【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】 作:ドン・ドナシアン
一郎は、スクルズの股間に貼りつけているローターの振動を達する寸前のところで止めた。
「ううっ、うっ……あ、ああ……ゆ、許して……ください……。も、もう……」
脱力したスクルズが、泣くような声で呻く。
もう十数回、同じ作業を繰り返していた。
強烈な媚薬を飲ませ、さらに掻痒剤を股間と乳房に塗り込んだことで、信じられないほど淫情に蕩けた身体を、寸止めで責め続けているのだ。
敬虔な筆頭巫女といえども、女だ。
これで堕ちないわけがない。
もっとも、このスクルズからは──淫魔師としての勘でわかる。被虐に酔う淫女の匂いがする。
その身を震わせるたび、声を洩らすたび、彼女の全ての反応がそれを一郎に教えていた。
実際、いまのスクルズは落花狼藉だった。
股間からは愛液を垂れ流し、奪われた快感を追い求めるように腰をよじる。白い内腿は痙攣し、抑えきれない泣き声が喉からこぼれていた。
魔眼によるステータスと、淫魔術による赤いもやによる性感の動きを観察しながらの責めだ。
失敗するわけがない。
一郎の目には、その姿があまりに哀れで、同時にどこか可憐にさえ映った。
気高い筆頭巫女であるはずなのに、責めに耐えきれず震える姿は、美貌を保ちながらも少女めいた弱さをのぞかせ、庇護欲を誘う。
──助けるためだ、と自分に言い訳をする。
しかし、これを男の欲として、愉しんでいる自分がいるのは確かだ。
いずれにしても、魂に粘着した魔瘴石を排除するには、彼女が自ら屈服して力を貸してくれなければならないのは事実だ。
淫魔師としての勘が、そのまま淫魔術で支配して、魔瘴石を強引に剥がすのは危険だと告げている。
それくらいに、強く魔瘴石はスクルズの魂の部分に密着しているのだ。淫魔術で最初に接したときに、それはわかった。
だが、いい口実だとも感じている。
美貌の筆頭巫女を嬲り、屈服させる過程に、嗜虐的な愉しみを覚えてしまうのも事実だった。
スクルズについて、巫女装束の下からでも柔らかな膨らみの輪郭が気になっていたが、こうして脱がしてみれば、かなりの巨乳だった。
また、気高い美貌のはずなのに、怯えと羞恥に濡れた顔は、むしろ可憐で幼さすら残して見える。
美人でありながら、どこか守ってやりたいと思わせる──そんな姿だった。
そのスクルズが、いまは憐れなくらいに股間から愛液を溢れさせ、取りあげられた快感を求めて、腰をよじり、開いた内腿を痙攣させている。
当然だろう。
頂寸前で奪う「焦らし責め」は、女をもっとも狂わせる責めだと知っている。
一郎自身には女の体感を共有することはできないが、淫魔術に補強された魔眼の力で、快感が数字となって見えるのだ。
そのおかげで、ぎりぎりまで追いつめてから寸止めすることができる。
誤って絶頂させてしまうということは、ほぼありえない。
スクルズが心から屈したと一郎が確認しない限り、スクルズの女の苦しみは延々と続くことになる。
スクルズ
人間族、女
第3神殿筆頭巫女
年齢26歳
ジョブ
魔道遣い(レベル35)
生命力:50
攻撃力:1(拘束状態)
魔道力:400(魔道封印具)
経験人数:女3
淫乱レベル:S
快感値:1〜3/100↓
状態
魔瘴石(封印状態)の憑依
それに、ステータスでもわかるが、この筆頭巫女様は、自分でも少し口走っていたように、やはりそれなりの淫乱体質だ。
淫乱レベルS、快感値の初期値が“100”というのは、かなり快楽に弱い身体である証拠だ。
性経験は、男とは一郎が初めてのようだが、女は三人。そういえば、第二神殿のベルズもそうだったから、女同士の百合愛の経験があるのだろうか。
