【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】 作:ドン・ドナシアン
ロウが部屋に戻ってきた瞬間、それが「調教」の始まりを告げる合図だった。
「今日の調教を始めるぞ、エリカ」
部屋の扉を押し開けて入ってきたロウは、まるで楽しみにしていた遊戯でも始めるかのように声を弾ませた。
その声音に、エリカの胸奥では二つの感情が衝突する。むかっと憤りがこみあげるのに、同時に身体はびくりと竦み、逃げ場を失った小動物のように心がすくんだ。
二日目が始まった──。
エリカは荒ぶる心を必死に抑え込み、覚悟を繰り返し言い聞かせていた。
夕べ、陰核吊りという恐ろしい責めのあと、ロウに貫かれている最中に意識を手放し、そのまま眠りに落ちた。目覚めたとき、毛布が裸身にかけられていて、傍らにいたはずのロウはもう姿を消していた。
代わりに屋敷妖精シルキーが待っていた。
シルキーの世話を受けて食事をとり、身体の洗浄も許された。
お湯と並んで剃刀が置かれており、自然と手が伸びた。ロウから「陰毛は毎日つるつるに剃りあげろ」と命じられていたからだ。
だが、途中でふと気づく。
いまの自分にはロウの呪術も暗示もかかっていない。従えと命じられているわけではなく、心の底には確かにロウを憎む感情がある。
それなのに──股間を剃り整えずにはいられない。
命令の残滓がまだ内側に巣食っているように、身体が自然と動くのだ。
結局、産毛まで丁寧に剃りあげた。
疲労は濃く残っている。だが、その痛みの奥に、不気味な充実感さえ滲んでいた。
また、魔道は使えない。
おそらく、ロウにより封印されているのだろう。
いずれにしても、逆らうつもりはない。
三日間だけは……。
──あと三日。
いや、正確には残り二日だ。
ロウとの契約では「三日間の調教を受ける」ことになっていた。
始まりは昨日の夕刻。ここは地下で時刻はわからないが、シルキーによれば、いまは昼近いという。
午後から再び調教が始まり、一晩を耐え、さらに二日──。翌々日の夕刻を迎えれば契約は完了だ。
その時まで、決して口にしてはならないのが──「ロウの奴隷になります」という言葉だ。
それを拒み続けさえすれば、すべては終わる。
屋敷を出て、ロウから解放される。
そう思った瞬間、なぜか、エリカの胸に不思議な寂しさが忍び込んだ。
この感情が何なのか、すぐにはわからなかった。だが確かに──自分の一部が、ロウとの関係の終わりを嫌がっているのだと悟ってしまった。
その事実に気づき、愕然とする。
あの男は、不当に自分を支配し、怪しげな呪術で命令を強要してきた存在だ。その関係が断てるのなら、悦びしかないはずだ。
それなのに、一部はそれを望んでいない……?
