【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】 作:ドン・ドナシアン
「あんた……やっぱり、何者?」
一郎が、エレインをタリオの諜報員だと指摘したことで、エレインの瞳が細くなり、肌を刺すような殺気が走った。
だが、一郎は動かない。なにしろ、横にはエリカたち三人がいるのだ。完璧に守られているという安心感がある。
横と背後で、エリカとシャングリア、コゼの気配が揺れたのがわかった。
頼もしい女たちだ。
一郎は、ほくそ笑んだ。
しばらく睨み合いのようになったあと、エレインは大きく息を吐いた。
この場での勝負は無意味だと悟ったのだろう。
彼女が肩を落とし、わざとらしく溜息をつく。
「……なんのことかわからないわね。でも、参考までに、どうしてそう思ったか聞いていい?」
エレインはかすかに口元をあげた人懐っこさを感じさせる表情に変わっていた。
一郎は肩をすくめた。
「昔から勘がよくてね」
「はあ、馬鹿にしてるの? そんな勘あるわけないでしょう」
呆れたように言いながらも、目の奥にわずかな動揺が見えた。
すると、コゼが興味深げにエレインを見た。
「へえ、あんた、タリオの間者なの? タリオって隣国でしょ」
軽い口調に、場の緊張がわずかに揺らぐ。
だが、シャングリアは腰に手をかけたままだ。
「そうなのか、ロウ?」
低く問われ、一郎は手を上げて制した。
「落ち着け、シャングリア。まだ確定したわけじゃない」
シャングリアをなだめながらも、実際のところ、一郎はエレインの素性などに興味はなかった。
タリオの工作員であろうと、諜報員であろうと、どうでもいいのだ。
問題は別にある。
エレインが、この場で一郎が女たちに与えた“なにか”──性行為を通じて生じた影響を観察し、スクルズにまで及ぶ力を察していたことだった。
それを報告されれば、厄介なことになる。
だから、確実に黙らせる──。殺す必要はない。
目の前の女に淫魔術を刻み口外を封じる。それだけでいい。
支配する必要はない。最小限の影響で十分だ。
すでに一郎に迷いはない。
「はあ……。まあ、否定しても信じてもらえないでしょうけど、別に王国をどうこうするつもりはないのよ。ただ、依頼主が屋敷妖精を欲しがっただけ……。この廃神殿に屋敷妖精がいるっていう情報があったからね」
「屋敷妖精をどうするつもりなんだ?」
一郎が問うとエレインは少し考えてから、肩をすくめた。
「さあね。あたしの依頼人が、どうしても屋敷妖精を屋敷に棲まわせたくて、“どんな手段を使っても連れてこい”って命令されただけでね。とにかく、連れていくのが仕事なのよ」
すると、少し離れた位置にいたスクルズがすぐそばにやってきた。
「つまりは──タリオ公国のアーサー大公閣下が、帝位の正当性を示すために、大公宮に屋敷妖精を棲まわせようとしているのですね?」
その言葉に、エレインが目を見張った。
だが、一郎にはよくわからない。
首を捻る。
「なんだ、それ?」
すると、スクルズがにっこりと微笑んだ。
「歴史を少しかじれば、誰でも思いつきますわ。ローム帝国がまだ全盛期の時代、皇帝宮には必ず屋敷妖精が棲んでいたという記録があります。皇帝の血統にのみ仕える精霊──それが帝権の象徴とされたのです」
「ローム帝国……って、タリオとカロリックとデセオの三公国に分かれている元の宗主国だっけ……?」
一郎はうろ覚えの知識を思い出して言った。
スクルズが頷く。
「いまでも宗主国ですわ。形だけですけど……。おそらく、アーサー大公閣下は、その故事を利用なさりたいのだと思います……。野心多き、お方と耳にしますので」
