【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】 作:ドン・ドナシアン
両手を後ろで縛られ、首輪に天井から伸びる鎖を繋げられて引きあげられた体勢のまま、エリカは立たされていた。
繰り返された電撃で、すでに身体は限界を超えているのに、首輪を引かれる鎖が膝を折ることさえ許さない。
しかも、もう尿意は限界だ。
一郎の腕が背後から絡みつき、股間へ指が差し込まれた。
「い、いやあ……っ……ああっ……」
忌まわしい──そう思うのに、指が動けばどうしようもなく快感が奔る。
あっという間に熱がこみあげ、甘い声が勝手に洩れ出す。
情けなく反応してしまう自分の身体が恨めしい。
「……蝋燭は何本だ? 三本だな?」
耳元に囁かれる低い声。
股間をいやらしく抉られ、思考が引きちぎられる。
「ううっ、い、いやっ……っ、ああっ……」
さらに片方の乳房に指が伸びた。
荒れ果てた身体を抱きすくめられ、上と下で同時に嬲られる。
抵抗の力など残っていない。
全身に震えが走る。
乳首がつんと立ち、胸はさらなる快感を求めるように自然と突き出された。
理性は「恥ずかしい」と叫んで拒もうとするのに、身体は浅ましくもしだれかかり、ロウに縋るように悶え続ける。
ロウの手管が、すべての思考をもぎ取っていく。
──なにも考えられない。
ねっとりとした指の感触が、奥底から熱を呼び起こす。
股間が……。胸が……。全身が燃えるように熱い。
震えが止まらない。
「……蝋燭は何本だ……? 三本だな……」
再び囁かれる。
三本──。
喉まで出かかった言葉を、エリカは必死に飲み込んだ。
「に、二本──」
すると、ロウの指が離れていく。
どうしようもない失望感が胸を刺した。
肌から手が遠のくと、耐えがたい寂しさが押し寄せる。
──ロウをがっかりさせた。そう感じてしまう自分に、愕然とした。
なぜそんな気持ちになるのか。
恐怖と憎悪でしか見ていないはずの男を、身体はすでに受け入れ始めている。
感情と理性がばらばらに裂けていく。
憎悪に震える自分と、快感に縋る自分。
どちらも本物で、互いに否定し合っている。
「エリカ、反抗には罰だ……。そして、服従には快感だ。それを身体で覚えるんだ」
声は優しいが、次に向けられたのは電撃棒だった。
「ぐううっ──きゃあああ──」
髪を振り乱して逃れようとする。
だが、後手を縛られ、天井の鎖に吊られている身に逃げ場はない。
汗まみれの裸身に、容赦のない電撃が突き刺さる。
十発……。
十五発……。
数える余裕もなく、気絶寸前まで電撃を流され、ぎりぎりで切断される。だが、間髪入れずに、また電撃を身体のあちこちに流される。
それが続く。
反発心は焼かれるように削られ、ついにすすり泣きが口をついた。
やがて棒が下ろされ、糸が切れたように力が抜ける。
鎖を首輪に繋いだまま。前のめりに崩れ落ちるエリカを、再びロウの腕が抱きしめる。
そして、あの愛撫が始まる──。
「ああっ、あっ、はあっ……」
狂いそうだった。
電撃の苦痛に晒された後には、愛撫が与えられる。
股間に指が這えば、否応なく火がつく。
胸を撫でられれば、熱が燃え広がる。
しかし、絶頂までは導かれない。
必ず、ぎりぎりで寸止めされる……。
──耐えられない。
寸前で止められるたび、欲望は積み重なり、理性を侵す。
そして尿意……。
張り裂けそうな下腹は、もう堪えることすら苦痛だった。
「はあ、ああっ、お、お願い……。も、もう、漏れます……。お、おしっこが……」
涙声で縋る。