わからない……。
自分はどうかしてしまったのか。
おそらく昨夜の壮絶な拷問で心が弱りきっているのだ、と無理に言い訳した。
思い返すのは、そのあとの交合──。
屈辱だった。
だが、同時に信じられないほど快かった。
優しく抱き締められ、貫かれている間、確かに天にも昇るような快感に包まれていた。
さらに、もっと恐ろしい記憶が胸を刺す。
そのとき自分の身体は、完全にロウを受け入れていた。
エルフの里で教わったはずの抵抗の作法──腰を暴れさせ、男の侵入を拒む技。捕らわれても、せめて身体だけは穢されまいとする術。
だが、昨夜の自分にはそんな意志はひとかけらもなかった。
拒むどころか、喜んで腰を振った。
あのときだけは拘束もされてなかった。
拒絶のためではない。快感を深めるために、自ら淫らに揺らした。
思い出しただけで、羞恥が頬を熱く染める。
エリカの身体は、あの男に抱かれることを心から悦んでしまったのだ。
駄目だ──。
エリカはその奇妙な感情を必死に振り払った。
──あと二日。
それで終わらせるのだ。
それ以外は考えるな。
自らにそう言い聞かせるしかなかった。
とにかく、目の前──。
ロウがエリカを見下ろすように立っている。
「調教の開始だ。脚を開いて跪き、腕を頭の後ろで組め──。それが奴隷の格好だ」
ロウは片手に長い金属の棒を持っていた。先端には刻印のような魔道符が刻まれていて、揺らすたびに低く唸る音を発する「電撃棒」だ。
触れれば皮膚の奥を焼き、神経を痺れさせる──昨夜、その恐怖を骨の髄まで思い知らされた拷問具である。
その光景を目にした瞬間、エリカの背筋を冷たいものが走った。
「わ、わたしは奴隷じゃないわ……」
思わず立ちあがり、胸元を両手で隠しながら睨み返す。
恐怖を振り払うための精一杯の反抗だった。
しかしロウは微笑みすら浮かべて言った。
「だが、三日のあいだは奴隷としての調教を受けると自分で誓ったはずだ。俺は契約は守るつもりだが、もしかして、お前は守らないつもりか? それがエリカの矜恃なんだな」
「くっ……」
挑発的な余裕に、口惜しさが込みあがる。
だが不思議と、それ以上逆らえなかった。
確かに自分は三日の調教を受けると約束したのだ。
ロウもまた「望まぬ限り呪術で支配しない」と魔道契約を結んでいる。
卑怯で憎い男だが、その点においては確かに誠実だ──。その思いが、ますます反発を鈍らせる。
「あ、あと二日よ……。二日で終わり……。あんたの調教は受けます……。その代わり、それが終われば他人よ」
口惜しさを吐き捨て、エリカは命じられたとおりに動いた。
両膝を開いて床につき、腕を頭の後ろに組む。
羞恥に胸が震える。だが、その姿勢を取った瞬間、ロウの視線が全身を貫いた。
「それでいい……。では調教開始だ。調教のあいだは、エリカは俺に絶対服従だ。それを守れ。指一本、息ひとつでも逆らうことは許さない──。わかったな」
ロウの怒声に、エリカは思わず肩を竦めた。
悔しい。それでも、逆らう術はない。
小さく頷くしかなかった。
「誓います……」
「よし──。じゃあ、早速、奴隷調教だ。まずは、悲鳴をあげるな──。これからやるのは、毎日の調教開始の儀式だ。三十発だぞ。耐えるんだ」
三十発──?
エリカは耳を疑った。あの電撃棒を三十発も受けて、声を出さない──?
だが迷う時間も、心構えの余裕も与えられることなく、次の瞬間、ロウの持つ電撃棒の先端が片腿に押し当てられた。
棒は金属の筒に魔道符が刻まれており、揺らすたびに低く唸る音を放つ拷問具だった。
昨夜、骨の髄までその威力を思い知らされたばかりだ。
「ひっ……むううう──」
肌を焦がすような衝撃が全身を駆け抜けた。
頭の先から爪先まで響き渡る、びりびりとした痺れと焼けつく痛み──。
