【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】 作:ドン・ドナシアン
「ひっ、ひいいっ……た、助けて」
マアは悲鳴をあげたが、いま置かれている状況がどうにもならないものだと、嫌でも悟らずにはいられなかった。
扉の向こうには、第三神殿の筆頭巫女スクルズと、ロウに随行していたエルフ女──名はたしか……エリカ……がいる。
どちらも助けてくれるはずがない。
むしろ、先ほどロウの服を甲斐甲斐しく畳んでいたエリカは、ロウがマアを犯すことを当然のように受け入れている気配すらあった。
そして、部屋一帯には、あのスクルズによる防音の魔道が刻まれている。
どれほど叫んでも、外には届かないだろう。
日頃から、家人にも部下にも、大事な商談のときには近づかないように徹底しているので、余程に長くならない限り、覗きに来る者はいないはずだ。
「や、やめておくれ……こ、こんな婆あを……。お、落ちついておくれ……」
背中の後ろで組まれた腕は、腰縄の結び目でぎゅっと固定されていた。
粗い縄の擦れる感触が、逃げようと身じろぎするたびに手首へ食い込み、老いた肌へ熱を伝えてくる。
その拘束は、しっかりしたものであり、いまのマアには重たく、屈辱の象徴のように思えた。
後手に縛られ、スカートを剥ぎ取られた格好のまま、マアは必死に寝台から逃げようとした。
「そうやって逃げようとする仕草は、かわいいものですね」
ロウがズボンを下ろし始める。
「お、お前……なに言って……。と、とにかく……れ、冷静になっておくれ」
後手に回された腕は、腰の縄によってひとつの塊のように縛められ、力を込めれば込めるほど手首に縄が喰い込む。
縛られた自分の腕が、まるで自分のものではないように感じられ、その無力さが全身へ広がっていく。
逃げられない──。
六十を超えた膝は、若いころのようには動いてくれない。
寝台の縁に頭が届いたが、それ以上は脚が震えて身体が思うように滑らなかった。
「冷静ですよ。そうは見えませんか?」
腰の下着も脱いで、素裸になったロウの影が、すぐにのしかかってきた。
押し返したくても、縛られた腕では力の入れようがない。
しかも、驚いたことに、ロウの股間の一物は怖ろしいくらいに隆々と勃起していた。
この老いた女に──?
マアは唖然となった。
「これもいらないですね」
ロウが笑みを浮かべながら、マアの下着を足首から引き抜いた。
それが最後の布だった。
股間に冷たい空気が触れた瞬間、マアは思わず頬を熱くした。
六十の女が若い男に下の毛を晒す羞恥──。
女豪商として積み上げた誇りとは、まったく釣り合わない惨めさだった。
──なのに……。
胸の奥に、微かにちくりと刺すものがあった。
若いころの自分が、ふっと蘇ったのだ。
タリオ公国の駆け出し時代だ──。
誰よりも才覚があり、働き、動き、数字を握り、男たちを圧倒した日々……。
性欲を満たす相手はいたが、伴侶にする気など一度もなかった。
男は支配し、従わせる相手──。
媚びるなど論外だった。
部下の女たちの多くは結婚し、家庭を築き、子を作った。
マアは仕事を選び、商会を育てた。
寂しいとは思わなかった──いや、思わないようにしてきた。
その自分が、裸にされ、股を晒し、縛られて、若い男に押さえつけられている。
──なんという皮肉だろう。
「許して……許しておくれ……。怖い、怖いいっ」
震えた声は、恐怖だけではなかった。
暴力への畏れと、忘れていた“女”としてのざわめきが胸の奥で揺れた。
「怖くありませんよ……。心配いりません。すぐに終わりますから」
ロウの声は妙に優しかった。
その優しさが、逆にいちばん怖かった。
だが──。
その声音が胸の深い場所を撫でるようでもあり、身体のどこかが小さく震えた。
男に媚びたことなど一度もない……。
誰かに押さえられる感覚も忘れていたはずだった。
なのに、震えは恐怖だけではなかった。
マアは身体が竦みあがるのを感じた。
この歳になれば、犯されることくらい──理屈ではどうということもないと思っていた。
だが、理不尽な暴力の末に押さえつけられ、縛られたまま若い男に凌がれるという現実は、胸の奥に形容しがたい屈辱を突き立ててくる。
「ひっ、ひいっ……」
次の瞬間、ロウの影が覆いかぶさった。
片側の乳房が乱暴に掴まれ、もう片側には熱い顔が沈んでくる。
「い、いやだっ……怖い、怖いいっ」
泣き声のような悲鳴が漏れた。
──その直後だった。
「あっ……ああっ、んあああっ」
乳首に舌が触れた瞬間、稲妻が走ったような衝撃が全身を駆け上がった。
脳天の奥を直接叩かれたかのような快感に、マアは思わず背を反らせる。
こんな……。
こんな気持ちよさ……この歳で……?
