※この作品はR-18です。

佐城雪美さん、担当プロデューサーにぐいぐい迫る   作:ふりーじ屋/家庭内禁書

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高い高い絶頂がお気に入りです。



佐城雪美さん、わがままマゾ新妻としてプロデューサーとの新婚性活ごっこを満喫する

「雪美、お前それ10年……いや20年は早いよ」

『まだ子ども扱いするの……?』

「大人でもさ……俺だってなかなか親にそこまでやってやらないよ」

 

 昨夜にクーラーを点けなかったせいか少し寝苦しかった初夏のある休日の朝、彼――プロデューサー――は、担当アイドル・佐城雪美からの着信を受けて、通話中に長嘆息させられた。

 雪美の話によると、両親に対し『普段お仕事が忙しいから、たまには水入らずで』と強引に旅行に送り出し、それで家に一人は寂しいからと、黒猫のペロとともに彼の家にこれから一週間泊まるつもりらしい。

 

『こうしたら……プロデューサーのおうちに泊まりやすくて』

「親孝行をダシにして男の家に転がりこむのかよ」

 

 雪美の両親はたいへん忙しく、クリスマスすら雪美を家に一人にしてしまった年もあったという。そのうえ雪美がアイドルとして人気を得て、学業との二足のわらじで多忙になってきた。たまには水入らず、というならそこに雪美自身も入ってしかるべきだろう、との気持ちも含め突っこむ。雪美に『そう?』の一声でいなされる。

 当人たちはさほど気にしていないらしい。そうであっても彼としては、雪美の多忙さの原因であり、雪美にもっとも近い大人でもあるので、気をもんでしまう。

 

『プロデューサーのお家にお泊りしたら……いいことしてあげる』

「もう向かってるんだろう? 迎えに行くから、荷物置いたらまず買い物だ」

『……何を? どこに?』

「今日の昼飯も夕飯も覚束ない有様なんだ」

『いいよ……家族みたい、だね?』

 

 

 

 雪美は小柄な体に、黒猫のペロが入ったペットキャリーバッグを背負い、旅行鞄一つをカラカラ引いてプロデューサーとの待ち合わせ場所に現れ、声をかけてきた。

 

「待たせちゃった?」

「雪美を待たせたら、店員さんから声をかけられて面倒になっちゃうかと思って」

「また子ども扱いした……」

 

 待ち合わせ場所をとある商業施設1階のカフェにしていた。雪美が大荷物を持って一人で佇んでいてもそこまで怪しまれない場所がそこしか浮かばず、通話中に彼が適当に決めた。

 雪美はターコイズブルーのサマーワンピースに、リボン付きのつば広帽子をかぶっていた。彼も見たことがある私服姿だった。それだけなら休日に少しおめかししてお出かけという趣の美少女だが、持っている大荷物とどこかズレている。

 

「できるうちにできるだけしなきゃな、と思ってな」

 

 雪美の後ろで、雪美と同じぐらいの少女が親らしき大人に手を引かれつつはしゃいでいる姿がチラリと見えて、彼はさらにズレを感じた。

 

「にゃー……ペロもよろしく、って」

 

 雪美が半身になって、プロデューサーにペットキャリーバッグを向けると、メッシュの向こうでペロが大あくびをしているのが見えた。

 

 

 

「雪美……ちょっと」

「何……?」

 

 商業施設からプロデューサーの車に乗りこみ、身軽になるため一旦彼の自宅で雪美の荷物やペロを下ろしたあと、そこから少し離れた別の商業施設にある大型スーパーマーケットへと2人は買い出しに出ていた。

 

「それ、かえって目立ってる」

「プロデューサーに隠してもらうからいいよね……」

「帽子もひしゃげちゃってるじゃないか」

 

 雪美はアイドルとしての知名度も高まってきたので、申し訳程度の変装としてダッシュボードに入れていた彼の運転用サングラスをかけていた。

 のみならず、入口の青果コーナーに入るや、彼の背中にくっつかんばかりの位置取りで歩いている。確かに雪美の顔が客と店員から隠れるが、挙動不審でチラチラ目線を集めてもいた。そこからぱっと離れたかと思えば、長芋、オクラ、アスパラガスなど思わせぶりな野菜をかごにさっと入れて、また戻る。

 

「……何?」

「もう食べたいものが決まってるのかな」

「メニューは決めてる……プロデューサーにいっぱい精をつけてもらいたくて……」

「まだ夏バテには早いぞ」

 

 続いて雪美が入れた品は、玉ねぎ、にんじん。精肉コーナーに入って牛肉切り落とし。

 

「……カレーかな?」

「家庭科の宿題のついで……私が作ってるところ、撮ってね」

 

 雪美がカレールウのコーナーでしばし悩んでいたそばから、彼が甘口のパッケージを取る。

 

「……中辛でもいいのに」

「料理は、まず控えめな味に作って足りなければ後から足す、って俺は習ったよ」

 

 カレールウの近くの陳列で、雪美が離乳食や粉ミルクのコーナーを見つけ、じっと見つめている。

 

「そっちにも探し物が?」

「……あのぐらいにしてもらったほうが、将来のためかな」

「何が」

「私の乳首が」

 

 雪美が棚のそばのかごに並べられている哺乳瓶を指さしてにっこり笑っていたので、彼はさすがに雪美の手を引いて遠ざけた。

 

「遊びは一旦ここまで、な。昼飯とか、明日のも買っておきたいし」

「遊びじゃない、本気……プロデューサーを私好みのおじ……お兄さんにしちゃってるから」

「雪美の年頃からしたら、俺も立派なおじさんか」

「年のことで人をいじるの、ダメだよ」

 

 そう言われても、彼は雪美との年齢差を思わずにはいられなかったが、買い物に集中するふりをした。

 今は帽子とサングラスで隠しているが、雪美の人形のようにあどけなくも整った輪郭と肌と頭髪と、そこと対照的に色気を匂わせる目の対比は、彼のみならず人を魅了し、多くのファンを獲得している。切れ長の上まぶたで、江戸や明治の美人画から出てきたように艶やかにカメラへ視線を投げるのがアイドル・佐城雪美の十八番だった。

 

「こんなところでやらしい話をするのは、もっとダメだと思うが」

 

 雪美の体も幼気と色気が隣り合わせの、可憐にして奇妙な姿を見せていた――が、ひょんなことからプロデューサーと体を重ねるようになって――近ごろは少しだけ色気にバランスが傾きかかっている。

 首と手足が相変わらずとても細い。首はともかく手足の細さにまだまだハラハラさせられる。レッスンの積み重ねもあってか、ダンスで手足を振るときにしなやかさや力強さをほんのり感じさせるようになってきたが、彼から見るとどうしても細い。雪美の手首など彼の片手で掴めてしまう。

 そうした手足に比べると、乳房はもう少し女性らしくふっくらして見える。手足や首や肩幅の細さ相応に肉付きが薄いものの、雪美の呼吸に合わせてかすかに浮き沈みするところなどひどく柔らかそうな印象がある。実際に触ると、こんなにはっきり拍動が伝わってくるのか、と彼を感嘆させるほど薄いのだが。乳首も哺乳瓶に比べれば控えめだが、彼の指先にいじられやすいよう少しぷっくりしてきた。

 雪美がほかの大人になかなか甘えられていないふしに乗じて一線を越え、そうした女体の変化を知って――むしろ、もたらして――しまっている自分のほうが、哺乳瓶をネタにした多少の猥談よりも明らかに〝もっとダメ〟だと思っていた。

 

「……えいっ」

「うわっ」

 

