※この作品はR-18です。

【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】   作:ドン・ドナシアン

178 / 263
174 十周・十周・五周・屈服─護衛侍女シャーラ

「ひどいぞ、ロウ殿……」

 

「し、死ぬかと思いました……」

 

 床には、スクルズとベルズが並ぶように横たわっていた。

 上半身には服をまとっているが、下はなにも身につけてない裸のまま、汗に濡れた肌が灯の光を受けて艶めいている。

 乱れた髪が額に張りつき、息はまだ荒い。

 その顔には疲労と恍惚が入り混じった影があった。

 

 ふたりは恨めしげに、それでいてどこか媚びるように視線を送ってくる。

 コゼの悪戯で掻痒を発生する薬を塗られたのが始まりだった。

 あの薬は、精を受けなければ痒みが鎮まらない性質を持つのだ。

 

 今回は、一郎が導くのではなく、ただ仰向けに横たわるだけにしてみた。

 スクルズとベルズが交代でその上に跨がり、腰を動かす。

 精を与えず、絶頂に達したら入れ替えさせる──そんな遊びをした。

 

 ふたりは、絶頂しても、なお痒みに耐えられず、何度も理性を失いかけた。

 やっといま、それぞれに精を注いでやり、地獄のような責めから解放されたところである。

 

「でも、満足したでしょう?」

 

 一郎は静かに息をつき、ふたりの額にかかる髪を指で払った。

 ふたりは被虐の余韻に酔い、ぼんやりとした目で見上げてくる。

 

「ひ、酷い……男だ」

 

「で、でも満足しました……。ありがとうございます……」

 

 荒い息のまま、ふたりがかすかに笑った。

 男の精、それも一郎のものだけが中和剤となる掻痒剤──そんな魔道薬など、この世界には存在しない。

 あの掻痒剤も、もとはただの媚薬にすぎなかった。

 それを一度、亜空間に収納し、白い虚の中で形を思い描く。

 そして──想像のままに効果を念じ、再び現実へと引き出す。

 そうやって生まれたのが、いまの薬だ。

 

 淫具なども同じだ。

 思念のままに構造を描き、空間の外から取り出す。

 このやり方を覚えたのは、サキに亜空間術を付与されたあの日からだ。

 目に見えぬ空間の向こうで、想像したものが形を得て現実化する──。

 一郎にとって、それは術というよりも、もはや「願いの具現」だった。

 

「さて、じゃあ、今日の主役様はどうなっているかな?」

 

 一方で、シャーラが強要されているのは、淫具に苛まれながらの膝立ちによる大広間の十周歩きだ。

 最初の十周を命じたのは、一郎ではない。

 一郎は、掻痒剤を塗ったうえで放置しておけとだけ指示した。

 だが、コゼはそれを面白がり、さらに責めを加えたのだ。

 

 この屋敷の前の主が蒐集していた品々の中には、尋常ならざる魔道具が多い。

 コゼはその中から、欲情を増幅させる装具と、神経に直接刺激を与える首輪を選び出した。

 外見こそ装飾的だが、その実、身体の奥にまで作用して疼きを引き起こす。

 しかも電撃のような痛みを、肉体ではなく脳に響かせる仕組みを持つという代物だ。

 

 膝を立てて這うように進ませるその責めは、ただの羞恥では終わらない。

 快楽と苦痛の境が曖昧になるほどの刺激が、シャーラの身体を蝕んでいった。

 

 この屋敷の前の主人が、どんな趣味でこうした品を集めていたのか──。

 一郎はあらためて、その好色な嗜好に苦笑を漏らした。

 

「はーい、じゃあ、ご苦労さん。やっと、ご主人様がお空きよ」

 

 ちょうど十周が終わったところで、首輪に繋がれた鎖をコゼが引きながら、シャーラを一郎の前へと連れてきた。

 シャーラの脚は魔導具によって膝を曲げたまま固定され、伸ばすこともできない。また、両手は首輪の前で手錠に繋がれ、身じろぎするたびに金属の音が微かに響く。

 全身は汗に濡れ、髪が頬に張りつき、息は浅く途切れがちだ。

 

  一郎はその姿を見つめた。

 肩が震え、腰のあたりが小刻みに痙攣している。

 おそらく、装具の刺激がまだ残っているのだろう。

 疲労と熱が入り混じったような震え方だった。

 そのせいで、顔の焦点は定まらず、虚ろな表情のまま立ち尽くしている。

 

