【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】 作:ドン・ドナシアン
「ひ、卑怯です……。ああっ、お願いです……。こ、こんなの卑怯です……」
股間の粘膜に、灼けつくような異様な痒みと疼きが拡がり、スクルズは悲鳴をあげた。
コゼが塗り込んだのはプルリタス膏と彼女が呼んだものであり──狂うような痒みと疼きを引き起こし、皮膚感覚を狂わせる膏薬だと知らされた。
実際、すでにそれは襲いかかってきている。
スクルズは必死に内腿を擦り合わせて、痒みを癒やそうともがいた。
「あら、必死ですね、スクルズ様。そんなに痒いですか?」
コゼがくすくすと笑った。
その横で、ロウは愉快そうに笑っている。
「ああ、許して──。もう、こんなことお許しを……」
スクルズは、拘束された全身を狂ったように身悶えさせる。あまりの痒みにほんの少しも我慢できないのだ。
全身から信じられないほどの汗が一斉に噴き出した。
ただでさえ、身体をただれるように疼かせる媚薬を三本も飲まされている。
そこにこの膏薬を股間へ塗られたのだ。
いったい自分がどう狂ってしまうのか、恐怖で胸が凍りつく。
いや、もうすでにその兆しは訪れている。
痒みと疼きに翻弄されながら、この瞬間にも──ロウに屈してしまいたいと、心のどこかで思ってしまっている。
そんな自分に気づく恐怖がさらに全身を震わせた。
「心の底から、ここにいるご主人様に屈服してください……。そんなに悪いものじゃないですよ……。ご主人様になにもかもお任せください……」
コゼがくすりと笑った。
スクルズは、両手首を一本の金属棒に括りつけられ、水平に広げられたまま天井から吊られていたが、コゼは立ちあがりスクルズの後ろに回った。
振り返ろうとしても、金属棒を二本の鎖で吊られているのでできない。
棒の重みと鎖がきしむ音が身動きを許さない現実を意識させるだけだ。
また、両足首には枷が嵌まり、そこから伸びる鎖が床の穴へと落ちている。引かれれば、どれほどでも脚を開かされる仕組みだ。それもまた、スクルズの絶望を誘う。
すると、背後で金属が擦れる乾いた音がした。
コゼが腰の小刀を抜いたのだと悟ったのは、次の瞬間、足首に絡みついていた巫女服の下衣と下着が、鋭く裂かれる感触が伝わったときだ。
一気に切り落とされた布が力なく床に落ちる気配が伝わる。
上半身はまだ巫女服で覆われているが、もう腰から下はなにも身につけていない。
冷たい空気にあられもない部分が晒される羞恥に、スクルズは思わず声を上げた。
「なにをするのです」
そのとき、コゼが床に無造作に置かれていた小さな操作盤を拾い上げた。
「スクルズ様──。股を自分で擦れないように、脚を開きましょうか」
その声音に、胸が冷えた。
コゼの指先が盤面を押す。
すると、ぎし、と鎖が鳴り、足枷に繋がる鉄鎖がじりじりと縮みはじめた。
正座して揃えていた膝が、否応なく外へと押し広げられていった。
「や、やめて……いや……」
力を込めて抗えば抗うほど、枷は皮膚に食い込み、鎖はさらに外へと引き裂く。
最初はほんのわずかな開き──だが、その数寸が羞恥を何倍にもした。
正座の形はみるみる壊され、膝は徐々に外へと逃げていく。
鎖がまた一段、きしむ。
冷気が脚の奥に触れ、すでに掻痒に苛まれている股間を直に撫でる。
疼きと痒みが狂おしいまでに広がり、羞恥と絶望をさらに煽った。
「ああっ……やめ……。お願いです……」
もはや必死の声が勝手に洩れる。
擦りたいのに擦れない。閉じたいのに閉じられない。痒みに狂わされながら、女の証を無様に広げさせられるしかなかった。
やがて──膝を曲げた状態で、左右の脚が真横まで開かれた。後ろにひっくり返りそうになったが、腕を拡げて拘束している金属の両端の鎖がそれを阻む。
また、脚を開いた瞬間、股間から耐え切れずに大量の蜜が溢れ出した。おびただしいほどの愛液が股間から垂れ落ち、床に濡れ跡を広げていく。
「あらあら……巫女様、こんなに濡らして……。痒いどころじゃなく、気持ちよくて堪らないんじゃないですか」