 いきなりズボン越しに尻をつねられ、沈みかけた気分を逸らされる。

 

「こっちのお買い物が終わったら、ペロのお買い物もしていい……? ご飯とか、トイレとか」

「ちなみにうちにペット用品は何もない」

 

 雪美が別フロアのペット用品店の話に触れると、プロデューサーはもっともだと思って頷いた。

 彼に対してはわがままを言ってみせることもあるが、雪美はほとんどいつも子どもらしからぬ配慮や自重のできる子である。おかげで仕事で付き合う業界人の評判は良い。大人しすぎてクラスでは浮き気味らしい。仕事でもプライベートでも付き合いのある彼としては、たまに心配になる。

 年少アイドルにありがちだが、大人から手がかからないと思われている子は、しばしば大人に甘えさせてもらっていないだけだったりする――(大人だって仕事なら不平不満ぶちぶちこぼさなきゃやってられんときもあるのに)――両親が忙しくて彼以外に甘える相手がいないのか。

 そう思わせて独占欲をくすぐるところまで考えているのか。

 

「プロデューサー……私の顔、何かついてる……?」

「サングラスかけててもかわいいな、って思ってさ」

「もうっ……プロデューサーも、やらしい話、ダメ」

「何かやらしい要素あったか?」

「プロデューサーに褒められると……いろいろ、キュンってしちゃうから」

 

 それから、雪美が大型犬用ペットシーツを指さし――『これなら、いっぱいおもらししても大丈夫そう……誰が? ふふっ……♥』――さらに噛み癖防止用のオモチャを手にとって――『最近の私のこと、ちょっとうるさいと思ってる……? それなら、これを噛ませてみたら……唇や舌を噛んじゃうとか考えなくても済むし』――そのうち、とうとう彼は雪美の頰をつねり返した。

 

 

 

「プロデューサー……私にも、お夕飯の用意、手伝わせて」

「お客さんにやらせるわけには……家庭科の宿題があるんだっけか」

 

 帰宅して、スーパーの惣菜で軽く昼食を摂ったあとの夕方。

 

「あと、私、お客さんじゃない、奥さん」

「そうだっけ」

「そう。わかった?」

 

 そう真顔で言い放って、持参のエプロンをまとい、雪美は堂々とキッチンに立つ。だが、シンクが高いせいか、オクラや山芋をさっと水洗いするのもやりづらそうだったので、プロデューサーは踏み台を探してやることにした。

 

「あれがいいな、踏み台……プロデューサーがたまに使ってる、あれ」

「あれって?」

「わかるでしょ……?」

「……確かに高さを調整できるが、腰を下ろすものであって上に立つものじゃないぞ、あれは」

 

 雪美が言う〝あれ〟とは、プロデューサーが野外の現場などで待機するとき座る折りたたみ式アウトドアスツールだった。

 

「あれはプロデューサーが使ってるから……それにしても、〝あれ〟でよくわかったね……うれしい。私たちツーカー。結婚しよ」

「それなりの付き合いもあるからな」

「……いつもより、顔、近い。このぐらいの背丈になりたいな」

 

 踏み台に乗って野菜の皮を剥き切っていく手つきは、家庭科で習っただけとは思えないほど堂に入っていた。

 

「誰かに教えてもらったのかな」

「内緒……ねぇ、見て、ポニーテールっ……こうしてると、家事しやすいし……家庭的に見える?」

「奥さん、今は野菜と包丁に集中して」

 

 雪美は頭の右後頭部に高めに髪を結い上げて、その上に三角巾を巻いていた。家庭的、というより家庭科の実習じみて見えたが、彼はあえて黙っていた。誰が教えてくれたか知らないが、自分以外に雪美に頼れる年長者がいたらいいと思った。

 それから鍋に入れてルウとともにぐつぐつ煮てだんだんカレーらしくなり、また白米を軽く研いで洗って水に漬ける。

 

「どうせなら土鍋で炊いてみるか? はじめちょろちょろなかぱっぱ……って今はもう言わないかも知らんけど」

「普段そうしてるの……?」

「買ったけど使う機会がなかなかなくって」

「……不慣れなことは、止めておこう、ね」

 

 プロデューサーにカレーを任せている間、雪美は風呂掃除を買って出た。

 

「やっぱり、ご飯、私……ときたら、当然お風呂も準備しておくよね」

「誰から聞いたんだ、それ」

「内緒っ」

 

 雪美がくすくす笑いながら棒付きスポンジと浴室用洗剤を手に取った。彼女を浴室に見送って、プロデューサーは炊飯器のタイマーを設定してカレーが一通り煮えるまで待った。

 そのあと、浴室のようすをうかがってみる。

 

「雪美ー、スポンジが届かないところはやらなくていいからな」

「……大丈夫だって、もう」

 

 浴室の壁の高いところまでを擦ろうとしてか、雪美は棒付きスポンジを高々と掲げて擦っていた。高いところの泡をシャワーで流そうとして水滴が跳ね返ってきたのか、サマーワンピースの上半身がいくらか濡れて、わずかにブラが透けてしまっている。

 

「そうそう……男の人って、女の人のうなじに興奮するんだって……どう、プロデューサー……?」

 

 透けブラに気づいていないのか、雪美が彼に背を向けたまま三角巾とポニーテールを結び直して見せる。ほっそりした後ろ髪の生え際から、洗剤以外の甘ったるい匂いが漂ってくるようで、彼は思わず息を呑んでしまう。

 

「……もう、お掃除もちゃんとやるって」

 

 背中越しに感じ取ろうとした彼の反応が芳しくなかったのか、雪美は棒付きスポンジを構え直し、浴槽縁に覆いかぶさるように前屈みとなる。細い太ももと、小さく引き締まったお尻のラインが布地越しにしっとり浮かびかける。浴槽に入るためか、靴下を脱いだ素足もぎゅっと床を掴むよう力が入る。

 

「もうそろそろ食べられるよ、ご飯。あと、服が少し濡れちゃってる」

「これぐらい、大丈夫……きっと」

「風邪をひいて看病されたい、というおつもりかな」

「ない、さすがに……あなたも私も、明日も仕事があるもの……」

 

 プロデューサーはどうにか浴室から洗面所に戻った。鏡に映る彼自身の顔がちょっとひどいと思って顔を洗った。

 雪美がいたずらにセックスアピールを投げつけてきたときなら、まだ簡単にあしらえる。真面目に新妻の役割を演じようとしているときが、むしろ鬼門だった。家事を邪魔するように後ろから抱きすくめて、前戯もせずに欲望をぶつけたくなる。そうすることが一番、この女は自分の家で飼っている自分だけのもの、という独占欲をくすぐる。

 妻が家庭のことに専念すべきという前時代的な思想を、彼はそれほど持っていないつもりだった。例えば、雪美の母が仕事で家を空けがちと初めて聞いたとき、そういう人もいるだろう程度にしか思わなかった。そのつもりだったが、自分が特別に思っている女のセックスアピールを芸能界で広く切り売りしているうちに、反動でその女を狭い彼の世界に閉じこめたくなってきているらしい。

 

「そう言えば……お風呂屋さんごっこって何? すれば喜ぶって教えてもらったんだけど……やり方、教えて」

「誰だそんなこと教えたやつは」

「うん、プロデューサーが喜んでくれるのはわかったから、やり方を教えて」

「道具がないし、たぶん普通の奥さんはしないことだ」

 

 浴室掃除が終わってから、2人でテーブルごしに向き合う夕食は何事もなく過ぎた。

 

「もっと辛くしなくていいの?」

「うん、いいさ」

「せっかくの手料理なのに、私ばかり見てる」

「うん」

「疲れちゃってる……?」

「……そうかもしれない」

 

