佐城雪美さん、担当プロデューサーにぐいぐい迫る 作:ふりーじ屋/家庭内禁書
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「ねぇ、私……こういうのも好き……ううん、大好き……プロデューサーは……?」
「……好きだよ、雪美」
「本当……? 私ばっかり、好きなように動いちゃってるし……あぁ」
某芸能プロダクションの〝休憩室〟は、アイドルやプロデューサーが「親睦」を深めるための打ち合わせによく使われている、とのウワサがある。
休憩室にはダブルベッドがある。いつもシーツが清潔でパリっとしている。そのダブルベッドから引き戸2つ向こうに据えられている某社製のユニットバスは、家族風呂にも使えるほど面積が広かったり、浴室床が滑りにくくヒヤリとしない感触だったりで、レッスンルーム併設のシャワー室より評判がいい。
佐城雪美の担当プロデューサーは、そのベッドで雪美に馬乗りにされながら、言葉の続きを待っている。
馬乗りといっても子供の遊びではなく、2人とも裸で彼があお向けに寝て、雪美がその腰をまたいで対面騎乗位で挿入してしまっている。露見すればスキャンダルになるばかりか淫行条例や児童福祉法違反で警察に引っ立てられる。
「……〝あぁ〟って……いつになくタメるんだな、雪美」
「ちょっと……緊張してる……ふふ、こういうの、初めて会ったときみたい……?」
雪美の言葉と表情につられて、初対面のころを思い出させられる。オーディション会場に現れた寡黙な美少女に名前を聞いてもなかなか答えが聞き取れなかった。本当にアイドルとして仕事ができるのかと思いつつ顔でつい採用してしまった。
人形のようにあどけなくも整った輪郭と肌と頭髪と、そこと対照的に色気を匂わせる目の対比は、そのころから彼を魅了している。切れ長の上まぶたが、江戸や明治の美人画から出てきたように艶やかにこちらを眺めている。
「……初めて会ったときよりきれいになってるよ、雪美は」
「ふふ……プロデューサーのおかげ、だと思う」
雪美の体も幼気と色気が隣り合わせの、可憐にして奇妙な姿を見せている。
首と手足がとても細い。首はともかく手足の細さにしばしばハラハラさせられる。例えば、彼は以前に雪美がレッスン半分遊び半分で年上アイドルの曲の振り付けをマネしているようすを見た。若林智香や姫川友紀などアクティブなアイドルの振り付けを雪美がなぞっていると勢い余って折れてしまうのでは、と思い出すだけで不安を催す。そうして心配混じりの視線で見守っていると、雪美がそれを楽しむようにマネをエスカレートさせた。へとへとになってトレーナーにやんわり注意されて落ちこんで、そんな彼女を慰めてやった。その時ばかりは例の眼差しも年齢相応に見えた。
そうした手足に比べると、乳房はほんの少し女性らしくふくらんで見える。手足や首や肩幅の細さ相応に肉付きが薄いものの、雪美の呼吸に合わせてかすかに浮き沈みするところなどひどく柔らかそうで、彼はいまにも手を伸ばしたくなる。乳首もつぼみのように控えめに赤らんでいる。
「んっ……これから、もっとおとなになっても……プロデューサーの好みの女になりたい……」
「俺がおじさんになっちゃってて雪美にフラレないようにしなきゃ」
乳房の発達は、乳腺が先か乳房の脂肪が先か、個人差があると聞いている。雪美は後者寄りらしい。胸のしこりが同僚アイドルに言われたほど気にならない、と雪美から教えてもらって彼は曖昧に頷くだけだった。
雪美以外の触り心地などとうに忘れてしまった。
手を伸ばす。触らせてはならないそこを彼の手でまさぐられながら、雪美がにっこり笑って受け入れてくれる。触る前はふわふわに見えたが触ってみるとぷにぷにと見た目より弾力が強い。
「……私も、プロデューサーを私好みのおじさんにしちゃうから」
「ははは、俺もプロデュースされる側か、楽しそうだ」
まだ尻の脂肪が薄く、骨盤の広がりも目立たず、起伏が控えめである。へそ周りがほんのりふっくらしていて、いわゆるイカ腹の名残が見える。
そのすぐそばで膣口がぱっくり開いて成人男性の勃起ペニスを中に収めている。クリトリスは甘皮が剥けて指先ほどにふくらみ、成人女性でも珍しいほどふんだんに愛液を垂らし、腰を動かしてくれるたびににちにちといやらしく響く。
セックスもすっかりクライマックスに近づいている。
「プロデューサーに聞きたいことがあるんだけど……いい……?」
「……おう、どうぞ」
「何か悩んでること、あるでしょ……」
セックス中らしからぬ話題を雪美から切り出される。最初の雪美はセックスに夢中だったか必死だったかで込み入った話をする余裕がなかったのに、と勝手に感慨に浸る。
「そんなに顔とか態度に出てたかね、俺の」
「知られたくないなら、触れないでって言っておいてもいいけど……もう、うっすら、わかってるからね、みんな」