背後のコゼがくすくすと笑う。
揶揄う声音が耳を刺し、羞恥は極みに達した。
微笑んだまま、スクルズの苦悶の姿を眺め続けるロウと視線が合った。
その視線に射抜かれ、胸の奥を鷲掴みにされたように動揺が奔った。
すると、彼が口を開く。
「……清らかであろうとした巫女様も、脚を開いてしまえばこんなに淫らな姿をしているんですよ。それがあなたの本当の姿なんですよ。もう屈服しましょうよ」
口調は優しげなのに、言葉は突き刺さるようにスクルズを追い詰める。
「わ、わかってます……。わたしは……淫らな女……です……。でも……屈服だけは……。ああ、それに、そんなふうに言わないで……」
掠れた声で絞り出す。
否定ではなく、羞恥に泣きながら自覚を吐かされる。
疼きと痒みは激しくスクルズを苦悶させ続ける。
滴る愛液は止まらず、羞恥と苦悶、そして抗いがたい快感が、容赦なく理性を削り落としていった。
股間から滴る蜜が床を濡らし続ける中、背後にいたコゼがふっと笑った。
その気配がすぐ近くに寄ってきて、次の瞬間、巫女服の胸当ての隙間から手が潜り込む。
「ひっ……や、やめて……コゼさん……」
布の下に忍び込んだ掌が、乳房を根元から持ち上げ、いやらしく揉みしだいた。
粘つく膏薬の感触が広がる。
──さっき股間に塗り込まれたものと同じ、痒みと疼きを呼び覚ます膏薬が指に載せられていた。それが乳房全体に拡げられる。
乳房全体がじりじりと熱を帯び、感覚が狂わされていく。
「あ、ああっ……だ、駄目です……」
声が勝手に漏れる。
コゼの指は乳房の柔らかさをねっとりと楽しむように、時に円を描き、時に爪先で乳首を転がした。
硬く立ちあがった突端をこりこりと挟まれるたび、全身に痒みに似た疼きが奔り、背筋を大きく震わせる。
「どうです、巫女様……。股も胸も、こんなに熱くして。もう痒いだけじゃないでしょう……? 苦しいですよね……。それを助けてくれるのは、ご主人様だけですよ……」
くすくす笑いながら、コゼは両手で胸を交互に揺さぶった。
揉まれるたび、媚薬の熱と掻痒が増幅し、快感と苦悶がないまぜになって意識を溶かす。
「や、やめ……。そんなこと……神に、背く……」
必死に理性をつなぎとめようとする。
しかし声は弱々しく掠れ、震える乳首からは愛液にも似た熱が滴るように感じられた。
「神様? そんなもの……あたしは信じません」
耳もとに落ちたコゼの囁きは冷たく鋭かった。
「……え?」
「あたしを地獄に放り落として、見捨てたのが神様よ。毎日、死んだほうがましな苦しみを与えられて……祈っても、泣き叫んでも、神様はなにもしなかった。──だから神様なんて、糞くらえです」
胸を揉む手がいっそう強くなる。
恨みを吐き出すように言葉を叩きつけるコゼの声は、怒りと激情に濡れていた。
「あっ、ああ……そんな……」
「救ってくれたのは、ご主人様です。あたしをあの地獄から引き上げてくれたのは、この人だけ。だからあたしは、ご主人様のためならなんでもする……。巫女様も抗わずに、すべて委ねればいいんです」
「う、うそ……そんなこと……」
否定の言葉は涙に濡れ、震えた声となる。
胸を嬲る指は止まず、股間からは蜜がなおも垂れ続ける。
羞恥と苦悶と快感に翻弄されながら、スクルズは崩れ落ちそうな理性を必死に支え続けていた。
それで、目の前のロウの視線を改めて思い出して、スクルズははっとした。ロウは愉しげに微笑みながら、コゼに責められ続ける自分の痴態を凝視している。
滴る愛液にまみれ、胸を嬲られ、あられもない姿をさらしている。しかも局部からは蜜がどろどろと溢れ落ち、床に濡れ跡を広げているのだ。
「……コゼのおかげで、いい具合に仕上がってきましたね。ただ、汗びっしょりで服を着たままでは可哀想ですね……。コゼ、スクルズ様の巫女服を脱がしてやれ。破いて構わない」
ロウの声音は優しいのに、残酷な嗜虐を含んでいた。
スクルズは悲鳴をあげる。
しかしコゼは嬉しげに「はい」と答えると、胸を揉んでいた手を離し、短剣を抜いた。
