【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】 作:ドン・ドナシアン
「んんっ、ううっ、さ、猿ぐつわ……。わ、わかった、ここでいいから……せめて猿ぐつわして、ロウ」
ミランダは必死になって言った。
テーブルの上に上半身をうつ伏せに押しつけられ、執拗に肛門を愛撫され続けている。犯され始めて、まだいくらも経っていない。
だが、ロウの指で嬲られる尻穴からは、すでに尋常でない疼きが拡がっていた。秘部からも愛液が溢れ、肛門と秘部がひと塊となって異様な熱を全身へ流し込んでいる。
「この部屋で俺たちが情事しているなんて、とっくの昔に知れ渡っているよ、ミランダ。遠慮なく声をあげなよ」
ロウは片手でミランダの首をテーブルに押さえつけ、もう一方の手で尻穴を責めながら、嘲笑まじりに言った。
ミランダは上半身こそ衣服をまとっていたが、腰から下は裸だった。
ロウが入って来るなり、待っていたミランダからスカートと下着を剥ぎ取り、首環付きの手錠をかけて両手を首の後ろで束ねさせ、会議用の長机に押さえつけたうえで尻を穿ったのだ。
その瞬間から、ミランダは凄まじい甘美感に覆い尽くされていた。いつの間にか、こうして動きを封じられて抱かれた方が、圧倒的な快感を覚える身体に変えられてしまっていた。
ロウに定期的に抱かれるようになって約二箇月──。
いまやミランダの肉体は、どこを触れられても一瞬で快感に溺れるほど敏感に変えられていた。
特に尻を犯される感覚に弱い。いまも、菊座をまさぐられるたび、峻烈な愉悦が押し寄せている。
「ううっ、お、お願いよ、ロウ……。こ、声が……。布を……なんでもいいから……」
ミランダは狼狽の声をあげた。
ここはギルド本部の奥にある職員用の小さな会議室だ。
冒険者用の個室とは異なり、壁は薄く、防音の処置もない。しかも、片側の扉は広いロビーに通じ、反対側は事務職員の執務室に繋がっている。
誰かが入ってくることはまずないはずだが、淫らな声をあげれば、訝しんだ職員が扉を開かないとも限らない。
しかし、両手を首環の後ろで拘束されているミランダには、自分で口を塞ぐこともできない。
押しつけられた硬い机では、なにかを噛んで声を堪えることもできないのだ。
「ミランダと俺がこういう関係だということは、みんな薄々感づいているさ……。なにしろ俺がクエストを受けに本部へ来ると、必ず最初にこうしてミランダとふたりきりで執務室か、ここにこもる……。しばらくしてからロビーで待たせているエリカたちが呼ばれる……。そんな繰り返しだ。俺が来るたびにミランダを抱いていることなんて、もう隠せやしないよ」
「そ、それでもよ──」
ミランダは声をあげた。だが、ロウのいうことは当たっているかもしれない。
このところ職員たちが自分を見る目には、揶揄うような、あるいは妙な親しみが混じっている気がしていた。
それに、ロウの女になってから、ミランダは以前より頻繁にスカートをはくようになっている。
ロウがそれを好むからだ。
しかも、エリカも、シャングリアも、コゼを除いたロウの女はみんな短いスカートを身につけている。
ロウが複数の女を愛人にしていることはすでに有名で、その彼が自分の女に短いスカートをはかせていることも知られている。
そんな状況で、ミランダが短めのスカートを選び、しかもロウとふたりきりで部屋にこもるのなら──勘の鈍い者でなければ関係は明白だろう。
もっとも、知られたところでどうということはないし、それで副ギルド長としての指導力が損なわれるわけではない。
それでも、ひとりの男にここまでのめり込んでいる姿を知られるのは、やはり恥ずかしかった。
しかも、相手は、ギルドに所属する冒険者のひとりだ。
だが、やめられない……。
ミランダもまた、ロウとの情事を愉しみにしている。
ロウに命じられると、まるで操られるように股を開いてしまう。今日だって、服を脱げといわれれば従い、首環付きの手錠を首環の後ろでかけろと命じられれば、期待とともに自ら自由を差し出してしまった。
なぜか、ロウには逆らえない。
それはまるで魔道のようでもあった。指には指環があるのだから、魔道で逃げようと思えばできる。だが、とてもその気にはなれなかった。
そもそも、ミランダの怪力であれば、この程度の拘束であれば、引き千切ることだってできると思う。
でも、できない。
する気にならない。
そもそもロウとの倒錯的な情事のあいだは、それ以上はなにも考えられない。
思考が止まってしまうのだ。
「なにも考えるな、ミランダ……。俺が与える快感を味わえばそれでいい……」
ロウの指が、肛門だけでなく濡れそぼった秘部にも挿し入れられる。
