※この作品はR-18です。

【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】   作:ドン・ドナシアン

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179 ロウに抱かれる夜─イザベラ王女

「姫様、よろしければ、そろそろ刻限ですので、ロウ殿のところに向かいたいと思います」

 

 シャーラが寝室に入ってきた。

 毒を飲まされて昏睡した影響もすっかり消え、いよいよロウのもとへ行く夜がやってきたのだ。

 

 すでにほかの侍女たちは、イザベラが寝所へ入った時点で、それぞれの部屋に引きあげさせている。

 イザベラがシャーラの移動術でロウの屋敷に向かう間、寝室にはシャーラの魔道で“寝ている姫”の気配が作られる段取りだ。

 掛布は頭からすっぽりと被せたふくらみが施され、寝息まで再現されるらしい。

 掛けているものをめくりでもしない限り、姿がないとは誰も気づかない。

 

「待て。まだ着替えていない」

 

 イザベラは驚いて声をあげた。

 ほかの侍女に悟られぬよう、寝所に入るまでは普段どおりに振る舞っていたため、いまは完全に休むための格好だ。

 身につけているのは、上からすっと被る薄手の寝間着一枚。その下には腰の下ばきだけで、足元は室内履きである。

 

「着替えるって……。それでよろしいでしょう。どうせ、すぐに脱ぐのですから」

 

 シャーラはあっさりと言った。

 

「だ、だが、お前がひとりで迎えに来るまでは、いつもと同じようにしろと言うので化粧もしてないぞ。ロウに抱かれる前に、もう一度身体を洗いたいし、少し待ってくれ」

 

 イザベラの鼓動は早鐘のように跳ねていた。

 覚悟はしていたはずなのに、その瞬間が近づくと、怖ろしいほどの緊張が襲ってくる。

 正直、気持ちを落ち着かせる時間が少し欲しかった。

 

「必要ありません。そのようなことをするなら、もう一度侍女を起こさねばなりません。装束も化粧道具も侍女たちのいる部屋にあります。そのままで行きますから」

 

 シャーラが移動術の空間を作る仕草をすると、イザベラは慌ててそれを制した。

 

「そ、それに、これはふくらはぎまでの丈があるぞ。ロウは短い丈のスカートが好きだと言ったではないか。お前も最近、随分と短いものしか、はかないくせに」

 

 イザベラは声をあげた。

 実際、ロウの女たちはみな短いスカートだ。

 スカートをはかないのは、黒髪で小柄なコゼくらいで、彼女はいつもズボン姿だ。

 ほかは全員が丈の短いスカートだ。

 

 エリカは太腿を剥き出しにしたものしか身に着けないし、女物に縁のなかったシャングリアでさえ、最近はエリカと競うような丈になっている。

 ミランダも、以前はズボンが多かったが、いまでは膝が出る軽装ばかりだ。

 

 そのうえ目の前のシャーラも、ロウの女になる前は膝下丈の侍女服だったはずなのに、少しずつ短くし、いまでは堂々と膝が出ている。

スクルズとベルズも同様で、巫女服は重厚な長さなのに、私服はエリカたちのように短い。

 

 その結果、王都の社交界でも短いスカートが流行しはじめている。

 しかし、イザベラは知っていた。実際には、ロウが自分の趣味で女たちに着せているだけなのだ。

 

「それで構わないでしょう。それにロウ殿には、イザベラ姫様は寝所からそのまま連れてくると伝えています」

 

 シャーラが困惑したように言った。

 

「わ、わかった。なら、これで行く……。だ、だが、もう一度教えてくれ。ロウとふたりきりになったら、どうすればいいのだ? 自分から服を脱ぐのか? それとも待った方がいいのだろうか?」

 

「万事、ロウ殿に委ねればいいと思います……」

 

 シャーラは少し困ったように言った。

 

「委ねればいいなどと適当な……。もしも作法が気に入らなくて、ロウがわたしを抱かなかったらどうするのだ──。いい加減なことを言うな」

 