敬虔な神殿の巫女同士の淫らな百合愛──。
彼女たちの、赤裸々な秘密を握ったみたいで、ちょっと優越感を覚える。
とにかく、いまやスクルズは朦朧として、半ば意識を失っている。
つい先ほどまで神への祈りを繰り返していたが、それももはや途切れ途切れで、抵抗の意思など残っていない。
「……許して……許して……許してください……ああ、へラティス様……」
スクルズは腰をよじり、涙声でよがり泣いていた。
「……ご主人様に口づけをしてもらってください、スクルズ様……。それでなにもかも解決します……。ご主人様がスクルズ様を助けてくださいます……。さあ、神様でなく、ご主人様を信じて……」
背後から乳房をねちっこく刺激しながら、コゼが耳元でささやく。
スクルズはその言葉に操られるように、虚ろな顔で口を半開きにした。
抵抗の色はもう、どこにもなかった。
一郎は彼女の唇に自分の唇を重ねた。
「……あん……あはあ……」
いきなり濃厚な口づけになった。
一郎が舌を差し入れると、スクルズは自ら舌を絡ませてくる。
そして、甘い吐息とともに、一郎の口内をねっとりと舐め回してきた。
おそらく、もはや誰と口づけしているのかもわかっていないのだろう。
一郎は大量の唾液を流し込む。
それをスクルズが喉を鳴らして無意識に飲み干し、目の色をいよいよ妖しく光らせた。
また、さらに熱を帯びた情熱で、一郎の舌に舌を絡めてきた。
淫魔術の縛りがじわじわとスクルズの中に染み込んでいくのが、一郎にはわかった。
しばらくのあいだ、互いに舌を出したり引いたりを繰り返した。
その間のスクルズは驚くほど情熱的で、一郎が舌を引けば未練がましく声を洩らし、さらに舌を伸ばして追いかけてくる。
じゃれるように絡みつくその仕草は、筆頭巫女とは思えないほど淫らだった。
「……ほら、ご主人様に身を任せると、こんなに気持ちがいいのですよ、スクルズ様……。もっとお願いすれば、さらに気持ちがよくなりますよ……」
コゼが背後から身体をぴたりと寄せ、媚薬に濡れた乳首をこりこりと揉む。
「ふんっ」
スクルズが強い鼻息とともに身体を淫らに跳ねさせた。
それで、一郎と口からスクルズの舌が離れてしまった。涎だけでなく、唾液が糸を引いていて、それが途切れる。
とにかく、彼女の巨乳はなかなかの迫力だ。大きな胸がぶるぶると震えて、形を崩すほどに揺れる様子は淫靡としか言いようがない。
その大きな胸をコゼが無遠慮に後ろから揉んでいた。
「ふわあっ、気持ちいい──あああっ」
スクルズが顔をのけ反らせた。
一郎は、びしょ濡れの股間へ指を伸ばす。
淫魔術で肉芽に貼りついたローターは剥がして、床に捨てる。その代わりに、指で膣内に漂う赤いもやを探って刺激してやる。
「んはあああっ──」
スクルズの裸身がぶるぶると震え、のたうつように痙攣した。
「ああ、ロウ様──お口を……。お口を離さないで──」
すると、スクルズが我に返ったように、拘束された身体で顔だけを突き出して、一郎に口づけを求めてきた。
一郎はほくそ笑んだ。
前言撤回だ──。
スクルズは、媚薬と寸止めによる快楽責めで朦朧とはしているが、目の前の男が一郎だと認識している。認識したうえで、求めてきている。
もう、ほとんど堕ちた──。
一郎は確信した。
「スクルズ様……いや、スクルズ、欲しいものだ。舌を出すんだ」
朦朧とはしているが、スクルズは必死の様子で小さな口を開き舌を伸ばす。
一郎は、その舌に舌を重ねる。そこにも赤いもやはいっぱいだ。余すことなく舌先で刺激していく。
やがて、スクルズとのむさぼるような口づけに変わった。
スクルズは、舌を絡めて、一郎の口から自分の口を離そうとしない。