彼自身としては無難にしているつもりだった。担当アイドルの雪美と(事務所内ではともあれ)世間的に許されないほど関係を深めてしまったので、それがスネの傷のように後ろめたく、以前より言行を慎重にするよう心がけていた。雪美と密かな快楽に耽る代償としてはあまりにささやかだった。
「ちょっと大人しくしてただけのつもりだったんだが……ところで、みんなとは誰のこと?」
「智絵里、芳乃、こずえ……と、私」
「Sonoritia全員かぁ」
Sonoritiaは彼がプロデュースするアイドルユニットで、優しく語りかけるような歌やパフォーマンスが持ち味の4人組である。そんなファンに向けるのにも似た声音で、雪美が核心に近づいてくる。
「話を聞くだけなら、私にもできると思う……」
「……終わってから、な」
「順序が逆……いま、聞きたいの……だって、えっちの最中のプロデューサーが、いちばん素直……」
言う通り、騎乗位でにちにちとペニスに奉仕されながら、例の雪美の目でじっとり見下されていると、その場を取り繕おうとして思いつく言葉がすべて馬鹿馬鹿しく思われた。
※
「……それで、聞いてきた」
「ここで私が聞いてもいいんでしょうか?」
「黙っててあげる……とは、プロデューサーに言っていない」
情事でそれをプロデューサーから聞き出した雪美は、そのあとでSonoritiaの同僚と橘ありすを事務所の一室に集めていた。
「けっきょく、わたくしたちや、くだんの女性とは関係があったのでしょうかー?」
もともと、ありすと智絵里が、千川ちひろやありす担当プロデューサー経由で、Sonoritia担当プロデューサーが何かに思い悩んでいるようす、と聞き出した――探らせるために彼らからリークされた、とも言う――のが発端だった。
彼が同窓会で幼なじみの女性と再会して以来ようすがおかしい、との話だった。
「まったく、雪美というものがありながら焼けぼっくいか、と思っちゃいました」
「……ありすが心配するような方向じゃあなさそう」
「それ、信じるんですか」
「……確かめるにしても、疑っていますよ、と取られにくいようにしたかった」
「それで、芳乃ちゃんが言った通り、聞くだけならできる……って持ちかけて」
「お悩み相談の定石でしてー」
Sonoritiaとありすは先立って作戦会議を開き、雪美が代表して探りを入れることに決めた。担当プロデューサーである彼ともっとも深い仲にあり、2人きりでいちばん深い話がしやすい立場と思われた。彼が雪美に言えないこと、となると真っ向から聞き出すのを諦めなければならない、という認識でもあった。
それをさっき雪美が聞き出していま報告しようとしている、と集められた時点で全員わかっていた。
「例の女の人と関係はある……けれど、ありすが想像したような話とは、違ってた」
「なんですか、人のこと色恋のことで頭がいっぱいでしょ、みたいな目で……」
「……おかげで、初めてのときも頼りになったし」
「ねぇ芳乃ちゃん、最近の女子小学生ってこんなに進んでるのかな……?」
「さすがに、ありすさんや雪美さんが特別かと思いますー」
雪美を除くSonoritiaの3人は、雪美と担当プロデューサーとの関係について格別に思うところはない。恋愛対象として魅力を感じるかどうかと、仕事のパートナーとして信用できるかは別問題にできている。
いくらか緊張を緩めた面々は、少し雑談で回り道したあと、あらためてプロデューサーの悩みについて聞いた。
「例の女の人……プロデューサーが昔好きだった人が結婚してて……そこまでは知ってたんだけど、いつのまにか帰国してて、娘が生まれてたって知って、驚いたって」
「なるほど……プロデューサーさんも結婚とか子供とか意識してるのかな」
「その人と同窓会で会ったとき、プロデューサーがいま芸能事務所でアイドルのプロデューサーをしてる、って軽い気持ちで話して」
「近況報告ぐらいのつもりだったのでしょうかー」
「すると……その人が途端に目の色を変えて、子役として自分の娘を売りこみたいってしつこく持ちかけてきて……」
「うわぁ」
「〝あいつ、あのままだとタチの悪いステージママになる……まさかそんな……昔は俺のことをガサツで乱暴でってよく説教してたのに、まるで別人だよ……〟って、落ちこんでた……」
漏らされた〝うわぁ〟のうち、もっとも目立ったのは智絵里の嘆息だった。
「ええと、その……私たちが、Sonoritiaががんばってる副作用みたいなものだよねっ」
「智絵里さんも、有名になった途端に知らないお友達が増えたりしましてー?」
Sonoritiaはこのアイドル戦国時代にあって、独特の存在感で一定の知名度・評価を得ている。外見の幼さに不釣り合いなほどの色気を見せる雪美、同じく不釣り合いなほど演技が巧みなこずえ、同じく不釣り合いなほどお年寄り相手のトークが得意な芳乃と、その3人をどうにかまとめるリーダー・智絵里――ある時ありすは『ちえりーだーと幼女に転生してしまった3人組』という口さがないネット上の書き込みを見かけて笑ってしまったらしい――は、ほかのアイドルに代えがたいポジションを固めつつある。
