【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】 作:ドン・ドナシアン
「ふわああっ、ああっ、あっ、あっ」
一郎は速い律動で怒張をスクルズの奥へ叩き込んだ。
深く突き入れては浅く抜き、尖った亀頭で柔を抉る。どこを押せば、どう動けば、彼女の身体が跳ね上がるか──その癖は、この十数日間ですっかりと骨に刻み込んでいる。
「ああっ、ああっ、そ、そんな、い、一気に、ロ、ロウ様、ああああっ」
スクルズが掴む一郎の背中に絡みつく爪が震え、息が耳朶をくすぐる。
快感の坂を一気に駆け上がらされ、スクルズは狂ったように腰を乱した。
一気に噴き出した熱い蜜が溢れ、濡れた音がくちゅくちゅと広がる。
肌が擦れるたび、甘い匂いが立ちこめて、身体の境が溶けていく。
「ああっ、いぐううっ」
喉の奥で声が弾け、スクルズの全身が跳ねた。
白い喉がのけ反り、背筋の弓なりが震えながら波打つ。
それでも一郎の律動は止まらなかった。
絶頂で締めつける膣をさらに抉り、押し上げ、抜いては突きこむ。
肉が打ち合う音と、湿った水音が混ざり、広間に淫らな拍子を刻む。
「ああっ、ああっ、ロウ様──、ま、待って……、もう……もう、だめ……っ」
声が涙に滲み、頬が紅潮していく。
呼吸の切れ目ごとに光が滲むような快感が重なり、スクルズは息を吸うたび絶頂へ押し上げられる。
我を忘れた喘ぎが連続し、腰が勝手に動いた。
肌の奥から甘い熱が溢れ、ふたりの身体がひとつに融けあう。
「ああ、濃い……肌の内側まで痺れるような淫気だ──。待て、そのまま。そのままだ。勿体ない。ここからでもわかるぞ──。すっばらしい家畜だ──」
淫神の興奮した声が広間に響く。
だが、一郎は無視して、スクルズの顔へ口を寄せた。
「締めつけて、俺の精を子宮に保て──。おそらく、大抵の魔道封じは跳ね返せるはずだ。それでだめなら、俺には打つ手はない」
一郎は告げるや、一気に精を放つ。
淫魔術を総動員して、通常の五倍ほどの量を連続で注ぎ込む。
熱い奔流が奥を満たし、スクルズの身体が痙攣する。
「んふううううっ」
膣がぎゅっと掴み、一郎にしがみつく腕に力がこもる。
締めつけの快感に、射精直後だというのにさらに欲が疼いた。
だが、さすがに自重して、肉棒を抜く。
「んくうっ、はあああっ」
抜け際の刺激に快感がぶり返し、スクルズは再び全身を震わせた。
背をのけ反らせ、ひときわ長い喘ぎを洩らす。
ロウの与える悦楽に、いまや理性すら手放している。
怒張を抜いても、スクルズの両手は、すぐには一郎を放さない。
だが、しばらくしてから、やっとその手がすっと緩み、床へ落ちた。
「ふう……。……気持ちが……よかったですわ……」
次の瞬間だった──。
眩い閃光がスクルズの身体から噴き上がり、風圧のような衝撃が広間を貫いた。
白い奔流が天井を裂くほどの勢いで広がり、床石を照らし、淫靡に溺れていた男女の肌を容赦なく照らす。
「ぎゃっ」
「あああっ」
「ひゃああ──」
光に打たれた者たちが一斉に悲鳴をあげた。
皮膚を焦がすわけではない。だが、その内奥に巣くっていた呪術と媚薬の靄が一瞬で焼かれ、快楽の陶酔が断ち切られたのだろう。
泣き声、嗚咽、倒れる音が入り混じる。
スクルズから放たれる白い光が二射、三射と続けざまに放たれるたび、白光がさらに膨張し、建物全体が軋んだ。
まるで神の審判そのもののような眩光だ──。
「スクルズ……すごいわ……」
光の中で、エリカが息を呑んだ音がする。
また、その横でコゼが、肩をすくめながら小さく笑い声も聞こえる。
「すごいわね。あんたって、ただの淫乱巫女じゃなかったのね」