 イザベラは声をあげた。

 

「抱かなかったらなどと……。そのようなことはありませんよ。話はついております」

 

「しかし、この前は抱かなかったぞ。わたしを脅迫して裸にしたくせに、その目の前でお前を抱いたのだ」

 

「あれは……、事前にわたしが手を出さないように頼んだからです。ミランダだっていましたし……」

 

「とにかく、ロウに嫌われたら困るのだ。あの男がどんなことを好むのか言うのだ。嗜虐好きだとか、鬼畜癖があるとか言われてもさっぱりとわからん」

 

 ロウが女を抱くときには、縛るとか苛めるとか、変わった嗜好があるのは聞いていた。

 シャーラやミランダにも、どんなふうに抱かれたのか訊ねた。

 そんな性交のやり方があるのかと驚いたものの、ロウがそれを好むなら別に構わない。どんなことでもする覚悟はある。

 だが、どうしてもわからないことがある。

 ロウの前で、どんな“態度”をとればいいのかだ。

 

 シャーラもミランダも「ロウに委ねればいい」と口を揃えるのだが、よく話を聞けば、シャーラは泣き叫んで抵抗したと言うし、ミランダは逆らわなかっただけだと言う。

 

 ならばどうすればいいのかとさらに訊けば、「ロウ殿は、従属したくない女を無理矢理に従わせるのがお好きだから、従順すぎるのもどうかと……」と首を傾げる。

 逆らえばいいのかと訊ねれば、とんでもない、とふたり揃って否定した。

 

 さっぱりとわからない。

 

「そうはいっても、わたしだって、わかりません。わたしも、ロウ殿になにもかも委ねるだけです。とにかく、なにをされても本気で抵抗してはなりませんよ。戯れの範疇に留めてください」

 

「そういうのが一番わからんのだ」

 

 イザベラは怒鳴った。

 

「わかりました……。では、一切のことについてロウ殿に従ってください。そうすれば間違いないですから」

 

 シャーラが嘆息しながら言った。

 

「従えばいいのだな」

 

「四つん這いになれと言われたらなるんです。床を舐めろと言われたら舐めてください」

 

「そんなことをするのか──?」

 

 イザベラは驚愕したが、すぐに頷いた。

 

「……いや、わかった。床を舐めろと言われたら舐める。だが、事前に聞いておいてよかった……。その場で言われれば、驚いたところだ……。間違って嫌がったかもしれん」

 

「嫌がっていいのですよ」

 

「なにを言うか──。本気で嫌がれば嫌われるであろう。わたしには、嫌がる素振りの演技などできん。とにかく、全部服従しろというのであれば、そっちが楽だ……」

 

「わかりました。では、そのように……」

 

「ほかに、どんなことをされると思う?」

 

「知りません。もう出発していいですか?」

 

 シャーラがまた嘆息した。

 

「ま、まだだ。ほかにどんなことをするかもしれないか言わんか。たとえば、ロウの性器は舐めた方がいいのだろう? むかし、エルザ姉様がタリオ公に嫁ぐとき、閨教育というのを一緒に受けたことがある」

 

「そうなのですね?」

 

「ああ、わたしはやらなかったが、姉君は木の模型で乳母にやり方を指導されておったぞ……。いや、考えてみれば、練習しておけばよかった……。失敗した」

 

 イザベラは悔やんだ。

 第二王女エルザが嫁ぐ前に受けた閨教育のことなど、すっかり忘れていた。

 王族の婚姻は国家を結びつける政略だ。

 寝所の作法も教えられる。夫と仲が悪くなれば国と国の関係すら揺らぐからだ。

 当時十三歳のイザベラもその場にはいたが、実地の訓練までは受けなかった。

 