「なるほどー、こずえたちには、いいにくいかもねー」
「どうしてですか?」
「こずえたちがアイドルになったの、“えんこ”って、いわれてるー」
「広い意味では、縁と言えますねー」
こずえのつぶやきが核心をついている、と一同には思われた。
Sonoritiaのメンバーは担当プロデューサーの縁故採用、という認識が事務所内では広まっていた。有名になる前には居心地のよくない思いをした経験もあった。
「こずえちゃんと芳乃ちゃんはスカウトでしたっけ……いいなぁ、憧れちゃう」
「なにを、しろうとみたいなことをー」
「智絵里さんも、オーディション飛ばして書類審査だけで採用、という話を聞いてますが」
こずえのスカウトは、事務所のある建物の中庭でプロデューサーが休んでいるときに添い寝してきたのがきっかけだったという。おおよそきっかけと言いがたいきっかけなので以前から知り合いだった、と周囲はみなしている。
芳乃の場合は、神社でのロケ中に彼が彼女からお祓いをしてもらったのがきっかけだったという。こちらも以前から知り合いだった、と周囲はみなしている。
対してリーダーの智絵里は、オーディション審査で事務所に来たときプレッシャーでくじけて受けずに帰ろうとしたところを彼に〝拾われた〟という。最初から合格させるつもりだった、と周囲はみなしている。
雪美はオーディションで事務所に来たが審査では自己紹介もままならなかったが、彼が周りの反対を押し切って採用された。こちらも最初からそのつもりだった、と周囲はみなしている。
いくら実力と同じぐらい縁故が物を言う芸能界といっても、こんなデビュー前の内幕は珍しかった。
「……ひらめいた。こずえ、付きあって」
「私たちはもうよろしいのでしてー?」
「……むしろ、知らんぷりしてくれないと危ないかも」
「えっ」
そばで聞いていたありすは、雪美の目の輝きを見てかえって危ういと思ったが――(智絵里さんや芳乃さんがいれば……)――黙っていることにした。
※
『私のプロデューサーは……仕事とか学校とかやりやすいよう気遣ってくれるし、話を聞いてくれるし、優しい』
『ひいきかー……?』
『こずえは……そう思わないの……』
『こずえがおはなししてると、プロデューサーはよくウトウトしてるー』
『……とにかく、プロデューサーが何か困ってたら、絶対なんとかしてあげたいって思う』
『どっちがこどもかわからないねー』
『でも、それはそれとして……もしあなたがこれからどんどん売れたいって子なら、私のプロデューサーはオススメしない』
『なんでー……?』
『守りに入っちゃってる……現状維持でも、私たちがじゅうぶん数字を持ってくるから』
『じまんかー?』
某芸能プロダクションの「休憩室」に、家庭用としては最大サイズに近い大型液晶モニターがある。
そこにいま、佐城雪美、遊佐こずえの2人の顔がかなりのアップで映されている。2人の現実の顔より数倍引き伸ばされたサイズで画面を占領していて、人形たちのような雰囲気がますます強調されている。
スマートフォンを手持ちして自撮りしながらメッセージを吹きこんでいるらしく、動画のフレームも音声もやや不安定である。仕事のビデオメッセージだったら撮り直ししてもらわなければ、とプロデューサーは思った。
「あ、ぅううっ!?」
「えろれろれろ、んちゅる、んぐっ……プロデューサー……こっちも、見て……」
視線と意識とをヒザのあいだに引き下げられる。モニター前のソファに腰掛けて、その両足のあいだをヒザ立ちした雪美に占領され、ペニスに口づけされたり指先で愛撫されたり、ビデオメッセージから気を逸らされる。
「すんっ、すんっ……ふふふ、プロデューサー、興奮してる……私、匂いでわかるようになっちゃった、ね」
彼自身が生臭いと感じるペニスからのオスの匂いを、雪美が楽しそうに堪能している。彼女の吐息が亀頭粘膜ではっきり感じられる。お人形のようだ、と外見や所作をほめられたり(ときに貶されたり)する雪美が、息を弾ませて興奮する一人の女だ、とあらためて思い知らされる。
手をのろのろと差し伸べ、雪美のぷっくりした頬をなでる。すべすべ、もちもちしていて庇護欲を催す。それを男の先走りでべっとり汚している。
雪美がなでられながらにっこりあどけなく笑う。それから彼の指先におとがいも押しつけてくる。猫にするように首筋あたりもさすれ、という催促らしい。落差でめまいに襲われる。
『もう一つオススメしない理由……私たちアイドルに、ちょっと甘すぎる』
『こどもがあいてでも……スマホをほうってどこかいくなんて、あまいぞー』
『私たちが勝手にいじるかも……とは考えないはず』
『……でも、ゆきみも、かげき、かも……』
モニターで流されているのは、雪美とこずえがプロデューサーのスマートフォンで勝手に撮影したビデオメッセージだった。
『見つかったら……始末書で済むかな』
『きゅうりょうカットかもー……プロデューサーにあやまっておくんだよー? こずえもいっしょにあやまってあげるー……』