「蝋燭の炎が三つだと答えれば、ひとりだけで小便をさせてやる。だが、言えぬなら垂れ流しだ。もちろん、粗相には罰があるぞ」
声色は優しい。
だが、その言葉は残酷だ。
それでも──心の一部は甘美に酔い、震えている。
「……さあ、蝋燭は何本だ?」
「二本……」
最後の抵抗だった。
この一線を越えれば、すべてが崩れる。
もうひとりの自分が現れて、今の自分を押し潰す。
ロウは喉で笑い、再び電撃棒を構えた。
「……さすがはエリカだ。反抗し続けて俺を愉しませてくれる。その調子で頑張れ。心は屈していなくても、身体はどうしようもなく屈してしまう──それが嗜虐の醍醐味だ」
震える唇を噛み、エリカは耐えた。
だが、その言葉に、一瞬だけ救いのような錯覚を覚える。
──抵抗してもいいのだ。
そう思わせる声に、さらに心が揺さぶられる。
「はうううう──ふぐうううう──」
再び電撃が襲う。
苦痛なのに、なぜか愉悦が芽生える。
嬲られ、壊される自分に快感を見出してしまう。
棒の先端が股間の裂け目に押し当てられた瞬間──。
「ぎゃあああ──」
ついに、全身の力が抜け、がくがくと震える。
「あ……だ、だめ……そ、そんな……ああ……」
抑えきれず、熱い奔流が股間から噴き出した。
尿が太腿を伝い、床に無残な水音を刻む。
「漏らしたな……。罰だ。今夜の調教は終わりだ。明日の朝、もう一度、蝋燭の数を訊ねてやる」
冷酷な声が落ちる。
羞恥と屈辱に塗れたまま、エリカは項垂れた。
エリカの放尿が終わるのを待ち、ロウが電撃棒を投げ捨てた。
部屋の隅に立っていた屋敷妖精のシルキーが、それを無言で拾い上げる。
ロウが何事かを耳打ちすると、シルキーは頷き、魔道で取り寄せた何かを手渡した。
ロウが再び近づいてくる。
「こ、こんなことをいつまでも……やっても……無駄よ……。わ、わたしは……奴隷にはならない……」
エリカは、自らの尿でできた水溜りの上に立たされながら必死に言葉を吐き出した。
「そんなことはどうでもいい。俺が訊ねているのは蝋燭の数だ。──あれは三本だ」
蝋燭は二本だ、と叫びかけた瞬間、エリカの口に硬いものが押し込まれる。
ずっと使われてきた、小さな穴の開いた球形の嵌口具だった。 後ろで紐を縛られ、声は押し殺される。唾液が穴から溢れ、顎を濡らした。
すぐにロウの手が股間に伸びる。
視線を落としたエリカは愕然とした。
──あの糸だ。
木馬責めのときから陰核に結ばれていた、あの糸をロウが握っている。
陰核の根元に結ばれていた糸は解かれたわけではなく、肉芽に結ばれたまま垂れている状態だったのだ。
それを引っ張りあげられる。
「んふううっ、ふううううっ」
股間に刃物を突き立てられたかのような激痛が迸り、エリカは悲鳴を上げた。
「んんんんっ、むんぐうううっ」
哀願の声も嵌口具に阻まれ、言葉にはならない。唾液が飛び散るばかりだ。
ロウは冷ややかに微笑みながら、糸を天井から降下してきた別の鎖に結びつけた。そして、その鎖がからからと音を立てて引き上げられていく。
「んはああ、んんんん」
エリカは必死に声をあげる。だが、ロウの口元には愉しげな笑みが浮かぶばかりだった。
「んぐうう──」
糸がぴんと張りつめる。
脳天まで貫く激痛に、エリカは嵌口具を噛みしめ、爪先立ちで股間を少しでも浮かせようとした。
みっともない姿など気にしていられない。
「頑張れよ。明日まで休憩だ。炎の数を三つと言わなかったことをしっかりと反省しろ。そして、刻むんだ──。“反抗には罰、服従には褒美”だ」
さらに、首輪を吊っていた鎖が外される。
いまやエリカは、陰核に結ばれた糸だけで、天井に吊られる格好だ。
しかも、爪先立ち──。
脚が震える。