 いま思えば、やっておいた方がよかったのかもしれない。

 だがイザベラには、エルザの乳母のように指導役になる者はいない。

その役割があるとすればシャーラなのだが、シャーラもイザベラと年齢が大きく違うわけではなく、詳細な閨の作法を教える経験は乏しいだろう。

 

「ふぇらちおのやり方ですね。わたしもロウ殿に習っていますけど、ロウ殿がやらせたいと思えば、徹底的に調教してくれますから、問題ありません」

 

「ふぇらちお……というのか? ふぇらちおだな? ふぇらちおと言われたら、口に咥えて舐めればいいのだな?」

 

「そんな簡単なものじゃありませんが、何度も言うようですけど、ロウ殿に委ねればいいです。もう、本当に行きましょう」

 

 シャーラがイザベラに近づき、がっしりと手を取った。

 

「ま、待て、まだ覚悟が……」

 

「覚悟なさいませ」

 

 シャーラの言葉が終わると同時に、はらわたがよじれるような感覚がイザベラを襲った。

 一瞬、景色が白く弾け、次の瞬間には見知らぬ屋敷の部屋が周囲に立ち現れた。

 

 到着したのは、椅子と卓があり、彫刻や絵画まで飾られた立派な応接室だった。

 冒険者の家と聞いて粗末な建物を想像していたぶん、調度の上等さに少し驚かされた。

 

 待っていたのは、十歳ほどの年に見える童女だ。

 メイド服に身を包み、愛らしい顔でこちらを見上げているが、どこか人ならぬ気配が漂う。

 

「お待ちしておりました、姫様。ご主人様に仕える屋敷妖精のシルキーです。よろしくお願いいたします」

 

 シルキーと名乗った童女が、にこにこと頭をさげた。

 

「屋敷妖精とな?」

 

 イザベラは驚いて訊ねた。

 

「はい、当家の屋敷妖精のシルキーと申します」

 

 シルキーが笑顔で応じる。

 屋敷妖精についての知識はあったが、実際に見るのは初めてだ。

 だが、魔力の高い魔道遣いにのみ仕え、屋敷を守る妖精族──そのはずの存在が、ここにいることに、イザベラは戸惑いを覚えた。

 

「屋敷妖精がここにいるということは、この建物の主人は魔道遣いなのか?」

 

 イザベラは思わずシャーラへ振り向いた。

 

「わたしも当初は驚きましたが、ロウ殿のしもべに間違いありません。何度も来ていますので確かです」

 

「だが、ロウは魔道遣いではなかろう?」

 

「そうですが……。ロウ殿が愛人にした女の能力を向上させるという、不思議な現象に関係しているのかもしれません……」

 

 シャーラが小声で答えたところへ、シルキーが柔らかく口を開いた。

 

「シャーラ様は広間へどうぞ。コゼさんたち三人がお待ちです……。姫様は、まず隣の部屋でお仕度を。さらに先の部屋で旦那様がお待ちでございます」

 

「……それでは、姫様」

 

 シャーラは背側の扉から静かに出ていった。

 

「どうぞ、姫様」

 

 シルキーが示したのは、シャーラとは逆側の扉だった。

 そこを開けて入ると、応接室とは打って変わって、狭く殺風景な部屋だった。

 真ん中に卓がひとつ置かれ、その上に革帯のようなものが置かれている。

 

「ここでお仕度を、との旦那様のご指示です。わたくしめがお手伝いいたします。失礼ですが、下着を脱がさせていただきます」

 

 シルキーはイザベラを卓の前に促すと、ためらいなく足元にしゃがみ込んだ。

 戸惑う間もなく両手が寝間着の裾の中へ滑り込み、下着がするりと腰から降ろされた。

 

「ちょ、ちょっと──」

 

 声をあげたときには、すでに足首から抜き去られていた。

 シルキーは脱がせた下着を卓の上に置き、すぐに革帯を手に取った。

 

「これを下着の代わりにお着けください。少し脚をお開きくださいませ」

 

 革帯を両手に捧げるように持ちながら、シルキーが言った。

 

「ま、待て。それはなんだ?」

 

 イザベラはようやく声を絞り出した。

 その形状を認め、ようやく理解した。シルキーが持つのは──貞操帯だ。

 貞操帯がどういうものかは、辛うじて知っている。

 股間を覆って鍵をかけ、夫以外との交わりを防ぐための道具だ。

 だが、これからロウに抱かれるというのに、性交を妨げる道具を装着しろと言われていることに、イザベラは強い困惑を覚えた。

 

 もしかして──ロウは自分を抱くつもりがないのか?

