからハロリアはそっと目を逸らした。
「それと夜の成人の儀式では、あなたのように初花季前の女子に性教育をするのが習わしなのです」
「……性、教育?」
呟いたナリアの顔がますます赤くなった。
◇◇◇◇◇◇
「よいですか、ナリア。初花季が来るまでは我ら巨乳エルフ族の女性とエルフ族の間には大きな違いはありません」
ナリアの母ハロリアがナリアに向かって説明する。
言われたナリアは自分のFカップの胸を見下ろした。
これでまだ成長途中なのだ。
胸は大体200歳くらいまで成長し大きくなり続けるので、多分巨乳エルフ族としては平均的なGカップかHカップくらいまでは大きくなるとナリアは思っている。
人魔大戦に関係なく、巨乳エルフ族は種族として姉妹の関係にあるエルフ族と交流し続けている。
なのでナリアにも数は少ないながらもエルフ族に同年代のエルレーゼという知り合いがいて、114歳になる彼女の胸は完全なまな板だった。膨らむ兆しすらない。はっきり言ってフィリアやルリアと大差ない。
もちろん彼女が発育不良というわけではない。
単に種族特性の差というだけの話だ。
「…………」
「念のため言っておきますが、胸の大きさなど些細なことですよ?」
その母の言葉に少し引っ掛かりつつもナリアは素直に頷いた。
母を尊敬しているナリアはその言葉を疑ったりはしない。
「そうですね、基本的なことを説明する前にあなたがどこまで知っているのか確認しておきましょうか。ナリア? 子作りの方法を知っていますか?」
巨乳エルフ族では性教育は母から娘に対して行われるのが普通だ。ナリアは母から性教育を受けたことはないが、全く何も知らないわけではない。
「赤ちゃんはええっと、その……、ティ、ティオのおちんちんを私の股の中に入れると……赤ちゃんができる……はずです」
顔を真っ赤にしながらナリアが答えた。
里の大人の女性たちに囲まれながら子供の作り方を答えるのは、かなりの居心地の悪さを感じる。
「あら? 誰かから教えてもらったのですか?」
「え? だって……森にいる大抵の獣とか虫だって交尾の時期になったら腰をくっつけてるし……え? 違うの?」
「いいえ、正解です。森に住む動物たちと自分が本質的には同じだと理解しているのは良い視点ですよ、ナリア」
ヒントは周りにいくらでも転がっているのだ。
それを娘がちゃんと理解し学んでいるのを知ってハロリアは誇らしくなった。
そして森に棲む獣と本質的には同じであるという理解の上に、改めて自分たちは動物とは違って特殊であるという知識が必要になってくるのだ。
母親としてそれを娘に伝えねばならない。
「ほとんどの生き物は誰かに教えてもらわずとも本能的に子作りを行えるのですが、我ら巨乳エルフ族は本能に任せ、自然に任せていては子供を孕むことはできないのです」
「え?」
「絶対にゼロとは言いませんが、ほぼ妊娠しないのです」
ポカンとした娘に絶対的な事実を告げる。
「ど、どうして?」
「あなたはまだ発情期を経験していないので理解しにくいかもしれませんが、我々巨乳エルフ族の女性は発情期に入ると、
「
「我々を形作るもう一つの血の先祖のことです」
ハロリアはナリアの腹部をスッと指さした。
「よろしいですか、ナリア。ここに子供を育てるための子袋、子宮という大切な器官があります。そして……」
指が下方に動く。
「子宮につながる粘膜でできた筒状の穴、膣があります」
「膣……」
「おまんことも呼ばれます」
「おまんこ」
「そう、おまんこです。もう一度復唱しましょう」
「おまんこ」
「棒読みではダメですよ。初花季が来ればティオに媚びながらおねだりすることになるのですから言い方もよく考えて覚えておきなさい」
まだ初花季前の少女であるナリアの唇から「おまんこ」「おまんこ」と音程やリズムを変えながら何度も言葉が紡がれる。そして露骨ではない、どことなく媚びや艶が含まれた言い方を習得したナリアを見てハロリアは満足げに頷いた。
「よろしい。そして発情期が始まるとおまんこは花の蜜のようなとろりとした粘液を分泌するようになります」
「蜜……」
「それが潤滑剤となり、おちんちんがスムーズに膣内に受け入れることが可能になります」
「ティオのおちんちんが私のおまんこの中に……」
ナリアの顔が赤くなっていく。
頭の中で想像しているのだろうと母ハロリアは推測する。
「そうです。では、この膣……発情期のおまんこにティオのおちんちんが入ったらどうなると思いますか?」
「え?」
母親からの問いにキョトンとするナリア。
「森に棲む獣の営みをよく思い出してみなさい」
「あ、そっか。白っぽい液体がお股の、違った……おまんこに一杯出てました。あれってやっぱりおちんちんから出るんですか、お母さん」
「その通りです。まるで母乳のように白いその液体が赤ちゃんの素となる子種、精液と言って、ティオのおちんちんから噴き出すのです。そして精液が出るのを射精と呼びます」
「精液……子種、射精?」
「そうです。森に棲む動物と同じです。オスのおちんちんからメスのおまんこに子種となる
「ッ!? あーっ! あーー……そっかぁ……お腹……股の穴……子種がおまんこの……そして子宮に」
ナリアの頭の中で断片的な知識が有機的に結びついていく。
ハロリアは自分の娘が1を知って10を知る状態にあることを理解しつつ、敢えてそこに放り込む。
「そしてこれが一番大切なことなのですが、
「え?」
「そしておまんこは捕食器官、つまり口でもあるのです」
「ふぇッ! えええっ!?」
ナリアの目がまん丸に見開かれて、自分の母親、長老でもあるハロリアを驚きとともに凝視した。
【Q&A】
Q7:精霊降ろしって何ですか?
A7:精霊はほぼあらゆる場所にいます。それは生物の体内も例外ではありません。実体のない精霊は快適な場所に集う性質があり、エルフ族、巨乳エルフ族は体内に多くの精霊が棲み付いています。エルフ族、巨乳エルフ族では体内に精霊が入りこむことを精霊降ろしと呼んでいます。