国を得てから二年が経った。8歳のポリュノクス君である。
俺が民に炊き出しをしてからまず初めに手を付けたのはこの国の情報を纏めることだ。
さて、国の情報を纏めるのはかなり大変だ。なにせ、この国の王族は贅沢三昧してただけで産業とかは全く手をつけていなかった上に国民の人数とかも全く把握していなかったからだ。
そんな中で役に立つのが新たなスキルだ。それがこれ。
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《国家運営シミュレーション》
このスキルの所有者が所持する国家の正確な情報を表示する。
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素晴らしいスキルである。これは簡単に言えば信〇の野望みたいなものだ。ちょっと違うけど大体そんな感じ。
国民の数、国力、産業、採取可能な資源、財源などが詳しく表示されるのでかなり便利である。
この力を使ってエルケイ王国を見てみたところ、なんと金鉱脈があるのを発見した。まさかのゴールドラッシュである。
どうやら、金鉱脈のある場所が山の奥深くである上に鉱山業なんてできるほどの国力が無かったので気が付かなかったらしい。このことを告げた時はもう大騒ぎだった。見つけたのは俺なんだけど、国民が祭りかよってくらい沸いていた。
後にこの日は金の日ということで本当に祭りが開催されることになった。
金鉱脈を見つけてから国の力はどんどん上昇していった。
金の力はすさまじい。これのおかげで思ったより早く天上金を支払うことができたし、金の他にもいろんな鉱石を見つけることができたおかげで産業も発展していった。
勿論それに伴って海賊の被害も増えたが、そこは天竜人の権力。エルケイ王国が天竜人の所有物であることを知ったら普通の海賊は襲ったりしない。襲えば海軍大将を呼ばれて地の果てまで追いかけられるかもしれないからね。
その代わり、普通に金を採取する海賊も現れた。これは盗掘だったりしっかり雇われてだったりと様々だけど、とりあえず人口は増えたし、罪人が増えるという事は無料の労働力が増えるということなのでむしろありがたかった。
ああ、そういえば国王に関してなのだが。なんと、二年前に出会ったエリスト国王は続投中である。
何かやらかしたらすぐにあの世に行かせようと思ったんだけど、思ったよりマトモだったみたいで、俺の命令には忠実に従ってくれた上に最終的には俺に忠誠を捧げると宣言してくれた。
ちなみに娘の方だが…残念ながらもうこの国にはいない。今頃他の天竜人の奴隷として苦しい思いをしている事だろう。
これは何故かというと、俺の国に父上が来たのが始まりだ。なんか俺のゲームの結果を見たくなったらしい。
そうしてやってきた父上が横に居る時に俺へ慣れ慣れしい態度を取ったせいで俺の父上が激おこしちゃったのだ。
止めることもできたんだけど、正直うざかったし有能でもないからそのまま無視していたら父上の奴隷としてマリージョアに連れていかれていた。
しばらく父上にぼこぼこにされていたけど、その後に他の天竜人に譲ったと聞いたのでそこからは知らない。まあ、きっと無事ではないだろう。
と、そんな感じで俺のモノになった国はしっかりと発展していったという話だ。正直、鉱脈があったのが大きすぎたね。あれがないとどうすればいいのか分からなかったから本当に運が良かった。
そんな俺の国であるエルケイ王国には、なんと俺の銅像が建てられている。これは、俺が建てようとしたわけじゃなくて国民と国王が勝手に作っていたのだ。エリストに問いただしたところ、俺のおかげで国が発展したので感謝の気持ちを込めて作りました! とのことだった。恥ずかしいから正直止めて欲しかったんだけど善意でやったのが分かったので何も言えなかった。
そんな俺の国に数か月ぶりにやってきた俺はエリストに歓待を受けていた。
「久しぶりだねエリスト。何か異常はあったか?」
「異常はありませぬ。強いて言えば景気が良すぎるのが異常ですな」
エリストが変わりすぎだって? 俺もそう思う。昔のエリストはもう少し悪い顔をしていたんだけど、今は少しだけ悪い顔になっている。
俺に忠誠を捧げてるだけでこいつ自身は悪い奴であることに変わりないからな。実際、今も豪遊しているって聞いてるし。
ただ、俺のために色々動いたり国を発展させたりしているのでその辺は目をつぶっている。国を天竜人と共に発展させた偉大な王だと国民には評判で、天から降りた神によって改心させられたとか言われているらしい。
国民のみなさん。こいつは全く改心してませんよ。
「そういえば武器はどんな感じだ?」
「いい感じですぞ。海賊の皆さまもこっそりと我々の作る武具をお求めになることが多いですな。他にも前回ポリュノクス様が連れてきてくださった奴隷を中心に造船業も始めましてそちらも人気ですな。残念ながら、わが国で取れる木材はそこまでいいものではないようで輸入に頼っておりますが、利益はでております」
有能すぎる。正直、ここまで有能になるとは思わなかったな。俺が離れてる間に造船も始めるとは、素晴らしい。
また今度、奴隷の技術職がいたらこの島に連れて来るか。技術職じゃなくても腕っぷしが強ければこの島の警備員として働かせればいいし、一般人ならば色んな職業に就かせればいい。
正直、急激に発展したせいでどの職業も人員不足だから人口の増加は急務だ。
「順調そうならよかったよ。ご苦労だったねエリスト」
「勿体なきお言葉」
…中身変わったりして無いよね? シャンブルズとかされてない? 大丈夫かこれ?
「ああ、そうでした」
ポリュノクスがこいつは本当にあの時のエリストかと疑っているとエリストが思い出したかのように話し始めた。
「我々の中枢に入り込もうとしていた政府の者ですが、無事に二重スパイとして使えてますぞ」
「それは良い報告だね」
実は俺の国には政府の諜報員が入り込んでいるのだ。何故入り込んでいるのかは色々考えられるが俺としては不都合だったので《思考操作》の力と《カリスマ》《魔性の貌》等のスキルを駆使して俺の配下にすることにしたのだ。
一応忠誠心的には完全に俺に向いているので大丈夫だろうとは思っていたが、しっかりと二重スパイとしての役目を果たしているらしい。
まあ、今の俺らに隠すことなんてほとんどないから今は真面目に報告してくれてるんだけどね。
「さて、俺は何日か滞在してこの国の様子を見回ってこよう」
「お供いたしますぞ」
そういえばこの二年の間にクリップ君が海軍に入ったので今の俺に付いているのは海軍に入っているバハルズ君だ。
バハルズ君は軍の任務として俺の護衛としてやってきた…というか、俺が指定した。
今のバハルズ君はかなり強いらしくて、もう少しで中将に上げてもいいんじゃないかという話も出ているらしい。中将になる前に俺の元へ帰ってきてもらうけどね。
さて、国を回りながら可愛い娘がいないか探すとしようかな。まだ精通してないけど。