 胸の奥で不安が小さく疼いた。

 

 だが、同時に気づく。

 貞操帯の股間の内側には丸い突起がいくつも並び、どれもがねっとりと濡れている。

 

「脚をお開きください、姫様」

 

 シルキーは淡々とそう告げた。

 

「答えんか、屋敷妖精──。その貞操帯には、なにを塗っておる。そもそも、なぜ貞操帯をせねばならん。わたしはロウに抱かれにきたのだぞ。聞いておらんのか?」

 

「これは、旦那様のご命令です。さあ、脚を……」

 

「うっ──」

 

 その瞬間、イザベラの両脚が勝手に肩幅ほどに開いた。

 全身が硬直し、指一本動かせない。

 

 屋敷妖精の魔道か……。

 

 そう思ったが、明らかに強力な術だった。下級魔道遣いのイザベラには抗いようがない。

 シルキーは寝着の裾をすっとめくり、頭を差し入れるようにして腰へ手を伸ばすと、革帯の横帯をきゅっと締めた。

 続いて、前から縦帯を股に通してうしろへ回し、ぐいと引き上げる。

 その手つきは妙に手慣れており、一息のうちに終わった。

 

「うくっ……」

 

 イザベラの喉から小さな呻きがこぼれた。

 縦帯の内側の突起が、敏感な部分のすべてを容赦なく押しつけてきたのだ。

 

「な、なんだ、これは……?」

 

 歯を噛みしめながら声を漏らす。

 突起は肉芽だけでなく、女陰の入り口、外側、さらに尻の穴の周辺にまでしっかり当たっている。

 少し動いただけで突起が前後左右にずれ、そこへ鋭い刺激が走る。

 イザベラは顔をしかめた。

 さらに、突起に塗られていた粘性の液体が肌に染み込み、じわりとした疼きが股の奥から沸き立ってきた。

 

「さあ、どうぞ」

 

 シルキーは寝着の下からすっと出てきて、何事もなかったように扉の方を指し示した。

 

「あっ、ま、待て……あっ、ああっ」

 

 前へ一歩踏み出した瞬間、縦帯の内側の突起が肉芽と入口を同時に擦り上げた。

 膝ががくりと折れかけ、喉の奥で漏れそうになった声を必死に抑え込む。

 

「な、なんだ、これは……」

 

 もう一歩踏み出せば、今度は突起が別の角度から押し込み、下腹の奥へ鋭い刺激が突き抜けた。

 イザベラは腰を引きそうになり、唇を固く噛んだ。

 進むほどに、貞操帯が敏感な場所ばかりを執拗に捉えてくる。

 

 立ち止まってしまえばよかった。

 しかし、すでにシルキーは次の扉を開けており、振り返ることすらしない。

 逃げ場を失ったイザベラは、膝を震わせながらもその後を追った。

 

 歩くたび、突起が細かくずれ、疼きと熱が股の奥からせり上がってくる。

 イザベラは寝着の裾を握りしめ、どうにか声を押し殺したまま部屋へ足を踏み入れた。

 

 シルキーはついてこない。

 イザベラが中に入った瞬間、背後で扉がゆっくりと閉じられた。

 

「えっ?」

 

 閉ざされた扉を振り向きながら、イザベラの胸に不安がじわりと広がった。

 しかし、改めて案内された部屋の光景が眼に入った瞬間、イザベラは息を呑んだ。

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