ふたりの声が交錯し、光の余韻がようやく静まる。
汗と涙に濡れた頬を拭いながら、エリカとコゼが視線を交わした。
その眼にはもう、濁りも迷いもない。
やがて、からからと音がした。
収納術でしまっていた一郎たちの武器だ。
スクルズが光の中でそれらを外に出したのだ。
「エリカ、コゼ──」
一郎はふたりの顔を見やり、軽く息を吐いた。
ふたりの眼が澄んで戻っている。
よかった──。
また、乱れていた男女は力なく崩れ、肩を抱き合いながら呆然と見上げている。
いまの光魔道の浄化で、この広間の呪術も媚薬も消え、影響を受けていた者たちもまた、正気を取り戻していた。
エリカとコゼが息を吸い直し、剣と短剣を構え直した。
「なんだこれ──? なにがあった──。ブラニー、そいつらを逃がすな。拘束しろ。そんな濃い淫気を出せる家畜は滅多にない。捕まえて檻に監禁するんだ」
すると、またもや淫神と名乗った男の声が響いた。
空気がひやりと変わる。
広間を包む残光が一瞬だけ歪み、どこかから金属が擦れるような微かな音がした。
「旦那様のご命令により、皆さまを拘束します……。お許しください」
一郎たちと、先ほどまで乱れていた男女の中間に、突如として童女が現れた。
「シルキー?」
エリカが驚きの声を洩らす。
現れたのは一郎の屋敷のシルキーを思わせる十歳ほどの少女だ。
確かに似ている。
だが、まぶたの陰りと口元の硬さが少し違う。
「シルキーじゃないわ──。ところで、エリカ──、あいつ魔道を放つわ──」
コゼが叫び、跳躍と同時に空中で短剣を二閃させた。
ぱっぱっと小さな光が弾け、一郎たちの目前に透明の波紋が走る。
波が拡散するように、空気がびりびりと震えた。
「魔道紋をお斬りになれるのですか? 驚きました」
童女が目を丸くしている。
その声とともに、ふわりと彼女の身体が床から離れた。
その童女が光に照らされるように宙へ浮かび上がっていった。
「その童女は屋敷妖精よ。屋敷内であれば、ほぼ無限の魔道を遣うわ──。あんたたち、逃げられるなら、逃げなさい──」
大きな女の声が響いた。
さきほどまで乱れていた女たちのひとりで、鎖に繋がれた三人の中でも年長の女だ。
年齢のせいか、ほかの者よりも理性が戻るのが早かったのだろう。
首環の鎖をつけたまま、男の腰に跨がる姿勢のままで叫んでいる。
もう挿入は続いていないようだが、肌の艶と焦げついた息が異様に生々しい。
「きゃああっ」
「うあっ」
そのとき、エリカとコゼの身体が同時にふわりと浮き上がった。
ふたりの悲鳴が広間に響く。
「エリカ──、コゼ──」
一郎は咄嗟に腕を伸ばし、ふたりの足首を掴んだ。
だが、次の瞬間、一郎の身体までもが浮力に引かれ、腰から持ち上げられる。
見えない手で掴まれたような感覚だ。
「みなさん──」
スクルズの声が重なった。
空間がぐらりと揺れ、三人の身体が一斉に床へ落下する。
一郎はとっさに身体を捻り、ふたりの下に滑り込むようにして受け止めた。
「んげっ、ぼっ」
うつ伏せになった一郎の背に、エリカとコゼの裸身がどすんと落ちる。
息が詰まり、肺が鳴った。
「不思議ですね。わたくしめの魔道封じが効きません。なにか特殊なことをされているみたいですね」
屋敷妖精が小首を傾げていた。
一郎たちを浮かせた魔道を遮断したのはスクルズだ。
床にぺたりと座り込んだスクルズは、両手で股間を押さえている。
そこには、放ったばかりの一郎の精液がまだたっぷりと宿っているはずだ。
一郎のさっきの指示により、外に零れないように、必死に押さえ込んでいるのだ。
淫魔師〈レベル75〉の一郎が、最大限の力を注いで魔道返しを込めた精だ。
