【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】 作:ドン・ドナシアン
『……ロウ……』
声がする。
『……イチロウ……』
また、声がした。
それがユグドラの声だと理解するのにしばらくかかった。
『声を出さないで……。まだ、アスカはそばにいるわ……』
ユグドラの名を呼ぼうとして、強い口調でユグドラの声にたしなめられた。
ここは……?
自分は死んだのだろうか……?
身体の下に地面を感じる。
どうやら、地面に横たわっているようだ。
また、身体の下に水溜りがあるのがわかった。
ゆっくりと眼を開く。
一郎はアスカに短剣を刺された場所で、そのまま横たわってた。
水溜りと思ったのは一郎自身の血だまりだ。
胸を刺されて大量の血を身体から流した。
その血の上に一郎は横たわってるのだ。
身体の痛みはない。
だが、身体は痺れるようになっていて、力がうまく入らない。
自分はどうしてしまったのだろう……?
“イチ(田中一郎)
人間(外界人)、男
年齢35歳
ジョブ
淫魔師(レベル60)
戦士(レベル1)
生命力:5↑
攻撃力:20
魔道力:0
経験人数:女2
支配女
エルスラ(エリカ)
特殊能力
淫魔力
魔眼
ユグドラの癒し”
自分自身のステータスを覗いた。
生命力が〈5〉になっているが、じわじわと上がってはいる。
どうやら、死ななかったようだ。
いつの間にか、「ユグドラの癒し」という特殊能力が増えている。
『……あなたは瀕死の状態だったけど、わたしの癒しの効果により、急速に身体が快復しているところよ……。いまも……、そして、これからも即死じゃない限り、大地に触れる状況であれば、わたしの癒しの術によって、大地が魔力を集めて身体を回復させる……。それが“ユグドラの癒し”の効果よ……』
大地に触れる状況であれば……身体を回復……?
なに、その神がかり的な効果……。
『そのままじっとしていなさい……。アスカはあなたが死んだと思っているから、あなたを放っていくと思う。アスカが去れば、あなたは自由よ。もう追われることもない……』
ユグドラの声が一郎の耳元でささやき続ける。
一郎はそれでやっと状況がわかった。
「ああ、あっ、あっ──」
そのとき、エルスラの引きつったような啼泣の声が聞こえた。
一郎はゆっくりと顔を動かして、声の方向に視線を向けた。
少し離れたところで、股間に男根を生やしたアスカが仰向けになって手と脚を真っ直ぐに地面から伸ばした「ブリッジ」のかたちで身体を固定しているエルスラの股を犯していた。
どのくらい犯され続けているのかわからないが、地面から浮いているエルスラの股間の真下にはおびただしいほどの蜜が拡がっている。また、その身体は汗びっしょりだ。
無理な体勢を強いられて犯され続けているのだからそれも当然だろう。
全身は真っ赤に染まっているし、エルスラの顔には涙の痕がくっきりと残っている。
息はもう絶え絶えのようだ。
「ひいいいっ──」
アスカに犯されているエルスラが悲鳴をあげた。
「ほらほら、姿勢を崩すからだよ。糸で豆を引き千切られたくなければ、その姿勢をちゃんと保ってな」
アスカがエルスラを犯しながら嘲笑した。
そのときはじめて、一郎はエルスラの局部に細い糸が喰い込んでいるのがわかった。
糸が巻きつけられているのは、どうやらエルスラの肉芽の根元のようだ。そこに繋がった糸が高い木の枝に結びつけられて、上側に引っ張られている。
エルスラが無理な体勢で身体を持ちあげているのは、その仕掛けによるもののようだ。
「ひいっ、ひっ……お、お願い……。イ、イチ様の手当てを……。お、お願いです……」
エルスラが「ブリッジ」になっている身体を懸命に持ちあげながら哀願した。
