※この作品はR-18です。

【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】   作:ドン・ドナシアン

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108 エルフ犬ごっこ

「さて、なにをほっとしている。今日の調教はこれからだぞ。エリカには、犬になってもらう。本物の犬にね」

 

 ロウの声が落ちた瞬間、冷たい輪が首に噛みついた。

 刹那、ちくりと鋭い針で刺されたような痛みが皮膚を走り、背筋にぞくりと寒気が奔る。

 エリカは思わず息を呑み、返事をしようと上体を起こして口を開いた。

 

「ばう、ばう──」

 

 喉を震わせたはずなのに、響いたのは甲高い犬の鳴き声だった。

 自分の声を奪われたことに、エリカは呆然とする。

 ロウはその反応を楽しむかのように、わざと距離を取り、愉悦を含んだ笑いを洩らした。

 

「人間の声を封じる魔道の首環だ。今日は雌犬として躾ける。エリカにとっても救いになるだろう。屈服の言葉を吐かずに済むのだからね。なにしろ、吠えるしかできない」

 

 犬の声しか出せなくなる首環──。

 理解した途端、胸の奥が凍りつく。怒りよりも恐怖が勝ち、エリカは思わず両手で首輪に触れた。

 

「ばがああああっ──ばう、ばぐううっ──」

 

 次の瞬間、首筋から背骨を貫いて臓腑を焼く電撃が迸った。

 心臓を握り潰されたかのような激痛に絶叫し、全身を痙攣させて床に崩れ落ちる。四肢の震えは止まらず、喉の奥で犬の呻きが勝手に繰り返された。

 喉を引き裂くほど叫んでも、口から洩れるのは犬の声だけ。

 ロウは声をあげて笑う。

 

「……おいおい、説明を聞かないうちに動くからだ。この首環は人間を完全に“犬”に変える。外そうとすれば、いまのように電撃が走る。もっとも、主人として魔道で登録してある俺以外には外せない」

 

 唖然とした。

 触っただけで、あの電撃……。

 電撃棒の激痛とも、また違う。

 まるで、心の中の恐怖心を強引に覚醒されたような感じだった。

 痛みよりも、恐怖でいまでも肌が粟立っている。

 

「……それから、移動は四歩脚だ。両手のひらと足の裏を床につけてしか進めない。二歩脚で立てば、また電撃の洗礼だ」

 

 そんな……。

 

 高貴とされるエルフの血を引く身に、犬の真似を強いられるなど──存在そのものを踏みにじられるに等しい屈辱だった。

 だが、さきほど浴びた一撃は、本当に魂を凍らせるほどの苦悶だった。

 それを思い出しただけで、エリカの身体からは抗議の気力が完全に奪われていた。

 

「……それから、躾に従わなかったり、命令を実行できなかった場合、あるいは俺を失望させた場合──そのときには、こんな風に罰が与えられる」

 

 ロウが指を鳴らした。

 

「ばぐううう──ばぎいいいっ──」

 

 瞬間、電撃が股間を直撃した。

 首輪ではない。柔らかな秘部から迸る衝撃が臓腑を貫き、エリカは悲鳴も喉を裂けぬまま、仰向けに弾き飛ばされる。

 全身が跳ね、脚が勝手に開き、蛙のように大股を晒す格好となった。

 

「みっともない恰好で寝るんじゃない、エリカ──。恥ずかしいとは思わないのか?」

 

 ロウの声は冷ややかに愉快そうだ。

 羞恥が背骨を駆け上がり、エリカは慌てて両手で股間を隠そうとした。

 

「ばぐううっ──」

 

 再び閃光のような電撃が襲う。

 全身が跳ね上がり、視界が白く弾けた。

 

「……お前、馬鹿か、エリカ? 犬の姿勢を解けば電撃だと説明しただろう。許可なく二歩脚に戻るな。四つん這いを解けば、苦痛を浴び続けるだけだ」

 

 逃げ道などない。

 思考はすぐに焼き切れ、ただ本能のままに両手を床へつける。

 肩で荒い息を吐くと、全身が弛緩しきっているのを自覚した。繰り返される電撃で、肉体はもはや命令に従うしかなかった。

 

「まずは、号令に従った雌犬の姿勢を叩き込む」

 