屋敷妖精の魔力がいかに強くても、それに打ち勝ち、スクルズを再び凍結させることは不可能に近い。
ブラニー
妖精族、女
廃神殿の屋敷妖精
年齢:***
屋敷妖精(レベル50)
支配者
ビビデブー(魔妖精)
やはり──。
先ほど叫んだ女の言葉を待たずとも、現れた童女が屋敷妖精であることはすぐにわかった。
顔立ちはシルキーにも似ている。
けれど、その瞳の奥には年輪のような深さがあった。
シルキーよりも遥かに高い魔力反応を感じる。
個体の能力だけを比べれば、魔道遣いとしてはスクルズの魔道遣いジョブの〈レベル60〉が上だ。
それでも魔道が通じないのは、この場所がブラニーの支配下にある屋敷だからだろう。
屋敷妖精という存在は、主人と契約した屋敷の内でのみ、ほぼ無限の力を得る。
その原理は、以前シルキーから聞かされている。
屋敷に張られた結界や扉の封印が破れないのも、すべて屋敷管理の権限下にあるためだ。
だから、スクルズの魔道が通じないのも道理だった。
──なるほど。
この廃神殿に長く巣食っていた屋敷妖精──それがブラニーだ。
かつて神殿がまだ機能していた頃から、ブラニーはその管理者として存在していたに違いない。
だが、神殿が廃れ、誰も住まなくなってからは、屋敷妖精としての活動を停止し、長い眠りについたのだ。
そして──。
おそらくごく最近、ブラニーの新しい支配者である魔妖精がこの地に現れた。
屋敷妖精は強い魔道を持つ者を主と認め、管理を委ねる性質がある。
ブラニーはその魔妖精を新たな主人として受け入れたのだろう。
だが、魔妖精の好むものは、人族が交わるときに発する淫気。
廃神殿を淫気を搾り取る牧場に変えるなど、いかにも魔妖精の考えそうなことだ。
その計画に、ブラニーの力を利用した──そう見るのが自然だ。
「ブラニー、俺たちは敵じゃない。この屋敷には危害を加えない。出ていけといわれれば出ていく。攻撃をやめろ」
一郎は、エリカとコゼに支えられながら声を張った。
ブラニーの顔に戸惑いが浮かぶ。
そして、攻撃の気配がふっと消えた。
屋敷妖精というのは、本来、攻撃的な種族ではない。
一郎はシルキーを眷属にしているから、それを知っている。
屋敷を守ることこそが本分であり、争いを好む存在ではないのだ。
ただ、侵入者と見なされれば、その排除も“管理”の一環になる。
そのときの屋敷妖精は、スクルズさえ圧倒する存在になる。
だから、一郎ははっきりと「敵ではない」と告げた。
その言葉で、ブラニーの攻撃が止まった。
「ブラニー、なにをしている。そいつらを捕まえるのだ。命令だぞ」
淫神──いや、魔妖精ビビデブーの声が空間に響いた。
ブラニーは困惑したまま、その声の方を見上げる。
「でも、旦那様、この方たちは屋敷を害する者ではないと申しております。ならば、行かせてあげればどうでしょう」
ブラニーが空中に向かって静かに答えた。
「ならんわ──。そいつらは家畜だ。淫気をひたすらに放出する家畜にするのだ。家畜は屋敷の一部だろうが──。家畜管理は屋敷妖精の仕事だ。捕まえろ」
「でも、このお方々はまだ家畜ではありません。こっちの者たちとは異なります」
ブラニーの声は澄んでいた。
主の命令に逆らう戸惑いと、それでも理を通そうとする誠実さがにじんでいる。
一郎はその声音に、シルキーと同じ屋敷妖精としての律義さを感じ取った。
また、ブラニーが一瞥したのは、先に捕えられていた冒険者たちだ。
おそらく、さっきの洗脳術のようなものに侵され、家畜になることを承諾するようなことを口にしたのだろう。
屋敷妖精は、屋敷を襲われないかぎり、攻撃的にはならない。