二本の指がふたつの穴を同時に貫き、その薄い壁越しに擦り合わせるように動いた。
「……んぐうっ、いやああ……そ、それは……だめえ──」
蕩けきった粘膜を内側から擦られ、ミランダは声を張り上げかけた。
だがすぐに、ロウの手が彼女の口を塞ぐ。
叫ばずに済んだことに安堵しながらも、両手を首環の後ろで拘束されたまま、口まで塞がれ、背後から嬲られる屈辱に、むしろぞくぞくと震えが走った。
これでは、まさにレイプされているみたいではないか。
電撃のような快感が全身を駆け抜け、理性をさらっていく。
「んぐっ……」
快楽に押し流され、もう考えることさえできずに悶えた。
どうしてこれほどまで感じてしまうのかわからない。
けれど、ロウに触れられると、いつも我を忘れるほどの快楽に呑まれてしまう。
「ミランダの好きなものだ」
囁くと、ロウは尻に食い込ませていた指を残したまま、股間を抉っていた指だけを抜いた。
そこへ、ズボンから取り出した怒張が押しつけられる。
お尻ではなく、その下を滑って前側の亀裂に……。
「んんんっ……」
息を呑んだ瞬間、肉槍が膣へとめり込んでくる。
挿し込まれた途端、全身を呑み込む快楽の奔流。
指の責めでは到底及ばない、桁違いの熱量だった。
この長さ──。
この太さ──。
このかたち──。
すっかり身体に刻み込まれた幹が、膣を奥まで突き抜けた。
烈しい愉悦が全身に走る。
「んんっ、んっ、んんんっ」
律動が始まる。
驚くほどの速さで突き上げられ、股間が溶けるように蕩けていく。
勝手に自分の腰が揺れる。
そして、あっという間に、全身を打ち砕く絶頂が迫った。
ミランダは夢中で内側からロウを締めつけた。
「……おっ、さすがの……ミランダだ──」
怒張が大きく脈打ち、奥へ精が奔った。
その熱を受けた瞬間、ミランダも矢に射抜かれたように昇天した。
「あああっ──」
甲高い嬌声が洩れたのは、ロウの手が口から離れたせいだった。
慌てて口をつぐむが、律動は止まらない。
ロウの怖ろしさは、一度の放出で終わらないことだ。
精を吐き出したばかりだというのに、抜くことなく、同じ激しさで突き続ける。
異常な熱に身体は火照り、欲情は尽きるどころか高まるばかり。
「あうっ……は、うっ……」
突き上げられるたび、しゃくりあげる声が零れる。
二度目の波があっという間に押し寄せ、ミランダは再び快楽に呑まれた。
「ああっ……」
嬌声とともに、また絶頂に昇りつめていく。
「次は尻だ」
ロウが怒張を膣から抜いた。
「も、もう……いいわ……お、お願い……ロウ……」
息も絶え絶えに、ミランダは懇願した。
あまりにも短い間に二度も絶頂へ攫われ、息が詰まって死んでしまいそうだった。
ミランダともあろうものが、こんなにも露わに身を震わせている──それがたまらなく恥ずかしい。
しかも、ミランダはドワフ族だ。
快楽をあからさまに表へ出すのは恥とされている。
だが、ロウに責められているかぎり、自制を保つなど到底不可能だった。
そのとき、尻たぶが鋭く張られた。
「いっ……」
痛みよりも、叩かれたという事実に衝撃を受ける。
尻を打たれるなど屈辱以外のなにものでもない。
だが、同時にそれは烈しい愛撫にも等しく、全身を駆け抜ける昂ぶりが胸を焼いた。
──危険だ。
この男との交わりは、やっぱり危険すぎる。
屈辱感が強いほど、興奮は苛烈に増していく。
理屈では抗えない。
「尻をもっと高く上げて、俺に向けるんだ」
再び叩かれ、ミランダはもう堪えられなかった。
膝を伸ばし、尻穴を突き出すように掲げる。
そこへロウの怒張が上から叩き込まれた。
「ふうううっ……」
灼熱の幹が貫いた瞬間、肛門から全身へと快感が爆ぜる。
さらに、亀頭の先端が奥の一点を突き抜いた。
「はああっ……」
大きく喘ぐ。
もう耐えられない。
「ああおおっ──」
三度目の戦慄が全身を駆け巡った。
さきほどの絶頂など比べものにならないほど高みに、一気に引き上げられる。
頭の中が真っ白に塗り潰された瞬間、ロウの怒張が奥深くに劣情の証を放った。
そのまま、長いあいだ──ミランダは尻穴で彼の幹を受けとめながら、震え続けていた。
やがてロウが怒張を抜き、ようやくミランダの身体を解放した。
首環の手錠を外すと、椅子のひとつに座って膝の上にミランダを横抱きにする。
ミランダは小柄だ。
身体を丸めると、すっぽりとロウの脚のあいだに収まった。
しゃくりあげるような声を漏らしながら、しばらくは快感の余韻に酔い続ける。
興奮が鎮まるまでには時間が必要で、そのあいだ、ロウはずっとミランダを抱いたままでいてくれた。
「はあ、はあ……。も、もう……大丈夫よ……」
ようやく息を整え、ミランダはロウから離れた。
身体を起こして、隣の椅子の上に置いていたスカートを手に取る。