 ロウの手には、あの電撃棒が握られている。

 

「……最初は“伏せ”だ」

 

 四つん這いの姿勢から、頭を床に押しつけ、膝を伸ばして平伏する。

 その瞬間、尻が突き上がり、恥辱の形に晒される。

 ロウがにやりと口元を歪め、小馬鹿にするように見下ろした。胸の奥がむかついたが、抵抗すれば電撃が待つ。

 

 号令のたびに、即座に姿勢を作らねばならない。遅れれば即罰。

 十数回、繰り返し。息を整える暇さえ与えられず、思考を捨てて動くしかなかった。

 エリカは電撃の恐怖を刻みつけられ、反射で身体が従うように矯正されていった。

 

「次は“待て”だ。どんな体勢でも動くな。ぴくりとでもすれば、電撃だ」

 

 これば比較的簡単だと思った。

 要は動かなければいいのだ。

 

「やってみるか。“伏せ”──。“待て──”」

 

 続けざまに号令が飛ぶ。

 反射で身体が動き、尻を高々と突き上げる“伏せ”の姿勢。次の号令で全身を凍りつかせ、静止した。

 

「そのままだぞ」

 

 ロウがくすくすと笑い、背後に回る気配がした。

 なにをされるのか──見たいのに、顔を床に押しつけたままでは覗けない。

 動けば即電撃。息を止め、ただ耳を澄ませるしかなかった。

 

「ばう、ばうう──?」

 

 不意に、尻の穴へ冷たい異物がねじ込まれた。

 驚愕と羞恥で全身が跳ね、反射的に尻をよじる。

 

「ばぐううううっ」

 

 次の瞬間、電撃が迸り、視界が白く弾けた。

 絶叫しながら横倒しに転がる。そのとき、尻の奥で“なにか”がぶるぶると淫らに震え、ふさふさした毛が腿の裏に触れた。

 

 潤滑油のせいか、一瞬で深く呑み込まれている。

 奥を絶え間なく揺らされ、羞恥と戸惑いに息が詰まる。

 だが、電撃から逃れるには、急いで四つん這いに戻るしかなかった。

 

「よく似合うな。“よし──”。解除だ。後ろを見てみろ」

 

 ロウの声は愉快そうに弾んでいた。

 

「ばう……?」

 

 おそるおそる後ろを振り向いたエリカの目に飛び込んできたのは──自分の髪と同じ金色の房毛を揺らす、淫らな尻尾だった。

 しかも、ぷるぷると小刻みに震え、まるで本物の犬の尾のように左右に揺れている。

 尻穴に差し込まれた棒状の部分は、相変わらず微細な振動を刻みつづけ、そこからじわじわと快感を送り込んでくる。

 

「それはな、エリカが性的な昂ぶりを覚えると、尾が勝手に揺れるようになっている。尻穴に挿した尻棒が気に入ったらしいな。よかった、実に似合っているぞ」

 

 ロウが嗤った。

 羞恥が襲う。

 エリカはかっと全身が熱くなるのを感じていた。

 

 尻に挿し込まれた淫具のせいで、淫らな疼きが一瞬にして全身を覆い尽くしている。

 だが、それを他人に、しかもロウに見抜かれるなど──恥ずかしすぎた。

 しかもこれはただの道具ではない。紛れもなく魔道の力で、挿入部分はまるで自分の身体の一部になったかのように、抜け落ちる気配すらない。

 

「それから、“ちんちん”の姿勢だ。号令がかかったら、二本脚で起き上がり、膝を横へ大きく開け。両手は顔の横だ。このときだけは、二本脚が許される」

 

 恥辱極まりない姿勢だった。

 だが、逆らえば首環が牙を剥く。

 選択の余地などなく、エリカは命令に従った。

 両脚をがばりと開き、股間をこれ見よがしに晒し、両手を小犬のように頬に添える。

 

「もう、そんなに感じているのか。股がねちょねちょだぞ。それに尻尾の動きも見事だ。やっぱり、エリカはマゾ女だな」

 

 ロウが股を覗き込み、にやりと笑った。

 羞恥が全身を駆け巡る。だが姿勢を崩すことは許されない。崩した瞬間、再び電撃が待つ。

 