「帝国が事実上、瓦解して三公国が分かれたあとも、“屋敷妖精を従えし宮殿こそ、真の皇帝宮”という言葉は残っているようだな。まあ、屋敷妖精など、滅多に接することもない珍しい存在だが」
シャングリアがスクルズの言葉を補足する。
「なるほど……。つまり、そのタリオのアーサー大公というお方が屋敷妖精を手に入れれば、帝位を継ぐ資格を示せるということか」
一郎は言った。
「箔がつく程度でしょうけど……、けれど、屋敷妖精は主を選びます。魔道力のない者の屋敷には、決して棲みません。そもそも、棲んでいた屋敷から移動もしませんし。成功することはないでしょう」
スクルズがさらに付け加える。
エレインが唖然とした顔になる。
「そういうものなの? じゃあ、無駄だっていうこと?」
エレインが肩をすくめる。
その苦笑には、ほんのわずかに疲れが混じっていた。
「そもそも、屋敷妖精は高位魔道遣いにしか服従しないぞ。大公閣下は、魔道遣いなのか?」
「いえ、あの坊やは魔道はあんまり……。いえ、大公は関係ないでしょう──。まあ、とにかく、さっきの屋敷妖精と話をさせてよ。手ぶらで帰れないわ」
エレインが声をあげた。
一郎は黙ってその顔を見つめる。
まあ、エレインの立場からすれば、色々と報告はしないといけないのだろう。
でも、余計なことを喋られると困るのだ。
──やはり、口を封じるしかない……。
「……それはいいけど、ただし、条件がある」
一郎は静かに息を吐き、口角をわずかに上げた。
「条件?」
「話の続きを閨ですることだ。俺の主義でね……。俺と一度寝れば、続きの話を聞く」
唐突な言葉にエリカが眉を寄せ、シャングリアが息を呑んだ。
コゼが、いつもの調子でにやりと笑う。
「ああ、そういうこと……。ご主人様の“主義”ってやつですね。それなら、都合の悪いことは言わないかもね」
「ああ、そうだ」
一郎が短く応じると、エレインは一瞬ぽかんとした顔を見せた。
「……ははっ、あたしを抱く気? それとも尋問? どっちでもいいけど、あんたと一戦? それは話が早いわね……」
エレインはけらけらと笑い続けている。
「なら、いいんだな?」
「もちろんよ。でも、知らないわよ──これでも男扱いについては百戦錬磨のエレイン様よ。大抵の男はあたしと寝たら、忘れられなくなるんだから……。あんたらの恋人を奪ってもいいのね?」
エレインは笑いながら、今度は女たちに向かって言った。
すると、まずコゼがにやりと笑う。
「あたしたちのご主人様と性の技で優位になれるとでも? あんたこそ、覚悟しなさいよ。ご主人様が忘れられなくなっても、終わったらさっさと帰るのね。後腐れなくね」
コゼの口調に、エレインが面白そうに目を細めた。
「うわあ、すごいなあ……。でも、真面目な話、大丈夫よ。奪ったりはしないわ。ただ、あたしの性の技をその“ご主人様”とやらにも披露するだけよ。でも、あんたが負けたら、あたしもご褒美くらい欲しいわね」
「問題ないぞ。だったら、勝負でもしようか?」
一郎は静かに言った。
「勝負?」
エレインがきょとんとする。
「ああ、勝負だ。どちらが先にセックスを続けられなくなるかだ……。俺が先に音をあげたら、あんたが屋敷妖精を連れ帰ることに協力しよう。その代わり、あなたが先に屈服したら、屋敷妖精は諦めて、俺のことは他言しないと誓ってもらう」
「へえ……。面白いわね。負けた方が相手に従うということね」
「そういうことだな……。何回達しても構わない。負けは“もう続けられない”と音をあげたときだ」
一郎の言葉に、エレインは大笑いした。
「なに、それ──そんな簡単なことでいいの? つまりは、あんたが精を放てなくなったら勝ち? 連続で搾り取って勃たなくなったら負けってことよね? 本当に? 本当ね?」
エレインは嬉しそうだった。余程の自信があるのだろう。
