【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】 作:ドン・ドナシアン
「くあっ」
宮殿にある私室に腰掛けていたアスカは、椅子の手摺りを両手で強く握りしめたまま大きな声をあげた。
ルルドの女精の力により強制的に保持されていた「影」との繋がりが遮断されたのだ。
無論、向こう側では「影」の姿は消滅しただろう。
しかも、血を吐くような思いで口にしたのに、あのイチは屈辱の哀願を無視して、最後の最後までアスカに絶頂を与えることなく、繋がりを遮断したのだ。
燃えに燃えながら、結局のところ絶頂に達することのできなかった焦燥感が狂ったように全身をうごめいている。
「ち、畜生、あいつら……。ゆ、許さないよ……。ぜ、絶対に追い詰めて殺してやる……」
アスカは影を通した恥辱と達することが許されなかった欲情に苦しみながらひとりで声をあげた。
そのとき、部屋の中に突然笑い声が響いた。
アスカははっとして振り返った。
「醜態だな、アスカ」
そこにいたのは、パリスだ。
見た目は十歳くらいの人間族の子供だが、アスカ同様に見た目の姿と実際の年齢とは異なる。
ただ、このアスカの宮殿においては、このパリスはアスカの家人ということにしてあった。
ふたりきり以外のところでは、パリスはアスカが使う見習いの従者ということで通っている。
無論、この宮殿の多くは、このパリスが本当は子供ではなく立派な成人であることは知らない。
アスカが、本当はこのパリスに逆らえない「奴隷」であることを知っているのは限られた者たちだけだ……。
「お、お前、いつから、そこに?」
アスカは声をあげた。
「お前が恥も外聞もなく、みっともなく泣き声を出し始めた頃からさ……」
子供の姿のパリスが嘲笑を浮かべながら、アスカに歩み寄ってきた。
あの醜態をずっと見られ続けた……。
その恥辱がアスカを襲った。
「まあいいさ……。逃亡した外界人のことも、あのエルフの娘のことも忘れちまいな。召喚術を覚えさせたエルフがいなくなったのは残念だが、それはまた増やせばいい。お前の役目は、せっせと召喚を繰り返して、この世界における瘴気を増やして、あのお方の封印を解く環境を作ることだ……。結構、いい具合になっているよ」
「ちっ」
アスカは舌打ちをして、パリスを睨んだ。
なにが封印だ。
なにも知らないとでも思っているのか……。
「……お前のおかげで、あのお方の復活の目途も立ってきた。これからもよろしく頼むよ……。召喚術をするだけの魔力を溜めるのは大変なんだろう? しばらくは、じっとしてな。お前は召喚の繰り返しにより、この世界の力の均衡を崩すのが役割だ。ほかのことには気にかける必要はないさ」
パリスが椅子に座っているアスカの横に来て言った。
アスカはかっとなった。
「そうはいかないよ──。召喚はしばらくやめだ。あのふたりを捕まえてからだよ。さっそく追うからね。次の召喚はそれからだ」
アスカは怒鳴った。
あの小僧がアスカの影を見抜き、杖を通じて魔力を遠隔で注いでいたことを悟ったのは明らかだ。
また、影を送っても、杖を奪われれば同じことの二の舞だ。
それよりも、アスカ自身が追えばいい。
いまなら、まだ追える。
しかし、時間が経てば、魔道の残り香が完全に消えて、追いかける方法がなくなってしまう。
アスカ自身が追えば、杖などなくても、あんな小僧、見つけ次第に木っ端微塵だ。
次の瞬間、頬に火がついたかのような衝撃が走った。
パリスに平手で打たれたとわかったのは、髪の毛を掴まれて、パリスによって椅子の下に引き摺り落とされてからだ。
「な、なにするんだい」
アスカは叫んだ。
だが、今度は反対側から頬を打たれた。
一瞬、意識が飛ぶような凄まじい平手だった。
強引に両手を背中側に捻じ曲げられた。
いまのアスカは、心を大きく乱されまくったために精神の集中ができずに、魔道を結ぶほどの魔力が集められない。
いずれにしても、魔道については、パリスに対しては封印をされてしまっている。
まともな状態でも、アスカはパリスに魔道で抵抗することはできないのだ。