爪先がわずかに崩れるたび、糸が抉りこみ、股間に絶望的な痛みが走る。
「気を緩めるな。緩めれば肉芽が根元から千切れる。まあ、そうなってもクグルスがいる。すぐに綺麗に治してやるさ……。とにかく、朝まで頑張れ。明日、もう一度訊ねてやる。蝋燭の数をな」
ぞっとした。
本当に千切れても構わないつもりなのだ。
これは脅しじゃない。
クグルスの魔道なら回復できる。だから、ロウは容赦なく、エリカのクリトリスを引き千切れるかもしれない。
「んっぐ──。んっぐう──」
三つ──。
三つ──。
火は三つ──。
懸命に叫ぶ。
だが、ボールギャグのために、言葉にならない。
全身にひきつるような痛みが走り、エリカは必死で爪先を突っ張った。
「それと……退屈しないように贈り物だ」
ロウが糸をぐいと引いた瞬間、エリカの身体がのけぞる。
そのまま、ロウが何かを糸に括りつける。
──ろーたー。
過去に羞恥責めで使われた淫具が、股間を吊る糸に固定される。
次の瞬間、ぶるぶると震えが糸全体に伝わり、陰核を直撃した。
「んんんんっ」
エリカは目を見開き、身体を震わせた。
痛みと共に、耐え難い疼きが押し寄せる。
「じゃあ、お休み、エリカ。明日の朝には、いい子になっているといいな。シルキーも休んでいい」
ロウの声とともに、シルキーの姿が消える。
そのままロウも部屋を出ていった。
「んんぐうう」
行かないで──。
叫んでも嵌口具が声を塞ぐ。
後悔が胸をえぐる。
あのとき「三本」と言っていれば……。
だが、もう遅い。言葉を奪われてしまった。
──だが、それにしても、朝まで?
絶望が襲う。
すでに全身は悲鳴を上げ、汗と涙で視界がかすんでいた。
誰もいなくなった調教室で、燭台の炎だけが揺れている。
燭台に揺れる炎が二つなのか……三つなのか……もはや見分けられない。
ただ、息をするたび、糸に抉られる肉芽の痛みだけが現実だった。
隣室のエリカを密かに見張らせていたシルキーが、一郎の前に姿を現したのは夜半を過ぎたころだった。
両腕は後手に固定し、爪先立ちで姿勢を保たねばならない。
少しでも気を抜けば、仕掛けが敏感に反応し、痛みが一点へ集約して跳ね返ってくる。
そういう仕組みでエリカを放置した。しかも、クグルスに復元させたローターの振動を与えながらだ。
ただし、シルキーは姿を消して近くで見守り、一郎も隣室で休むことなく待機している。
正直、一郎は一時間ももてば限界だろうと見ていた。だが予想は外れる。
エリカは、あの不自然な姿勢のまま、五時間近くも耐え抜いたのだ。
こちらの時間単位でいえば六ノスほどになる。
「すぐに行くよ」
一郎は立ち上がり、廊下を渡って調教室の扉を開けた。
そこにあるのは、出てきたときのままのエリカの可哀想な姿だった。
踵を限界まで上げ、背はわずかに弓なり、視線は正面に釘付けにしている。
呼吸が浅く途切れがちだ。
汗は滲むどころではない。床には水気の輪が幾重にも広がっている。
ローターは緩い振動を続けている。
愛液が淫具に滴り、さらに床まで糸が続いていた。
股間は真っ赤だ。
全身の震えは止まらず、こぼれた呼気が白むたび、全身が細かく痙攣しているのが見て取れた。
口には穴開きのボールギャグ──。顎から首筋へ唾液が伝い落ち、涙と鼻水で顔はぐっしょりだ。
正面の燭台には、二本の蝋燭。
この屋敷の蝋は、シルキーの術で長さが変わらない。
放置前と寸分違わぬ光量で、白い壁を一定に照らし続けている。
「んふっ……ふ、ふう……」
一郎が視界に入ると、エリカは声にならない音を漏らし、わずかに身をよじった。
赦しを請う仕草にも見える。
さすがに堪えたか――?