「じゃあ、そういうことで……。場所は二階にしよう。ブラニー──準備を頼む」
一郎が呼ぶと、屋敷妖精のブラニーが姿を現した。
「承知しました、旦那様……」
ブラニーが恭しく頭を下げる。
「このエレインと愛し合う部屋を用意してくれ。水も頼む。それから、俺たちが愛し合っているあいだは姿を消して側にいろ。危険があれば即座に防げ。それだけだ」
「かしこまりました、旦那様」
ブラニーが嬉しそうに消えていく。
屋敷妖精にとって、主の世話や屋敷の管理を任されるのは何よりの喜びだ。
長く誰にも仕えなかったブラニーは、一郎の命を受けて幸福そうな顔をしていた。
「随分と、屋敷妖精の扱いに慣れているのね」
エレインが感心したように言った。
一郎は「そうか?」とだけ返した。
そして、待っていたような顔のスクルズに向き直る。
「では、後のことは任せて、冒険者たちに移動についてお願いします、スクルズ様。こっちは問題ありませんよ……。シャングリアも頼むぞ」
「わかった、ロウ」
シャングリアが頷くと、スクルズがくすりと笑った。
「かしこまりました、旦那様」
「旦那様?」
その声音に、一郎は面食らう。
「ふふ──ちょっと言ってみたくなったんです。失礼しました。では、行ってきますね、ロウ様」
スクルズが満面の笑みを浮かべて、待つ冒険者たちのほうへ向かった。
「愛されてるわね」
エレインが軽くささやいた。
一郎は苦笑した。
「ふわあっ、ああっ」
ビビアンは息を求めて、大きく口を開いた。
「ほら、エレイン、キスだ」
だが、ロウと名乗る冒険者の男は、ビビアンの呼吸を奪うように唇を重ね、舌を絡ませてくる。
「んんんっ」
ビビアンは、なにも考えられずに口の中に入ってくるものを舌でむさぼる。
快感が全身を痺れさせた。
また、ロウがビビアンを呼んだ「エレイン」というのは、幾つか使っている偽名のひとつである。
仕事仲間の間では「ビビアン」だ。
いまの本名のようなものだ。
生まれたときの名は「レイク=ダーム」──。
もっとも、ダーム子爵家は、親も兄弟も処刑されて親族も離散。その名で呼ぶ者はいまや誰もいない。
雇い主のアーサーでも知らないはずだ。
だから、いまはビビアンだ。
「ふはっ、あああっ」
必死になって顔を揺さぶり、なんとかロウの口づけから逃れた。
手で押しのけたいが、もう数限りなく繰り返している絶頂が身体を指一本動かせないほど追い詰めている。
腕に力を込めようとしても、まるで力が入らない。逃げようとしても身体が言うことをきかない。抵抗などできるはずもなかった。
「ゆ、許して、ゆ、許して……」
ビビアンは必死に声を絞り出した。
男女の営みで相手に許しを乞うなど考えられなかったが、この男は別だ──。
あれほどの女傑たちが、ロウに完全に屈服している理由がよくわかった。
性行為でこれほどまでに翻弄され、追い詰められたことなど一度もない。
なんと女扱いのうまい男なのだろう──。
「なにを許すんだ? ……ほら、今度は向かい合ってみようか……。俺はこの形が好きなんだ。それで、もう一度キスしよう。今度こそ、ちゃんと俺をいかせてくれよ、エレイン」
「ふわっ、あっ、ああっ」
もう何度も昇り詰めている。
それでも、この男は律動を緩めてくれない。それどころか、一打一打が信じられないくらいのビビアンの快感を抉ってくる。
いまも、また込み上がる快感に抗えない。
頭が朦朧とする。
「舌を出してみろ……。そうそう、それでいい」
ロウの声を聞いた瞬間、ビビアンの身体は無条件に従っていた。
そして、はっとした。
いつの間にか、繋がったまま身体を持ち上げられ、ロウの腿の上に座らされていたのだ。
「んあっ、ああっ、んんん……」
出した舌を吸われ、舌で舌を愛撫される。