それが、人間族をこうやって監禁のようなことをしているのは、どうやら彼らが“家畜”という扱いになっているからだ。
「あたしは家畜じゃないわ。あの小人野郎に魔道で操られたのよ。冗談じゃない」
叫んだのは、あの鎖に繋がれた女だ。
ビビアン(レイク=ダーム)
人間族、女
タリオ公国諜報員
冒険者
年齢35歳
ジョブ
諜報(レベル30)
戦士(レベル15)
アサシン(レベル10)
毒遣い(レベル3)
生命力:50
魔道力:10
攻撃力:10(拘束、薬物の残影響)↓
経験人数
男120、女31
淫乱レベル:A
快感度:30/300↑(回復中)
改めてステータスを読むと、なかなか突っ込みどころの多い数値だ。
この女は何者なのか──そう思った瞬間、ばちんと金属音がして、その女の首環が弾けて消えた。
「旦那様の家畜ではないとすれば、拘束することはできません。危害を加えたことをお許しください」
ブラニーがビビアンに向かって頭を下げる。
ビビアンは呆然として目を見開いている。
「勝手なことをするな、ブラニー ──。どうして首環を外した。あれは余の家畜だぞ。そう言っただろう──」
ビビデブーの怒声が天井から降ってきた。
ブラニーは静かに頭を下げた。
「旦那様、でも、旦那様がしているのは誘拐でございます。ブラニーは承諾できません。先日は、この者たちが自ら家畜だと口にしたので、そのように扱いました。しかし、そうではないといま主張した以上、家畜としては扱えません。ご理解ください。屋敷妖精とはそういうものなのです」
その物言いには、いささかの動揺もなかった。
一郎は、ブラニーが空中の淫神と言い争うのを見ながら、スクルズに顔を向ける。
「……俺をブラニーの正面に移動術で飛ばせ……。いつでもいい」
ささやくように命じた。
「待って」
それを耳にしたエリカが、ぎゅっと一郎の手を掴む。
「いきます」
スクルズの声がした。
強い力が背から押し出し、一郎はエリカとともに、瞬間移動でブラニーの正面に飛び出した。
「うわっ、お客様、なにを──?」
驚いたブラニーの顔に向かって── 一郎の男根を手に取って顔射する。
白濁した液がブラニーの頬と唇に散り、屋敷妖精が息を呑んだ。
「な、なにを……?」
ブラニーは目を白黒させている。
どうでもいいが、我ながら、なんと下品な攻撃だろう。
「ロウ様、後ろに──」
エリカが素早く、一郎とブラニーのあいだに入る。
「うわあああっ、なんという濃い淫気──。そうか、さっきから、お前かあ──。お前と交わる女が濃い淫気を放つのだな──。いま、ブラニーからでさえも淫気が発生したぞ。ブラニー、その男だ──。ほかの女は逃がしてもいい──。そいつだけは離すな。そいつひとりいれば、素晴らしい淫気牧場ができあがる──」
ビビデブーの悲鳴じみた声が広間に響いた。
だが、一郎は無視した。
呆然とするブラニーの前に立ち、足を開く。
「ブラニー、顔についた精液を舐めろ。跪け。俺の性器を口にしろ。命令だ」
ブラニー
妖精族、女
廃神殿の屋敷妖精
年齢:***
屋敷妖精(レベル50)
支配者
ビビデブー(魔妖精)
ロウ(弱)
淫魔術が効いている。
屋敷妖精に通じるか半信半疑だったが、シルキーにだって効いたのだ。ブラニーにも可能性はあると思った。
顔についただけでも、淫魔術は伝わる。
いま、ブラニーの心に一郎の淫魔術が引っ掛かっている。
さらに精を飲ませれば、支配は完成する。
「は、はい……。あ、新しい旦那様……」
ブラニーが困惑したまま、一郎の前に跪いた。
一郎の淫魔術は屋敷妖精の契約ではなく、性支配だ。