あっさりと上衣の巫女服も胸当ても切断されて完全な全裸にされてしまった。
「……少し立ちましょうか」
ロウが悪戯っぽい声で言いながら壁に移動し、天井から腕を吊っている鎖の突起を操作した。
すぐに金属棒ごと両腕が引き上げられていく。
「い、いやあっ」
スクルズは叫んだ。
抗うこともできずに腰が浮かされ、中腰の姿勢に持ち上げられる。しかも、両脚は縄で大きく開かされたままだ。
やがて鎖は止まり、力の抜けたスクルズは、みっともなく股を開いた姿で立たされる。
「こ、こんなこと卑怯です……。も、もうやめて……ください……」
声は情けなく掠れ、甘さすら帯びていた。
「巫女様の全裸の中腰姿……実にいやらしいものですね。──さあ、俺と口づけをしましょうか。性奴隷になると口にするのが怖いのなら、まずは口づけを受け入れるんです」
「えっ?」
「そうすれば、言葉などどうでもよくなる……。俺にすべてを委ねればいい」
ロウが正面に歩み寄る。
「さあ、ご主人様のおっしゃるとおりに……」
コゼは胸への愛撫を再開する。
「ひゃあ」
揉みしだかれるたびに乳房が燃え立つように熱し、媚薬を塗られた股間と共鳴する。
知らずスクルズは、中腰の腰を淫らに震わせていた。
「……スクルズ様、俺の唾液を吸ってください。そうすればもっと気持ちよくなり、俺の支配も受け入れやすくなる……。快楽に逆らってはいけません……」
いつの間にか、ロウの顔が目の前に迫っていた。
優しげな声に操られるように唇を寄せそうになり、直前で我に返る。
「いやっ」
首を横に振り、ロウの口を避ける。
動揺が全身を包む。
いま、自ら進んで受け入れかけた──。その事実に愕然とした。
「お、犯すなら……構いません。で、でも、あなたの支配を……受けるわけには……」
絞り出すように拒絶する。
「困りましたね……。何度も言いますが、堕ちるのはあなたのためなんです。堕ちる前に俺の精を受けてしまえば、魔瘴石が剥がれるときに、あなたの心に深い傷を残すかもしれない」
「な、なんと……あ、ああ……」
反論しようとするが、コゼの指が胸を苛み、声は震え途切れた。
「コゼ、スクルズ様がいい子になるように、股も可愛がってやれ」
「はい、ご主人様」
コゼの手が股へ移動し、蜜に濡れた粘膜を撫でる。膨れた突端を指でこりこりと弄ぶ。
「あはあっ……」
スクルズは大きくのけぞった。
「ふふふ……熱いですね、スクルズ様のお股は……。ご主人様、もう十分に仕上がってます。いつでも犯せますよ」
コゼの指が膣をかき回す。媚薬を塗り込んだのか、内奥まで灼けつくように熱が走り、思考は溶かされる。
「これ以上我慢すれば、ほんとうに気が狂いますよ。塗り込んだのは、それほど強烈な薬です。──これだけ耐えたのなら、神様もお許しになるでしょう……」
正面のロウがそう告げる。
しかし意味は半ばも理解できない。熱と快感だけが全身を支配する。
「……さあ、まずは口づけです。それで俺を受け入れるんです……」
再び唇が迫る。
朦朧とする。
もう、なにもわからない……。
しかし、直前で我に返り、はっとして横を向いた。
これはロウだ……。
助けると言いながら、信仰を捨てさせ、性奴隷に堕とそうとする男……。
卑劣な男……。
でも、なぜか憎めなくて……。
「だ、だめです……。お願いです。その代わりに、容赦なく、犯して」
反対側へ顔をそむけ、涙をこぼす。
──犯すなら犯してほしい。身体はすでにそれを欲している。
けれど、神を裏切る言葉だけは……どうしても口にできなかった。
「強情ですねえ……。じゃあ、もう少し我慢してみますか」
ロウが静かに言った。
その声を合図にしたように、コゼが股間への責めをぴたりと止める。
ふたりがスクルズから離れていく気配がした。
「あ、ああ……くっ……くうっ」
刺激が途絶えた瞬間、堪えきれずおかしな声が漏れる。
全身が疼き、股間は焼けただれるように熱い。
じっとしていることができない。
そして愕然とした。
自分の身体は、責めが止むと逆に淫情に狂うほど追い詰められている──その事実を突きつけられたのだ。