『ありがとう……持つべきものは友達……』
これを2人が彼のスマートフォンを使ってくだんのプロデューサーの幼なじみに勝手に送りつけた。
『よーし、いいこ、いいこー……じゃないね、ゆきみ、わるいこー』
『……そう?』
『もしプロデューサーがべつのこをとって、かかりきりになったら、ほっておかれちゃうかもって……おもってるねー……』
幼なじみは彼がふざけていると思って怒ったのか、それともうっかりか、原因不明のままビデオメッセージがネットに流出してしまった。ともあれ、彼に自分の娘をしつこく売りこむことをぱったり止めた。
『……こずえみたいな後輩は、一人だけにしておいてほしい』
『ゆきみみたいなこも、まにあってるぞー……』
子供のアイドルが業界の内幕を故意に流出させた。しかもそんな軽挙妄動と無縁そうな雪美とこずえが、ということもあってか、メッセージは一時の話題をさらった。内容も、雪美がプロデューサーのことを自慢するような批判するような、構ってもらいたいとイタズラを仕掛けるような、それらに対してこずえがツッコミのように応じるさまが一部で爆笑、また一部で乾いた笑いを誘った。事務所内では芸の幅を広げるため、雪美、こずえのローテンション漫才を配信してみようか、などと言い出す声もあった。
つまり彼は落ちこんでいるどころでなくなった。
「雪美とこずえが暴露系お笑いコンビになっちゃったらどうしようかと、寿命が縮んだぞ」
「お話の練習には、いいかも……」
「ちなみに、あのネタ書いたのは誰なんだ」
「あれはネタじゃないもん……内緒、だよ」
「気になるじゃないか」
映像が唐突に終わって、モニターが操作画面を映したまま停止した。
Sonoritiaと彼だけは唐突な幕切れの理由を知っている。雪美、こずえが隠し撮りしている途中、智絵里と芳乃が――『智絵里さん、まだ……もう一声でしてー』『ま、まだ終わらないんですか……こうなったら……ちえりんチョップですっ、えいっ! えいえいっ!』――彼の注意を引きつけているのが限界に達して彼が隠し撮りに気づき、雪美が急に録画を止めたせいだった。
「ね……プロデューサー、どうしたら許してくれるの……プロデューサーのおちんちん、いつもより気持ちよくしたらいいの……?」
「怒ってはいないよ、雪美は俺のためにしてくれたんだろう?」
「じゃあ、怒って、私のこと……!」
「怒ってほしい?」
「私が……プロデューサーに同じこと勝手にされたら、なかなか許してあげられないもん……!」
「怒るって、どうやって」
彼は自分が雪美を叱責したことがない、と気づいた。これまでまったく不必要だった。
今回のことも、発端は自分のスマートフォンの管理が甘かったせいであるし、〝守りに入っちゃってる〟という指摘を認めざるを得なくて、あえて他の人に叱ってもらった。
そもそも、かつてありすと共謀してセックスと膣内射精を要求してきたことと比べれば遥かに穏当だった、とは口に出さなかった。
「そこは、ええと……プロデューサー、大人でしょう、なんとか……」
「丸投げかいっ」
「早く怒ってくれないと……私がプロデューサーを、骨抜きにしちゃうもん……っ」
さっき指先で堪能したすべすべ、もちもちの雪美の頬が、こんどは先走りと彼女の唾液とでずぶ濡れの竿にこすりつけられる。さらさら、つやつやのストレートヘアが先走りで汚れてしまいそうで心配になる。
雪美が気にせず頬ずりを続ける。もともと小さい雪美の顔が、前髪ぱっつんで額を覆ってさらに小さく見えて、対比で自分のペニスが法外な巨根に思えてしまう。こんなに長く太いもので雪美の膣内を引き裂くように挿入して射精したことがある。一度や二度ではない。
「しょうじき、俺はもう……うぉ、ふ、ぅ……っ……!」
「私がイケないことしても、怒れないんだ……初めてのときみたいに……ダメだよ、プロデューサー……?」
雪美が口先と表情でたしなめてくる。そのくせ、細い指と小さな手ではお気に入りのオモチャで遊ぶようペニスを扱う。愛おしげに、ちょっぴりぞんざいに、あれやこれや――裏筋をつつっとなぞり、亀頭を指圧してぷにぷにへこませたり、カリ首のくびれに合わせて指の輪を作って上下にしごいたり、陰嚢をたぷたぷくすぐってきたり――ペニスから彼の興奮のさらなる高まりを察したのか、頬を赤らめつつ笑う。少女でありながら淫婦の顔をしている。
「髪、抑えてて……かぴかぴのがくっついちゃったら、あとがたいへんだもんね……?」
「髪は女の命、って昔から言うんだがな」
「もう、いけずー……」
プロデューサーの手が髪を抑えたと確かめてから、雪美がぺろりと舌先で鈴口をなぞってくる。ペニス全体を貫くような快楽に彼は悶絶して手もヒザも震えてしまう。舌と鈴口と柔らかい粘膜どうしの接触で、物理的にはなでたぐらいの刺激のはずだが、どうしても感じてしまう。泣き出すように先走りがこんこんとあふれて雪美の舌とくちびるを汚す。
「ぴちゃ、れぢゅ、れぢゅ……ん、く、ん、んっう……♥ ねぇ、プロデューサー、ちゃんと抑えててよ……」