淫魔術レベルが屋敷妖精のレベルを上回るため、ブラニーは逆らえない。
すると、天井から金切り声のような悲鳴がした。
「新しい支配だと──。きいいいいいっ、許さん、許さんぞ──」
ビビデブーの絶叫が広間に反響する。
まだ支配の残滓は残っているものの、ブラニーが“新しい旦那様”と口にしたことで、あの魔妖精は支配を奪われたと感じているのだろう。
──まあ、実際そのとおりだが……。
「エリカ、コゼ、スクルズ──援護してくれ。この屋敷妖精を支配する。この建物の不思議な力はブラニーだ。ブラニーを引き入れれば、自称淫神など恐れるに足らん」
一郎は叫び、跪いたブラニーの開いた口に男根を突っ込んだ。
「んんっ」
勢いよく挿入されて、ブラニーが少しえずく。
「悪いな。ちょっと我慢してくれ」
一郎はブラニーの後頭部を掴んで顔を前後して一郎の怒張を口で刺激させる。
一方で、エリカとコゼが武器を構えて周囲を守る。
スクルズは距離を保ちながら魔道を練り上げていた。
「出すぞ。全部、飲め──」
一郎は精を放ち、ブラニーが口に放出された一郎の精を喉の奥に押し込んでいく。
その刹那、一郎の意識がブラニーの内部へと滑り込んだ。
淫魔術が刻まれたのだ。
すると、屋敷妖精であるブラニーの心が伝わってきた。
ブラニーの心の奥には、強い悔悟と苦痛があった。
魔妖精と契約してしまったことへの後悔──。
人間をこの屋敷へ誘い込み、操り、監禁したことへの嫌悪──。
その痛みが一郎へと伝わってくる。
ブラニー
妖精族、女
廃神殿の屋敷妖精
年齢:***
屋敷妖精(レベル50)
支配者
ロウ
ビビデブー(魔妖精)(弱)
よし──。
まだ魔妖精の支配は残っているが、力関係は完全に逆転した。
「可哀想にな……。もうすぐ解放してやる、ブラニー」
「だ、旦那様は……何者ですか?」
ブラニーは呆気に取られた表情で、一郎を見上げていた。
その顔には表情はないが、一郎にはしっかりと彼女の当惑が伝わってきている。
たったいま、ブラニーの意思と関わりなく、支配される人物が交代したのだ。
ブラニーはそれを驚愕している。
そのときだった。
祭壇側の壁際に、上階へ繋がる階段がある。そこから、ぺたぺたと足音が降りてくる。
やっと来たか──。
ついに、ビビデブーという魔妖精が現れるのだろう。
一郎は短く息を吐いた。
これを待っていた。
だが、現れた者を見て唖然とした。
階段を降りてきたのは、全裸のシャングリアだ──。
だが、剣を抜いており、一郎たちに憎悪の表情に向けている。
様子がおかしい……。
慌てて、魔眼を使う。
シャングリア(モーリア=シャンデリカ)
人間族、女
騎士
年齢22歳
ジョブ
戦士(レベル30)
生命力:60
攻撃力:700(剣)
経験人数:男1
淫乱レベル:A
快感値:35/300
状態
ロウの性奴隷
淫魔師の恩恵
魔妖精(ビビデブー)の憑依支配
「シャングリア?」
「大丈夫なの?」
エリカとコゼが声をあげた。
一郎は舌打ちした。
呪術返しで精神は守ってあるはずだが、魔妖精は、シャングリアの体内に憑依しているのだ。これでは、さすがに動きを止められない。
「魔妖精に身体を操られている──。気をつけろ──」
一郎の声に、エリカとコゼが息を呑む。
すぐにふたりが立ち位置を変え、一郎を挟むように武器を構えた。
「邪魔するなあ──」
シャングリアが叫ぶと同時に剣閃が走った。
「きゃああ──」
「くっ」
一閃でコゼの短剣が弾かれ、二閃目でエリカが体勢を崩す。
やはり、正面からではシャングリアが圧倒的に強い。