一郎はそう判断する。
「まだ朝には早いが、小便がしたくなったので、ついでに覗いただけだ。機会をやろう。もう一度、訊ねてやる」
一郎は近づき、エリカの口からボールギャグを外した。
「……はあ、はあ……さ、三本……三本……三本です……」
嵌具が外れるや否や、掠れ声で繰り返す。
二本のはずの炎を、三本と──。
「それでいい」
一郎は頷くと、指先で合図した。姿の見えないシルキーが術を働かせ、仕掛けの糸が消滅する。
ローターもだ。
糸がなくなった途端、エリカの膝から力が抜けた。
がくりと前に倒れ込みそうになった身体を、一郎は抱き締めて引き止め、ゆっくりと腰をおろさせる。
そして、跪坐の姿勢をとると、その脚の上にエリカの汗まみれの裸身を横抱きに載せて、顎を摘まんで上げさせた。
「はっ……な、なに……?」
虚ろな瞳。思考は磨耗し、判断は薄れている。
ここまで体力と気力を削れば、どれほど強情でも、抵抗の形を保ち続けるのは難しい。
「言ったろ。応じればご褒美だ。朝まで寝かせてやろう……。だが、拒めば続きだ。また、クリトリスを吊って放置する。次は朝まで来ないぞ……。いや、もしかして、昼前かもな」
淡々と告げて、息を荒げるエリカの眼を見据える。
エリカは息を荒くしたまま、わずかに逡巡した。
屈辱と恐怖が揺れ、やがて恐怖が勝つ。
「……わ、わたし……応じます……。ロウ様に……。でも、三日間です……」
擦れた声は、辛うじて言葉の形を保っている。
「頑固だな」
一郎は笑った。
だが、エリカは律儀だ。
約束したことは守るだろう。
三日間だけは、しっかりと一郎の責めを受け入れる。
やがて、責めは心の縛りになる。
一郎は確信している。
エリカを取り戻せる。
「いい子だ。服従には見返りだな。まずは水だ」
一郎はシルキーに目配せし、ぬるま湯を吸い飲みで受け取ってエリカの喉へと流し込む。
エリカの喉が幾度も鳴り、肩が上下する。
飲み終えると、彼女は小さく咳き込み、力なく肩を落とした。
「ご褒美もやる。痛みのあとの休息は、身体にも心にも必要だ」
一郎は床の濡れを避けるように彼女を横たえ、背に薄い毛布を掛けた。
シルキーが温めのミルクを皿に入れて持ってくる。
事前に指示をしていたものであり、食事代わりの体力回復のための栄養剤も十分に溶かしているはずだ。
エリカは最初、唇を固く結んだまま盆を見つめていたが、やがて、身体に毛布の載せたまま、顔を皿の上に運び、少しずつ舌で口に入れ始めた。
小さな喉が上下する。
やがて、口をつけて吸い飲み始めた。
犬のように……。
「……わからない……。あなたが憎いはずなのに……いまは、それすら浮かばないの……」
やがて、不意に、エリカが顔をあげた。
伏せた体勢のまま、一郎を見上げる。その眼には涙がにじんでいた。
声は乾いていて、幼児に戻ったような声音だった。
「憎んでいい。忘れなくていい。ただ、身体が覚えていることもまた本当だ。痛みと安堵を往復するうち、心は揺れる。必要なのは、揺れたあとの選択だ」
一郎は毛布の端を整え、静かに応じる。
エリカの睫毛が震え、視線が宙を彷徨う。
「……ロウ様、三本……。三本でした……。蝋燭の火は三本でした……」
やがて、エリカがかすれ声で繰り返した。
それは降参の言葉でもあり、救難信号でもあった。
一郎は頷き、シルキーに視線で指示を飛ばす。
エリカの腕の拘束が含めて。すべて外された。首輪さえもだ。
拘束をなくしても、エリカは逃げようとはしなかった。
いま、この瞬間に反撃をされれば、一郎にはエリカに抵抗する手段はほとんどない。
だが、エリカはいまは抵抗しないだろう。
その確信はあった。
三日間の約束を、契約とは別に、エリカの心が受け入れたのだ。
一郎は、エリカを毛布の上に仰向けにさせた。
「えっ、なに……。なんですか?」
「服従にはご褒美だ。よくやった。気持ちよくしてやる。安心しろ、魔道契約の縛りがある。俺がお前の許可なく精を注ぐことはない。だから心配せず、感じればいい」