「ほら、なんか言いなさい──」

 

 コゼが鎖を手放すと、シャーラはその場に崩れ落ち、かろうじて膝立ちの姿勢を保つ。

 唇がかすかに動き、息とともに漏れた。

 

「……あ、……ぁ……も……う……」

 

 声とも言えぬ掠れた音。

 それは懇願なのか、謝罪なのか、一郎にも判断がつかなかった。

 ただ、喉の奥で震えるその音に、抵抗の気配はもう感じられなかった。

 

「苦しいか、シャーラ?」

 

 一郎が低く問う。

 シャーラは首を垂れたまま、小さく震えた。

 

「は、はい……どうか……お許しを……」

 

 声は掠れて震え、さっきまでの気丈さは欠片もない。

 一郎はしばらく無言でシャーラを見下ろした。

 

「ご主人様、なんだかんだで、こいつは止まらずに十周しました。ちょっとは……いえ、かなり、根性あるかもしれません」

 

 コゼがお道化たように言いながら、首輪の苦悶を与えていた遠隔の操作具を一郎に手渡す。

 一郎はそれを亜空間で収納した。

 

「確かにな」

 

 シャングリアが後ろで頷く。

 

「なるほど……」

 

 一郎は視線をシャーラに戻した。

 全身から湯気のように熱気が立ち上り、汗と涙が混じって頬を伝っている。

 髪は肌に張りつき、呼吸のたびに喉がひくついている。

 脚も肩も小刻みに震えているのは、疲労だけではないのだろう。強すぎる疼きと、発熱した身体が抑えきれずに暴れているに違いない。

 

 床に滴る汗の跡はあっという間に円を描くように床を濡らしていて、まるで彼女の苦痛の軌跡を刻んでいるようだった。

 濃密な香りが立ちこめ、空気の温度まで上がっている気がする。

 一郎はそれを嗅ぎながら、静かに息を吐いた。

 

 シャーラの内腿は激しく擦り合わされていた。

 狂うような痒みで、もはやじっとしていることは不可能なのだろう。

 一郎は微かに笑った。

 

「その痒みの苦しみも、俺に犯されて、精を注がれれば嘘のように消える……。シャーラ、俺に犯されたいか?」

 

「は、はい……。犯してください……。で、でも……その代わり……どうか、姫様を──イザベラ様のお力になってください……お願いします……」

 

 シャーラは息も絶え絶えに言った。

 イザベラ王女か……。

 この王国の第三王女で、もう一人の王族キシダインと後継を争っている。

 一郎が知っているのは、それだけだった。

 

 だが、なぜ自分がその王女を助けねばならない?

 なんの得がある?

 一国の継承争いだぞ。

 

 巻き込まれれば、自分だけでなく、周囲の女たちも危険に晒されるかもしれない。

 それを、対価も示さずに要求するのか。

 施政者というのは、他人の命を当然のように差し出させる権利でも持っているつもりなのか──。

 一郎は、少しむっとした。

 

「……条件をつけるとは、まだ歩き足りないようだ……。俺が訊ねたのは“犯されたいかどうか”だけだ。もう十周歩け。終わったら、もう一度訊ねてやる」

 

 一郎はコゼに目で合図し、一度受け取った首輪の操作具を亜空間から取り出して、コゼに戻る。

 コゼがそれを受け取る。

 

「はい、ご主人様──。はあ、もう十周よ」

 

 コゼが首輪の鎖を引っ張る。

 やっと、シャーラが我に返ったように焦りを表にした。

 

「あっ、待って──。ち、違います……。わたしは……」

 

 シャーラが小さく震え、慌ててなにかを言おうとした。

 しかし、一郎は手を上げて制し、亜空間により収納していた金属製の開口具を取り出した。

 一郎はそれをシャーラの唇にあてがい、あっという間に固定してやった。

 

「あがっ、はが、あっ、あっあ……」

 

 シャーラが焦ったように声をあげ。懸命に喋ろうとする。

 だが、もう言葉は使えない。金属が噛み合う音が、広間に冷たく響くだけだ。

 

「ほら、来なさい。もう十周よ」

 

 コゼがシャーラの首輪を引っ張って、大広間の端を周回する位置に連れ戻していく。

 が引かれるたび、金属音が高く響いた。

 その音に重なるように、シャーラが泣くような声を上げる。

 

「あと十周歩く根性を示してみろ。そうすれば考えてやるよ」

 