 そして、口惜しいことに、ロウの言葉は真実だった。

 昔から、こんな辱めを受けると、エリカは全身がかっと熱くなり、勝手に濡れてしまう。

 最初はイライジャ……。そして、アスカ……。エリカのそういう性癖を見逃さずに、彼女たちの性欲の相手をさせられたものだった。

 そして、いまは、ロウ……。

 いや、違う──。ロウは……。

 

 だが、どうしても、感じることに抗えない。

 いまもそうだ。尻に仕込まれた淫具の振動だけでなく、ロウのからかう一言一言が、股間をじんじんと疼かせる。

 

「最後のひとつだ。号令は“小便ポーズ”。四つん這いのまま片脚を高く上げろ。雄犬の真似だ。お前は雌犬だが、特別に許す」

 

 ロウが楽しげに笑った。

 命じられるまま、十数回繰り返し。羞恥と屈辱に顔を赤く染め、汗が滴る中で、犬の真似を何度も強いられる。

 

 続いて「総合訓練」。不規則に飛ぶ号令に即応して、姿勢を切り替えねばならない。

 

 “伏せ”は尻を突き上げ、

 

 “待て”は微動だにせず、

 

 “ちんちん”はがに股を開き、

 

 “小便ポーズ”では脚を上げる──。

 

 わずかでも反応が遅れれば電撃。

 姿勢が悪ければ電撃。

 あるいは、ロウの指が鳴れば電撃棒での追撃。

 

 容赦のない電撃。

 逃げ場も終わりも見えぬまま、ただ繰り返し従うしかなかった。

 

 やがてエリカの身体は汗まみれになり、顎の下から雫がぽたぽたと床へ落ちる。

 全身は熱に焼かれたように火照りきり、尻の尾は勝手に激しく揺れ続けている。

 羞恥と苦痛と昂ぶりが渾然となり、もうなにも考えることすらできなかった。

 

 

 

 

 

 エリカは汗で髪まで濡らし、全身はもう疲労困憊だった。

 号令に応じて動いた回数は百や二百ではきかない。千を超えているのは間違いなかった。

 身体はくたくたに崩れ落ちそうなのに、それでもロウは止めない。

 無慈悲なほど淡々と、冷たい声で号令を繰り返す。

 

 どれほどの時間が経ったのか、もうわからない。

 数も記憶も途切れ、全身の筋肉が針で刺されるように痛みを訴える。

 ただ、言葉を聞けば反射で動いてしまうほどに、身体は調教されてしまっていた。

 

 “伏せ”。

 

 “待て”。

 

 “ちんちん”。

 

 “小便ポーズ”。

 

 延々と繰り返し。

 

 頭は朦朧とし、意識は霞む。

 昼過ぎに始まったはずの調教は、気づけば夕刻に及んでいるのだろう。空腹がじわじわと腹を締めつけ、喉は砂漠のように焼けていた。

 

「よし──。いいだろう。頑張ったな。喉が渇いただろう」

 

 ようやくロウの声が下り、緊張の糸が切れる。

 エリカはその場に突っ伏し、床へ崩れ落ちた。

 

 ロウは部屋の隅へ歩き、水差しを取り上げると、コップに注ぎ入れてごくごくと三杯続けて飲み干した。

 その喉の動きを、エリカは荒い息の中で食い入るように見ていた。

 喉が渇いていた。とてつもなく──。

 やがてロウは水差しだけを手にして戻ってきた。

 

「飲め」

 

 次の瞬間、冷たい水が床にじょろじょろとこぼされた。

 呆然とする。床に落ちた水を舌で舐めろというのか──。

 だが、精も根も尽き果てたエリカには、逆らう力も、抗う心も残っていなかった。

 

 諦めきった顔を床へ伏せ、舌を差し出す。

 ぺろぺろと水を舐め取る。

 

 ……おいしかった。

 渇き切った身体に染み渡り、全身を潤すようにおいしかった。

 悲しいくらいにおいしかった。

 

「来い──。じゃあ、運動だ。廊下に出ろ」

 

 ロウが扉に向かう。

 エリカはくたくたの身体に鞭打ち、四つ足で慌てて追いすがろうとした。

 

「うばあああ──」

 

