五老星に国が欲しいって言ってから一年。ついに俺の条件に頷いた国が現れた!
正直、どうして頷いたんだろうかとも思うが俺のモノになったのは事実。さ~て、リアルシミュレーションゲームの始まりだ。
ちなみに海軍へと送ったバハルズ君は無事に昇格を繰り返して中尉になったらしい。早すぎじゃね? とも思ったが昇格することはいいことなので気にしないことにした。
それはそうと俺のモノになった国についてだ。場所は
さて。そんな国にこれから行くところなのだが、親父が一緒に行くと言って聞かない。
「ポリュノクスだけじゃ心配だえ」
「大丈夫だよ父上」
「そ、そうかえ?」
「うん。だって護衛もいるんだし」
父上に俺が下界の国を運営するって言ったら「わちきの子が変になっちゃったえ!」ってめっちゃ取り乱してたけど、父上、元から俺は変な子です。
まあ、そんな父上も俺が国を運営するゲームをしたいからって説明したら「それはおもしろそうだえ」って言ってたから俺と父上は似た者どうしなのかもしれないな。
…父上も国を運営するゲームがしたくなったようだからこれから父上の物になる国はまじでドンマイ。
そんなことがありつつも俺は今回乗る船へとやってきた。もちろん傍にはクリップ君を連れている。
「大きいですね、ポリュノクス様」
「そうだな」
クリップ君が初めて見るのか軍艦を見上げて感心の声を上げていたのでそれにポリュノクスも同意する。
初めて見るわけではないけどいつ見ても大きいなこの軍艦。この軍艦をサンドバッグにしてたガープはマジでやばいわ。
船に乗り込むために歩いていると海兵達が並んで俺に敬礼をしてきた。そして、軍艦の傍に短く切った紫髪をしている巨漢の男が立っていた。あれがゼファーか。
「君がゼファーかい?」
「はっ、本日護衛を受け賜わる大将ゼファーであります」
「そうかい。今回の安全は保障されたも同然だね。僕の名前はポリュノクス。よろしく頼むよ、"黒腕"のゼファー」
「はっ!お任せください!」
ゼファーへと話しかけた6歳児のポリュノクスに一切動揺を見せずに返事をするゼファーだったが、ポリュノクスが「よろしく」というとさすがに動揺したようで気配に一瞬だけ乱れが生じていた。
だけどもその動揺も瞬時に抑えて軍人としての態度を崩さないゼファーはさすが海軍大将である。
そんなゼファーとクリップ君を後ろに付けながら船内へと入ったポリュノクスが案内されたのはかなり豪華な作りになっている部屋だった。
「こちらがポリュノクス聖のお部屋になります」
「クリップ君の部屋もあるのかい?」
「はっ。ご用意しております」
ゼファーが扉を開けて部屋を見せてくれたのでポリュノクスはクリップ君の部屋もあるのかどうかを聞いてみることにしたが、どうやら用意しているようだ。
「ご苦労。僕への対応は一旦終わっていいよ」
「はっ! 失礼いたします!」
海軍大将のゼファーにはきっとやることが多いだろうしと思ったのと、自分に付いて回られるのも落ち着かないから一旦対応を終わるように言ってみると、ゼファーは敬礼をした後に部屋を出て行った。
「クリップも好きにするといい」
「はい。じゃあ自分のお部屋で勉強をしてきます」
「いいね。存分に勉強してきなさい」
「はい。では、ポリュノクス様。失礼します」
クリップ君にも好きにするように命令すると、部屋で本を読むとのことだった。勉強熱心だね君は。
クリップ君も部屋を後にして部屋には俺だけになって暇なのでこれから起こることを《原作wiki》で見て行こうと思う。
まず、今は原作開始30年前。おでんが白ひげ海賊団に入ったりクザンが入隊したりしたらしい。あとはバレットがロジャー海賊団に入ったとかか。
…うーん、ここから数年は介入できそうな事象は起きないな。次に介入するべきは今から八年後に起きるオハラ壊滅の時にロビンを拾うくらいか? …あとはそうだな。ステラとテゾーロの悲劇を無くすのも有りだな。
正直ステラは可愛いと思うけどステラの隣にはテゾーロが似合うと思う。うん、ステラとテゾーロは救って原作通りグラン・テゾーロでも作ってもらおうかな。原作でもあれだけの才能があったんだから投資先としては文句なしだ。
と、なると。俺が嫁にできそうなのは八年後のロビンくらいか…? いや、他にも一応いるっちゃいるが。