無意識に腰を揺らしていたことに気づき、羞恥で顔が真っ赤になる。だが、止めることはもうできなかった。
乳房も同じだった。裾野から突端まで、無数の虫が這うような錯覚に苛まれる。
刺激を断たれたことで、己の身体がどれほど恐ろしい状態になっているか、嫌でも思い知らされた。
「……ひ、ひどい……。こ、こんなやり方は……」
震える声で抗議する。
「俺を受け入れて、口づけをするんです。そうすれば、また触ってあげますよ」
優しげで残酷な声。──ロウだ。
屈してはならない男……。
だが、屈したい。屈してしまいたい。
彼になら、救ってもらえるのではないか……そんな思いが頭を侵す。
スクルズは懸命に頭を振った。
おかしくなっている。
けれど、すぐにロウの唇が迫ってきていた。
慌てて顔を背けるが──もう限界だ。
抵抗などできない。
断崖絶壁に追い詰められ、媚薬に焼かれた胸と股間は意思に逆らって淫らに震えている。
「……さあ、俺に屈服するんです。あなたを救ってあげますから。さっきのコゼの言葉ではありませんが──神様では、あなたを救えません。救えるのは俺だけです。さあ、口づけを」
舌が頬を舐める。耳へ、耳たぶへ。
「ひ、ひやっ……」
舌足らずの声が勝手に洩れる。
もう顔を避ける力すら残っていない。
「……まだ我慢するんですか? だったら、もう一度、あれを使いますか」
ロウが一歩離れる。
視線を動かした瞬間、彼の言う「あれ」が目に入った。
床に転がっている卵型の小さな振動器──ロウが“ろーたー”と呼んでいた振動する淫具だ。
先ほどまで長く翻弄され、コゼに外されて放置されていた。
「コゼ、それを寄こせ」
「はい」
コゼが拾い、ロウの手に渡す。
「今度は俺の力で、どれほど腰を振っても、絶対に外れないようにしてあげます。──遠慮なく悶えてください」
次の瞬間、股間に押し当てられた。
「ひぐううう──」
絶叫が迸る。
肉芽にぴたりと密着した淫具が、いきなり凄まじい振動を刻んだのだ。
だが、ほんの一瞬だけ。
すぐに止められ、静寂が戻る。
跳ね上がった身体が一気に脱力した。
「も、もう……許して……くだ……さい……」
一度の振動だけで、息も絶え絶えに崩れかける。
「なにを許すんです? 俺はあなたを助けようとしているだけですよ。死の恐怖からね」
ロウの声が落ちる。
だがスクルズが恐れるのは、神を裏切ること。
死など怖くない。
怖いのは──自らの口が、神を捨ててロウを受け入れると告げてしまうことだ。
淫具は肉芽に吸いつくように離れない。
魔道の仕業かと疑うが、ロウからは一片の魔力も感じられない。
それなのに、魔道使いと同じような力を発揮している。
不可解さと恐怖が、彼の正体をいっそう底知れぬものに思わせた。
「……もう一度やりますよ。この続きが欲しくないですか? ならば、まずは口づけです。そのあと屈服の言葉を口にし、俺の精を受ける……。それで、すべて解決するんです」
ロウの囁き。
「はううう……っ」
再び振動が走る。
理性も思考も一瞬で吹き飛んだ。
股間から全身へ恐ろしい快感が迸り、スクルズは嬌声を上げて悶える。
だが、振動が再び途切れた。
甘美な振動はあっけなく奪われ、ただ痒みと疼きだけが全身を焦がす。
空虚に置き去りにされた股間から、熱い蜜が滴り落ちていく。
「あ、あああ……っ……やめて……やめてください……。こんなの……狂ってしまう……っ」
涙混じりの声が迸った。
自分の意思とは無関係に、腰は淫らに震え続ける。
胸も股も、触れられないことそのものが責めとなり、身を裂くような苦痛を生んでいた。
「……お願いです……もう……なにも考えられない……。神様……どうか……」
祈りは途切れ、嗚咽に変わる。
熱と痒みに苛まれ、快楽への飢えに押し潰され、理性はずたずたに裂かれていく。
スクルズは絶望と苦悶の狭間で、泣きながら喘ぐしかなかった。
そんな彼女の耳もとで、コゼがくすくすと笑った。
「巫女様──神様じゃ、あなたを救えませんよ。救ってくださるのは、ご主人様だけです」