 一郎はその背中に声を掛けた。

 二度目の十周が始まる──。

 鎖を引くのはもはや誰でもない。シャーラ自身だ。

 首輪に繋がった鎖の先を、自分の手錠ごと引きずるようにして進んでいる。

 その鎖が床を擦るたび、金属音が乾いた残響を残した。

 

 両脚は革覆いで膝を折られたまま固定され、伸ばすことはできない。両手も首輪の前で繋がれていて、少しでも体勢を崩せばすぐに顔が床に触れる。

 それでも、シャーラは、この大広間の端を膝立ちで進み続けている。

 

「……っ、ぉ……っ……」

 

 シャーラの体力も気力も、すでに限界を越えているのはわかっている。

 汗と涙と涎が入り混じり、床を濡らしていた。

 また、箝口具の隙間からは、呼吸とも嗚咽ともつかない音が漏れている。

 その姿を、コゼ、シャングリア、スクルズ・ベルズとともに、一郎は静かに見守っていた。

 

「……それで、どうするのだ、ロウ? あの女の求めに応じて、王女に協力するのか? 多分、シャーラが言いかけたのは、政権争いに協力してくれと言うことだと思うぞ」

 

 シャングリアが低い声でささやいた。

 一郎もそれはわかっている。

 

「まあ、どうして、俺たちが協力しないとならないか、さっぱりわからないけどね」

 

 一郎は小さく息を吐く。

 困惑している……正直、それがいまの気持ちだ。

 

「でも、あいつ、根性だけはありますね……。まだ歩いてますよ」

 

 横でもたれかかるようにしているコゼだ。

 一郎は、視線でシャーラを追っている。

 肌は真紅に染まり、汗と愛液が混じって脚を伝っている。

 腰の動きは不自然なほど高く、膝を進めるたびにそのたわみが波のように揺れた。

 脚のあいだからぼたぼたと落ちている滴は、汗だけじゃないだろう。淫具と媚香の影響により愛液が垂れでているのだ。

 よく、あの状態で歩けるものだと思う。

 まるで、苦悶そのものが形を持ったかのようだ。

 

「まあな」

 

 一郎はそれだけを言った。

 

「……とりあえず、王宮に捕らわれているらしいミランダを助けてからだろう。判断するのはそれからでもいいと思うぞ」

 

 ベルズも目を伏せたまま小さく息を吐いた。

 

「そうですね」

 

 一郎は頷く。

 

「ロウ様がどういうご判断をしようと、わたしもロウ様にお従いします。お任せください」

 

 スクルズが陽気に言った。

 それには一郎も苦笑してしまった。

 

 やがて、十周目に入るころには、シャーラの脚は震え、膝が小刻みに痙攣していた。

 それでも、シャーラは進んだ。

 顔は床すれすれに垂れ、涙も涎も止まらない。

 最後の一歩を踏み出した瞬間、鎖の音が途切れた。

 

 やがて、十周が終わり、シャーラは一郎たちの前で崩れ落ちた。

 肩で息をしながら顔を床につけ、四つん這いのまま動かない。

 肌の上には汗と涙と愛液が光を受けて輝いている。

 

「終わりましたね、ご主人様」

 

 コゼが笑いながら言った。

 一郎は椅子から立ち上がり、ゆっくりとシャーラの前に歩み寄る。

 

「あ……あ……が……あが……」

 

 シャーラは気配を察したのか、わずかに顎を上げようとした。

 だが、箝口具が言葉を阻んでいる。

 その顔に映るのは、虚脱と焦燥、そして一瞬の希望かもしれない。

 一郎は開口具を外さなかった。

 理由も告げず、ただ低く言い放つ。

 

「──五周、追加だ。そのときに、言いたいことを喋らせてやろう」

 

 言葉が落ちた瞬間、シャーラの目が大きく見開かれた。

 絶望の色がそこに走る。

 喉の奥から、かすれた声が漏れた。

 

「ぁ……あ……っ、ああ……っ」

 

 涙が床に落ち、涎と混じって音を立てた。

 身体が小さく震え、鎖を握る指先が力を失っていくのがわかった。

 しかし、シャーラが、震える身体で鎖を引き寄せた。

 一郎たちに背を向け、再び歩き出す。

 

 鎖が床を擦り、音が響く。

 這い出すその姿に、もはや誇りも理性も残っていない。

 ただ、命令だけがシャーラを動かしているかのようだ。

 広間に、金属音の響きが再開する。

 それが、哀れなほど美しい調べに聞こえた。

 

