ゼファーの家族を守るように命令してから数日後。俺は貰った特典を改めて確認していた。
転生する前に神様からチート能力を授けてやると言われた俺だったがその能力はすぐに理解できた。
簡単に説明するとTRPGだな。好きな能力を取って最強のキャラクターを作れるって感じの。
そんな能力なんだけど能力を手に入れるのにポイントが必要だったのだ。ポイントの稼ぎ方は色々あるんだけど結構緩い感じなことは確かだ。なにせ一つのスキルを取るのに必要なポイントが5とかだからな。ちなみにポイントは一日に数千は余裕で稼げる。
そして俺は三年間の間に必須であろう能力をいくつか手に入れることに成功した。それがこれらだ。
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名前:ドンキホーテ・ポリュノクス
性別:♂
年齢:3
能力
【《思考操作》《絶倫》《巨根》《魔性の貌》《天性の肉体》《自然に生まれた怪物》《武装色の才能》《見聞色の才能》《覇王色の才能》《美声》】
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これだ。能力に付いて簡単に説明していこう。
まず《思考操作》。これは対象の感情を操作することができる。例えば俺への愛情を一気に上げて俺にメロメロにしたり…そうだよエロ目的だよ。
前世じゃ恋愛なんてしたことのない俺が原作キャラを口説けると思うか? いいや無理だ。と、いうわけで取った能力だな。
他にも忠誠心を上げたり親愛を感じさせるようにしたりと色々な事に仕える。この能力を使ったおかげで親は俺にダダ甘になった。
次に《絶倫》と《巨根》。言うまでもないだろう? 男の夢だ。
次に《魔性の貌》。これは恐らく顔がよくなるってだけの効果だと思う。実際これを取ってから俺の顔はどんどん綺麗になっていって今じゃ美幼児だからな。
次に《天性の肉体》。これの説明文を見る限りでは鍛えなくても筋骨隆々になる上に、どれだけカロリーを摂取しても体型が変わらない…みたいな能力だと思う。実際、食っちゃ寝の生活をしているのに一切太る様子が無い。これは本当にありがたいね。
次に《自然に生まれた怪物》。これは恐らくワンピースの世界でビッグマムが持っていたものだろうと思う。これを手にしてから俺の力は上昇しすぎて力加減がすっごく大変だった。
実際、俺がスプーンを持った瞬間にスプーンが折れ曲がったせいで父上と母上が激おこぷんぷん丸だったからね。理由? 「わちしのかわいい我が子のスプーンが折れたえ! これを用意したやつは処刑だえ!」だってさ。
勿論全力で止めたさ。だって俺が悪いし。
次に覇気の才能だな。これは単純に戦闘用というか、この世界で覇気が使えないなんて自殺行為だからな。確かに俺の肉体はビッグマムみたいに何をされても傷がつかない鉄になったけど、それでも覇気が使えるか否かでかなり変わる。
実際、どれだけ肉体が固くても覇気がなければローのオペオペの実で両断されるしノロノロの実とかも食らうだろう。と、いうわけで覇気の才能ってわけだ。
これは見聞色に関しては取った瞬間に発現された。そのせいで五月蠅くて寝込んだのは内緒。原作コビーの気持ちをここで知れるとは思わなかったよ…。
武装色に関しては分からん。なにせ殴るものも殴ってくる者もないしいないからね。これは追々確かめようと思う。
さて、最後に《美声》だけど。歌を歌うのが楽しくなった。それだけです。
本当にそれ以外ないしその理由以外ない。まじで歌を歌うのが楽しくなった。音貝で録音した自分の歌を聞いた時も普通に感動したからね。この声が俺の喉から出てるのかよって。
これが今俺の入手した能力達だ。恐らくここからもどんどん増えていくだろうけど取った時に改めて説明することにしよう。
そんなスーパー幼児な俺が今何をしているのかというと。親父にパーティに連れて来られている。パーティと言っても美味しい物を食べてお話しするだけじゃないぞ? …まあ、お話したり美味しい物を食べたりはしているんだけどそこに変なのが紛れ込んでいる。それは…奴隷のショーだ。
「この人魚全然血を流さないえ! 次はサメを入れてみるえ!」
「わちきの奴隷を見てみるえ! どれだけ殴っても倒れないすごい奴隷だえ!」
「この奴隷もういらないアマス!」
「いらない奴隷はわちきの猛獣に追わせて食わせるえ!」
う~ん地獄。水槽の中で必死の形相で肉食の魚から逃げ続ける人魚は追加で投入されたサメに追いつかれて生きたまま貪られていた。