「声が出たな。数には含めない。残り三十だ」
ロウが淡々と告げ、今度は腹に電撃棒を押し当てる。
「んぐっ、く……」
エリカは必死に歯を喰いしばり、ぎゅっと眼を閉じた。
だが、激痛は容赦なく腹から全身へと広がる。
「勝手に眼を閉じるな。残り三十──」
冷たい声が突き刺さる。
エリカの胸に怒りが込みあがる。──だったら、先に言え、と。
口惜しさを込めて眼を見開いた瞬間、棒の先端が乳房のやや上に触れた。
「ん……っ」
か細い悲鳴が喉から漏れる。
はっとしたが、ロウは咎めなかった。
「あと二十九──」
淡々と告げられ、エリカは思わず安堵する。
次は肩──。
再び衝撃が走る。
今度は完全に耐えた。
怖さで眼が閉じそうになるのをこらえ、必死にロウの瞳を見つめ続けた。
また太腿、反対の脚、横腹、脇、反対側──。
次々に電撃が走り抜ける。骨の奥まで軋むような衝撃が繰り返される。
その痛みは、まるで歯を痛み止めの薬剤なしで鋸のように削られていくような拷問に似ていた。
どこに当てられるかは見えている。
衝撃の強さも想像できる。
それでも、どんなに身構えても意味をなさなかった。
ただひとつ、守るべきは「声を上げない」こと。
エリカはロウに命じられたそれだけを必死に心に刻み、痛みに抗い続けた。
「いいぞ。そのまま頑張れ──。残り十だ」
ロウの電撃棒が乳房と乳房のあいだに押し当てられる。
衝撃で乳房がぶるぶると震えた。だが、悲鳴は堪えた。
「すごいぞ、エリカ。もう少しだぞ──」
褒めるような声が降る。
棒は臍のすぐ下、女の急所に近い部分へ。
次の瞬間、内臓まで痺れる痛みが腰を浮かせた。
「んっ──」
押し殺した声が洩れる。
だがロウは叱らず、ただ淡々と数を告げた。
そのとき、褒められたことへの不可思議な悦びが胸を突き抜けた。
──なぜだ。なぜ、こんな男に褒められて嬉しいのだ?
理不尽な拷問を加えている張本人なのに……。
それにもかかわらず、褒められた瞬間、心臓は熱を帯びた。
もっと頑張りたい、もっと認められたい──そんな気持ちが沸いてしまったのだ。
「あぐっ──」
今度ははっきり声が出てしまった気がした。
しまった──。
すがるようにロウの顔を見たが、彼は気づかなかったかのように冷淡なまなざしのまま、さらに拳ひとつ分下へ棒の先端を滑らせた。
次の瞬間、臍のすぐ上を冷酷な雷撃が襲う。
「はくっ」
「残り七──。頑張れ。声を出すな」
ロウの叫びが頭に響く。
エリカは喉の奥で悲鳴を押し殺し、肩を震わせた。
次は臍──。
焼けつく痛みに耐えたが、もう気力は限界に近い。
頭の後ろで組んでいる腕が緩み、姿勢を保つのすら難しくなっていた。
さらに臍の下へ。
痺れる衝撃を受けながら、エリカは思った。──なぜ自分は逆らわないのか。
誓いを立てているから。それもある。
だがそれがなくとも、おそらくこの二日間はロウに逆らわないつもりだ。
大人しく調教を受け入れる。
それは決めている。
妙なことだ。
いま自分は拘束されていない。両手も自由なのに、まるで手枷を嵌められているかのように動かせない。いや──動かす気になれない。
ロウの命令だから。それだけの理由で、身体が従ってしまう。
多分、これは魔道契約によるものではない。
エリカ自身の意思によるものだ。
この瞬間、ロウの首に手を伸ばせば一撃で折れる。
それで終わりだ。
ロウの治癒能力は、即死には通じない。エリカは自由になる。
けれど、エリカはそうしようとは思わない。
そしてロウもまた、彼女が反撃するなど微塵も考えていない。
「……んっ……」
次の電撃は臍のさらに下、下腹部へ食い込んだ。
股間に迫る衝撃。声を殺すことはもはや不可能に思える。
──はっとした。