 

 

 

 追加の五周が終わった。

 広間には、鎖が擦れる音と、シャーラの荒々しい呼吸だけが残っていた。

 

 シャーラが限界を超えているのは明らかだ。

 汗と涙と涎にまみれ、肌は真紅に火照り、全身は細かく震えている。

 脚の力が抜け、鎖を手から放すと、そのまま一郎の足もとに崩れ落ちた。

 それでも腰だけは動き続けている。痒いのだろう。それもまた、耐えられる限界は超えている。

 

 一郎はしばらくその姿を見下ろしていたが、やがてしゃがみ込み、箝口具を外した。

 金属の音が静かに響き、シャーラの口から荒い息が漏れ出した。

 

「今度の返事は?」

 

 一郎は訊ねた。

 その言葉に、シャーラの唇が小刻みに震える。

 涙に濡れた顔がゆっくりと一郎を仰ぐ。

 そこには、もう誇りも反抗もなかった。

 

「……お、犯して……犯してください……。お願いします……」

 

 掠れた声で、懇願が漏れた。

 一郎は静かに息を吐き、身体を伸ばして立ち上がる。

 

 そのまま、倒れたままのシャーラを仰向けに転がし、両膝で脚を押さえた。

 両脚を折り曲げている革の拘束具はそのまま──。

 腰を沈めると、怒張は一息でその最奥へと突き抜けた。

 

「おはあああっ──」

 

 シャーラの喉が裂けるような悲鳴を上げた。

 全身を弓なりに反らせ、拘束された両腕がわずかに軋む。

 肉の奥が脈動するように収縮し、一郎を呑み込んだ。

 

 一郎は苦笑を浮かべ、律動を始めた。

 シャーラの腰は、反射のように一郎の動きに応じ、むさぼるように動いた。

 だが、三度の突き上げで、彼女はあっけなく最初の絶頂をした。

 

 白目を剥き、喉の奥で息を詰まらせ、全身を震わせたまま絶頂した。

 一郎はその様を見下ろしながら、息を吐いた。

 だが、快楽は救いではなかった。

 

「あああ、痒いいいい──」

 

 すぐにシャーラは悲鳴をあげて暴れだした。

 どこにそんな力が残っていたのかという勢いだ。

 絶頂の瞬間に溢れさせたシャーラ自身の愛液が、掻痒剤の効果を逆に暴走させたのだ。

 そういうものなのだ。

 

「言ったはずだよ。その掻痒剤はお前の垂れ流す愛液で効果が増す。絶頂なんかすれば、発狂するほどに痒くなるのは当然だ……。痒みが消滅するのは、俺が精を放ったときだけだ」

 

 律動を再開する。

 

「あああ、痒いい──。お願い──お願いします──。精を──精を放って──あああああっ」

 

 シャーラの身体が痙攣を繰り返し、腰を引きつらせるように跳ねる。

 苦痛と快楽が溶け合い、狂乱のような悲鳴が漏れ続ける。

 

 やがて、シャーラが二度目の絶頂をした。

 今度も、一郎は精を放っておらず、シャーラが快感を極めただけなので、さらに痒みが増大するはずだ。

 

「ああああ、だめえええ──。お願い──許して──もう許してええ──」

 

 シャーラが号泣しながら悶え叫ぶ。

 同じことが繰り返される。

 シャーラは悲鳴と喘ぎを繰り返し、短い間隔で絶頂を迎えた。

 そのたびに痒みの増幅に狂乱して、奇声をあげてのたうち回りそうになる。

 一郎は抽送の速度をあげて、最後にシャーラの中に精を放った。

 たっぷりと──。

 さらに、精の注入とともに、シャーラの心に淫魔術の刻みをする。

 一郎の性奴隷として──。

 

「シャーラ、膣を締めつけろ。受けた精を外に出すな。それで痒みは終わる」

 

「は、はい──あ、ありがとうございます──ああああっ」

 

 最後の気力を振り絞るような声だった。

 そのまま力が抜け、シャーラが崩れ落ちていく。

 

 仰向けに倒れたシャーラは完全に意識を失っていた。

 頬を伝う汗と涙が、床に滲んでいく。

 静寂の中で、ただ彼女の荒い息だけが名残のように響いていた。

 

「ご苦労様でした」

 

「すごかったです」

 

 いつの間にすぐ横にいたコゼとスクルズが両側から一郎に抱きついてきた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。