若いころでさえ感じたことのない強烈な甘美さが、乳首から身体の芯へと迸る。
ロウの舌が左右の乳首を交互に舐め回していく。そのたびに襲う凄まじい快楽に、息を整える暇もない。
全身がかっと熱くなり、肌があっという間に汗で濡れ始める。
「はあっ……ああっ……ああっ……」
その舌がひと舐めするたび、快感が全身を貫く。
すごい……。
なんて、上手な愛撫……。
なんなんだ、この男は……。
ほんの数瞬前までは暴力への恐怖しかなかったのに──いまは別の恐怖が芽を出し始めていた。
この若い男の性技に負けてしまう──。
この快楽に屈服して、自分が際限なく男に媚びる愚かな女になるのではないか……。
それをしても惜しくないと思うほどに、蹂躙していくこの幸福感……。
「ほら、口づけをしましょう。楽にして……。襲われているなんて思わないでください。ただの運動ですよ……そう思えばいい」
ロウが乳房から唇を離し、マアの口元へ降りてくる。
マアは反射的に顔を逸らした。
「んんんっ……んぐうっ」
必死に唇を閉じたが、ロウの指が頬を掴み、強引に向きを戻してくる。
支配されている……。
抵抗など無意味……。
それを思い知らされる。
そして、唇の上を舌先でくすぐられた瞬間、乳房を揉んでいた手がすっと下腹部へ下り、陰毛を撫でた。
「ああっ……」
腰が勝手に震えてしまう。
縄で縛られた腕がきゅっと背中で軋み、抵抗しようとする力が抜けていく。
ロウの舌が口の中に侵入した。
「んああっ……んあっ」
甘い刺激が口腔を蹂躙する。
舌に絡め取られ、送り込まれる唾液を呑み込むたび、胸の奥に火がついたように熱が広がった。
わからない……。
なにが起こっているのか、本当にわからない。
恐怖は溶かされた。
かわりに──底なし沼のような快感が、マアを呑み込んでいく。
「はあ……ああああっ……あああああ……」
ロウの口から顔を離すと、思わず嬌声が漏れた。
「心配しないでください。赤ん坊になったつもりで、全部委ねればいい……。さあ、脚を開いて……」
ロウの指が陰毛をすくように撫でていたところから、自然と脚が開いてしまう。
自分の意思とは思えない動きだった。
指が割れ目をやわらげ、クリトリスをそっと転がした。
「ああああっ……」
全身が跳ね上がる。
縛られた腕がびくりと震え、膝下が勝手に浮き上がった。
そして──指が、すっと中へと差し込まれる。
「はぐううっ……」
男との性交は、かなり遠ざかっていたので、痛みもあった。
だが、痛みを飲み込んでしまうほどの快感が、すぐに押し寄せてくる。
「ちょっと狭いですね……長くこういう状況がなかったからかな。大丈夫です……痛くなんかしませんよ……。もう一度、口づけをしましょう。それで楽になります」
ロウが指を埋めたまま顔を寄せてきた。
今度は拒絶しなかった。
むしろ、自らロウの唇を探し、舌を絡めた。
大量の唾液が口の中に流れ込み、マアはなんの抵抗もなく飲み下す。
その瞬間、身体が熱に溶けたようになり──股間から一気に愛液が噴き出したのが、自分でもわかった。
「さあ、脚を曲げて……」
「ま……まだ……なにかするのか……?」
荒い息を吐きながらロウを見ると、内腿が勝手に震え、膝がゆっくりと折れていった。
だが、身体はロウに言われるまま、勝手に両膝を曲げていた。
ふくらはぎと太腿がぴたりと触れ合うほど深く折り曲げられ、縛られた後手では支えようもない。
ふと気がつく。
長年、膝を深く曲げれば痛みが走ったはずなのに──いまは少しも痛くない。
茫然としたままでいると、ロウが軽く手を払った。
宙から縄が現れたように見え、マアの左右の脚へ素早く巻きついた。
膝が伸ばせないように固定され、股を開かされたままの姿勢が完成する。
「これでどうしようもないですね。完全にレイプする前に、一度いきましょう。達したら犯します。そうなれば、もう俺の奴隷です……」
低く笑うと、ロウはマアの脚の間へ潜り込んだ。
顔がそのまま股間へ沈んでくる。
「やっ……そ、そんな……」
思わず腰を捻って逃げようとした。