「ぁ、あぉっ……いつのまに、こんな……はぁ、おおおっ……!?」
どうも雪美が、彼の手で頭をなでてもらいながら同時に彼の手を封じてしまおう、という趣向だと察する。本当に髪を心配するなら自分で結んでいる――『水着で水遊びするなら……髪もおしゃれに……かわいくって……智絵里と芳乃に教えてもらったの、おだんご、ふわふわ……ふふ……』――彼にうれしそうに披露してくれたときを思い出す。
「……気持ちよくって、びくってしちゃう? まぁ……ちょっとなら、ぎゅって、してもいいよ……」
雪美がゆっくりとくちびるを開き、ペニスの先端からカリ首手前まで口腔内で包みこんでくる。温かくて湿って狭い感触に、背筋をぞくりとさせられる。
「ん、ふふっ……へぷ、んぅ、れぅ……おっきぃ、ね……でも、敏感……♥」
雪美の舌が動きはじめる。亀頭にかすかにざらつく舌の味蕾をこすりつけ、カリ首の溝を丁寧になぞり、彼の反応を堪能する。じゅぷっ、じゅぷっ、と音が漏れるにつれて、雪美の唾液とプロデューサーの先走りが混ざり合い、垂れる筋が数えられなくなり、ペニスを根本まで濡らす。
「んちゅ、れりゅっ、ぷふぁっ……ほ、ぉ……んぅ……♥ プロデューサーの、こんなに興奮してて……私まで、濡れちゃいそう……♥」
卑猥すぎる言葉に続いて、こんどは雪美の小さな手がペニスをきゅっと握って、上下にこする。ただ上下に愛撫しているだけのようで、竿には強く、亀頭などの敏感なところは控えめな力に加減する。ときにそのパターンを崩して彼を揺さぶる。
さらに小さなくちびるのあいだから不意に舌を伸ばして亀頭をなめ回す。連続攻撃を受けて身をよじらせてつい腰を逃がしてしまう。
「はぁ、あ、ぅ、あっ、あ……!」
「こらっ……動かないで、歯が当たっちゃうかも」
雪美が予想通りとばかりにするする追いかける。長いストレートヘアがさらりと揺れて、白く華奢な首筋と肩にほんのり汗が光っている。
雪美が手で幹をしごきつつ、くちびるや舌で亀頭とその下の段差を中心に愛撫してくる。先走りがあふれるとちゅうちゅう音を立てて吸い取り、唾液と一緒に飲み下す。
「ねぇ、プロデューサー、おちんちんは元気だね……なら、精液、出しちゃって? そうしたら、ごくんって、飲んであげる……♥」
「おお、っく、ぅっ……きもち……いいっ……! けど……」
「……けど?」
「ひょっとして、こうやって、うやむやにしようと……あ、うっ、あ、くぁ、あっ!」
弱々しく抗弁すると、雪美から熱っぽい瞳でとがめられる。ペニスへの愛撫がより容赦なく彼を追い詰める。手とくちびるがひらひら緩急をつけつつ休みなく彼を高める。鼻息荒く彼のペニスの匂いを嗅がれて、恥ずかしさと期待感がないまぜになって彼の脳を沸騰させる。
「ぢゅちゅ、んっ、ふ……私、悪い子かな? プロデューサーの友達だった人に、勝手にあんなことして、しかもおちんちんいじって、それを……ふふっ」
彼の理性も羞恥も抵抗も蕩かされていく。無垢で美しかった佐城雪美が、自分と出会ってアイドルになってしまったばかりに、そればかりか自分が(橘ありすに焚きつけられたとはいえ)一線を越えてしまったばかりに、こんな痴態を見せる女になってしまった。しかも大人になってもっと彼の好みになってくれる、と意気込んでいる。アイドルとして媚態を教えてきた立場を棚に上げて末恐ろしく思う。
もっと見たいとも思ってしまう。
「……雪美はいい子だよ」
「んむ……はうぅ、んぷっ……ちゅっ、ちゅう……本当、かな?」
彼はとうに雪美の虜になっている。雪美を止めるにしても口先だけでほかはされるがままになっている。
雪美は口淫のやり方をいろいろ試しているらしく、頬をすぼめたかと思えば、めいっぱいふくらませてハムスターが頬袋に詰めこんだような輪郭も見せる。うっかりノド奥までペニスを収めてしまってえずいてしまう。ごぽっ、と泡立つ唾液がくちびるの端から白く漏れて気の早い精液のように糸を引いて落ちる。
「ねぇ、プロデューサー、気持ちいい……よねっ、そのお返しがほしい、動かないでいてね」
「ん、ぅ、あっ……は、あっ……!」
雪美の頭が小刻みにゆさゆさ浮き沈みする。ときどきくちびるがカリ首に引っかかってちゅぽちゅぽっといやらしく鳴る。小さな口から大きなペニスが出入りしている。口腔の吸引、圧迫感が理性を奪っていく。同時に手がペニスの根本から睾丸をさわさわとなでて射精衝動に拍車をかける。
「へぷ、んぅ、れぅ……もう、そろそろ……? 私、ね……プロデューサーの、臭くてまず~い精液を飲んじゃうと……お腹の奥から、背筋も、頭のてっぺんまで、きゅん、きゅんって……♥」
「あ、うっ、あ、くぁ……あっ……!」
「初めてのときよりも、それが……どうしてだろうね、飲んじゃったら、プロデューサーの赤ちゃんのもと、死んじゃうだけなのに……」
後戻りできない寸前で根本を抑えられながら、雪美から言葉で責められる。ほっぺたを真っ赤の汗だくにしつつ、まるで泣いているように瞳をうるませつつ、目遣いとくちびるだけ気まずそうに表情を曇らせている。