一方で、一郎は、愛撫する指先に押しつけるように突き出しているスクルズの膣に挿入している指を、赤黒さを増す膣内のもやを追って指先を移動させる。
激しく揉み動かす。
「はあああ──」
切羽詰まった呻きが鼻先からもれ出す。
一郎はコゼに頷いた。コゼはさっとスクルズから離れ、一郎もまた指を抜いて刺激を中断してやる。
「あああ──ま、また──ああ……」
スクルズががくりと力を失い、恨めしげな悲鳴をあげる。
このとき快感値はほとんど〈0〉に近づいていたが、完全に〈0〉ではなかった。
この状態が女にとって一番苦しいというのは、もう一郎にはわかっている。
「……あ、ああ……」
胸を激しく波打たせながら、首を垂れてぐったりと項垂れる。気を失ったかのように見えるほどだった。
「……さあ、スクルズ様……なにか言うことがあるんじゃないですか……?」
コゼが背後から再び手を這わせる。
「ひううっ」
大した刺激でもないのに、スクルズの身体は大きく跳ねた。
極端に鋭敏な状態に追い込まれているのだ。
だが、コゼはすぐに離れ、またもや放置された。
「……ど、どうにか……して……ください……」
下を向いたまま、か細い声がもれ出した。
「なんですか、巫女様?」
一郎はわざとらしくとぼける。
「……い、意地悪を言わないで……も、もう……だめ……」
スクルズが顔をあげる。汗と涙と涎にぐしゃぐしゃに濡れた顔には、一郎に対する恨みのようなものはない。
ただただ、愛欲を求める雌の顔だけがある。
「俺の性奴隷になりますね?」
「……ど、どうしても……口にしないとならないのですか……」
「口にしなければ、これを繰り返すだけです。あと半日でも、一日でも……三日でも……」
スクルズはもどかしげに身を悶えさせ、肩を揺すって泣き始める。
「……さあ、スクルズ……」
一郎は畳みかけるように促した。
「な、なります……性奴隷に……」
小さな声で哀願がもれた。
一郎はにやりと笑みを浮かべる。
「もう一度、大きな声で──」
一郎は腰を抱き寄せ、コゼに指示を出す。
コゼが操作盤を動かし、水平に伸ばした金属棒の両端に繋がっていた鎖を完全に緩める。
支えを失ったスクルズの身体が一郎の両腕に沈んだ。
一郎は震える股間に目を落とした。いまもなお、股間から愛液が水のように滴り落ちている。
発狂寸前まで追い詰められているのは明らかだった。
「な、なります──性奴隷に──。だから、どうにか、してください──。ああっ、お願いです──。もう許してください──」
やけくそのような声をあげると同時に、淫魔の支配が急激に強まるのを一郎は感じた。
口先ではなく、ついに、心から屈服したのだ。
「スクルズ……お前を性奴隷にする……」
一郎は、もう一度コゼに目で指示した。
コゼが、スクルズの両手首を繋げていた金属棒から外す。足首の枷だ。
一郎は完全に拘束を解いたスクルズを床に横たえた。
素早くズボンと下着を脱ぎ、スクルズの両脚を抱える。すでに一物も準備万端だ。
また、真っ赤に熟れたスクルズの花唇は、艶かしく開閉を繰り返していた。
「……受け入れて、スクルズ様……ご主人様を……」
コゼがスクルズの耳元でささやいたのが聞こえた。
スクルズは小さく首を縦に振る。
「いくぞ」
怒張の先端を股間にあてがった。
「あ、あああっ──」
それだけでスクルズは狂ったように首を振る。
荒々しく突き挿す。
抵抗はない。
一気に最奥まで貫かせた。
「ひうううう──」
狂乱の声をあげ、その瞬間に達する。
一郎はその凄まじい狂乱を愉しみながら、抽送を開始する。
「いっ、いきます──」
スクルズは悲鳴をあげた。
もう、なにも考えられなかった。
絶頂のときには、そう叫べ──。