しかし、がっしりと腰を掴まれ、次の瞬間、割れ目の合わせ目に舌がぬるりと這う。
「んふうううっ……」
たまらない甘美が弾けた。
舌が陰唇を辿り、すくい、押し広げ、探るように這い回っていく。
腰が勝手に浮き上がり、縛られた脚が震えた。
「や……ああ……ああっ……」
逃げようとしていたはずの身体が、熱に浮かされたようにロウの口へ吸い寄せられてしまう。
少女のような泣き声が、唇の隙間から勝手に零れた。
六十を超えた女が、こんな声を出すなど信じられないのに──止められない。
「ああ……あああ……気持ちいい……気持ちいい……気持ちいい……」
とめどなく声が漏れる。
ロウの舌が股間全体を余すことなく舐めつくし、最後には尻たぶの奥へと潜っていった。
「そ、そこはだめえっ……いやああ……」
堰を切ったように身体が跳ねあがる。
お尻の奥に触れられた途端、信じられない快感が背骨を駆け上がり──。
「あはあ……」
声にもならない息が漏れた瞬間、マアは一気に絶頂していた。
「さあ……じゃあ、犯すよ。これで、おマアも俺の女です」
ロウが体勢を変えて身を乗り出してくる。
勃起した肉槍が、熱を帯びた割れ目へと向かって迫ってきた。
それにしても、この男はずっと勃ちっぱなしだ。
六十路を過ぎた自分相手に──こんなにも……。
屈辱のはずなのに、胸の奥で小さな誇りが疼く。
まだ“女”として見られるのだという事実に。
だが──「おマア」とは……。
女豪商として名を売り、貴族にすら頭を下げさせてきたこのマアを、そんな可愛らしい呼び方で呼ぶなど考えられないことだった。
なのに、胸が少しこそばゆい。
妙な嬉しさすら滲む。
「力を抜いて……」
ロウの囁きに、意識の奥がふっと緩んだ。
「うううっ……」
怒張の先端が割れ目へ触れた瞬間、また電撃が走り、全身が跳ねる。
「あああっ……」
熱い肉が、ゆっくりと、容赦なく入り込んでくる。
狭まった膣内に押し広げられる感覚が、快感へと変わり、波のように押し寄せる。
「ああ……そこ……す、すごい……いい……」
マアは言葉ともつかない声を上げ、頭を激しく左右に振った。
ロウの怒張は最奥へ届き、老いたはずの身体がびくりと跳ね上がる。
そして──律動が始まった。
ロウの腰が深く沈み込み、肉が肉を押し分けるたび、膣壁が勝手に震える。
マアは完全に我を失っていた。
この世のものとは思えないほどの快感が、押し寄せる波のように身体をさらっていく。
縛られたままの身体を、自分のものとは思えないほど強くロウの肉棒が締めつけていた。
自分が締めているのか──。
それとも締めさせられているのか──。
もうわからない。
たまらない。
恥ずかしい。
なのに、逃げたい気持ちはどこにもない。
支配されるほど、奥へ届くほど、快感が膨れ上がる。
火柱のような愉悦が、腹の底からせりあがってくる。
「あああ……いく……うう……」
喉から漏れた声は、もはや自分のものではなかった。
腰がびくびくと跳ねあがり、膣の奥がきゅうっと痙攣する。
絶頂が弾ける。
マアは全身を震わせ、縛られた脚の先まで震えが走った。
そして──ついに二度目の頂へと一気に押し上げられた。
熱が身体の芯を焼き、視界が白く滲む。
息が止まるかと思うほどの強烈な甘美が、全身に走った。
「おマアを支配するよ……。だけど、それに見合うものは渡す。奇跡をあなたに送りますね」
耳元で落とされた囁きは、なぜか優しくて──。
なのに、逃げ場を与えないほど残酷だった。
次の瞬間……。
ロウの精が、マアの最奥へ熱い奔流となって注ぎ込まれた。
その熱が広がった刹那、頭のてっぺんから足の先まで、すべてを掴まれたような感覚が走る。
支配されることそのものが、快感となって流れ込んでくる。
ああ……これは……。
言葉にすることなど到底できない。
生まれてから一度も味わったことのない、形容しがたい幸福感が胸を満たした。
縛られ、押さえつけられ、犯され、精を流し込まれ──。
そのすべてが、どうしようもなく甘い。
マアはただ、力の抜けた身体でその幸福に浸りきっていた。