 雪美が自分用に取り出した皿の小ささ、よそうカレーとご飯の少なさを見ても、控えめな刺激のカレーを味わっても、雪美がどうにもまだ子どもなのだと解釈してしまう。

 

「……じゃあ、お風呂あがったら……私がリード、してあげるね」

 

 そう解釈していながら、雪美からセックスに誘われて応じてしまう。理性が痛々しくひしゃげて折れるほど興奮する。

 

 

 

「ふふ……同じ歯磨きの匂い……」

 

 静かな夜にベッドで向き合って、何も言わずにキス。にゅるにゅるにゅるにゅる。互いの舌を擦り合わせる。雪美の舌が、本物の猫舌のようにざらざらしてたら刺激がひりひりして痛みを感じられたかもしれない、と彼はぼんやり思う。

 現実では、唾液が甘酸っぱく、また敏感な粘膜どうしの触れ合いがくすぐったく、微弱だが頭にするりと染みこんでくる快楽にずるずる酔わされている。

 

「お疲れだったようでも、こうすると……きっもちいい、みたい、だね」

 

 キスを止めた雪美が、ふだん小さな口の口角を大きく吊り上げ、白い歯と赤い舌を見せて笑う。顎に唾液の筋が垂れているが気にせずキスを再開してくる。自分より二周りほど大きい男の肩に抱きついて爪を立ててくる。

 

「雪美が奥さんになったら」

「旦那様、って呼んであげようか? 癒してあげちゃう」

 

 彼にベッドへ腰を下ろさせ、膝を開かせる。その両膝の間に、這いつくばった雪美が入ってきて、すでに勃起しているペニスに頬ずりする。入浴後に乾かした髪の毛を横髪とともに再びアップにしている。まだ不慣れらしく、後れ毛が幾筋か細い首に垂れている。頰のすべすべがひたすら彼を撫でる。人形にも負けないぐらい整った容姿で、人形より温かく柔らかく優しげな少女が奉仕してくれる。

 

「癒されすぎて、どうにかなっちゃいそうだ」

 

 期待や幸福で胸が膨らむと比喩で言うが、度が過ぎれば自分がはち切れそうになる。比喩で済まない気がして、彼は普段より深い息を吐く。

 雪美がペニスの先を咥えながら目を細める。

 

「くすぐったい……?」

「いい、気分、だよ」

 

 小さめの唇を軽く開いて、ぺろり、と舌先を出す。唾液の艶をちらちら照り返して見せつける。買い物のときの遊び混じりの誘惑とは一線を画す媚態。むしろ必ず気持ちよくしてあげる、という宣告とも思わせる。

 

「はぁっふぅっ……こうするとね……プロデューサーのここ、匂いが立つの……嗅いでて、くらくらしちゃう……♥」

 

 雪美が熱い吐息を亀頭へ浴びせてくる。ついさっきの彼の深呼吸と真逆で、彼の期待を膨らまそうと働きかけてくる。

 

「もっと濡らしちゃうよ……えいっ、ふふふっ……んぶっ、ぢゅるるっ」

 

 いきなり鈴口に舌先でべろべろと集中攻撃を浴びせる。快楽が跳ね上がり、たまらずペニスもびくりと跳ねて、雪美の舌からズレてしまう。

 

「ぁ、ごめん、雪美」

「私がぱっくり奥まで咥えちゃったあとも、そうやってびくびくしてね……そうされると、私も感じちゃうから」

 

 逃げを許したのは一瞬だけ。すぐに亀頭を咥えなおし、頰をすぼめてじゅるじゅる吸いつく。

 

「う、ぉっ!? あ、ぅ……雪美、それっ……」

 

 礼儀作法をしっかり躾けられている雪美が鳴らしているとは信じがたい、下品そのものの水音が静かな寝室に響く。彼のペニスから痛烈な快楽が染み出して理性を殴りつける。まだ亀頭だけなのに、あるいは一番敏感なそこに雪美が刺激を集中させようと判断したのか、ピンポイントな快楽で思考がバラバラにされる。

 

「ちゅ、れぅ、むぢゅっ、んんぐっ」

「ぉ、あっ……っくっ」

 

 雪美の唇がカリ首を締めつけ、小さな顔や細い首、肩に不釣り合いの強烈な吸引を見舞う。〝びくびく〟がほとんど許されないほど頰裏粘膜が密着してくる。それでいてあるはずの歯の固さやギザギザを感じない。雪美が唇を丸めてカバーしてくれているらしい。

 

「んふ、はうぅ……ちゅっ、ちゅう……んっ、ちゅぶ……んふ、ふふっ……」

「何だよ……俺の反応が、そんなに面白いか……? っぉおあっ!?」

 

 雪美が笑って、フェラチオの吸い着きがふっと緩む。かと思ったすぐあと、亀頭に舌からの責めが再開される。唾液まみれの粘膜がにゅるにゅる柔らかく滑らかで、壮絶に気持ちいい。もう〝びくびく〟しても逃れられない。

 

「んぐっ、ぢゅっ、ぷふ、んぱぁ……旦那様、最初は、雪美のどこに出したい……?」

「お、おう……すっかり中に出すつもりになっちゃってたけど」

「私も、お口かあそこの中がいいなぁ……出してもらうとイクのがクセになっちゃって……いじられてイカされちゃうのとちょっと違う、じわじわぁって、染まっちゃうみたいな……」

「逆にダメなところはあるのかな」

「……顔はダメかな。髪にくっついたら、かぴかぴ固まってなかなか取れなくて……サラサラが台無し~って千秋とかありすとかに怒られちゃう」

「そうなったら切るしかなくなるもんなぁ」

 

 それをやってしまったらプロデューサーとしておしまいだろうな、と彼は他人事のように思った。腰まで伸びた濡れ羽色のストレートは雪美がデビュー以来一貫して見せつけているチャームポイントである。アイドルとしての仕事で結ばせた経験はあっても切らせた経験はない。

 

「じゃあ、はい、私が決めちゃう……まずは、お口に、ね」

「……まずは、って」

「そのあとは……当然、あそこにも」

 

 言うだけ言って、雪美はふたたび亀頭を頰張った。今度は亀頭だけでなく、竿を喉の奥まで迎え入れていく。

 

「んん、ぅ……ぐ、ぷふ……」

 

 さすがに呻きが漏れるが、鼻先を彼の下腹部に押しつけたまま止まる。切れ長の上まぶたを、ファンが見たこともないであろう角度まで押し開く。しばらくすると当然反射で目が潤んで、ぽろぽろ涙の粒がこぼれ落ちる。それでも視線は逸れない。彼の顔と、埋めた自分の口元とを、雪美の瞳がせわしなく往復する。

 射精を求めているのが、言葉より先に伝わってしまう。

 

「く、雪美……そんな目で見られたら……」

 

 彼がこぼしてすぐ、雪美の喉の一番奥で圧が高まる。ペニスが脈打つたび、粘膜がきゅうっと締まって迎えにくる感覚があった。過去に何度も注ぎこまれた記憶が、もう雪美の喉を勝手に衝き動かすらしい。

 

「ん、ふ……ごく……」

 

 少女らしく普段は隠れている喉仏が、力んで薄っすら浮いて、小さく上下する。唾液を呑みこむ仕草のはずが、精液を迎える予行練習のように見えてしまう。彼の理性がまた一段軋む。

 

「あ、っ……雪美、出そう、だ……」

 