後ろに捻じ曲げられた両手を横に組むようにされ、手首と腕に魔道の紐をかけられた。
アスカは両手を封じられてしまった。
「しばらく、大人しくしていたから、本当はどっちの立場が上か忘れてしまったのか、アスカ。俺があのふたりは放っておけと命令したら、お前はそれに従うだけだ」
「ぐあっ」
拘束された身体を引き起こされて、また平手を浴びせられた。
アスカは受け身もとれずに無様に床に転がった。
「この城はお前の牢獄だ。それよりも、久しぶりに犯してやるよ。影を通じてなぶられて、焦燥感で狂いそうなんだろう? 欲しがっていたものを俺がくれてやる」
さらに、パリスがアスカの髪を掴んで身体を引き起こし、上半身を椅子にうつ伏せに押しつけて倒した。
後ろからアスカの身に着けている装束のスカートを下着ごと引き千切られたのがわかった。
「ああっ」
アスカは大きな声をあげた。
いきなり、パリスの指がアスカの股間に挿入されたのだ。
しばらくのあいだ、膣の中のあちこちをまさぐられた。
それだけではなく、入り口の部分や肉芽にも手は伸びてきた。
なにかを塗りたくっていると知ったのは、すでにパリスの手がアスカの股から離れてからだ。
しかも、すぐに狂うような痒さが襲ってきた。
「ああ、な、なにを塗ったんだい。か、痒い──」
アスカは後ろ手のまま身体を激しく揺さぶった。
怖ろしいほどの痒みがアスカの股間を襲い始めている。
「お前の好きな薬だ。いつもの痒み剤だよ。特製の魔道をかけてある。俺が解除するまで気が狂うような痒みが襲い続けるぞ。この部屋は俺が結界を刻んだ。吠えるような声をあげても外には洩れねえから、いくらでも泣きな」
アスカの身体から手を離したパリスが嘲笑った。
「くああ、そ、そんな──。痒い──か、痒い──」
アスカは悲鳴をあげた。
「ほれ、痒いところをほじって欲しければ、まずは俺を口で満足させろ──」
再び髪を掴まれて、パリスの方を向かされたアスカの顔にパリスがズボンから出した怒張を向けた。
子供のそれとは違う。
並の大人以上の巨根だ。
躊躇はなかった。
アスカは大きく口を開き、喉の奥まで使ってパリスの怒張を咥え込んだ。
一郎は消滅したアスカの影にほっとして、泉のほとりにいるはずのエルスラに振り返った。
アスカに服を破り奪われて素裸になっていたエルスラは、泉にいる一郎に対して横向きに跪いていた。
だが、一郎が振り返ると、慌てたように手を股から除けて身体の横に動かした気がした。
ふと見ると、その顔は真っ赤であり、額にかなり汗をかいている。
一郎はにやりと微笑んだ。
「なにをしてたんだ、エルスラ?」
一郎は意地悪く訊ねた。
「な、なにもしてないわ。なにもしてないわよ」
エルスラが赤い顔のまま怒ったような声をあげた。
一郎は魔眼でエルスラのステータスを覗いてみた。
“エルスラ(エリカ)
快感値:10/100↓↓(下降中)”
性の耐久度の数字が〈10〉まで下がっている。
一郎がアスカの影を犯すのを目の当たりにしながら、なにをしていたのか丸わかりだ。
じっと見ていただけで、そんなに数字が下がるわけがない。
一郎はエルスラに歩み寄った。
エルスラがびくりと身体を竦ませたように見えた。
「まずはお礼を言うよ……。ありがとう……」
一郎は言った。
跪いているエルスラに対して、立っている一郎の股間は、ちょうどエルスラの顔の前にあるかたちになっている。
眼の前に迫った一郎の剥き出しの股間に、エルスラは狼狽えたように顔を横に向けるとともに、思い出したように両手で裸の胸を隠した。
「お、お礼なんて……。わ、わたしは、あ、あなたを召喚した張本人よ……。せ、責任があるし……」
「ああ、それでもだ」
「……それに、まだ、なにもお礼を言われることはしてないわ……。アスカ様は必ず追いかけてくるわ。わたしたちがここにいたのは知れた……。すぐに逃げないと……」
「わかっている。それについては、エルスラになにもかも頼るしかない。これからも、俺を守ってくれ──。それと、エルスラを自由にはできない。そんなことをしたら、俺はこの世界で路頭に迷って野垂れ死ぬだけだ。だから、解放しない。エルスラは俺の性奴隷だ──。頼む、俺を守ってくれ」