「う、くっ……それは、雪美の気にする、ことじゃ……あうっ……!」
「でも、いいよね、プロデューサーが気持ちよさそうで、私もどきどきして……」
雪美の口腔と手がペースを上げる。こんどはしっかり固定されて逃れられない。ノド奥まで咥えこまれて亀頭が狭い穴に吸い寄せられて彼は腰砕けにさせられる。呼吸が苦しいだろうに雪美の舌が蛇のように絡みつき尿道口をごしごし追い込む。さらにきょういちばんの加減でくちびるを締めて頬をすぼめて、陰茎全体を搾り取るように締め上げてくる。
「はうぅっくぅっ……! で、出る、雪美っ、もう……!」
射精が口蓋にぶち当たって、雪美がぱちぱち目をしばたたかせながらくちびるに力をこめて受け止める。ペニスが脈打つたびにどくどくと精液を撒き散らして雪美の小さな口をいっぱいにする。あふれそうになったのか、雪美にしては慌ただしい仕草でくちびるに指を添えて抑える。
「雪美……精液、ぺって吐き出しても……」
「んんーっ……けふっ、あぷっ……んむむっ……」
雪美がぷんぷんと首を横に振って、精液か唾液が気道に入ってしまったのか少しむせる。背中をなでてやろうとすると、むしろ彼の胸元や下腹部あたりまで身を乗り出して寄りかかってくる。
「雪美……?」
「んんっ……こくっ……っあ、ふっ……♥」
精液を飲みこみつつ、雪美が彼の胸板や腹に素肌をこすりつけてくる。ずきずき疼くように彼女の腰や太ももが震えるようすが彼から見下ろせる。
「プロデューサー、もう少し、だけ……じっと、しててっ」
「お、おう」
雪美が急に幼く見えて彼はつい生返事する。火照った体を鎮める術を持たずまごまご混乱しているふうに見える。幼いと言ってもすっかり性的興奮に浸ってしまっている姿である。艶やかな黒髪と陶器のように滑らかな肌が、汗でべとべとして悩ましく乱れている。言葉で彼女から止められているが、愛撫で応じてやったほうが、と迷う。
「はぅぅぅっ、んぅぅぅっ……も、もうすぐ、私も……っ♥」
雪美が腕を彼の腰に巻きつけて爪を立てながら、がくがく震えはじめる。精液を飲んでオルガスムスに達する、と宣言したからどうにか背伸びして届かせる、という半ば彼を利用しつつの自慰からの絶頂。子供らしくわがままで、子供らしくなく淫らなそれが切れ目も曖昧に続く。
彼は雪美の背中に回した腕で彼女を支えてやるばかりであった。そのまま雪美が全身を震わせつつしがみついてきて、いつしか彼女の細い内ももがぬめった愛液でびっしょり濡れているのに気づいた。
※
「ねぇ、プロデューサー……顔が、見えない」
「見えたらびっくりだよ。背中に目がついているわけじゃあるまいし」
雪美が相変わらず熱を帯びた体をもぞもぞとよじり、細い手足をじたばたさせる。彼に後ろから抱きとめられていて、ヒザの上に抱え上げられて、その拘束を振りほどくにはまったく力不足である。それでも手足で不平を鳴らすようにしばらくじたばたを続ける。
「ほら、こっちから入れるから、腰ちょっと上げて」
「私が正面からのほうが好きなの、知ってるくせに……っ」
「したいようにしちゃったら、雪美へのお仕置きにならないじゃないか」
「叱る、って体裁でえっちしちゃう……? ふふ、プロデューサーったら、悪い人……っ」
復活したペニスを尻や腰に押しつけられるうちに、雪美がくちびるを尖らせたまま大人しくなる。煽られながら射精してしまったあいだに、彼は落ちこんだりSonoritiaたちに心配をかけたり、という悩みから気がそれつつある。とりあえず、目の前の雪美に応えつつ自分の欲望を満たすことに比べれば後回しでいい、と割り切ってしまう。
「はぁぁぁ、んっ……♥ 入れ、ちゃ……ほ、ぉ……んぅ……♥」
「好みの体位じゃなくてごめんな」
雪美の好みは対面座位と対面騎乗位である。いまはあえてその真逆の背面座位で貫いてやる。じっとり不服そうな横目で肩越しににらんでくる雪美だが、無毛の膣口もその先の雌肉も、にゅりゅにゅりゅとうごめいてペニスを歓迎してくれる。
「は……んっ、うっ、あ、あっ……! 角度も、ちが……ほぉ……ぅ……♥」
「苦しいかな」
「……いいよ、しかたないなぁ……プロデューサーが、したい、なら……」
させてあげる、と雪美が目だけで彼をくすぐる。
彼が雪美の華奢な胴に片腕を回して支え、空いた片手で真っ平らに近い乳房をまさぐる。〝とく、とく〟では済まない激しい鼓動が指先に伝わる。その真中の乳首を指でつまんでやる。硬くしこっていて、指の腹でさすりながらこりこり揉みこんでやる。膣壁が反応してペニスをぎゅうぎゅう締めつけてくる。
「ぁはあっ……そこ……やぅ、ぁっ、あぁっ……!」
言葉と声音で拒んだそばから、はぁ、はぁ、と荒く熱っぽく発情もあらわな吐息に変わってしまう。
「そうか、俺はこっちの体位も好きだけど」
「ふぅ、は、ぁ、あっ……! こんなの、私……されたい放題……っ♥」