 彼の腰がいくら抑えようとしてもわずかに震える。雪美のフェラチオが一旦引いてわずかに息を整えたあと、再び深くなる。熱い吐息が鼻から漏れる。唇の縁から唾液が漏れてペニスの根本を濡らし陰毛をぺしゃんこにする。

 

 雪美は口の動きを止めぬまま、片手をごそごそと自分の股間へ伸ばす。彼の位置からは雪美の顔や肩で隠れているが、腰の揺れ方と太腿の締まり方で、彼女が自分も高めているのが伝わってくる。

 

「雪美、お前……あ、っく、出る、出るっ」

「んふ、ぅ……んっ、んんっ……」

 

 言葉に代わってか、唇と頰の締めつけが強まる。彼があっさり限界を越え、雪美の口内へ勢いよく吐精した。

 

「んん、ぐっ……ん、ん、ごく……ごくっ……」

 

 熱い精液を喉へ流しこまれると同時に、雪美の細い肩と背が小刻みに震え出す。プロデューサーが見下ろしていると、膝立ちの腰がぐっと持ち上がり、小さなお尻とふくらはぎの肉がラインだけでわかるほどぱんぱんに張り詰める。さらにつま先が、猫の手のようにぎゅうぎゅう丸まっている。

 そうして下半身のあちこちが同時にピンと張り詰め、一気に弛緩していく変化だけで、彼には確信できてしまう。膣の奥からお尻まで、雪美が精液によって絶頂している。

 

「んぐっ……おぐっ、んんっ♥」

 

 呑みこみかけた喉が、絶頂のショックで引きつる。濁った喘ぎが漏れ、口角から精液と唾液の混じった泡が滴った。

 

「ん、は……ぁ、はぁっ……ほら、精液でイッちゃった……なんちゃって♥」

「……お茶目な奥さんだなぁ」

「見かけに、よらないでしょう?」

 

 雪美が顔を上げて、唇に残る白濁液をべろりと舐め取る。薄い胸板や細いウエストがまだ乱れた呼吸に合わせて波打ち、乳首と乳輪が昼に見た哺乳瓶を思わせるほどぷっくり勃起している。股間は片手で隠されているが、その手の隙間から幾筋も愛液が糸を引いて垂れベッドを濡らしている。

 

「……おっきいままだね……私も待ちきれないの、本番、しよっ」

「おう、それじゃあ……」

 

 普段の雪美からかけ離れて弾む呼びかけで、口内射精後の倦怠感が吹き払われる。

 

「待って、お疲れの旦那様のために、お嫁さんが動いちゃうから」

「いやらしいおままごとだなぁ……あうっ!?」

「私は、本気だよ……今だけ、でも」

「そうだね、雪美の……奥様の仰せのままに」

 

 プロデューサーの軽口をつねって止めたあと、雪美は表情だけで彼をあお向けに寝かせ、彼の下腹部に馬乗りになる。

 脚を蟹股にして、ペニスを彼女の秘部へと持っていく。どんな淑女でも、目の前の男とセックスすることしか考えていない、と示してしまう仕草。手足が細く胴が薄く、美しいと言うより可憐な顔立ちで、鞄に携帯用防犯ブザーをつけているのがよく似合う雪美でもそう示してしまう。

 そうさせているのが自分だと思いながら見上げると、彼はあお向けで寝ていてさえめまいがする。何も避妊具を使わないセックス、という葛藤もあっさり通り過ぎてしまった。

 

「ん、ぅ、あっ……は、あっ……お゙っうっ……おっきい、ね……!」

「手は……?」

「……ちょうだいっ」

 

 そこまで華奢な雪美だと、それなりの大きさに勃起したプロデューサーのペニスを膣内に収めるのは、騎乗位で彼女のペースであっても、快楽一色とはいかない。内臓を下から押し上げられる圧迫感が、彼女の息遣いや汗から察せられる。よく見れば下腹部がぽっこり変形しかけている。

 プロデューサーが両手をもたげると、雪美が上からその手を握って支えに使い、息をつく。

 

「か、は、ぁ……ふ、ぅ……ぎもぢっ……あ、ぷろでゅ……これっ、すきっ……♥」

「はぁ、あ、ぅ、あっ……雪美、ペースがっ……イッたばかりで、敏感で……」

「私、もっ……んは、あはっ、んひゅ、ぁ、あッ」

 

 支点が増えて安心したのか、雪美は積極的になる。腰を縦横に使い膣肉でペニスを絞る。あるときは前屈みでプロデューサーにささやきかけながら、精液の生臭さと雪美の甘ったるさが混じった吐息を浴びせかけ、とんとんぬぽぬぽリズミカルに膣コキ。

 

「旦那様は……あんまり奥さんを焦らしちゃ、ダメ……早く、旦那様おちんちん、こうしてもらいたくて、仕方なかったの……♥」

「うぐっ、くっ、雪美、俺も……」

 

 逆に彼の手をぎゅっと握りながら目一杯に背中を仰け反らせ、奥まで腰を沈めてヘソ裏を亀頭でしこたま小突かせる。

 

「んぉ、いや、ぁ……ぉお、ッほおぉ……こぇ、こぇダメぇ……しゃせーまえに、イッちゃ……い……っく、い、い、い……ッ!」

 

 快楽の余り雪美は天井を仰ぎ、アップにまとめていた髪が解けかけて半ば垂れる。彼とつないだ手で指が強張る。手の甲に爪を食いこまされた彼からだと、健気なんだか淫靡なんだか、と印象がごちゃまぜになる。

 

「雪美……うぉっ」

「心配そうな顔しないで……旦那様の、気持ちよさそうな顔、見たぃ……んぁおっ♥ ダメ、キュンってなっちゃう」

「ダメなのかよっ」

 

 天井向きに反らした首を戻してプロデューサーの顔を見つめたと思ったら、今度は表情に当てられたか、まぶたを見開き、瞳孔が泳ぎ白目を剥きかける。膣肉も一層強く引き締めてくる。

 

「はぉぁっ……っま、また、くるっ……♥」

「あ、ああ、雪美……俺も……」

 

 喉からひゅっと奇妙に響く吐息が聞こえたかと思うと、また胸を大きく反らせてそのままぴくぴく細かく震える。真っ白でなだらかなバストの中で、ぷっくり実った乳首の震えがやけに目立つ。

 

「お゙っ……はぉ゙っ……♥」

 

 下腹部では膣肉を中心にぎゅうっとペニスを搾り取っている。気持ちが入りすぎて、技巧をかなぐり捨てた強い射精催促が続く。細い首筋やデコルテでは力む余り凹みができて汗が溜まっては、バストに幾筋も垂れ落ちている。

 彼のペニスはひとたまりもなく絶頂に引っ張り上げられ、声も出せず射精に及ぶ。

 

「あ……あっ……♥ せーえき……あつ、ぃ……っ!」

 

 幼妻の奉仕に圧倒された彼は、雪美が何度も痙攣したあとがっくり寄りかかってくるまで、ただ快楽と痴態ばかりを味わっていた。

 

 

 

 そのようにして初日の夜が過ぎた。

 続く2日目も、2人は仕事で外出しているときは何事もなかったようにすべきことをこなし、帰宅してからは家事を済ませ、そのあと初日のようにすべきことから逸脱した性交に耽った。

 初日はともかく2日目になると、その矛盾を彼はさっぱり気にしなくなっていた。

 むしろ、雪美がこれだけセックスに慣れているにもかかわらず、スキンシップをねだるとき不慣れな素振りを見せるのが少し気になった。

 例えば2日目の事後、雪美が眠そうにしつつ、ベッドにあお向けの彼の肩をじいっと見つめていた。

 