 しかし数歩も進まぬうち、股間に電撃が閃き、犬の悲鳴をあげて床に崩れ落ちる。

 ロウが指を鳴らしたのだ。

 

「命令を受けたら返事をしろ──。次に黙ったら、気絶するまで電撃でのたうちまわらせるぞ」

 

 怒号が響き渡る。その声音にはどこか芝居じみた響きもあったが、迫力だけで十分にエリカの身を竦ませた。

 

「ばうっ」

 

 ほとんど無意識に声が出た。犬の鳴き声で返事をしていた。

 その瞬間、ロウはにっこりと破顔する。

 

「いい子だ……。考えるよりも先に反応できたな。そうやって身も心も雌犬に育つんだ。ご褒美だ──小便ポーズ」

 

 エリカの身体はぱっと反射で脚を持ち上げた。

 足首を頭よりも高く掲げる、苛酷で滑稽な姿勢。

 強い屈辱を覚えたが、その余裕は一瞬で消える。ロウが背後に回ったのだ。

 

「ばう──?」

 

 次の刹那。房毛の尾の根もとから、怒張がずぶりと突き挿された。

 

「ば、ばうううっ、くうう──」

 

 疲弊していたはずの身体が、生き返ったように弾ける。

 性感が異常な勢いで急上昇し、全身の神経が同時に沸騰した。

 

「ぎゃうううう──」

 

 電撃が重なる。

 どうやら脚の高さが足りなかったらしい。

 だが倒れ込むことはできなかった。ロウが腰を支え、背後から貫いていたからだ。

 電撃に震える膣を犯される。恐怖すら溶けるほどの倒錯的な快楽だった。

 

 必死に脚を高く上げ直す。

 声は犬の鳴き声に変えられ、熱に浮かされた雌犬そのもの。

 ロウに抱えられ、肉体の奥を突かれながら、快楽の波に揺さぶられる。

 

「房毛をそんなに振るな。くすぐったい」

 

 ロウが笑う。羞恥で熱くなる。だが羞恥すら霞む。

 気持ちがいい──。

 憎むべき相手との交わりなのに、快感が強すぎる。

 

 ロウは憎い──。

 いや、憎いのか?

 もはやわからない。残るのは雌犬として悦ぶ肉の声。

 

 淫情の奔流が膣から全身へ駆け抜ける。

 

「きゃううううう──」

 

 いななきにも似た鳴き声が喉からほとばしった。

 絶頂が全速力で駆け抜け、エリカは全身をぶるぶると震わせて歓喜の衝撃に浸り続けた。

 

「……よし。脚を下ろしていい」

 

 しばらくしてから、ロウが言った。

 エリカはがっくりと全身を脱力させた。絶頂の余韻に浸っているあいだ、股間に留まり続けていたロウの怒張がすっと抜けていく。

 やはり、精は放たれなかった。

 

 呪術の支配のようなものは感じない──。

 そう思った瞬間、胸に奇妙な空虚感が広がった。

 不可思議な物足りなさ。なぜなのかはわからない。

 

 はっとした。

 ロウはすでに扉に向かい、歩き出していたのだ。

 

「ばうっ」

 

 エリカは反射で吠え、四つ脚で追う。

 

 廊下に出る。

 地下室の廊下は思ったより長く、両端には一階に上がる階段と、反対側に浴室があった。二十べス──大人の男の大股で二十歩ほどの距離だ。

 

 浴室に近い調教部屋から出た途端、視界の先に奇妙なものが置かれていた。丸い球体に根元を刺した張形だ。

 

「エリカ、運動だ。取ってこい。口も手も使うな。股で持ってくるんだ」

 

 ロウがそれを拾い上げ、廊下の反対側へと投げ飛ばす。

 

 一瞬、ためらいが生じた。

 はっとしたときには遅く、舌打ちと同時に電撃が迸った。

 全身を痙攣させ、床でのたうつ。

 

 やがて電撃が止む。

 

「ばう」

 

 吠え、四つ脚で駆ける。

 命令には返事──。さっき身をもって覚えた教訓だ。

 しかし数歩も進まぬうちに、再び電撃が叩き込まれる。

 

「遅い」

 

 ロウの叱責が響いた。

 跳ぶように駆け、張形の元へたどり着く。

 