乳首に集中していた指を広げる。乳房の周りの肉を集めてどうにかつかんでもむ。ふにゅりとした柔らかさと、こちこち固く細く脆そうな肋骨と、やかましいほどの拍動とを味わう。丹念に弄るうちに彼女の膣肉が喜んですすり泣くのをペニスで感じ取れる。
「もう少し奥まで行くぞ」
「ひふっ、ぅくっ……ぁ、ひゅ、ぅ……っ!」
雪美が息を呑み、背中を仰け反らせながら耐えるように自らの肩を抱く。
対して彼は、雪美の乳房から手を下げて彼女の下腹部をなでる。ふかふかの肉の向こうに自分のペニスを感じてしまう。雪美の腹の奥深くを狙ってじっくり何度もかけて行きつ戻りつする。雪美が短く悲鳴をこぼすものの、すぐにぬとぬととした粘り気のある液体が湧いて結合部からの音を濁らせる。その液体を指ですくい上げて、もう背中ごしでも探り当てられる彼女のクリトリスに塗りつける。彼とのセックスによって育った奥と手前の性感帯を代わる代わる責めてやる。雪美が頭を左右に振ってもだえる。さらさらの長いストレートヘアが宙に踊って彼にも絡みつく。
「これもけっこういいものだと思うけど、雪美」
「ひっ……ぜぇっは、ひ、はっ……あっ、あっ、はひっ、はっ……!」
小柄で、小さなバストで、セックスの対象とするのに未熟すぎる肢体であるのに、雪美は間違いなく性行為で快感を得ている。さらにプロデューサーという成人男性に甚大な快楽をもたらしている。
「どうかな」
「ぅ……ふ、っ……ぉまんこ、ォ……ぃ、ぃい……ぉぉ……♥ んんんぅぅ゙……っ♥」
「おまんこは……言っちゃだめだぞ、俺以外には」
彼の叱責に、雪美はもだえながら腰を揺すって応える。ペニスによがらされて喘ぎながら卑俗な単語を使う彼女に彼も驚かされる。
雪美の小さな膣が痙攣しつつも膣肉でペニスを抱擁し続けてくれる。ペニス側も子宮の入り口を浅く突き上げつつ、膣口周辺から膣襞を掻き分けて奥に進もうとする。膣を責められている最中も、雪美が乳首を充血させて彼の手にすりつける。もう一方の手でクリトリスを指で押したりなでたりしながら追い打ちを促す。
「う、うっ……うううっ……ぉ、ぉまんこ、いい、いいの、すごく……ひ、ふぅ、ぁぁぁ~~……っ♥」
「なんだかあまのじゃくだな、きょうの雪美は……!」
雪美がまたじたばたしながら、こんどは絶頂に向けてどんどん追いやられる。ペニスを強烈に絞ってきて、彼も射精しそうになるが耐える。彼女を腕の中、ヒザの上であやすように優しく揺する。この状態ではどんなに優しげでも雪美の快感を深めてしまう。
「うぅくっ! はっあ……ああっ!! ああぁぁ……あぁんっ、ああぁっ……♥」
「まぁ……体は素直か、いつも」
雪美の背筋が弓なりに反ったり、腰がくねったりして視覚でも触覚でも彼を楽しませる。快感に耐える雪美の一挙手一投足が彼の征服欲をそそり立てる。勝手にスマートフォンをいじって妙なビデオメッセージを撮影して部外者に送りつけたぐらいでは打ち消せないふだんの雪美の品行方正さが、肉欲で腐食させられていく。その一瞬ごとに彼は新たな興奮を覚えて腰のストロークを繰り返す。
「だ、めぇ……これ以上、なんて、感じ、すぎて……っ! っくぅ……だめ、だめいくっ、またい……♥」
「そうだな、気落ちなんてしちゃいられないな」
じたばたしていた雪美の手足がいつのまにかびくびく縮こまっている。腕がこれ以上の快楽を恐れるように胸の前で折りたたまれ、太ももは必死で内股に閉じている。膣肉がペニスを強く締めつける格好になって逆に快楽が強くなってしまっている。雪美がオルガスムスの波に襲われているのか、彼女の小さな体が彼から落ちそうなほど激しく痙攣する。彼はそれを感じながらも律動を緩めず、彼女の細いウエストをつかみ直し、さらに抜き差しする。
「ふッ……く、く……ぁ、んんんーっ……あ、ああっ!! うぁあ、あ……っ♥」
「雪美……中に、出すぞ……!」
絶頂が止められず、雪美が細いノドを反らして嬌声を漏らす。膣内の襞という襞が脈動とともにペニスに押し寄せる。限界を超えて、彼は彼女の膣内に向けてたっぷりと射精する。初めて交わったときから数え切れないぐらい重ねた膣内射精に2人して恍惚となる。あらかじめ避妊薬を服用しているといっても受精、妊娠を意識せざるを得ない。
「はぅ、ほぁっ、はぁっ……ああ、うっ……また、出した、ね……」
「……こっちで精液を飲むと、臭いとかまずいとかわかるのかな」
「そんなわけ、ないよ……もぅ……」
雪美が荒い呼吸の中で恨めしげにつぶやく。一方で肩や腰をすっかり彼に預けて、小康状態まで収まった絶頂痙攣が収まるのを待っているらしい。けれど膣が彼の精を受け止めてなお、まだほしいとペニスをしゃぶって誘惑しているようにも思える。
「……どうしようか」
「最後は……いつもの……前から……プロデューサーが元気になってきたの、私のおかげ……こんどは、ほめて、いい子いい子して」
雪美から、子供がほめるのをねだる口調でセックスをねだられて、プロデューサーは思わず乾いた笑いを浮かべた。
「抱っこして、プロデューサーが入れて……へとへとになっちゃった……」