「雪美は、腕枕でもしてほしいのかな」

「……いいの?」

「遠慮されるとかえって気になる……俺の腋が臭いんじゃないか、とか」

 

 彼が肩に雪美の頭を乗せてみると、まるで本当に雪美が自分の幼妻になったか、と思えてきた。

 

 

 

 

※

 

「いってらっしゃいのキス、しよ。かがんで」

「いいけどさ」

「けど、って……?」

 

 3日目はプロデューサーだけが仕事で外出し、雪美は家でお留守番となった。彼の把握していたスケジュールだと、彼女に学校はあるはずだったが――『急だけどお仕事、って言ってお休みにしてもらっちゃった……公私混同、だねっ』――彼女がご都合主義な申し出を通した。普段お利口にしている賜物か、あっさり通ったらしかった。

 

「んぢゅっ、ちゅ……はぷっ、んはぁ、あんっ……ちゅるぢゅ、んふ、ちゅ……♥」

 

 雪美が背伸びしながらプロデューサーの頭を抱えこみ、〝いってらっしゃいのキス〟と呼ぶには濃厚すぎ、長すぎのフレンチキスを見舞ってくる。朝っぱらなのに夜のフェラチオじみた勢いで舌を吸い唾液を啜る。

 

「んぷ、ぷぁ、ふぁ、ああーっ……もうおしまい……?」

「雪美に合わせてたらこうなって遅刻するだろうなぁって、わかってたよ、ああ」

「……んぅう、続きは夜までお預け……?」

 

 ペロが雪美の足元に寄ってきて食餌を催促してきて、彼はようやく玄関の扉を開けられた。スーツを突っ張らせる勃起のまま外を歩く。恥ずかしかったが、それを気にする時間の余裕が失われていた。

 

 

 

「……『やることない?』と言われてもな」

 

 どうにか午後遅くにお弁当を開く――雪美のお手製である――時間ができたプロデューサーだが、スマートフォンに雪美からのメッセージを見て思わず独り言を漏らした。

 頼んでおいた家事が少なかったらしく、雪美が早々に終わらせて暇を持て余しているとのこと。お弁当をいただいてから考える、と返信だけする。

 朝食の余りを詰めた卵焼きやウインナー。買いすぎて余っていたオクラのおひたしや山芋とアスパラガスのソテー。もっと手料理を彼に振る舞いたい雪美と、胃袋まで掴まれてしまったらいよいよ手遅れ……という彼の危機感がせめぎ合った結果だった。

 

「……相当ヒマしてるのか」

 

 それからいくらか間を開けて雪美からのメッセージ通知が入ったが、彼はひとまず腹ごしらえを優先した。

 

「俺の家にヒマが潰せるものなんかない、って言ったのに」

 

 近くのお手洗いで歯を磨き、ついでに弁当箱をさっとすすいでから、改めてスマートフォンのロック画面を解除する。

 絶句させられる。

 

『……今度は、私のスマホからだし、いいよね……?』

 

 画面のほとんどを埋め尽くす肌色を認識して即座に、周囲に人がいないか確認する。

 以前、雪美は同僚アイドルと共謀し、彼のスマートフォンを勝手に操作してビデオレターを撮影し、彼の幼馴染に送りつけて一騒動起こしたことがあった。

 

「いい……訳無いだろ~っ!」

 

 彼の昼食中に雪美が送りつけてきた内容は、その騒動に匹敵する蛮行であった。

 

『プロデューサーの匂いに、あてられちゃった』

 

 雪美は着衣と下着を脱いでしまって、かすかな起伏を描くバスト、ウエストや、昨夜に彼のペニスから精液を搾り取ったのが信じがたいほど幼げな恥丘、性器を露わにした自撮りを送りつけていた。場所はどうやら寝室で、顔だけ彼の枕で隠しているのがいっそういかがわしい。

 

『プロデューサーが帰ってきてすぐしたくなっても、できるよ』

 

 その写真からスクロールすると、次は彼の自宅の玄関先で裸でうずくまっている雪美の写真が映る。お行儀よく三つ指ついているかと見せて、お尻を玄関先に向けている。秘所がてらてら濡れていて玄関マットに愛液が垂れてしまいそうだ。顔側をよく見ると彼の予備の革靴に鼻先を突っこんで恍惚としている。雪美が一人でお留守番しているとすると、まさかペロが撮ってやったわけでもなし、これをわざわざスマートフォンをどこかに置いてセルフタイマーで撮ったのか、置き場所を考える間に冷静にならなかったのか……と、またも彼の印象がごちゃまぜになる。

 

『帰ったら、いやらしいお嫁さんをすぐ抱いてやるって約束して、そうしたらがまんしてあげるから』

 

 さらに次の写真は洗面所での痴態だった。構図の真ん中に、雪美の背中側からの細い腰とお尻、両脚が大きく映されている。どうやら洗面台に両手をついて大きく前屈みになっているらしい。がまんが何のことやら、と思うと洗面台の鏡に雪美の顔が映りこんでいて、彼の歯ブラシの柄を横に咥えて顔を赤らめていた。

 彼は通話アイコンをタップした。

 

『雪美』

『見てくれた……?』

『帰ったら説教な』

『私を懲りさせたいのなら……遅くに帰ってくればいいよ』

『そうしたら、帰りが遅くて焦れたから、ってまたとんでもない写真を送りつけるつもりだろ』

『……なるほど、その手が』

『夜ご飯どこかで買って帰ってくる。雪美のリクエストは?』

『私のお料理、もういいの……?』

『お料理できる余裕なんて残してやらないつもり、って言ってるんだよ』

 

 頭が雪美のことでいっぱいになってしまったプロデューサーは、アシスタントの千川ちひろやその他の同僚に訝しまれ、珍しく定時とともに逃げるようにタイムカードを切った。

 

 

 

「……高い高い……なんて、プロデューサーと初めて会ったときには、もう卒業してたよ……?」

 

 帰宅したプロデューサーは、革靴や鞄や買い物袋を玄関脇に放り出すと、部屋の扉の影から顔を半分だけのぞかせていた雪美を捕らえる。雪美の両腋を持って抱え上げる。雪美が珍しくノースリーブをまとっていて、腋がぴくりと反応するのをはっきり感じ取る。

 

「んぷ、んぐ……! ちゅ、れぅ、むぢゅっ、んんぐ、ぁぷ……っ!」

 

 雪美の背中を壁に押しつけさせてから、朝と逆に、彼が唇を奪う格好とする。両手が塞がっているぶん、ディープキスで激しく雪美を責める。彼との身長差で、雪美が足先さえほとんど宙に浮いてしまっている格好になり、キスされながら雪美が手足をバタバタともがかせ、宙を引っ掻いたり壁をずりずり摩擦している。

 

「んぢゅ、んぉ、ぷはぁっ……まって、ぷろでゅ……浮いてるの、なんか、ダメ、ぇ」

「そうだな……持ち上げ続けるのもさすがに疲れるし、少し下ろすか」

 

 そう言いつつ、雪美がつま先立ちできるぎりぎりの高さまで腕を下げる。

 雪美が息をつきかけたころ、再び持ち上げる。

 

「っひゃ……っ!?」

「ただ持ち上げられてるだけなのに、奥さんはずいぶんといい反応をしてくれるな」

「……本当に、されるがまま、って感じ、が……」

「駅弁とかやったらすごそう」

「駅弁……?」

「ああ、うん……雪美の年じゃ、見たことなくてもおかしくないか」

「私、子どもじゃ、ない……んんっあああっ」

「そうだな、せっかくこんなコーデしてくれてるんだもんな」

「そう、だよっ……見て、新婚の奥様って感じ、するんでしょ……?」

 

