※この作品はR-18です。

こちらがいろいろ考えたけど他のSSには用いなさそうなネタを用いた大人向けお話集   作:oosima

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今回、ランスシリーズのエターナルヒーローの中では比較的マシだったあのうっかり侍さんが、五人の中でトップを争うルートに入ります。


聖刀ではなくセイ女になってしまった女侍ルート
001 叶った願いが思い描いた形と違うのはよくある


 ○GL(ジル)533年 大陸地下深部 天界○

 

 宇宙空間の何処かに小島の如く浮かぶ大陸があった。

 その大陸の地表は、大陸を生み出した創造神の暇潰しのために、その手足となって働く他の神々によって、魔王と呼ばれる強大な存在を頂点として人類を統べるという生態系を中心に動いていた。

 創造神が大陸に求めるのは悲しみと恐怖を多く生み出す騒乱をもって自分を楽しませることであったので、神々はそうなるように働き、支配されるために創造された人類は弱くて脆い存在にされていた。

 特に今は、歴代最悪と称される第五代魔王の時代で、人類の大半は生まれた時から魔物のなぶりものにされるのが宿命の奴隷にされ、一部の逃れた人類も魔物の目を盗んで息を殺して密かに暮らすという有様であった。

 

(…今回の事態、実に興味深い…)

 

 そうなるようにした神々が裏から操る世界において、創造神に最も近い三柱の神の内の一体が、その人類に対して強い興味を抱いていた。

 神は光に包まれたハサミを持たない金色の巨大なカニというべき姿をしていたが、その眼前に魔物に蹂躙されて悲しみと苦しみをもって創造神を楽しませる存在として創造された人類が五(・)人(・)現れたのだ。

 彼らは人類にとって生き地獄となったこの世界で、その中でも人々を救うためにその類まれなる実力で各地を冒険し、その元凶となる魔王を倒すべくその手段を求め、そしてあろうことか生きた人の身でここまで到達した強者であったのだ。

 

「…そして人類の強者達よ、私はこの世界を創造したお方の直接の傍仕えの一人、一人に付き一つまでだがその願いをかなえよう…」

 

 故にその神は、別時間軸と違って全(・)員(・)でここまで到達してみせた彼らを喜ばせるその言葉を掛けた。

 

「…それなら、僕は…魔王と魔人を倒して苦しむ人々を解放出来る力を…!」

 

 五人のリーダーである赤いショートヘアーの青年戦士はまっすぐな瞳で神に頼んだ。

 

「儂も同じだ。あのむかつく魔王や魔人を殺せる力を!」

 

 続けて隻眼の荒くれ者だが腕が立つ盗賊の男はリーダーと同じ願いを叫ぶ。

 

「お二人と同じです。人々を脅かす魔王や魔人を倒せる力を!」

 

 続けて、大陸の東南部に位置する島国に出自を持つ東洋的な美貌を持つ女侍も同じ願いを懇願した。

 

「…私は彼ら、特にリーダーの力によりなりたいですから、この世の全ての知識を求めます」

 

 伝説級の魔法を使いこなす知的な美貌の青年はその雰囲気に相応しい願いを口にした。

 ここまで彼らは、最初の志の通りに人々を苦しめる魔王や魔人を打倒するための願いを欲した。

 

「…わ、私は………究極の美貌を!!」

「「「「!!??」」」」

 

 故に、最後の一人であるオレンジ色の三つ編みをして眼鏡をかけた小さな女神官がためらいがちながらも叫んだその願いに、四人は驚いた。

 

「…わかった。その願い…この三超神の一柱プランナーが叶えよう」

 

 だが、それが疑問となって彼女に浴びせられる前に、その神であるプランナーから発せられた光は彼らを包み込んだ。

 

(…さてと、願いをかなえるとするか…)

 

 そして、光が収まって自分以外の姿が消えたその世界でプランナーは考えながら、彼らの願いはどのような形にすればいいかと考えた。

 

(…魔法使いと神官だが、これは言われた通りのままの形で良いな。そして魔王や魔人を倒せる力を願った者達だが、男はこの時代だからその願いをかなえるのに武器は欠かせないから、魔王や魔人を護る無敵結界を破壊して傷を付けられる力を持った武器にすればよいな。そして、二人と同じ願いを求めた侍の方だがー…)