例えば、ミスキナ・オルガとか。確か病気の治療のために父親が不老になる金属を作ってそれで生きながらえている外見年齢6歳の200歳だ。
…外見年齢6歳かぁ、さすがに守備範囲外かな。
でも、不老になるピュアゴールドってのは欲しいな。それに、ミスキナ・オルガの父親は正真正銘の天才だから囲えれば莫大な金を得ることもできるだろう。
よし、この二人を手に入れるのをしばらくの目標にするとしよう。
…この二人ってどこにいるんだ? ボンボリ様っていうチョウチンアンコウの腹の中にいるらしいんだけど、見つけるの無理じゃね? この広い海の中でたった一匹の生物を見つける…? 無理ゲー無理ゲー。
将来的に俺だけの諜報機関を造れたらそこに命令して探させてもいいけど、諜報機関を作るのにはまだまだ時間がかかるから当分先だな。
とりあえず、ここから数年は国を運営しつつ自分の軍隊を強化して行くとしよう。
さて、俺のモノになると言った国はどんな国なのかな? そして、どんな国王が治めているのやら。
♢
偉大なる航路を進んだポリュノクスの乗る軍艦は道中何事もなく目的の島へと辿り着いた。
島が見えてきたことを報告されたポリュノクスが甲板に出て見聞色で見てみた感じだと、弱弱しい気配ばかりだった。
恐らく海賊とかに襲われて略奪されまくっていたのだろう。非加盟国は海軍の庇護を受けることができないし。
「あれか」
「はっ! あちらがエルケイ国になります!」
俺の傍に付いてくれているゼファーが答え合わせをしてくれた。あれが俺のモノになった国か。
ポリュノクスの乗る軍艦が入港したので甲板の上から街並みを見てみたが、かなり寂れていた。間違いなく海賊に略奪されまくっているだろう。
「とりあえず海軍の皆には炊き出しでもしてもらおうかな」
「はっ!」
「ああ、子供がまだいるなら子供を優先するようにしてね。あとの優先順位は好きに決めるといいよ」
「はっ! 通達いたします!」
ポリュノクスの命令を受けたゼファーの少し後ろにいた一人の海兵が全海兵へと通達しに静かにポリュノクスのそばを離れて行った。
「ん? あれは?」
命令を終えたポリュノクスが港の下を見ていると他の国民より明らかに身なりの良い人物が見えた。国民の服はかなりボロボロなのにその人物の服はそこそこ上質で宝石とかも付いている。そして、その人物の周りには鎧を着こんだ兵士が立っていた。
「エルケイ国国王のエルケイ・エリスト様です」
疑問に思ったポリュノクスが傍のゼファーに聞いてみると、どうやらアレはこの国の国王らしい。エルケイ・エリストか。
ポリュノクスが軍艦から降り立つと、その国王の集団が近づいて来た。
「ようこそお越しくださいました! 私の名前はエルケイ・エリスト。この国の王を務めさせていただいております! そしてこちらにおるのが私の娘であるエルケイ・エリザベートになります」
「初めまして!エリザベートと言いますわ、これからよろしくお願いするわね」
国王が近づいて来てすごく大きな声で自己紹介と聞いてもいないことを喋り出した。そして、上から見た時は兵士に隠れていたのだろう女の子が前に出てきて娘だと紹介された。
その娘の言動は…まあバカだな。たかが一国の国王の娘がなんだって? よろしくお願いするわね? 舐めてるのだろうかこいつは。
う~ん。処刑にするのは簡単なんだけど、もしこいつらに国民からの支持があった場合が面倒なんだよな。
…一旦スルーしておくか。
「ああ、よろしく頼むよ。さて、君たちも海兵と共に国民への炊き出しに参加するといい」
「えっ?」
「なんだい? 文句でもあるのか?」
「い、いえ! やらせていただきます!」
とりあえず炊き出しに参加させようと思ったら国王が困惑の声を出したので文句でもあるのかと聞いてみたら国王の方が慌てた様子で参加すると言ってきた。うん、めっちゃ怪しい、絶対サボるぞこれ。
ただ、国王はまだ天竜人が何なのかを理解しているようだな。恐らく民への炊き出しなんてやりたくないだろうが一応返事だけはいい。
だが…こいつの娘とやらはダメだな。
「えぇ~? そんなことより私とお話しませんかぁ~?」
俺の命令を聞かずに何を言ってるんだこいつは。俺がやれと言ったのだからやればいいのに。俺に諫言をしていいのは俺の臣下だけだぞ。
「いらないよ。君も参加するといい、この国の王女なのだろう?」
「っ…そんなこと言わずに一緒にお茶しましょう?」
「エリザベート! お前も一緒に行くぞ!」