 雪美の服装は、黒いタイトなノースリーブニットに、これまたタイトなジーンズ姿だった。これにエプロンを足せば、五十嵐響子などが十八番のように披露する「新婚気分♥ 愛情エプロン」である。雪美の普段着とかけ離れているが、彼女が持ちこんでいたらしい。

 

「でも、こうやってただ、高い高~いってされるのも、雪美は嫌いじゃないよね」

「そんな、私、子どもじゃないって言って……んんんっ」

 

 プロデューサーに揺さぶられると、さすがに首はしっかり据わっているものの、デニム生地に包まれた細い脚に微妙な力が入る。両膝同士を擦り合わせるふうに縮こまり、足が宙に浮きっぱなしで、履いていたスリッパもフローリングに落ちてしまった。

 

「雪美、よく似合ってるよ」

「あ、あっ、あっ、そぇ、やっぱり、だ、めぇ……」

「こうして揺さぶられてるだけで、セックスしてるみたいな気分になる?」

「そんにゃっ、ころぉ……ひた、はんじゃうって、ば……んんんっ!?」

 

 彼は単純に腕力任せに上げ下げして遊んでいるつもりだったが、雪美の受け取り方は大きく違う。上げ下げのたびに、この男は自分を腕力で言いなりにできる、と理解させられる。また体重を奪われる奇妙な浮遊感が、男から繰り返し与えられた絶頂の感覚をつい惹起させる。

 

「こ、こんなの、遊びだよ……へい、き……んっ、ぁおっ♥」

 

 ノースリーブニットとジーンズの境目より下から、〝平気〟かどうか怪しくなっていた。もともとタイトな作りだったニットが雪美の汗やよだれを吸ってぴったりフィットし、雪美の下腹部が悶える様子をそのまま写してしまっている。いや、皮膚よりも身動きで生じるシワが目立ったり、縫い目の方向が見えたりで、素肌よりかえって露骨になったかもしれない。

 

「あと、腋にも大きな血管があるせいかな。雪美がドキドキしてしょうがないの、触っててはっきりわかるよ」

「んっ、うっ、あ、はずか、し……! あぁっ、はぁぁぁぁ……!」

 

 たまらず、雪美がプロデューサーの首に腕を回す。足も彼の腰に回そうとする。

 

「おっとごめんよ、キス、まだしたかったんだな」

 

 宙に浮かされたままキスが再開される。荒い息をついていたせいで乾いていた唇が、またぬちゅぬちゅ濡らされる。彼にしがみつきかけたまま、雪美の細い腰がへこへこと何度も宙を泳ぐ。そのたびにデニムの股間部分にじわじわとシミが広がりだす。

 

「いっ、っうぅーっれぅ、んぐっ、んぢゅ……あ、ァア、あ゙……っ♥」

 

 雪美と自分の体重を支えるため、彼の両脚がしっかり床を踏みしめたままだった。対して、それにすがるように絡みついていた雪美の両脚は、やがてまた空中をバタバタともがき、つま先が反り返り、かかとで壁を蹴ったりずりずり摩擦するようになる。

 それを何度か繰り返したあと、雪美が不意につま先までピンと伸ばして――それを見た彼がさらに雪美を高く持ち上げたせいで、伸ばしても足が床に届かなかった――細かい痙攣をするばかりになり、やがて愛液だけが床に届いて木目を濡らした。

 

 

 

「はっ、は、はひゅ……だ、め、それ、隠して、怖いぃ……」

「失礼、つい興奮して……雪美はこれが好きなんだと思ってたけど」

「……かっこよすぎて、怖い、の……♥」

 

 ようやく床に下ろしてもらった雪美は、家の奥側に向けて四足でよろよろと廊下を進もうとしていたらしかった。ただプロデューサーが立ったままじっと見ていても、雪美は手足をちょっとバタつかせフローリングを軽く鳴らすぐらいで全然移動できていない。むしろ首を曲げて彼のほうに顔を向けて、スラックスを押し上げている勃起を凝視してばかりいる。

 彼はその視線を切るようあえて扉側に振り向き、玄関扉を施錠したか確認する。把手をガチャつかせて、しっかり施錠したと雪美にも教えてやる。

 

「さて、雪美。それ脱ごうか」

「や、やだ……私……旦那様のお帰りをいそいそと待ってる奥さん……これはそのための衣装……っゅ!? 脱ぐ、脱ぎますっ、ぷろでゅ……」

 

 プロデューサーが革靴を脱いで下足入れの定位置に収めると、雪美は腰を抜かしつつもノースリーブニットに手をかけていた。裾を掴んで一気にめくりあげようとして、肋骨の浮くウエストや白くシンプルなブラが露わになる。くちゃくちゃになったニットが首輪のようにデコルテに絡みついている。

 

「あーあ、せっかくの衣装が」

「だって、プロデューサーが……っひっ♥ し、下も、脱ぐ、の、ね……」

 

 ジーンズを脱ぐためにベルトをかちゃかちゃいじり回すが、慌てているせいか、私服のワンピーススタイルとの些細な勝手の違いが引っかかるのか、手こずってしまう。

 

「あっ、ふっ、うっ……! くぅぅ……ッ!」

「そんなにくしゃくしゃにして大丈夫かな」

「それは大丈夫……お小遣いで買ったもん……あぅっあ、あっ!?」

 

 プロデューサーが玄関でスリッパを履いたあいだに、ジーンズの脱衣と後ずさりを同時にしようとして雪美が狼狽し、またぱたんぱたんとフローリングを鳴らす。

 

「慌てることはないよ、時間はたっぷりある。そうだろう?」

「そうだ……ねぇ旦那様っ、プロデューサーっ、ご飯がまだだけどお風呂は沸いてるから……それとも、わ、わたっ」

 

 ジーンズを膝上までどうにかずり下げたものの、それから雪美は奇妙にも体を胎児のように丸めてすっかり床に転がり、しきりに下腹部をさすりながら内腿を擦り合わせ、膝や足首を曲げ伸ばししている。

 

「おお、すごい。さすがに高い高いだけでイクだけあるなぁ」

「……イッちゃったのは、キスのせい、だもんっ」

 

 彼を誘惑して自爆的な快楽が湧き上がって転がったのか、さっきのキスが時間差で効いて〝イッちゃった〟のか。彼は判断を保留して雪美に近づく。

 

「お腹が痛いとかじゃないよね、雪美」

「近い、近すぎ……! ああ、もうダメ、だって、待ってた、ぁ……♥」

 

 ぷちゃぷちゃと奇妙に籠もった水音がする。ブラと揃いの慎ましい白のショーツから愛液か失禁がこぼれ、またフローリングを濡らす。

 

「フローリングでよかったなぁ。ベッドやソファだったら後始末がたいへんだった」

「ふぇ、えへ、へっ……家事を増やしちゃったら、ダメなお嫁さんだもんね……」

 

 雪美がノロノロと身を起こしかけるが、さっきまで腰砕けだった上にジーンズが脱ぎかけでは立ち上がるなどとてもできず、四つん這いまでが精一杯。彼に白いお尻と太腿、ずぶ濡れで灰色になってしまったクロッチを晒したままだ。彼女が口にした通りにスーツごしでも勃起を直視するのが〝怖い〟のか、秘所を見せつけて誘惑しているのか。

 

「この下着も、雪美の衣装のうちなのかな」

「あうぅっ!? 引っ張らないで、伸び、ちゃう……!」

「ダメになったら新しいのを買ってあげるから、ダメにしていい? 奥さんの衣食住を賄うのは旦那の務めだし」

 