 根元の球体は重りで安定し、どんなに転がっても先端は天井を向くようになっていた。

 エリカは先端を股間に合わせ、ゆっくりと腰を沈める。

 

「ばぐうううっ」

 

 動きが遅い──とロウから叱咤が飛ぶとともに、即座に電撃が襲い、全身が反り返る。

 咄嗟に起きあがり、ためらわずに腰を一気に落とした。

 ぬるりと潤滑油が広がり、膣が抵抗なく張形を呑み込む。

 

「ばうああ──?」

 

 途端に、張形が淫らに蠕動を始めた。

 膣壁を這い、奥をくすぐる。

 驚愕に腰を跳ね上げ、張形を落としてしまう。

 

「ばぐうううっ」

 

 雷鳴のような電撃が全身を貫いた。

 床に崩れ、またもや、のたうちながら叱責を浴びせられる。

 

 必死に体勢を作り直し、再び腰を屈める。

 股間で咥え込み、張形を膣奥へ挿入した瞬間、振動が始まる。

 歯を食いしばり、力いっぱい締めつける。

 少しでも止まれば電撃──。

 股間でそれを保持したまま戻るしかない。

 

 球体はずっしりと重く、落とさぬようにするには張形をさらに強く締めねばならなかった。

 しかし、振動する張形を股で咥え続ける行為は、敏感な身体にとって拷問のようだ。

 尻に挿入された尾の根元も休みなく震え、両穴を同時に掻き乱される。

 

 泣きそうになる。

 それでも四つ脚で駆け、必死に戻ろうとする。

 

「ばぐううっ」

 

 しかし、遅いと、また電撃。

 視界が白く焼きつぶされ、倒れ込みそうになる。

 

 やっとの思いでロウの前に辿り着いた。

 だが待っていたのは、電撃棒による苛烈な打撃。

 気絶寸前まで痙攣させられる。

 

「まったくなってない。遅すぎる。俺に恥をかかせる気か──。それでも俺の雌犬か」

 

 ロウは冷たく言い放ち、再び球体付きの張形を投げ飛ばした。

 

「ばうっ──」

 

 反射で吠える。

 精根尽き、汗と涙にまみれながら、思考すら失ったエリカは、ただ四つ脚で駆け出した。

 股で張形を咥え、尻尾を震わせ、犬の声と電撃の音を廊下に響かせながら──。

 

 十回──。

 

 二十回──。

 

 果てしなく、同じことが繰り返される。

 首輪と電撃棒から浴びせられる電撃は、百を超え、二百を超え──もう数えることなどできない。

 

 遅ければ激痛。

 速ければご褒美。

 だが、そのご褒美すら拷問に等しかった。

 

 股で咥えてきた張形で絶頂を与えられる。

 快楽は確かに甘い。だが、何度も何度も重ねられれば、それは苦痛と変わらなかった。

 昇天して息も絶え絶えの身体に、すぐさま新しい張形が投げられる。

 ふらつく四肢を叱咤し、再び股で咥えて走る──。

 

 やがてエリカは、どれほど電撃を浴びても、一歩すら進めなくなった。

 全身は鉛のように重く、汗と涙に濡れ、意識は霞の彼方へ沈んでいく。

 

「……まあ、これで許してやるか」

 

 遠くで、ロウの声がした気がした。

 だが、朦朧とした頭では確かめられない。

 次の瞬間、股間に衝撃が奔る。

 ロウの怒張が、知らぬ間に肉孔へ根元まで貫かれていたのだ。

 

「ばう……?」

 

 掠れた鳴き声。

 悲鳴も嬌声も、すべて犬の声でしか出せない。

 

 うつ伏せに押し倒されたまま、ロウの腰がゆっくりと動き始める。

 朦朧とした意識を貫き、快感だけが鮮明に広がった。

 疲労しきった身体が、なおも歓喜に震え、犬の尾が勝手に左右に揺れる。

 

「終わったら、動く床で四つん這いの駆け足だ。そのあとは電撃縄跳び。まだまだ続くぞ。お前が心の底から犬に成り切るまでな」

 

 ロウが腰を突き込みながら、愉しそうに笑った。

 エリカの視界は滲み、意識は遠のきかけている。

 それでも、犬の声だけは喉から洩れ続けていた。

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