そうだ、これは順に下へ下へと近づいている……。
このままでは──。
「残り三発だ。ここで声を出せば、罰として三十発からやり直しだ」
ロウの声は容赦がなかった。
棒の先端が股間の亀裂に迫り、ぴたりと止まる。
エリカの心臓は破裂しそうなほど高鳴った。
「んくっ──」
残り三発。
汗も涙も頬を濡らし、喉は焼けつくように乾いていた。
それでも、あと少しだと必死に自分を励ましていた。
だが次の瞬間、電撃棒の先端が肉芽そのものに押し当てられる。
抗議の声が喉まで出かかったが、慌てて口をつぐみ、左右に首を振る。
無駄だと知りながらも、せめての抵抗だった。
雷撃が敏感な一点に突き刺さる。
「んんっ……」
身体が跳ね上がり、ひっくり返りそうになるのをどうにか堪えた。
股間から、失禁したかと思うほどのなにかが迸った気がする。羞恥に頭が真っ白になる。
「あぐううう……」
間を置かず、同じ場所に二度目の雷撃。
これまで一発ごとに刻まれていた拷問が、冷酷に畳みかけられる。
不意の衝撃に、抑えていた悲鳴が堰を切ったように漏れた。
「……残念だな。やり直しだ」
無慈悲な宣告が落ちる。
「そ……そんな……」
声はかすれ、抗議の言葉にもならない。
あと三発だったはずだ。ここまで耐え抜いた全てが、たった一言で踏みにじられた。
涙が視界を曇らせ、頬を伝って床に滴る。
努力も誇りも意味を持たない。ロウの前では、ただ命令に従うか否かしかない。
震えながらも、エリカの膝は床に突いたままだった。
それが命じられた姿勢だから。
屈辱と絶望に胸を押し潰されながらも、動けはしなかった。
二順目は再び、脚や肩など外側の部位から開始された。
すでに皮膚は焼けただれたように痺れ、痛みと恐怖の区別すら曖昧になっている。それでもエリカは、必死に口をつぐんだ。
「……残り十。次はしくじるな」
冷酷な声に背筋が粟立つ。
胸から下腹へ、ゆっくりと下っていく雷撃──。
乳房のあいだ、
臍の上、
臍──。
さらに下腹、股間へと追い詰められていく。
「残り三」
棒の先端が肉芽を打つ。
さらに二度続けて打ち込まれる。
「ふっ……」
漏れ出たのは溜息のような声。悲鳴ではない。
自分でも信じられないが、どうにか耐えた。
「偉いぞ、エリカ。最後だ。だが、これで声を出せばやり直しだ」
ロウの言葉に、エリカは心臓を締めつけられた。
──終わりが近い。そう信じていた。
最大の難関は肉芽への連発だと思っていた。
だが、それは間違いだった。
ロウは電撃棒を片手でぐいと曲げ、先端を屈折させた。まるでそのために造られた道具のように、容易く形を変える。
そして次の瞬間、棒の先端は抵抗もなくエリカの膣内へと滑り込んでいた。
「ひおっ……」
挿入されただけで、反射的に悲鳴が漏れた。
はっとして、ロウを見る。ロウは口角を歪めていた。
「いまのは、おまけにしてやる。電撃は耐えろよ」
そして棒をさらに深く突き入れられた。
奥の奥へと届く異物感。そこに仕掛けられた雷の恐怖。
来る。
だが、なかなか来ない。
ロウはわざと待たせている。じわじわと恐怖を煮詰め、耐え切れぬ緊張を積み重ねていく。
汗が頬を伝い、全身が小刻みに震えた。
「あがあああ……」
ついに絶叫が突き破った。
子宮そのものを焼き裂くような雷撃だ。
全身が仰け反り、膝から崩れ、床に転げる。
股間からじょろじょろと温かいものが流れ出す。尿だと悟ったとき、羞恥と絶望が同時に押し寄せた。
「やり直しだな」
ロウの声は冷たく、ただ事実を告げるだけだった。
その一言で、エリカの心は砕け散った。
三巡目についても、途中で声を上げることはなかった。
最後から二番目──肉芽を二度続けて焼く衝撃にも、歯を喰いしばって耐えた。
そして、最後の試練。