一郎はエリカの濡れきった股間へ怒張を滑らせ、柔らかな肉を押し開いた。
「ふうっ……い、いや……」
律動を始めると、あっという間にエリカの身体は激しく反応した。
エリカの身体ががくがくと震える。
すでに限界を超えた快感が、彼女の全身を貫いているのがわかった。あの長い吊り責めの間にも、彼女の身体は悦びを刻まれていたのだ。
一郎が怒張の奥で子宮を揺らすと、エリカはあっけなく絶頂に達した。
「んふうううっ……いぐうううっ……」
身体を弓なりに反らし、大きな声を上げる。
その顔に、もはや憎しみの色はなかった。
一郎は安堵した。
感情が歪められていようと、教え込んだ快楽の記憶は消えない。
エリカの奥底には、一郎に向ける本当の心がまだ残っている。
そう確信できる表情だった。
姿勢を変え、両脚を抱きあげるようにして、対面座位で怒張を入れ直す。
エリカが小さく震えた。
怯えというより、待ち望むような反応に思えた。
拒もうとする素振りはなかった。
ゆっくりと深く揺らしていく。
「ああっ……」
エリカの声は甘く震え、すぐに二度目の絶頂が訪れた。
彼女はすでに力なく、ただ与えられるままに受け止めている。
一郎は射精を抑え、腰を打ち続けた。
エリカは三度目の波に呑まれ、さらに声をあげる。
「ああっ、気持ち──いいっ、あああっ」
「ほら、口づけだ」
身体を引き寄せ、唇を重ねようとすると、エリカは一瞬だけ顔を背けた。
「なんだ、拒むのか? 約束はどうした?」
「……ち、違う……わたしの口……き、汚れて……ます……」
抵抗は拒絶ではなく、羞恥だったようだ。
一郎は微笑む。
「気にするな。俺とお前の仲だ……。好きだよ、エリカ」
一郎が囁き、再び唇を近づけると、今度はエリカは拒まなかった。
絡み合った舌の熱に、彼女の身体は素直に応える。
「はうっ……わ、わたしは……わからない……。あ、あんたが……憎いはず……。でも……。なのに……ああ……気持ちいい……気持ちいい……」
口づけと口づけのあいだに、エリカが言葉を吐き出す。
憎しみを口にしながら、必死に唇をむさぼり、腰を震わせる。
操られた感情よりも、本能が勝っていた。
一郎はその変化をはっきりと感じ取った。
エリカの心はまだ揺れている。
だが、官能の奔流の中で、エリカは確かに一郎を受け入れつつあるのだ。
一郎はエリカと口づけを繰り返して交わせながら、対面に抱き寄せて腰を打ち続けた。
噴き上がる快楽に呑まれるように、エリカはさらに舌を這わせてくる。
「あっ……ああっ……あああっ」
突き上げられるたびに身体を震わせ、やがて自らも腰を使い始めた。
四度目の絶頂が訪れると、雄叫びのような声をあげ、そのまま一郎の腕の中でぐったりと脱力した。
意識を手放したのだろう。
一郎は彼女の髪を撫で、愛おしげに息を吐いた。
もう一度、エリカを毛布の上にのせ、さらに包むように裸身に包ませる。
「シルキー」
声をかけると、童女姿の屋敷妖精が姿を現した。
「エリカを休ませてやってくれ。湯で身体を洗い、食事を与えろ。厠を望めばさせてやれ。ただし、この部屋から出すな」
シルキーは恭しく頷いた。
「かしこまりました。旦那様。ところで……精をお抜きしましょうか? それとも、コゼ様やシャングリア様をお呼びいたしましょうか?」
一郎は苦笑し、未だ天を衝く怒張をズボンにしまい込んだ。
「いや、いい。いまはエリカのことだけを考えたい。俺は隣の部屋にいる。ただし……俺が壁一枚隔てたそばにいるとは、彼女には伝えるなよ」
「承知しました」
シルキーは深くお辞儀をした。
眠りにつくエリカを見下ろしながら、一郎は確信していた。
たとえ暗示で憎しみを刻まれていても、心の奥には必ず、一郎を求める彼女が残っている。
その揺らぎこそが、やがて本当の屈服へと導く――。
エリカを絶対に取り戻してやる。