「まだ、言ってるのかい。あいつは死んだよ……。それにしても、おかしいねえ……。支配側が死ねば、奴隷状態からは解放されるはずなんだけどねえ……」
アスカが困惑している口調で言った。
一方で一郎は、改めて目の前のアスカのステータスを確認した。
“アスカの影
魔道遣い(レベル70)
生命力:0
魔道力:5000(杖)”
やはり、あれは本物じゃない。
おそらく、本物はここにはおらず、まだあの宮殿にいるに違いない。
また、あの魔道力の数字の横にある“杖”というのが気になる。
そのとき、股間に怒張を生やしてエルスラを冷酷に犯しているアスカが、こっちに視線を向けたような気がした。
一郎はほとんどなにも考えなかった。
自分が起きあがったと自覚したときには、一郎はすでにアスカが右手に持っている杖に蹴りを向けていた。
一郎が杖の表記を気にした途端に、そこが青い光で包まれていたのだ。
杖になにかある。
「あっ、お前──?」
アスカが驚きの声をあげた。
そのときには、一郎の足はアスカの杖を持った右手を蹴りあげて、杖を遠くに飛ばしてしまっていた。
「イ、イチ様──」
一郎が生き返ったと悟ったエルスラが、悦びの悲鳴をあげる。
そのエルスラの股間を残酷に宙に吊りあげている糸を泉から伸びた水の触手が切断した。
エルスラの身体が崩れ落ちる。
「ち、畜生──」
アスカが飛んでいった杖に向かって駆けた。
そのアスカの胴体が青白く光っている。
なにも考えずに、その青い光のある胴体にしがみついた。
「あがっ」
一郎はアスカを地面に引き倒す態勢になった。
「エルスラ、杖だ──。杖を拾え──」
叫んだ。
宮殿にいたときのアスカは、魔道を遣うのに杖など遣わなかったが、あのアスカの影という存在はそうじゃないに違いない。
「お、お前ら……」
アスカが怒りの声をあげた。
しかし、視界に映ったものに、ぎょっとして顔を蒼くした。
一郎も見た。
アスカの視線の方向には、アスカが手放した杖を握って、その先端をアスカに向けている素っ裸のエルスラがいたのだ。
その手はぶるぶると震えていた。
「動かないで、アスカ様。動けば、その首を魔道で切断します」
「お、お前にわたしが殺せるのかい、エルスラ? お前をあんなに可愛がってやった、わたしをね──」
一郎はいま、アスカの上に馬乗りになっていた。そのアスカが激しい口調でエルスラに叫んだ。
次の瞬間、凄まじい圧力を感じた。
一郎の身体の下のアスカが身体を弓なりにして悲鳴をあげた。
エルスラがなにかの魔道を発したのだとわかった。
“アスカの影
魔道遣い(レベル70)
生命力:0
魔道力:0(凍結)
快感値:300(正常)
状態:魔力凍結”
魔眼によって、一郎はアスカの魔力が凍結されたのを知った。
いまの魔道は、エルスラがアスカの魔道の杖を使って、アスカが魔道を遣えない状態にしたものだろう。
もともと、杖を奪った時点で魔道は封じたと思うが、エルスラにより二重に魔道を封じたことになったと思う。
「イ、イチ様……。ア、アスカ様を犯して……。そ、それで、アスカ様はイチ様の支配に陥ります……」
エルスラが杖を慎重にアスカに向けながら言った。
「な、なんだって。そんなことしたら、承知しないよ、小僧──」
一郎に押さえつけられているアスカが叫んだ。
しかし、一郎は首を横に振った。
「こいつはアスカの影だ。多分、本物のアスカは、まだあの宮殿にいるんだと思う……。それに、いまの俺の淫魔力では、本物のアスカも、この影のアスカも支配に陥らせることはできないよ……。それから、このアスカの影を殺すことにもまったく意味はない……」
一郎も言った。
「そんなあ……」
エルスラはがっかりしたような表情になった。
「でも……」
一郎はアスカの身体を持ちあげると、泉に向かって投げた。
「うわあ──きゃあああ──」