電撃棒が膣の奥へずぶずぶと押し込まれていく。
「いくぞ……」
ロウの低い声。
次の瞬間、雷撃が解き放たれた。
閃光が視界を裂き、火花が目前に散る。
頭の奥で爆ぜる痛み、全身を貫く痙攣。世界がぐるりと回転していく。
それでも、声は漏れなかった。
電撃が終わって、棒が抜かれる。
崩れ落ちそうになった身体を、強い腕が抱きとめる。
「よくやったぞ、エリカ」
ロウの声が耳に届く。
その瞬間、胸の奥から熱いものが込み上げた。
涙と汗で濡れた頬を押しつけながら、心の底に圧倒的な悦びが広がっていく。
褒められた。
認められた。
その事実が、苦痛に意味を与えていた。
もう、それを奇妙だと疑う余裕はなかった。
ただ、やり遂げたという充実感だけが全身を支配していた。
「ご褒美だ……」
ロウの手が頬に触れ、汗を拭い、髪を耳の後ろへそっと払った。息を整えろと囁く声が近い。
胸の鼓動はまだ荒い。全身が震えているのに、なぜかその手だけは落ち着きを連れてくる。
「今度も耐えろ。声を出すな……。出せば、三十発の電撃棒からやり直しだぞ」
低い声が耳に沈む。
すると、ロウの指が花唇の中心に入ってきた。
驚いたが、エリカの膣はたっぷりと愛液で濡れていたようだ。
なんの抵抗もなく、ロウの指が二本──。
それが、エリカの股間に挿入された。
「くっ」
膣の中でロウの指が弾かれる。
声が漏れそうになり、慌てて歯を喰いしばる。しかし、ロウの愛撫が神がかり的なのはよく知っている。
耐えられるとは思わなかった。
エリカは喜悦に身体をよがらせた。とにかく必死になって、声が零れそうになるのを噛み殺す。
「て、手を……せめて、手を動かさせて─ください─」
思わず口から零れた願いに、ロウは短く答えた。
「自由にしていい……」
「あ、ありがとうございます……」
エリカは両腕を回し、ロウの背にしがみつく。支えがあれば、耐えられる気がした。
肩口に顔を押しつけると、彼の体温と匂いが近づく。
「……俺の肩でもなんでも噛め。その代わり、声を出すな……」
促されるまま、エリカは肩に歯を立てた。
喉の震えをそこで止める。呼吸が浅くなり、背中に回した指がぎゅっと強張る。
波のような痙攣が引いては寄せ、意識の輪郭が淡くなる。
どれほどの時間が過ぎたのかはわからない。ただ、堪えるという行為だけが自分を形づくっている。
「ぐうっ」
ロウが一瞬、苦しそうな声を漏らした。
それでも、指の動きはさらに速さを増した。
凄まじいものが身体の奥底から込み上がる。
「んぐうう──」
エリカは力いっぱいにロウを抱き、肩の肉を噛んだ。
声を堪えきれたのかどうか、自分でもわからない。
圧倒的な愉悦の戦慄が全身を駆け抜けた。
気の遠くなるような快感……。
エリカは全身から力が抜けていくのがわかった。
「達したな……。そして、まあ、認めてやろう。合格だ」
頭に置かれた掌が、ゆっくりと撫でた。
繭に包まれるような安堵が一瞬だけ訪れ、エリカはぐったりと身を預ける。
その首に、がちゃりと金属の音が嵌まった。
冷たい首輪が肌に触れ、重みが落ちる。なにかの魔道具のような気がした。
首輪に魔道の流れを感じたのだ。
いずれにしても、エリカの抵抗心は小さなものになっていた。
──多分……。いま、自分はロウに従う側に立っているのだ。
その予感が遅れて胸に沈む。
安堵とともに流れ込んだ温もりが、そのまま鎖になる未来を映す。
小さな震えが襲う。
それが恐怖なのか、安堵なのか、自分でももうよくわからなくなっていた。
「さて、なにをほっとしている。今日の調教はこれからだぞ。エリカには、犬になってもらう。本物の犬にね」
ロウの声が落ちる。
エリカは、とりあえず返事をしようと口を開き、次の瞬間、驚愕してしまった。