「さて……そろそろ仕事の話でもするか、ミランダ?」
ロウは平然と笑った。さっきまでの鬼のような激しさは消え、どこにでもいる冒険者のような顔に戻っている。
──なんだか口惜しい。
自分は立ち上がるだけでも辛いほどに身体を使い果たしているのに、ロウは涼しい顔をしている。
ひとりの男に身も心も奪われ、夢中になってのぼせ上がっている──その事実が恥ずかしい。
だが同時に、不思議な高揚感にも包まれていた。
すべてを捧げるべき男に抱かれ、淫らに振る舞う権利を与えられている。
自分はその女のひとりになれた──。
それが心からの満足感となって胸を満たしていた。
「そ、そうね……。クエストの話をしましょうか」
乱れた髪を手で整え、ロウの前に座り直す。
「待て。あいつらを呼んでくる。クエストの話なら一緒に聞かせないと」
ロウが微笑んで、立ち上がった。
ロビーで待たせているエリカとコゼ、シャングリアを呼びにいくのだ。
「あっ、待って。ここは事務職員用の場所よ。冒険者用の個室に向かって……。ええっと、五番の部屋に」
「五番な。了解──。そこで、エリカたちと待ってる」
ロウが出ていく。
堂々と職員用の場所を通り抜けて、冒険者たちの広間に向かうのだろう。いまでは、職員たちも慣れたもので、ロウを職員側の場所で見ても咎めることはない。
残されたミランダは椅子の背に身体を預け、ふとロウのことを思った。
──なぜ、私はあの男に惹かれるのだろう……。
考えても答えは出ない。
けれど思い返せば、最初にギルド本部で出会ったときから、どこか「男」として強く意識していた気がする。
それを胸の奥に封じ、数多の冒険者のひとりとして接してきた。
だが、あの夜、すべてが崩れた。
自分の不手際で幽霊屋敷にロウたちを行かせてしまい、代償として身体を差し出すことになったのだ。
拒むことはできなかった。
好意を抱いていたこともあるが──なにより、目の前に現れたロウは自分の知る彼ではなかった。
押しが強く、好色で、鬼畜で、淫乱で……。
そして、怖ろしいほどの技巧と持久力を持つ男。
その手に触れられるだけで、電撃に打たれたように愉悦が走った。
あれから二箇月。
屋敷で彼を訪ねれば乱交のような夜が待っているが、ギルド本部で抱かれるときは必ず一対一で、女たちはロビーに待たされる。
それはロウなりの、ミランダへの敬意の表れなのだろうか。
抱かれるのは十日に一度か二度。
だからこそ、この危険すぎる情事の時間は、ミランダにとってかけがえのないものになっていた。
やめられない。
もう二度と……。
──そのときだった。
ロビーの奥から、悲鳴が引き裂くように響いた。
それは瞬時に場の空気を凍らせ、時間の流れを鈍らせた。
「きゃあああ……ご主人様……」
「エリカ……なにをするのだ……」
コゼとシャングリアの声が重なり、その直後に重い衝撃音が床を震わせた。
ミランダは胸を締めつけられるような不安に駆られ、扉を押し開けて駆け出した。
広間は騒然としていた。
二十人近い冒険者や職員が立ち尽くし、誰も声を発しない。
茫然と見つめる視線の中心に、血の海が広がっていた。
ロウが倒れていた。
腹から溢れ出す血潮に床は染まり、赤が音もなく広がっていく。
その身体はシャングリアとコゼに抱きとめられていたが、荒く上下する胸と、血に濡れた手の震えだけが、彼がまだ生きていることを示していた。
「ロ、ロウ……どうしたのよ──?」
ミランダの声はかすれ、怒鳴ったつもりでも、哀訴にしか聞こえなかった。
駆け寄り、血に濡れるのも構わず抱きしめる。
だが、ロウの瞼は閉じられ、返事はない。
「これは……誰が……誰が刺したの……?」
嗚咽のように問いかける声が広間に響く。
その問いに答えるのは、震えるシャングリアの声だった。
「エリカ……だった。なにが起きたのかわからない。ただ……突然、ロウを……」
コゼも蒼白な顔でうなずく。
また、シャングリアが血で濡れた布を掴み、必死にロウの傷口を押さえ込んでいる。
「ああ、お願いだ……。止まれ……止まってくれ……」
シャングリアの声は涙に濡れていた。
血は止まらない。赤は広がり続けている。
そのとき、コゼが震える鼻先を血に寄せ、蒼ざめた表情で呟いた。
「魔毒の匂いよ……。この傷、治療を受け付けないかもしれない……」
ミランダははっと我に返った。
狼狽に沈む場合ではない。副ギルド長として、この男の女として、ロウを救わねばならない。
「布をもっと重ねなさい。誰か、治療の得意な者を呼んで。毒消しも在庫を運んできなさい」
声を張り上げ、周囲を見渡す。
その言葉に、ようやく周囲の冒険者や職員が動き出した。
血の匂いが広間を覆う中、ミランダの胸にはただひとつ、ロウを失ってはならないという切実な思いだけが渦巻いていた。