エルスラもそうだったが、エルフ族の女というのは見た目以上に軽い。一郎の力でも簡単に身体を持ちあげることができた。
大きな水飛沫があがって、アスカの全身が泉の中に潜っていった。
「な、なにすんだい──」
水から頭をあげたアスカが抗議の声をあげる。
「ユグドラさん、捕まえてください──」
一郎は叫んだ。
アスカがぎょっとした表情になった。
水の触手が一斉に左右からアスカの身体に伸びてきたのだ。
「……だけど、影だとしても、多分、眼の前のアスカと、宮殿にいるアスカの身体は繋がっているんだろう? この影のアスカを通じて、これまでの仕返しにアスカを犯していくのも悪くない」
「えっ?」
エルスラがアスカの影に杖を向けながら当惑するような声を出す。
「俺の勘だけど、このアスカを犯せば、本物のアスカにも犯された感触は伝わるはずだ。なんの意味もないとしても、俺の溜飲はさがる。エルスラを苛めた仕返しにもなる」
一郎はアスカを追って、泉に入り込みながらうそぶいた。
そのときには、十数本の水の触手がアスカの身体に絡みついて、完全に自由を奪っている。
一郎が立っている泉の深さは膝ほどの高さだ。
ユグドラのくすくすという笑いが響いた。
『ふふふ……。アスカ、あなたは、わたしの能力が浄化と幻影しかないと言ったけど、泉の水を自由に操る能力もあるのよ……』
「はああ──? お、お前、離せ──。離すんだよ──」
『イチロウ、アスカ城にいるアスカとこのアスカの繋がりが切断できないように処置したわ。存分に犯してやって……。どんな体位がいい。あなたが上になるの? それとも、アスカを上にさせる?』
ユグドラの声が愉しそうに言った。
「ふ、ふざけるんじゃないよ。こ、こんなことして、ただで済むと思っているんじゃないだろうねえ、小僧」
水の触手に四肢を拘束されているアスカが喚いた。
そのアスカがユグドラの水の触手によって、全身を水面の上にあげられた。両手を上にあげて、脚はM字に開脚した体勢だ。
魔力を封じられた目の前のアスカの影は、エルスラを犯していたときの男根が消滅して、完全な女の股間に戻っている。
アスカの股間はまったくの無毛だった。アスカの宮殿でアスカの「人形」と何度も戦わされたが、そのアスカの人形も無毛だったことを思い出した。
「四つん這いの格好にしてください。獣のように犯すことにします」
一郎は言った。
『かしこまりましたわ……、あ、な、た』
ユグドラのおどけた声がした。
アスカの身体がくるりと反転する。こっちにお尻を向け、水面上で四つん這いになった体勢になった。
「ち、畜生。や、やめないか、ルルドの女精──。イ、イチ──。こんなことをすれば殺すよ──。殺すからね──」
「一度、殺しただろう? 俺が仕返しをしようがしまいが、お前は俺やエルスラを殺しにくるはずだ。だったら、少しでも仕返しをしておくことにするよ」
一郎はまずは、全身の血を泉の水で落とした。
次いで、アスカの背後に立つと、桃色のもやのあるアスカの乳房に手を伸ばしてゆっくりと揉み始めた。
それにしても……。
影とはいえ、あんなに恐怖を感じていたアスカであるのに、犯すと決めたら、自分でもびっくりするくらいに冷静で冷酷な気持ちになれる。
これも淫魔師の力なのだろう。
いまの一郎は、どんなこともできる気がする。
それくらいに自信に満ち溢れている。
不思議な気持ちだ。
「あっ、くっ……」
たちまちに水の触手に雁字搦めになっているアスカが悶え始める。
アスカの身体には、アスカの性感帯を示す桃色と赤色のもやがいくらでもあった。
一郎は片手で乳房を揉みながら、その赤い色を追って指で刺激を加えていく。
たちまちにアスカの息が荒くなった。
『……どう、アスカ? 影を通してでも、このイチロウの凄さがわかるでしょう? これが淫魔師の力だそうよ……。殺すのは惜しいわよ。それよりも、お前も愉しみなさいよ……』