ロウにそう言われたから、そのとおりにするだけだ。
とにかく、意識していたのは、それだけだった。
ほかのことは一切、思考から抜け落ちている。
あるのは、途方もない快感だけ。
それがスクルズを支配していた。
どのくらい犯され続けているのかも、もうわからない。
いまや拘束はすべて解かれていた。
両腕も両脚も自由のはずだ。
だが、スクルズは抵抗の意思はない。
それどころか、心からの悦びをもって、一郎を受け入れている。
ロウは時間をかけ、スクルズをさまざまな体位で責め立ててきた。
いまは、スクルズをうつ伏せにし、高く掲げられた尻から深く突き入れている。犯されながら教えてもらったが、“後背位”という体位らしい。
まるで獣のように犯されて、スクルズの背徳感が愛欲に溶けていく。
敬虔な巫女であるはずなのに、神に背を向け、男に身体を委ねている──その事実が、逆にスクルズの胸を甘く痺れさせる。
「……体勢を変えようか……。今度は対面座位を教えてあげよう」
背後から囁いたロウが、腰を掴んでゆっくりと性器を抜いた。
熱と痺れを残したままの膣が空虚になり、スクルズの身体が小さく震える。
そのまま抱き起こされると、胡坐をかいたロウの胸へと引き寄せられた。
腕が背にまわされ、抱き締められたまま、スクルズの両脚は自然と開かされて、男の胴体を跨ぐかたちになる。
「あんっ、ああっ……」
股間を導かれるまま、再び硬い熱塊が押し込まれた。
正面から深く貫かれた瞬間、視線が絡む。
抱き寄せられた体勢のまま、密着した腹と胸の熱さ、膣奥を満たす強烈な圧迫に、スクルズの全身が一気に痺れた。
「ん……ひゃあああっ……」
わずかに挿し直されただけで、背筋が弓なりに反り、思わず声が洩れる。
未知の体位──対面座位。
それがどういうものかは知らない。だが、目の前で笑むロウの顔を仰ぎ見て、貫かれた瞬間に身体が勝手に達してしまう。
これ、好きかもしれない……。
胸にしがみつきながら、スクルズは熱に蕩けた吐息を落とした。
「……さあ、もう一度、言うんだ、スクルズ……」
軽く達したばかりの膣内を、容赦なく揺さぶられる。
まだ収まりきらぬ余韻に、新たな衝撃が重なり、快楽が羽ばたくように飛翔していった。
視界が白く弾け、思考は溶け落ちて、なにも考えられない。
ただ耳に届くのは、ロウの低く甘い声。
その囁きに支配され、抗うことなどできず、夢中になって口が動いた。
身も心も、もう完全にこの男に囚われている──そう実感させられながら……。
「ああ……ス、スクルズは……ああっ──ロウ様の性奴隷……はあ、はあ……です……」
スクルズはほとんど操られるように、その言葉を口にした。
“スクルズは、ロウ様の性奴隷──”。
その言葉をロウは繰り返し口にさせる。
もはや抵抗の意思もなく、言われるままに発していた。
言葉を重ねるたび、心がロウに吸い込まれていく気がする。
「いい子ですね……。では、ご褒美です。また、口づけをしましょう……」
「あ、ああ……ありがとうございます……」
向かい合ったまま、ロウが唇を重ねてくる。
熱を帯びた口内に、舌が差し入れられる。スクルズはもう、なにも考えられず、その舌に自分の舌を絡ませた。
かつて、ウルズやベルズ、ノルズと愛を交わして覚えた口づけなど、遠い記憶に霞んでいく。
女同士の口づけとは比べものにならない。
ロウの口づけは、淫靡で、強烈で、激しく、そしてどうしようもなく興奮を誘う。
舌を絡め合うたびに胸の奥が焼けつき、頭の芯まで痺れるようで──スクルズはその快楽に酔いしれ、もう二度とこの口づけを手放したくないとすら思い始めていた。
「……そろそろ、十分だと思います……。あとは俺に任せて……。俺に心を預けてください」