 可愛らしいが色気に乏しい雪美のショーツを見ながら、彼は黙ってしゃがみこむ。それから彼女の下着のお尻側を掴んで、びょんびょんと上に引っ張る。

 

「ひゃあっあっあっ、あそこ、擦れ……ぅううっ……♥」

 

 クロッチが秘所にべったり張り付いて刺激され、丸出しの肛門がひゅくひゅく奥にすぼまる。

 

「雪美は俺に言われるまでもなく知っているだろうけど、女性用下着って、デリケートゾーン部分だけ特に柔らかい素材を使っていることがある」

「……どうしたの、いきなり……」

「そして、デリケートゾーン以外の素材は通気性とかホールド感とか、ほかの機能を優先する。言い方を変えると、肌触りを少し妥協する。縫製とかでどうにかすることも多いだろうけど」

「あ、うん……何をしてくれるのか、わかっちゃった」

 

 彼がさらに雪美の下着をあちこちの方向へびょんびょん引っ張る。クロッチがズレて、〝妥協〟した部分が雪美の粘膜に触れる。

 

「あっ、ゃ、あ、んんっ……ひぁ……! ん゙ぁ゙あ゙ッア゙っあ゙ァ゙ッ!?」

「あと、チンポってガーゼごしにしごかれると素手よりやばい、って言うでしょ。それの応用でさ」

 

 平静通りの彼の言葉より、雪美の悲鳴の音量が上回っていた。

 

「ゔぅー……あぐ、く、ぁ……も、ぅ……むり、むぃ……ぷッろお゙ッぴぎゅっ……♥」

「雪美のあそこもこうして擦ってあげたら、と思いついてさ」

「むい゙ッ……こ、こぇぇッ、ぅう、ゲホケホッ……あ、そこ、こわ、れ……」

「初めてだし、軽く慣らしてからいくよ」

「んひぃっ!? ふひっ、あ゙ぁっ、あ゙っひっ、いっ、きひっ、いぃっ♥」

 

 さすがの雪美も本気で逃げ出そうとしたらしいが、もともと四肢が浮遊絶頂で緩められている上、着衣で自縄自縛になっている。もはやがんばっても一瞬も彼の刺激から逃れられない。

 

「下着、しゅりしゅりって行くよ」

「ぷろでゅ……あああイ゙ッ、いぐいぐイ゙イ゙ッ……♥ っくは、あ゙ぁ、は、ぁはぁ、あっあっ……やめっ、あそこ、おかし、く、なっちゃう……♥」

「小刻みにこしゅこしゅってしてみようか」

「ん゙に゙ゃ゙ッあ゙ア゙ァ゙ァ゙ッ♥」

「雪美ってこんな声出せるんだ。中に何か突っこまれてるときより、声が出やすいのかな」

 

 佐城雪美を知る者が聞いても、プロデューサー以外は誰も彼女の声と思えないであろう悲鳴が響く。

 

「お゙……お゙ぅ゙ッあぉ゙ッ……そこダメ゙……ひっ、だっダメって言ってるのに……また……っくイ、ッイ……! あ゙あっイ゙……ま、またっ、あ゙、あ゙っ♥」

「クリトリスが擦りやすくなってきたね。もっと擦ってほしい?」

「んひゅ、かは、ぁ、あッ……あっあそこ、こわれ……は、ぅ、ぁあ゙ぅ……っ!」

 

 雪美が床からふらふら顔を上げて、かくかくとぎこちなく首を振る。乱れきった後ろ髪から絡まって見えにくい上、動きそのものが覚束なくて、彼からだと縦か横かもはっきりしない。

 

「おや、上のお口は不満なのかな、雪美」

「ぬの……ダメ……っ、プロデューサーの、手……じかに、ほし、ぃ」

「手だけでいいの? チンポはやっぱり怖いかな……おまんこぴくぴくで返事しないの」

「ぴゃあうっ!?」

 

 上半身より先に、下着越しの膣口が激しく痙攣して、あんまりな有様に雪美の尻を平手で打つ。手加減したスパンキングが手のひらや尻肉でべったりしていた汗を潰して、べちゃりと冴えなく響いた。

 

「こんな奥さんじゃ、眠れないぐらいベッドを濡らされちゃいそうだし、ここで相手してあげる」

「あぁあっ、こんな……れーぷみたいな、の、ダメぇ……♥」

「旦那をエロ自撮りで煽るほうがダメだろ~っ」

 

 雪美に影響されてか、プロデューサーも口調と仕草がねじれてくる。

 叱りつける口調でいながら、雪美の尻を優しげに撫で回す。

 

「でもな、俺だってべた惚れしたお嫁さんにここまでしてもらっちゃ、ねぇ、ダメとは言えないよ」

「ぅ、わぁ……だから、それ……かっこよすぎて、怖い、の、に……♥」

 

 猫撫で声に切り替わったそばから、脱衣して凶暴なまでに勃起したペニスを取り出し、雪美の秘所にじりじり迫らせる。

 

「さて、約束を果たすって言ったのに焦らしてごめんな……帰ってすぐとはいかなかったけど、抱いてあげよう」

「ゔっゔぅ゙ぅ゙……ん゙ぁぉ……ぉ、ぁ゙ぅぉ……♥」

「何だ、肘が赤くなっちゃってるじゃないか。じゃあバックよりは……」

 

 弱々しくじたばたする雪美を羽交い締めにして、自分も横向きに寝そべる。

 

「これなら床に擦れにくくなるね。じたばたも、なるべくしないように」

「あ、あっあっ」

 

 雪美がその背面側位という体位を知るはずもなかったが、彼にそうされて自分がどうなるかは即座に正確に想像できた。

 

「んひぃっ、お゙っ、おっぐ、んんっあ……は、はひっ、ひゃ……♥」

「まだ入り切ってないぞ、奥様。ゆっくりいくから、しっかりね」

 

 挿入され、膣肉が激しく収縮する。そのくせ両脚は、膝にジーンズを絡ませて中途半端に開いたまま、下側の足が廊下をのたうち回り、上側の足がつま先を宙に放り出しつつガクガクと震える。

 

「おォおお゙……ッ!! ふかいっ、ふかい゙い、ひ、ひっ……♥」

 

 ペニスが膣奥までダメ押しすると、雪美の腰から肩までが弓なりに反り返る。下腹部は迎え入れたペニスの形状をまるで写し取っているかのようにぽこんと奇妙に膨らんでいる。

 

「……大丈夫かなぁ」

「んひぃっ!? お゙っ、ほぉぉおっ♥」

「外から触るのも感じちゃう?」

 

 その〝ぽこん〟をプロデューサーの指が無造作に撫でてやると、雪美は傷口に塩でも塗られたように激しく悶える。

 

「おお、ねじってくれると締めつけ方が変わって……いいね、雪美っ、気持ちいいよ」

「あああ゙っ、ふわあぁっ……! あ゙、あ゙ーっ……!」

 

 悶えるが、羽交い締めと串刺しにされていて彼からまったく逃げられない。むしろ膣肉が不規則によじれて彼を楽しませる始末。

 

「これ腰が使いにくいけど、雪美のおかげで面白い感じだよ」

「あ゙ぁぅ、うぁぁ、っあっ」

 

 ペニスが行き来する激しさで言えば、まともにピストンできる正常位や後背位に及ぶはずもない。雪美が昨夜好き勝手動いた騎乗位のほうが、より奥までしっかり捉えられていた。

 

「雪美の締めつけもいつもよりすごい、ほら、ちゅぽちゅぽ鳴ってる」

「んっ……あ、はッ、アッアッ、アッ……いっちゃっ……っく、イク、いッぐううゔっ!」

 