ユグドラがアスカにささやいている。
「だ、誰が……」
アスカが口惜しそうに叫んだ。
しかし、一郎が赤い色に染まっているアスカの身体をくすぐるように刺激すると、たちまちその抗議が嬌声に置き換わっていく。
このアスカの影の「快感値」は、本物と同じ〈300〉だった。
だが、すでにあっという間に二桁にまでなってしまった。絶頂までの〈0〉になるまで、そんなに時間はかからなそうだ。
アスカは、エルスラ以上に快楽には貪欲で敏感のようだ。
「上半身については、耳と乳房と脇腹が性感帯です。そこを刺激してあげてください」
嬉しそうなユグドラの笑い声とともに、泉から新たな触手が伸びて、一郎が示した場所をその触手が擦り始める。
一方で、一郎は泉に跪くと、目の前に割り開かれているアスカの太腿の付け根に下から唇を押し当てた。
「はああ、ああっ」
アスカの身体が大きくのけ反ったのがわかった。
一郎は真っ赤なもやの充実しているアスカの股を余すことなく舌を這わせ、あるいは唇を押し当てて吸ってやった。
一番赤い部分は、真っ赤に熟れたようになっている花唇の部分だが、あえてそこは避けて、ほかの部分を刺激してやる。
夕べのユグドラとの性交によって、そういうことが効果的であることを覚えていたのだ。
しつこくそれを続けていくと、その部分の赤いもやは信じられないくらいに真っ赤になってしまった。また、アスカは耐えられなくなったように、腰を左右に振り続けてもいる。
気がつくと、アスカの影の快感値の数字は、“30”にまで落ちている。
股間は愛撫によって流れ出た蜜が滴るほどだ。
数少ない経験だが、こうなってしまえば女体というのはもろいものだということを一郎も知っている。
「宮殿にいるアスカも俺の声が聞こえますね? 俺に犯されたくなったら言ってください。奴隷扱いしてくれた男の珍棒を挿入してあげますよ」
一郎は言った。
「と、とぼけるんじゃないよ、このサルが」
アスカが怒声をあげた。
しかし、淫魔の力により、一郎はいくらでもアスカの身体から快感を絞り出すことができる。
顔を股からあげた一郎は、今度は真っ赤に熟れたように赤い部分はそのままにして、まだ桃色の部分が真っ赤になるように刺激を加えていった。
「はあ、はっ、はあああっ」
アスカが泣き声のような嬌声をあげた。
一郎は、下半身を中心にして桃色の部分に刺激を集中した。
そして、桃色の部分が赤くなれば、ほかの桃色の部分に移るのだ。そうやって、全身を真っ赤に染めたようにしていけば、どんな風になるかを知りたかった。
そのあいだも、ユグドラの水の触手は、アスカの上半身の性感帯のあちこちを責めたてている。
アスカは半狂乱になった。
「ち、ち、畜生……ああっ、ああっ、あああ」
アスカの身体ががくがくと震えだした。
数字はすでに一桁だ。
これは絶頂の予兆だ。
そのとき、一郎の指はアスカの肛門の付近をくすぐっていた。
「いったん中止です」
一郎は大声をあげた。
刺激を加えていた触手が一斉に離れる。
一郎は指を信じられないくらいに真っ赤なもやに覆われている股間に挿した。
股間の中のどこが感じる場所かも、いまの一郎には丸わかりだ。
そこを指先で掻くように刺激を加えた。
「うはああっ」
触手に押さえつけられたアスカの裸身が弓なりに跳ねた。
一郎はさっと指を抜く。
アスカの身体が脱力したようにがくりとなった。
零になりかけていた数字が止まり、〈1〉と〈2〉のあいだをいったりきたりし始める。
それがゆっくりとあがっていく。
「な、なんのつもりだい、小僧」
アスカが喚いた。
「さっきも言ったでしょう、アスカ? 犯して欲しければ、奴隷の俺に頼むんですよ。一生懸命に頼んだら、犯してあげてもいいですよ」
一郎は笑った。
長い性交が続いている。
アスカはまだ堕ちない。