ロウが口を離す。
そして、再びスクルズの身体を床に仰向けにし、上から覆いかぶさった。
ロウに心を委ねる……。
なぜ改めて命じられたのかはわからなかった。
だが、スクルズは頷き、素直に従うように身を委ね、言葉を発した。
ロウが満足そうに笑い、律動を始める。
「あああ、ああっ、はあっ、ひやあっ、ああっ」
スクルズは喘ぎ声をあげた。
何度達しても……。
どれだけ疲労困憊していても……。
快感には際限がなかった。
世の中にこれほどの歓びがあったのかと胸が震える。
それを与えてくれるロウ。
その支配を受け入れるのは、あまりにも当然のこと。
再び絶頂の兆しが迫ってきた。
「いくうっ、いきます──」
スクルズは吠えた。
「お、俺もいく……。今度は俺の精をやる。それで終わりだ」
ロウが言った。
律動が速くなる。
「ひああっ、あああ──」
スクルズは身体を弓なりに反らせた。
圧倒的な情感の大波がやって来る。
頭が真っ白になり、果てしない甘美感の陶酔に包まれる。
そのとき、スクルズを貫いているロウの怒張がかっと熱を帯びた。
「あああっ──」
絶叫がこぼれる。
力強いなにかが全身を覆い尽くす。
心が鷲づかみにされるような感覚。
吠える。
包まれる。
スクルズはその圧倒的な力に呑まれていった。
「う、うっ」
上から覆いかぶさるロウが小さな声を発した。
それで、スクルズにもわかった。
ロウが、自分に精を注いでくれたのだと。
「あああっ、いいいいっ」
同時に、スクルズの心の中でなにかが砕け、そして、なにか途轍もなく大きなものが生まれた。
その感覚に包まれながら、ただ震えた。
「……終わりましたよ、スクルズ……」
ロウが身体を離した。
「……終わった……のですか……?」
スクルズは疑念の言葉を洩らす。
ロウが手のひらに乗るほどの真っ黒な石を示した。
親指の先ほどの小石だ。
「……あなたの身体にあった魔瘴石です。無事に外せました。まだ壊れてはいません。ご気分はいかがですか。どこかおかしな具合はないですか」
ロウの声音は穏やかで、その顔には優しげな笑みが浮かんでいた。
あまりに安心させられる微笑み。
そうか……。
思考が戻ってきた。
ロウはこれをスクルズから外してくれたのだ……。そのために……。
──このロウの笑みを最初は忌み怖れていた。
それを思い出し、スクルズは、それがとても不思議なことのように感じた。
「……おかしな具合は……ありません……。とても、気持ちがいいです……。で、でも……い、意地悪ですね、ロウ様は……」
媚薬を飲ませて、掻痒剤を塗り、寸止めに次ぐ寸止め──。思い出すと、羞恥が襲ってくる。
スクルズが恨みっぽく言うと、ロウが愉快そうに声をあげて笑った。
「それが俺ですから……。いや、俺だ。でもその代わりに、一度受け入れた者は全力で守る。スクルズを……いや、皆さんを助ける。その代わりに、スクルズも俺を受け入れてくれ」
ロウの笑みは真摯で力強い。
スクルズは抱き締められながら、涙をにじませ、もう一度頷いた。
「受け入れてます……。どうか、わたしたちを……お救いください……ロウ様……」
そう口にした瞬間、胸の奥から眩い熱があふれた。
魔瘴石の呪いは影も形もなく消え去って苦しさは消滅していた。
その代わりに巨大な力が内から溢れだしている。
飛翔するような感覚──。
天を翔けるような高揚感──。
幸福と恍惚が幾重にも折り重なり、魂ごと震えた。
涙と笑みを同時に浮かべながら、スクルズはロウ様に抱きついた。
「ありがとうございます……。わたし……いま……とても……幸せです……」
囁きは震えていたが、確かに響いていた。
解き放たれた者の輝きが、スクルズの瞳に宿っていた。