 声とともに、羽交い締めにされた雪美の体が痙攣する。膣肉が激しく収縮しペニスを締めつける。熱い吐息が喉から連続して漏れる。髪が汗で肌にぺとぺと張り付いたまま細い肩が左右不揃いに震える。

 

「んっ、あ、ぉ……おかしい、の、止まらな……ぁ、あぁあっ♥」

「そうかな? ちょっとやり方を変えれば、ちょっと変わった気分にもなるだろう」

 

 ちょっと。

 幸か不幸か、快楽でぐしゃぐしゃになっていた雪美の意識でも、彼の言葉がどうにか理解できた。彼にとって、これは〝ちょっと〟した気分転換のようなものらしい。

 

「お゙っ、ひ……う、お、お、く……ぁ、あ、い゙っ、イって、へぅ、ぁひ、え゙あ……!」

「大丈夫か? 窒息はしないだろうけど」

 

 横寝の姿勢で舌がだらりとこぼれて、そのまま喘がされ舌先を噛んでしまう。そんな痛みどころでないほど気持ちいい。

 

「いーっ、ひぃ、ひっ……う、ゔ……ウっ……ゔ……ッ……」

「すぐへとへとになっちゃったらもったいないもんな。よしよし」

 

 息苦しそうな雪美を気遣って、彼が背中をさすってくれる。勃起しきったペニスを女性へ抜き差ししている最中の男性にいささか不似合いな仕草だったが、雪美の心身はそれさえも快楽の燃料に変えてしまう。彼がそういう男だと知ったから過去の雪美は幼い身を任せたのだし、今は一生を捧げると当然のように思っている。

 

「ひぎゅっ、ぺうっ、きゃんっ……!?」

「背中も感じちゃう? 盲点だったわ。これまで髪で隠れてたから……ギャグじゃないぞ」

「んっ、うっ、あ、あっ……! あぁっ、はぁぁぁぁ……!」

 

 雪美の嬌声が甘ったくなる。ピストンを止めて背中を撫でつつ囁いてくれるだけとなる。刺激がぬるくなって、雪美の意識に多少の余裕が戻ってくる。

 

「ぜぇっは、ひ、はっ……あっ、はひっ……もう……やさしく、して、もらっても……私……♥」

 

 戻ったところで、その余裕がセックスばかりで埋め尽くされている。法外な快楽に屈服させられている最中と、法外な快楽を予告されて期待と戦慄に震えている間を行き来しているだけである。むしろ中途半端に理性が戻って、彼に溺れている自分の状況を再認識させられてしまう。

 

「おお、雪美のお嫁さんマン肉ひしひしだけってのも気持ちいい」

「ぅ、ぅうう……お願い、ぷろでゅ……ひとおもいに……」

「こんなに気持ちいい生殺しがあるんだ」

「んぎゅっ……わらひらって……ひもひぃい、へろっ……ぉ、ぉうっ、ォっ♥」

 

 さっき彼に膣奥を擦られて死にそうなほど善がっていたのに、今度は雪美自身が細く弱りきった手足をびくつかせつつ、腰を使って膣肉をペニスでずりずり刺激する。

 

「んくっ……た、たり、ないっ♥」

「戻ってきたな……手伝おうか?」

「ん゙ぉ゙ぉ゙♥」

「おヘソの下もすっかり弱々になっちゃったな。お仕事のとき隠さなきゃね」

 

 彼に応じられると、ペニスをねじこまれたままの下腹部をまた外から一撫でされるだけで、ひとたまりもなく限界に追いやられる。

 

「ふ、ひぃ……おなか、なでなで、やめ、ぇ」

「ダメだ、マーチング・メロディとかGo To Paradiseとか、ここお客さんに見せてるじゃないか……どうするんだよ、雪美がチンポ入れられながらここ撫でられるの弱いってバレたら」

「そ、ひたらっ、なるっ、およめさんっ、なる、なるしか、ない……!」

「……もう生殺しは無理だな」

「あァ、あッ、あああ゙あオッ……!」

 

 羽交い締めの片手をお腹から離したかと思えば、乳首をきゅっと摘まみ上げてくる。

 膣奥への突きに合わせて、指先が乳首をこりこりと転がす。雪美の背が反り、つま先が空を掻いてまた丸まる。

 

「ぃ、ぃっ……くひぃ、あっあっあっ……らめ、また、いっぐっ、いっぢゃう……ッ!」

 

 言葉の途中から声が細かく割れていく。それでいて膣肉がひっきりなしに痙攣し、彼のペニスを締める。あまりの快楽に涙とよだれと鼻水まであふれ、雪美は消えかけの理性で顔を伏せる。

 

「は、ぁ……あ゙うっ……お゙ッ……!? ひふっ、きゅ、ぅ……っ!」

 

 声が手の中に籠もって、四肢の震えだけが続く。それでも彼がペニスを締めつけられるままピストンを続けると、不意に雪美ががっくりと首を垂らす。

 

「雪美……おい、雪美っ」

 

 彼が腰を止めて雪美の手をどけると、目が半開きで白目を剥いて、すっかり失神しているようす。だがペニスを抜こうとした瞬間、膣肉は別の生き物じみてうごめき、きゅうきゅう締めつけてくる。ぽっこり膨らんだ下腹部が、もう一つの心臓でもあるかのようにびくん、びくんと一定のリズムで波打っている。

 

「……もっと味わってもらうつもりだったんだがな」

 

 止める理由を探しながら、結局は腰を進めてしまう。眠るように瞳を閉じた雪美の口から、意思とは無関係な喘ぎが漏れる。

 

「んぅ、う……ぉ、ぉ、ぉ♥」

 

 雪美の腰を抱えて子宮口を狙って一気に突き入れると、全身を弓なりに反らしながら電気ショックのように硬直し、膣肉もペニスを閉じこめるような勢いで固まる。

 

「これはこれで興奮するが……でもなあ、やっぱり雪美が……ううっ……!」

 

 言い訳をこぼしながら、彼はペニス快楽に動かされてピストンを続け、失神した雪美の奥深くへ何度も精を放った。

 

 

 

※

 

 雪美がプロデューサーの家に泊まる日が残っていたものの、セックスはその日が最後となった。雪美が強く深い絶頂でジタバタして、手足に小さな擦り傷やアザをいくつも作ってしまったせいだった。

 

『ダメ、ちゃんと治してから』

『健やかなる時も病める時も……って言うのに』

『それセックスするって意味じゃないってわかってるだろ』

『じゃあ口だけ、口だけでいいから……っ!』

 

 オーラルセックスは、柔らかいベッドの上で最終日までたっぷり続けた。愛撫や精飲による絶頂だけで雪美は大いに感じて、ペロ向けに買ったペットシーツの一部を彼女向けに使った。

 

 

 

「うわぁ雪美ちゃん、どうしたの、その……声」

「別に……いつもこのぐらいハスキーだよ……」

「……ゆきみー、ぷろでゅーさーと、おなじ匂い、するー」

「……ボディソープとか、お揃いにしたの」

「おぉ……ふうふ、みたい、だねー?」

「んんっ……照れちゃう、よ」

 

 同じ頃、プロデューサーは事務所で千川ちひろら同僚から――『プロデューサーさん、目つきが……あと隈もすごい……お肌も髪もカサカサして……スタドリ……いや、本当に大丈夫ですか……?』『……夏バテですよ、きっと……これじゃ、どっちが病人かわかったもんじゃ……』『少なくとも、今のプロデューサーさんは病人に見えます』――怪訝な視線を向けられていた。

 

(おしまい)

 

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