 

 だが、別の時間軸では盗賊と同じく、望んだ力を得たが自分自身では振るえない武器の姿にされた女侍に進んだ所で、プランナーは思考を深める。

 

(…先の二人は男だから武器にしたが、侍の方は女だからその特性を生かしたものにした方が良いな。それと侍は忠義を重んじる性格であるから、主人を裏切るという不名誉な事態にならないように、主人とは絶対的な関係にしよう。それと彼らの願いは人間の寿命の内ではかなえないものだから、不老不死にもしておくか…)

 

 神と呼ばれる超越的な存在である故に人類の感性がわからないプランナーは、自分が良いと考えたその形で彼らの願いをかなえることにする。

 こうして人類最強のパーティーと呼ばれた五人は、人間としてはこの日より姿を消した。

 後世の人々は彼らを“エターナルヒーロー”と呼ぶようになる。

 

 

 

 

 

 ○GL(ジル)543年 大陸 某所○

 

「…くっそ! 魔(・)剣(・)といい《big》聖剣といい…あいつらといい! 最近の人間どもは調子に乗って来てやがる!」《/big》

 

 プランナーが五人の人間の願いをかなえてから十年後、魔王の直属の傘下である魔人が悪態を付いていた。

 魔人とは魔王から直接にその血の一部を与えられ、寿命の無い体と魔王ほどでは無いにせよ強大な力を与えられ、魔王に絶対服従な以外は自由にふるまうことを許された存在である。

 この世界では魔王の次に恐れられている存在であり、主と同じくその身を護る“無敵結界”に守られたことで、人類にはこ(・)れ(・)ま(・)で(・)は傷つけられない存在であった。

 

「…そうですな。最近に現れたガイという男が扱う“魔剣”や、勇者を名乗る奴が扱う“聖剣”は我らの無敵結界を破壊し、更に治りにくい傷まで与えてきますからー…」

「ああ、質においてはあいつらが最も脅威だー」

「あ奴らと違い…量(・)の方については…“聖女騎士団”が最も厄介ですな…」

 

 だが、その魔人の一人と部下の魔物たちが忌々しそうに喋っている通り、その常識は揺らぎつつあった。

 

「…聖女騎士団は、先の二人に比べて個々の実力では劣ってバラツキもあるが…数が多いあ奴らの攻撃は無敵結界を無視して当たってきやがる…」

「そうですな。魔剣や聖剣と違って再生力を阻害する力はそこまでは強くありませんし、他のものにも攻撃できるように無敵結界を破壊してくるわけではありませんがー…」

「あれだけの数が無敵結界を無視して攻撃を当ててくるのは厄介ですなー…」

「今回の戦いで聖女騎士団は半数を討ちましたが、この前にそうしても奴らはもっと多くの数をそろえてきましたからー…」

 

 こうしてこの時代の魔物たちの間では魔剣と聖剣に聖女騎士団が脅威として認識されつつあった。

 

「…くそ! 今回の戦いでも半数近く討たれたか…!」

「せっかくあの無敵結界を無視できる手段が手に入ったのに…戦闘力の差が大きいな…」

「今日の夕刻にまた各地の村から話を聞かせて応募してくれた志願者達が着きますが…」

 

 一方その頃、魔物たちに脅威の一つとして認識されているその聖女騎士団は、魔人らの戦闘力に頭を悩ませていた。

 この時代の魔物の支配から逃れている人間たちの集落は、自衛のために鍛えているところも幾つかあり、彼らはそうした集落より志願で集められた戦力で構成されたレジスタンス組織であった。

 

「…これはまた聖(・)女(・)様(・)に身(・)を(・)張(・)っ(・)て(・)集めてもらうほかあるまい…」

「ええ、そうですね…」

 

 その彼らは今まで真面目な表情で話し合っていたが、その人物に触れると程度の差はあれど口元に歪んだ笑みが団員たちの多くに生じた。

 

「……っ!」

 

 そうして彼らの視線はある白い和風のフードを被らされている人物に向けられるが、身は一瞬だが大きく震えてしまう。

 