「手足が欠けても、家畜の価値は変わらん。抵抗すれば、そこの女たちの剣技で斬るぞ──。それと……男……。お前だな。お前が元凶だ。惜しいが殺す。男畜は余っている。足りないのは雌畜だ」
シャングリアの口から出たのは、ビビデブーのさえずるような声だった。
剣の切っ先が一郎へ向けられる。
「させないわよ」
エリカが身体を割り込ませる。
「じゃまだ、エルフ女──」
シャングリアが剣を振りかぶった。
「いかん、エリカ、逃げろ──」
エリカはまだ体勢が整わない。
その瞬間、シャングリアの剣が振り下ろされた。
「んっ?」
だが、刃は途中で止まった。
「させませんわ──」
スクルズか──。
しかし、次の瞬間、エリカの頭上で小さな光が弾け、宙がわずかに歪む。
シャングリアの剣がスクルズの魔道紋を切り裂いたようだ。
「スクルズ、上だ──。シャングリアの頭の上が弱点だ──」
一郎は咄嗟に叫んだ。
スクルズの魔道が跳ぶ──。
シャングリアが剣を構えて、跳躍して新たに浮かんだ頭上の魔道紋を叩き切った。
なんの魔道を放ったかわからないが、その魔道も発動することなく発散した。
だが、本命は真下──。
上だと叫んだのは、シャングリアの中にいる魔妖精の意識を逸らすための囮だ。
魔妖精の意識が頭上に集まる隙に、一郎はシャングリアの足元へ向けて粘性体を飛ばしていた。
「エリカ、一度下がれ。大丈夫だから──」
一郎は立ち上がり、シャングリアの前に出る。
そのときには、一郎の放った粘性体が完全にシャングリアの両脚を包んでいて、シャングリアの動きが完全に止まる。
「おわ?」
体勢を崩したシャングリアの身体がその場に倒れる。
一郎はさらに粘性体を飛ばして、身体を打たないように保護して包むとともに、シャングリアの両膝と両手を床に密着させた。
シャングリアの身体は、四つ這いの姿勢で固定されてしまった。
「なんだあ?」
粘性体に捕らわれたシャングリアがもがく。
だが、その口から漏れるのは、中の魔妖精の声だ。そいつが戸惑いの声を上げている。
「もらうわよ──」
コゼが素早く動き、シャングリアの手から剣を抜き取った。
一郎は四つん這いになったシャングリアの背後にまわり込む。
「早くシャングリアから出ていけ。それとも、無理矢理に出されたいか?」
一郎は、シャングリアの股間に尻側から手を伸ばし、クリトリスに触れると、つるりと皮を抜き、するすると剥きあげる。
「うわああっ、な、なんだああっ、んひいいいっ」
シャングリアの背中が反り、筋肉が硬直した。
また、内部の魔妖精が悲鳴のような声を上げる。
そして、すでにシャングリアの股間は、びしょびしょに濡れている状態だった。
しかも、まだ快感の余韻から回復していないくらいの状況だ。まあ、とにかく、そのシャングリアの身体を再び淫情状態にするのは造作もない。
すぐにねちゃねちゃと淫音がシャングリアの股間で響きだす。
「やめろ、やめろおっ。この女を殺すぞ。息を止めて殺す。すぐにやめろっ」
ビビデブーの声がシャングリアの口から漏れる。
憑依したままでは外からの攻撃を受けないと考えているのだろう。
外に出れば狙われることがわかっているし、出てこないつもりに違いない。
でも、そうはいくか──。
一郎は息を吐いた。
一郎はシャングリアの尻の下に怒張を添え、そのまま一気に股間を貫いた。律動は緩めない、依然として押し込み、抜いては押し込む。肉の抵抗を感じ取りながら、刻を刻むように動き続ける。
「あああっ、んふうううっ」
その声がシャングリア本人のものか、魔妖精のものかは判然としない。
だが、シャングリアの口から洩れる絶息の呻きとともに、四肢を縛る粘性体がぴんと張り、シャングリアの白い背中がぐいと反り上がる。