ぞくぞくとした快感がまたもや子宮から込みあがってくる。
すでに、ロウの怒張はビビアンの股間にしっかりと埋まっていた。
ロウの手はビビアンの腰を抱いていて、対面座位の体位でゆるやかな反復運動が始まった。
「んあああっ、ああああ──」
異様なほどの旋律がまたもや全身を駆け巡る。
ビビアンは思わず身体を硬直させていた。
またもや、脳天を叩き割られるような衝撃がビビアンの身体の芯を襲ってくる。
もう十数回──いや、あるいは軽いものも含めれば二十回以上は絶頂しているだろう。
全身が痺れ切り、もはや自分の意思では身体を動かせない。
しかもロウは何度も口づけを重ね、呼吸を奪い、思考する隙を与えなかった。
「ああ、だめえええっ」
耐えられずに、ビビアンはロウの背中に必死に爪を立てた。
身体が痙攣し、がくがくと腰が大きく揺れる。
「また、いきそうだな……。ほら、これは勝手に達する罰だ」
ロウが笑いながら、律動しながらまたもや、後頭部を押さえつけて、口づけを強要してくる。
──わざとだ。
ぎりぎりまで追い詰め、抵抗を削ぎ、意識が溶けかけたところで絶頂へ導く。
絶頂の瞬間には呼吸さえも奪い、思考を取りあげる。
ロウがビビアンを追い詰めるために、それをやっているのは明らかだ。
でも、抵抗できない。
ただ、なすがままにされるだけ……。
「んふううううっ」
ビビアンは窒息しそうな苦悶と、それを遙かに超える快感とともに達していた。
また絶叫を極めたのだ。
後にも先にも、これほど短い時間で繰り返し絶頂したことなどない──。
とにかく、相手が男でも女でも、性の主導権を握るのは常にビビアンだった。
膣の動きひとつで相手を男を射精へ導くことも、寸止めもできる。徹底的な快感で相手を支配し、男を性の奴隷のように変えることもできた。
だが、この男だけは違った。
ビビアンの性技はまったく通用しないのだ。
始まってすぐに連続絶頂させられ、ビビアンの思考はあっという間に霧散した。
ロウの手管に翻弄され、弄ばれ、快楽に沈められ、何度も深いところまで突き上げられた。
一回ごとの絶頂が深く、繰り返されるたびに意識が崩れていく。
いまのビビアンは、完全にロウの下僕のようだった。
しかも、これほど多くの絶頂を経たというのに、ロウは二度か三度ほど精を放っただけだ。
性愛で主導権をとられるのも、自分の性技が通用しないなど、初めてのことだった。
「ふあああっ」
達したが許されることもなく、そのまま昂奮を飛翔させられる。
精も魂も尽き果て、もう失神したい。
だがロウはそれすら許さなかった。
気を失いかけると、乳首を甘噛みして痛みを与えたり、肉芽をつねって刺激したりして、強引に意識を引き戻す。
それなのに、呼吸を口づけで制限され、朦朧としたまま再び絶頂へと誘われるのだ。
その繰り返しだ。
最初こそ、噛みついてでも反撃しようと思っていた。
けれど、もうその気力もない。
いまはただ、終わりを願うだけだった。
「ああ、また、また、いく、もういや……いくのはいや……許して……」
ビビアンはロウの腿の上で腰を打ちつけ、泣きじゃくりながら許しを乞う。
恥も外聞もなかった。
これ以上続けば、頭がおかしくなってしまう。
疲労の極致にある身体を、ロウが解放してくれることだけを願った。
「だったら、俺を満足させてくれ。そうだな……あと一度、俺が出したら終わりにしよう。お前はもう十分に楽しんだだろ」
「ほ、本当ね……ああ……はっ、ああっ」
あと一度──。
その希望だけを支えに、ビビアンは必死に膣を締めつけた。
しかし、ぎゅっと絞った奥を、ロウの亀頭の尖端が押し擦るように動く。
「ああっ、やあっ、ああ、あっ、あああ──」
快感が大きすぎて呼吸が乱れる。
いったん逃げようと腰を引こうとしたが、ロウの腕が背を抱き寄せ、逃げることを許さなかった。