「えっ、お父様!?」
しつこいなこいつ。そんな俺の面倒くさそうな態度が出ていたのか父親のエリストが娘を止めて無理やり連れて行った。
だが、娘の方は父親へと文句を言っているようだ。見聞色で把握する感じはめちゃくちゃ文句言ってるし本性が丸見えになっている。
ありゃダメだな、別の王を用意した方がよさそうだ。あれの能力値は全部30くらいしかないだろ、野心だけが90超えだ。
王の方はまだマシだけど炊き出しに参加しなければその時に考えればいいか。
「ゼファー」
「はっ!」
「あいつらを見張ってほしい。問題を起こしたら報告してくれ」
「お任せください」
とりあえずゼファーへとあいつらを見張るように言っておこう。絶対何かやらかすぞあいつら。
「さて、炊き出しをするとしようか」
「…ポリュノクス聖もなさるので?」
「当然だろう? 一度やってみたかったんだ、炊き出し」
「…さようですか」
俺も炊き出しに参加すると言ったらゼファーが何とも言えない表情になっていた。いや、一度はやってみたかったんだよ、炊き出しってやつ。何事も経験だろ? もちろんクリップ君も参加させている。まあ、クリップ君は料理役というよりは配ったりする役割だけどね。
クリップ君の性格はかなり優しめだから飢えている国民への炊き出しっていう慈善行為は嬉しいだろう。
さて、とりあえず最初はなにをすればいいのだろうか? 近くの海兵に聞くとするか。
早速と言わんばかりに炊き出しの準備をしている海兵の元へと向かったポリュノクスが近くにいた海兵になにをすればいいのかを聞くと、その海兵はめちゃくちゃ慌てふためいていて、それが面白かったポリュノクスはつい笑ってしまうのであった。
♢
ポリュノクスが炊き出しに参加すると言う天竜人としてあり得ない行動をしているころ。エルケイ王国国王とその娘は言い合いをしていた。
「ちょっとお父様! どうして邪魔したのよ!」
娘のエリザベートが邪魔をしてきた父親を責める。
「エリザベート、天竜人が何なのか教えただろう? 命令に逆らったら処刑されても文句は言えないのだよ」
「でもお父様? あれはただのガキでしたわ。それなら私が手玉にとってあいつを操って今以上に自由に過ごすこともできますのよ」
父親の方は天竜人が何かを理解しているが娘の方は全く理解できていないようでポリュノクスを手玉に取れると自信をもって父親に言い返すが、父親の方はしっかりと天竜人がどういう存在なのかを理解しているためそんな娘の勘違いを正そうと必死である。
「天竜人を舐めちゃダメだぞエリザベート」
「ふんっ。あんなガキの何を恐れているのかしら? まあお父様はそうやってビビっていればいいわ。私が天竜人になれてもお父様はこのクソみたいな国の王を続ければいいわよ」
「エリザベート!」
父親がなんとか娘の勘違いを正そうとするが娘はどこ吹く風。父親をビビっていると決めつけて言いたい放題言った後にその場を後にしてしまった。
そんな娘を見ながら父親たるエリストはどうすればいいかを考える。今回、世界政府がもってきた天竜人の物になる代わりに加盟国にするという条件。
最初は意味が分からなかったが加盟国になりさえすれば海軍が守ってくれる上に、天竜人のものということは生活の質も上がると考えて受け入れた。
そうしてやってきた天竜人が明らかに幼い子供だったことに残念な気持ちと同時に上手くあの子供の天竜人を操れば今以上に豪華な生活ができると考えたが、少しの会話でそんな考えはすぐに放棄した。
あの子供には間違いなく国をどうするのかの未来が見えているように感じた。ただの子供のわがままではないと。
それに、あの天竜人の言葉には凄まじい魔力があった。どうしても従ってしまいたいと思ってしまうほどのカリスマが。あの天竜人に逆らうのは得策ではないだろう。
そう考えたエリストはとりあえず天竜人に命令された炊き出しへの参加をすることにする。正直な気持ちで言えばなぜ国民などというもののために働かなければいけないのかと思いもするが、天竜人の命令なので致し方ないだろう。
もし、逆らってしまえば死よりも恐ろしい天竜人の奴隷になることだってありえるのだから。
そう思いながらエリストは海兵が集まる場所へと歩いて行って近くにいる海兵に何を手伝えばいいのかを聞くことから始めるのだった。
エロまで長すぎるえ。エロはまだまだ先だえ