一郎がそう言うと、エルスラの顔がますます真っ赤になった。
「そんなの……、もう……、覚悟したし……。それに……」
「それに、なに?」
「なんでもない──」
エルスラはが慌てたように口をつぐんだ。
そんなエルスラの仕草に一郎は思わずほくそ笑んでしまう。
「じゃあ、奴隷。主人の俺に隠し事はよくないな。正直に言うんだ。俺がアスカの影を犯すのを見て、なにをしていた? お前に主人として命じる。今後一切、俺に嘘を言ってはならない。命令だ」
エルスラの眼が大きく見開いた。
一郎の性奴隷という刻みがエルスラの心を縛っている。
「命令」には逆らえない。
エルスラはそれを知っているから、はっとしたのだ。
「あ、あの……その……自慰を……」
エルスラの口が恥ずかしそうに言った。
「なんで、そんなことしたんだ?」
「そ、そんなことを言わせるの……。そ、その……見ていたら……気がついたら……なんでと言われても……」
エルスラがもじもじと身体を動かした。
根っからのマゾっ子のエルスラだ。
こんな言葉なぶりでしっかりと身体が反応することを一郎は知っている。
魔眼で覗くと、少し回復していた快感値の数字がまた下降しはじめている。
一郎は自分の心の中に、目の前のエルフの美少女に対する嗜虐の炎があがるのがわかった。
「奴隷の仕事だ。掃除しろ。ご褒美に自慰の続きをしてもいい……。お前がみっともなく達するところを見せながら、俺の股間を舐めろ」
一郎は言った。
エルスラは、「そんな」とかいう言葉をつぶやきながらも、抵抗もせずに一郎の一物を口に咥えた。
その両手はエルスラ自身の乳房と股間をまさぐり始める。
一郎に正面を向けたエルスラの股間は、びしょびしょの愛液で濡れているのがはっきりとわかった。
この可愛らしいエルスラをどんなに風に苛めてやろうか……。
一郎の頭には、その方法が十も二十も一度に浮かんでくる。
まずは、いまやらせている自慰を数字が〈1〉のところでやめさせるというのはどうだろう……。
あのアスカでさえ、あんなに苦しんだのだ。
同じようにエルスラが一郎に哀願する姿を見てみたい。
それから、このあいだやりかけていた身体を自在にコントロールするというのも、もっとやってみたい。
人混みの中で、こっそり局部を刺激するというシチュエーションにも憧れていた。
やってみたい……。
一郎は浮き立つような気持ちになっていた。
そのとき、ユグドラの声がした。
『……お取込み中のところだけど、ここから少し南に向かったところにある洞窟に、死霊たちが襲った犠牲者が残した衣類や武器が集めてあるわ。そのアスカの杖は足がつくと思うから持っていけないと思うけど、別の杖ならあったと思う。アスカの杖ほどの効果はないと思うけど、ないよりましでしょう? そこにあるものはなんでもいいから持っていきなさい。それがせめてもの餞別よ……。でも、あまりゆっくりとしないでね……。夜になれば、この森はまた死霊の巣になるわ。わたしには制御できない。それまでに森を出た方がいいわよ……。ねえ、聞いている、ふたりとも?』
ユグドラの声が続く。
無論、一郎は聞いているが、その一郎の一物をしゃぶっているエルスラは、なにも聞こえてはいない気がする。
そして、憑かれたように自分の男根を舐めている可愛いエルスラを眺めていると、このエルフ娘に対する心からの愛おしさが一郎の心に溢れてくるのだった。
第2話『ルルドの森の悪霊』終わり──
第3話『クリスタル石の陰謀』に続く──
【ルルドの泉】
……現在、世界でもっとも美しい自然として有名なルルドの泉がかつては、呪われた場所として人々が忌み嫌った禁忌の土地であったことは、多くの者にとって、驚きとともに安易には受け入れられないことかもしれない。
しかし、事実である。
諸王国時代の末期の記録によれば……。
……
……
観光の目玉はなんといっても、泉一帯の自然の美しさとともに、サタルス朝初代帝によって整備された荘厳な神殿と神殿に隣接する城館遺跡である。
この城館は、サタルス朝初代帝が晩年を妻たちと過ごした場所であり……。
イザヤ=マクレーン編『ローム地方風土記』より抜粋