「…さあ、行きましょう聖女様」

「人々を救うため同胞にその聖(・)な(・)る(・)力(・)をお授けください」

「…は…い…」

 

 フードの人物はその身を彼らに掴まれて立たされると、まるで大きな力に無理やり動かされているようなぎこちない動きで、彼らと共に歩き始める。

 

「…お、おい…あの話は本当か?」

「せ、聖女様のお話はよく聞いたが…“例の儀式”があんなだというのは…昨日に初めて聞いたしなぁ…」

 

 数分後、新入りを含めた聖女騎士団所属の戦士達は不審と期待が混じる表情で、本拠地の開かれた広場に集められていた。

 

「魔王や魔人から人々を救うために集った同志たちよ! これより皆で魔王や魔人と戦える力を手に入れるための儀式を行う!」

「「「「「!!??」」」」」

 

 その彼らの中心にある櫓にレジスタンスの幹部たちが上り、その傍には先ほどのフードの人物の姿もあった。

 

「…さあ! 聖女様どうぞ!」

「…っ…そ、それは…」

「これも人々を魔王や魔人を救うためです!」

「…た、確かにそれはそうですが…」

「人々が奴隷のままなぶり殺しにされ続けても良いのですか!?」

「…っ…わかり…ました…」

 

 フードの人物は幹部たちの強い口調のそれに、嫌悪を隠せない声音だがその身は強い力で操られる糸に引かれる人形のように、フードを脱ぎ下ろす。

 

「…おお、これは!」

「そ、想像以上だ…!」

 

 フードが脱ぎ下ろされてその姿が晒されると、戦士達は目を大きく見開かせて唾をごくりと飲んだ。

 その人物は、大陸東方に位置する島国JAPANに住まう日本人特有の艶のある白い素肌に身を包まれており、その胸部を中心に豊満な曲線美を描きつつも、武芸に深く通じているのがわかる引き締まりとも調和した長躯をしている。

 髪は縮れ毛一本ない美麗な黒のストレートロングヘアーで毛先に近づくにつれて桜色になって、怜悧と艶のどちらも帯びている。

 紫色の瞳を中心とした切れ長の両眼を中心に面貌は怜悧という言葉が似合う美女を完成させていた。

 

「……………」

 

 その今この世界ではほとんどの人が見ることもままならない美女が、生まれたままの姿で櫓の上に立ち、無理やりであるかのようだが足を開いてその美しい桃色の淫裂を晒していることに比べれば、彼女が暗く澱んだ瞳で失望と苦悩で出来た雰囲気を発しているなど、この場の人々にとっては些事であった。

 

「それではこれより“聖女の儀式”を執り行う! 皆のもの! この激しき戦で生じ滾っている闘志を精力として聖女様に注ぎ込むべし! それで生まれる無敵結界を無視して魔王や魔人を討てる力を得るのだ!!」

「「「「「ウオオオオオオオオ!!!!!」」」」」

 

 幹部が叫んだその内容を戦士たちはすぐに理解し、すぐさまに咆哮と股間で血を集めている男根を振り上げた。

 

(……ブリティシュ、カオス、ホ・ラガ、カフェ…今の私を…この娼婦以下になった日光を見たら…どう思うのかしら?)

 

 その人々に、周囲から聖女と呼ばれるその美女日光は、侍として守り救うと誓った存在であるはずの人々の大義名分に隠された歪みと欲望をまた浴びせられ、苦悩と絶望を深めていく。

 日光の正体は、嘗て人々を大陸各所で救いながら魔王や魔人を倒す手段を求めて、大冒険の果てに神との謁見に至った五人の冒険者、エターナルヒーローの一人である女侍であった。

 そして今では、神に“魔王や魔人を倒せる力”を願った結果、契約を結んだ人に無敵結界を無視して魔王や魔人を直接攻撃できる力を与えられる“聖女”となった。

 だが、その力の実態は日光にとって侍や人間、女性としての意思や尊厳に配慮しない、絶対であったはずの誓いと覚悟を嘲笑して揺らしてくるものであった。




ランスシリーズ原作を良く知るファンの皆さんなら作中の描写からして予想できると思いますが、この時間軸の日光さんは原作のレディさんと同レベルの不幸ルートです。
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