主人がどれだけ殴っても倒れないと宣伝していた奴隷は銃を何度も撃ち込まれて血で床を汚しながら倒れ伏したがまだ生きているようだ。
主人にいらないと言われた奴隷は他の天竜人が飼っている猛獣と同じ檻に入れられてこちらも生きたまま腹を食いちぎられて悲鳴を上げながら死んでいった。
なんだここ? なんにも楽しくないんだけど。
「ふぉっふぉっふぉ! どうだえポリュノクス。お前も奴隷を持てばこういう遊びができるえ」
「そうですね。ぼくも奴隷が欲しくなりました」
「そうかえ! 明日にでも下界に下りて買ってやるえ」
「それは楽しみですね父上」
俺の親父はすっごい楽しんでいるな。わざわざ俺に話しかけなくていいのに話しかけてきたのでお世辞を言っておくことにしたらなんか明日にでも俺は奴隷を買うことになるらしい。いやぁ、別にいらないんですけど。
「この役立たず! 倒れるんじゃないえ! わちきがおまえのせいで恥をかいたえ!お前なんてもういらないえ!」
「ぅ…」
親父の機嫌を取っていると先ほど倒れないと宣伝されていた奴隷が倒れたせいで恥を掻いたと怒る天竜人の姿が見えた。
そんな天竜人の足元で血を流しながら倒れている奴隷はかなりの銃弾を撃ち込まれているのにも関わらずまだ息があるみたいだ。
というか、あれってバッカニア族じゃね? なんかでかいし。いや、さすがに違うか? でも気になるから近づいてみよう。
「父上、あの奴隷を見に行きたいです」
「ふむ? あの死にかけかえ? まあ好きにするといいえ」
「じゃあいってきます」
一応父上に許可を貰ってから倒れ伏すバッカニアっぽい人物の傍に行ってみると倒れ伏すバッカニアを蹴っていた持ち主の天竜人が俺の方を向いてきた。
「ん? おまえはサリュクス聖の息子だえ」
「はい、ポリュノクスと言います。その奴隷ってもういらないんですか?」
「欲しいのかえ? 使えないからポリュノクスにあげてもいいえ」
どうやら俺の父親の事を知っていたようでその息子だとすぐに分かって貰えた。そしてさっきいらないって言っていたからもう一度確認のために聞いてみたら欲しいのかと聞かれたのでこれ幸いにと貰うことにした。
「本当ですか? では欲しいです」
「それじゃあ持っていくといいえ」
「ありがとうございます。器の広い方ですね」
「むふふん、そうだえ、わちきは器が広いんだえ、ポリュノクスはわかってるえ」
よっしゃ、バッカニア族ゲットだぜ! なんか奴隷を宿命づけられた一族みたいな感じで世界政府からぼっこぼこにされてる種族だけど関係ないね! ようは奴隷だったらいいんだろ? このまま俺に忠誠心を抱かせて俺を守るための戦士にしてやる。
「よし。誰かこの人を連れて行くのを手伝ってくれないか?」
「はっ、我々がお運びします」
「うん、それじゃあ頼むよ」
とりあえず目の前で倒れ伏すバッカニア族はかなり大きくて俺じゃ持っていけないので近くにいた黒服を呼んで屋敷に連れて行くように命令してから父上の所に向かう。
「父上」
「ポリュノクス。あの奴隷を貰ったのかえ?」
「はい。あの頑丈さが気に入りました。なので一度屋敷に帰りたいと思います」
「そうかえ。まあポリュノクスなら一人でも大丈夫かえ」
「大丈夫です父上。父上はここで楽しんで行ってください」
「出来の良い息子を持ててわちきは幸せ者だえ」
父上に報告をしつつヨイショしてから屋敷へ帰ることにする。歩く俺の後ろを数十人の黒服がバッカニア族っぽい人物を連れて歩いている風景はかなり異質だがこのマリージョアじゃこれも普通だ。
「よし、お前たちご苦労。とりあえず医者を呼んできてくれ」
「はっ!」
そうして歩いていると屋敷に付いたので黒服の一人に医者を連れて来るように命令する。よく考えるとここに来る前に医者を連れて来るように命令すればよかったが…まあ人間だしミス位するさ。
「お待たせして申し訳ございません!」
待っていると医者が走ってやってきて開口一番謝罪から入ってきた。確かに待ったけどこれくらいじゃ怒らない…いや、天竜人なら怒るのが正解か? どれだけ短気なんだよこいつら。
「謝罪はいいよ。とりあえずこの人を治療してね。何発か銃弾を食らってたかな? それ以外は分からないや」
「ははっ!」
とりあえず治療を命令してから俺は屋敷に入って行く。こうやって命令しておけばあとは誰かがやってくれるんだから最高の地位だよ天竜人。これを捨てる判断をした41歳の親はすごい奴だ、現実は一切見えていなかったようだけどね。
さて、あとは治療が済んであのバッカニア族っぽい人が目を覚ますのを待つだけだ。本当にバッカニア族なのかな? 楽しみだ。