「うわっ、息を止めた──。この女の息を止めたぞ。すぐにやめろ、殺す気か──」
魔妖精が悲鳴をあげた。確かに、シャングリアの呼吸は止まり、顔が苦痛に歪んでいる。
「だったら、早く終わらせてやる……。もっと気持ちよくしてやりたかったがな」
一郎は低くつぶやき、律動を保ったまま、さらに深く突き込み、シャングリアの奥へ精を放った。
同時に、抑えていた呪術効果を強化する。
「うわあっ」
放出の瞬間、シャングリアの背から、膝ほどの背丈の小人が弾かれるように飛び出した。
それはクグルスのように翅を持つ小人妖精ではなく、人の形を模した何かだった。
肌は灰色がかり、骨の浮いた手足が細く長い。頭部は異様に大きく、瞳孔だけが深紫に光を宿す。
また、腰には黒い絹布のようなものを巻き、胸と腹を覆うのは金属片を繋ぎ合わせた奇妙な胸当てだ。装飾とも護符ともつかぬ鎖が体を巡り、歩くたびにかすかな鈴の音がした。
裸同然のその姿は、醜悪さと艶やかさが紙一重で混じりあっている。
妖精というより、むしろ淫気を喰らう悪霊──それが魔妖精ビビデブーの初めての姿だった。
「ぷはああっ、あああっ……」
一方で、シャングリアが大きく息を吸い込み、快感の余波にのたうつ。
生理反応と陶酔が重なり、全身が弾けるように揺れている。
一郎は短く息を吐き、苦笑する。
そして、シャングリアから怒張を抜き、拘束していた粘性体をすべて消してやる。
「あふっ」
拘束を失ったシャングリアが横に崩れ落ちる。
「シャングリアを任せたぞ」
一郎はエリカたちに声をかけた。
「コゼ、お願い──。わたしはロウ様を守るから」
エリカが一郎の前に立ち、コゼがシャングリアへ駆け寄る。
そのときには、一郎はすぐに、飛び出した魔妖精へ視線を向けていた。
ビビデブー(ベルゼブブ・スカラムーシュ・フィガロ)
魔妖精(淫魔族)、男
生命力:1500
魔道力:2000
「くそう──外に弾き飛ばされたか……。だが、まあいい……。今度こそ直接に洗脳魔道をかけてやる。この人間の身体の中で魔道は使えなかったが、余の魔道を侮るなよ──」
魔妖精が宙に浮かぶ──。
小さな身体のままでも浮遊できるのだと、一郎は冷静に見ていた。
「そこまでだ。ベルゼブブ・スカラムーシュ・フィガロ──。お前を支配する──。そして、新たな名を与えてやる。お前はスカラーだ──。スカラー、全ての抵抗をやめて床に立て。命令だ」
一郎の声が広間に響いた。
「なぜ真名を……。は、はい。余は、これよりスカラーです──」
真っ青になった魔妖精が床に降り立ち、直立不動となる。
その顔には、はっきりと恐怖が浮かんでいた。
「貴様……許さん……」
次の瞬間、シャングリアが駆け寄り、凄まじい勢いでスカラーを蹴り飛ばした。
「ふげえっ」
抵抗を禁じられたスカラーが鞠のように縦回転して床を転がる。
「待て、逃げる気か」
シャングリアが怒声を上げて追う。
「逃げるんじゃないでしょ、シャングリア……。あんたが蹴ったのよ。落ち着きなさい。ご主人様が尋問なさるわ」
コゼの声が冷ややかに響いた。
「落ち着けるか──。こいつ、わたしの身体に憑依して、ずっと、クリトリスで自慰をさせていたんだ。ずっとだぞ──」
シャングリアが怒りのまま、スカラーに歩み寄る。
それで、最初から股間が濡れていた理由がようやくわかった。
スカラーは神殿の上階でシャングリアを操り、淫気を搾り取りながらこちらを監視していたのだろう。
床に立つよう命じられたスカラーが、よろめきながらも姿勢を正す。
「もう一発だ──」
「ほげええ──」
シャングリアの蹴りがスカラーの顔面に炸裂し、魔妖精の身体が壁に叩きつけられた。