片手は背中の中ほどにまわり、もう一方の手が腰を支えて引き寄せる。
動きが深くなり、押し引きが繰り返されるたび、肉の奥で衝撃が跳ねた。
「くああっ……ああ……」
またもや鋭い快感の芯を抉られる感覚に襲われ、ビビアンは引きつった息を吐く。
「んぐうう……」
全身が震え、激しい絶頂が走る。
四肢だけでなく、指一本一本がばらばらになるかのような甘美感──。
それはロウがビビアンに与える絶頂だ。
この男に支配される──。
毀される──。
ビビアンはそれを確信した。
「あああっ」
ビビアンは続けざまに襲った絶頂感に声を張り上げた。二度連続の絶頂──。
こんなことが起きるなど信じられない。
その瞬間、ロウが唇を塞ぎ、またもや、声と息を奪う。
絶頂の渦の中で、ビビアンの意識が白く遠のいていく。
──なんという男だ。
こんなふうに、心も身体も壊されるとは思わなかった。
そのときだった──。
ようやく、ロウがビビアンの子宮に精を放つ感覚が襲った。
間違いない。
ほっとした。
これで許される──。
ビビアンは全身の力が抜けていくのを感じた。
ロウの怒張がびくびくと小さく震え、ビビアンの中に精を放った。
終わった……。
やっと……。
ロウがビビアンを対面座位から解放して、その場に横にさせた。
「じゃあ、とりあえず終わりにしようか……。前はね……」
目の前のロウが、にやりと笑った。
「はっ、前──? ど、どういう意味……?」
ビビアンは耳を疑った。
「だから、前は終わりだ。次は後ろだ──。そっちの経験もあるんだろう? 心配するな。アナルでも、最高の快感を与えてやる」
その瞬間、ビビアンの喉から恐怖の声が漏れた。
狼狽して抗おうとしたが、もはや気力も体力も残っていない。
ロウに身体を抱え上げられ、腿の上で反転させられる。
背を向けるように倒され、腰を持ち上げられると、菊門に怒張が押し当てられた。
「ひっ……ひいいっ……。だめえ──。絶対にだめえ──。もう終わりよお──。んんんっ、んああっ」
引きつった息が洩れる。
だが、ロウの怒張は、いつの間にか潤滑油を塗られていたようで、抵抗もなく滑らかに入り込んできた。
息が止まるような快感──。
泣き声が洩れた。
ゆっくりとした律動が始まる。
最初は鈍い痛みがあったが、すぐにそれが快感へと変わった。
ロウの腰が動くたび、全身が痙攣し、理性が削がれていく。
この男の性交は、技巧という言葉では足りない。
女に与える快感が、恐ろしいほど巨大なのだ。
ビビアンは、たちまちにこの世のものとも思えない陶酔に呑まれ、身をよじらせるしかなかった。
「ふああああっ」
ビビアンは今度はアナルで最初の絶頂を果たした。
ロウがビビアンの尻の奥に精を放ったのは、ビビアンが肛姦で三度目の絶頂を迎えたときだった。
やっと臀部からロウの男根が抜けていく。
今度こそ、意識が遠のく。
だが次の瞬間、信じられない光景を見た。
ロウの怒張は、なおも勃起を保っていたのだ。
たったいま出したばかりだというのに。
「じゃあ、とりあえず後ろは終わりだ……。次はもう一度、前を使わせてもらう」
ぞっとした。
まだ続けるつもりなのか。
ロウがビビアンの身体を仰向けにし、上から覆いかぶさってくる。
ビビアンの喉から、悲鳴のような声が洩れた。
「な、なにが、とりあえずよ……やめて……もう、やめて……参った、参ったから……」
必死に拒絶の言葉を重ねる。
だが、ロウは笑った。
その笑みは、どこか無邪気で愉しそうでもあった。
「じゃあ、降参ってことでいいな」
「さっきから、そう言ってるじゃない……」
ビビアンは最後の気力を振り絞って悪態をつく。
そして、すっと意識が遠のいていくのを感じながら、静かに倒れ込んだ。