「なら、休んでからでも」
「……いっぱいまでしてほしいから」
たくさんセックスをしてもらいたくて仕方ないが、〝休憩室〟の利用時間は律儀に守ろうという認識らしく、雪美は沈痛な表情を浮かべながら彼のヒザの上に抱えてもらう。
「ゆっくりのほうがいいかな、雪美」
「……入れてもらったままなだけで、気持ちよくなっちゃうと思う……♥」
ついさっき彼の生ペニスをしゃぶって射精までされた雪美の膣口が、再勃起した彼の亀頭にぴとりと密着させられてむにゅりとゆがむ。精液と愛液の混合液がだらりとこぼれて滑ってはかどらない。雪美がうんうん唸りながら腰を動かす。挿入のサポートをしようとしているのか、絶頂の名残で震えているのか、どうも曖昧な具合だった。
2度、3度ずるりと滑って入れ損じて、雪美が笑った。彼も笑い返した。
「雪美……もう、こんどこそ入れるからな」
「あ……んっ……はいっ、ちゃ……ん、ふふっ……」
ようやく雪美の小さな膣口が彼のペニスを迎え入れる。すでに一度射精を受けて精液を溜めたままの膣内が、まだほしがるようにヒダをまとわりつかせてくる。雪美が彼の首筋に腕を絡めて、耳元で甘い吐息を漏らす。彼も両手で雪美の腰と臀部を支えつつ、上半身のほとんどもぴったりくっついて、お互いの体温と鼓動を感じ合う。
「プロデューサー……こっちのほうが、どきどき、わかるでしょう……?」
「……そうだな」
対面座位特有の深い結合と密着感が2人の意識に染み渡る。彼のヒザ上でいちばん気分のいい位置を探し求めてか、雪美の華奢な体がもぞもぞ、ゆらゆら動く。そうされるがまま、彼はさっき預けさせていた彼女の体重を、預けられる体勢で味わっている。
同じ重さでも、彼女から求められていると実感できるそれは格別だった。
「ふふ、気持ちいい……ぎゅーって、爪、立てちゃおうかな……?」
「なるほど、それも向かい合ってないとできないな」
雪美が背中に両手を回してくる。短く整えられた爪では痛くも痒くもないが、抱きついてくる彼女の手がいじらしい。
そっと腰を動かす。雪美が幼い嬌声を上げて膣内をぴくぴくと痙攣させる。
「っん、ふ、あっ、あぅ、んんっ……♥」
雪美の快楽を掘り起こして深めていくつもりで、ペニスで膣内をゆっくり前後させる。また粘っこい愛液がぼたぼたと垂れる音と感触とを感じながら彼を包む具合のいい膣肉を堪能する。雪美の両足も彼の背中側に回って全身でしがみつく形になる。
少し大きく腰を動かしてみる。雪美が背を反らして息を吐きながら、こちらに上目遣いを投げかけてくる。彼のヒザの上でもどかしそうに体をよじりながら、目線だけはぴったり張りつけている。頭の奥まで覗きこんでくるかのような勢いさえ感じる。
「っん、ふ、あっ、あぅ、んんっ……ねぇ、プロデューサーも、気持ちいい……?」
「……もちろん……気持ち良すぎる……!」
きょうだけで口中と膣内と、2回も彼女の中に出しているのに、こうしていると睾丸がむずつく。ペニスの硬さ大きさも復活してくる。いつ精液が駆け上がってきてもおかしくない。雪美と体をぴったりくっつける。密着がめまいを催すほど多幸感をもたらす。
「あ、あぅ、んんっ! えう、んんっ……♥」
ピストンがだんだん早くなる。
雪美がぴくぴくと痙攣しながらも、彼に精一杯しがみついている。挑発的にセックスをせがんできた淫乱女なのに、ここにきてセックスの強すぎる快楽に耐えて健気らしい姿を見せている。セックスをねだったのが雪美でなければ彼も止めていたかもしれない。
「おォ、ぅ……ッ、ふか、ぃっ……♥」
もっと腰をやや奥へ動かして膣奥をこつこつと責める。雪美がほとんど無言でもだえ、密着する彼の上半身に乳房を押しつける。ぷっくりした乳輪と乳首がこすれて、吐息まで彼をくすぐってくる。
「……っ……あはぁっ……はぁっはぁっ、ふ、ふふっ……いいよ、もう、イッちゃうの、わかる……っ♥」
彼が下から突き上げると、とうとう雪美もそれに合わせて腰を振る。じゅぽっ、ずぷっ、という水音にパンパンッと肉同士がぶつかり合う響きが加わる。行くのが決まっている場所へ階段を上がるように、ごく自然にリズミカルに最高潮まで上り詰める。
雪美の膣内が痙攣しはじめると、彼はとどめにぐっと腰を押し出す。
「雪美……っ……!」
「ん、んんっ……ふ、ふっ……♥」
その日3度目の射精が膣内で爆ぜて、膣奥へ注がれる。同時に雪美も彼に身を寄りかからせながらオルガスムスを迎える。前後不覚になるほど深くない、甘ったるい絶頂がちょうどいい。
「……す、きっ……ふふ、照れちゃう……」
嬌声以上を伝えるのに、ちょうどよかった。
※
「プロデューサーさん、お元気になったようでっ……あ、別に、そういう意味じゃ……」
「仲良きことは美しきかな、でしてー?」
「その調子で、プロデュースの仕事もがんばってくれるよねー……」
〝休憩室〟をあとにしたプロデューサーが担当アイドルから向けられて感じた羞恥は、ちょうどよいとは言いがたかった。
(おしまい)