もっとも、身体は屈している。
一郎は、怒張をずぶずぶと開き切っているアスカの下肢の付け根に押し入らせていく。
「ああっ、うあああっ」
濡れきったアスカの股間が一郎の勃起した肉棒の先端に触れるなり、びくりと竦んだ。
〈10〉……。
一郎はしっかりとアスカの「快感値」の数字を読んでいる。
完全に濡れきっているアスカの股間は、呆気ないくらいに簡単に最奥まで一郎の肉棒を受け入れた。
「く、くそうっ……」
水の触手に雁字搦めにされて、四つん這いの態勢で泉の上に引きあげられているアスカの身体が激しく動き出す。
特に腰の動きが凄い。
そこだけ、まるで違う生き物のように淫らに揺れ動いている。
一郎は数字が“5”に下がるまで待ち、両手でアスカの腰が動かないように固定してしまう。
「ああ……も、もう……」
「もう、なに、アスカ? 抜くよ……」
一郎はゆっくりと慎重に怒張を抜いていった。
「ああ、ま、待って……。待って……」
強い力でアスカの股間が逃がすまいとするかのように一郎の怒張を締めつける。
一郎はこんなことができるのが自分でも信じられないと思いながら、ぎりぎりのところで、アスカの股間から怒張を抜いてしまった。
「ち、畜生……こ、こんなの……こ、こんなの……」
宙に浮かんでいるアスカの身体が口惜しそうに震える。
数字は〈2〉……。
一郎は間髪入れずに、敏感な股間の蕾に手を伸ばして、ゆっくりといじり始める。
「くはあっ」
アスカの身体はばね仕掛けの人形のように大きく跳ねた。
だが、アスカの身体は敏感だが、ここを刺激するだけでは簡単には昇天することができないらしい。
やっぱり、男の性器で股間を貫いてもらわないと、どうにもならないように思える。
アスカの身体は膣の最奥を強く擦って欲しくて、快楽の責め苦で荒れ狂っている状態のようだ。
一郎の魔眼の能力により、アスカの真っ赤な全身のもやのうち、そこだけが燃えるように赤黒くなっていた。
すでに皮がめくれている肉芽を触れるか触れないかの程度でゆっくりと回し動いた。
「ひいいいっ」
アスカの身体ががくがくと震えるとともに、口から切なそうな泣き声もあがった。
数字は〈1〉──。
一郎は指を離した。
「ああ、またああ──」
アスカが吠えるような声をあげた。
『ふふ……さすがのお前もイチロウには形無しね。このイチロウを手放したのが惜しくなったでしょう? 冷たい仕打ちをしたから逃げられたのよ……。さあ、いまからでも頼めば……? どうぞ、奴隷にしてくださいってね」
ユグドラの声が響いた。
「……ふ、ふざけるんじゃ……」
アスカは悪態をついたが、いまやその口調は弱々しい。かろうじて虚勢を張っているという感じだ。
「頼まれても奴隷にはしませんよ。でも、頼めば、最後までいかせてあげますよ、アスカ……」
快感値が〈3〉まであがったところを再び肉芽を指で刺激しながら、花唇の入口を亀頭で軽く叩くようにして〈1〉まで下げる。
「ひんっ」
だが、それでやめて放置する。
アスカの腰が物欲しそうに揺れ出した。
すでに十数回同じことを繰り返している。
かなりの時間がすぎたが、アスカはただの一度も絶頂には達していない。
ただし、ぎりぎりのところまで追いつめられては、刺激を中止されるという徹底した焦らしを受け続けているだけだ。
もちろん、一郎はまだアスカに精を放ってもいない。
アスカは少しも我慢できないのだろう。
拘束された身体を狂ったように暴れさせている。
その全身がすっかりと欲情しきっているのは、身体全体が真っ赤に燃えるようにもやがかかっていることでわかる。
それに比べて、一郎はいくらでも射精を我慢できそうな気がした。
これが淫魔力によって増強された性の力だろう。
今度は〈9〉まで待つことにした。
しかし、いまや、どんなに待っても、なかなかアスカの快感値の数字は、二桁にはあがっていかない。おそらく、十数回も繰り返された快楽の浮き沈みによって、身体の五感という五感が燃えあがり、どうしようもなくなってしまっているのだと思う。
『わかるわよ、アスカ……。こんなの耐えられないでしょう? 官能の地獄よね……。もう、イチロウにお願いしなさいよ。どうぞ最後まで犯してってね……』
ユグドラが誘うようにアスカの耳元に声をささやき続けているのが聞こえる。
今度は、一郎の決めた〈9〉にまで回復するのに、かなりの放置をしなければならなかった。
「さて、じゃあ、アスカ女王の欲しいものをあげますよ」
一郎はアスカが腰を振って勝手に快楽をむさぼらないように、しっかりとアスカの腰を両手で押さえてから、再び肉棒を挿し始める。
「あはああっ」
アスカが甲高い声をあげてうち震えるのがわかった。
すごい力で腰を振ろうとして、さらに膣で一郎の肉棒を締めつけてくる。
数字は、〈4〉……。
一郎は最奥の手前で挿入を停止した。
腰を押さえつけている手を離す。
「あううっ」
アスカが悲鳴のような声をあげて腰を振り、快感に溶けていくような声を出す。
しかし、すでに一郎の怒張はアスカの股間から抜け出ようとしている。
逃がすまいとするかのように腰だけで追ってくるアスカの股から一物が離れたとき、アスカの数字はちょうど“1”だった。
「いくらでもこれを繰り返すつもりだよ、アスカ……。俺におねだりする気になるまでね」
一郎は言った。
放置されているアスカの身体が口惜しそうに震えだした。
眼の前のアスカは、アスカの影にすぎないが、アスカに加わっている性欲の焦燥感と屈辱感はアスカ本人のものだ。
物欲しげに振り動いている腰を除いて、アスカの身体は恥辱でぶるぶると震えている。
そして、同じことをさらに三回繰り返したところで、ついにアスカが屈服の言葉を発した。
「……して……。もう……しておくれ……」
かすかだがはっきりとそう言った。
一郎は抜いていた怒張をずぶずぶと挿していった。
「もっとはっきりと言うんだ。おマンコしたいとね……。さもないと、また抜くよ」
一郎はアスカが刺激して欲しい膣の最奥の手前で挿入をいったん中止して大きな声をあげた。
自分にそんなふるまいができるのが奇妙な感じだが、こうやってアスカを性の技で追い詰めることのできる自分自身が小気味いい。
「ひいいっ、したい……。もう許して──。おマンコして──。狂ってしまう──。しておくれ──」
アスカの口が大きな声で叫んだ。
ここまで追いつめれば満足だ。
一郎はぐいと怒張を突きあげて、自分の亀頭の先端を刺激して精を放った。
「ほおおおっ」
それを感じたアスカの口が迸るような声をあげた。
だが、一郎にはアスカを満足させる気など最初からなかった。
一郎は自分だけさっさと精を放つと、射精したばかりの一物を一気に抜いた。
そのときのアスカの数字が、ほとんど零に近い状況であったが、まだ零には達していないことを一郎は確認していた。
「あっ、まだああっ」
アスカが慌てたような声をあげた。
「ねえ、強引にあなたが繋げている宮殿のアスカと、このアスカの影の繋がりをこの瞬間に遮断したらどうなります?」
一郎はユグドラに訊ねた。
『……すでにアスカをこれだけ追い詰めているものね……。影が受けたダメージと、本物が受けたダメージは同じだもの……。いま切断すれば、眼の前のアスカの影は存在を保てなくなって消えるわ……。それだけじゃなく、かき乱された精神力を復活させるのに、多分、丸一日はかかるでしょうね。それまでは魔力を集めることもできないはずよ』
ユグドラの声がくすくすと笑った。
「そうだと思いました……。切断してください。さよならです、アスカ」
一郎は笑った。
「くあっ」
眼の前のアスカの影が悲鳴のような吠え声を残して、その姿を消した。