【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】 作:ドン・ドナシアン
大きな寝台の中央に座り、トリアは正面のノルエルを見た。
白い空間のなかで、互いの呼吸だけが小さく揺れている。
ノルエルは視線を落としたまま、膝の上で指をぎゅっと握りしめていた。
すでに、ぼうっとした感じで顔が赤い。
トリアはくすくすと笑ってしまった。
「ほら、ロウさんのご命令よ……。わたしの服を脱がせるのよ。お前も裸にさせるわ」
「あっ、でも……」
しかし、さすがに気になるのか、ノルエルは横に座ってトリアたちを眺めているロウをちらりと見た。
「俺のことは気にしないでいい。とりあえず、いないものと思えばいい」
すると、ロウが静かに微笑んだ。
胡座に座っているロウは、まだ上も下もしっかりと服を着ている。
確かに、ちゃんと服を身につけた男性の前で全裸になるのは恥ずかしいかもしれない。
トリアはノルエルの頬に触れ、視線を自分に向かって真っ直ぐにさせた。
「ノルエル。こっちを向きなさい」
「あっ、はい……トリア……様……」
その呼び方だ。
ノルエルが情欲と甘えでいっぱいになったときだけ、そう呼ぶ。
「大丈夫よ。わたしたちだけよ……。わたしを見なさい。ほら……脱がせてあげる……」
声をかけると、ノルエルがびくりと肩を震わせた。
それでも、ゆっくりと顔を上げる。
怯えと、頼るような影と、ほんのわずかな期待が混じった瞳だった。
トリアはノルエルの不安がなくなるように、いつもの笑顔を向ける。
「愛しているわ……ノルエル……」
トリアはそっと手を伸ばし、ノルエルの侍女服の袖口に触れた。
「……あっ……あ、あたしも……愛してます……トリア様……」
小さな声が返ってくる。
緊張で固まっていた肩が、触れられた瞬間にわずかに沈んだ。
トリアはまず、ノルエルの腰に手を添えて、ノルエルの侍女服のスカートの留め具を外した。
軽い布地は、力を入れずともすっと緩み、両手でそっと引けば膝を滑り、床へ静かに落ちていった。
細い脚と太腿の上部までがあらわになり、腰紐ひとつで結ばれた薄い腰布だけが残る。
ノルエルの白い脚が露わになると、彼女はびくりと肩を震わせ、足先が揃うようにぎゅっと閉じられた。
「かわいい脚……。ノルエル、力を抜いて」
「あ……はい……」
次に、トリアは胸元の紐へ指を伸ばす。
ひとつ、ふたつと編み紐をほどくと、上衣はゆるみ、呼吸に合わせて胸元がわずかに開いた。
その端をつまんで滑らせると、上衣が肩から離れ、背中に残っていた布がふわりと落ちる。
あとは、細布の下着が胸の前をかろうじて覆っているだけ……。背中の上から腰までのノルエルの可愛らしい裸身がまるごと露出した。
「えっ?」
横で誰かの驚く声がした気がした。
トリアはそれを無視する。
ノルエルの背中には、細く薄れて残る線がいくつも走っている。
脇腹には淡い焼け跡──。
内腿のあたりにも、波立つような痕がある。
トリアは静かに、その傷跡へ指を添えた。
「あっ、ああ……トリア……様……」
触れた瞬間、熱が返ってくる。
──ああ、この感触。
この残酷な傷跡に触れたのは、ノルエルがイザベラ王女付の侍女になったばかりの、ちょうど一年ほど前のことだった。
イザベラ付の侍女という役目は、表向きには華やかに聞こえるが、実際には誰も進んでつきたがらない、ほとんどの上級貴族出身の女官たちに嫌われる仕事だった。
王妃アネルザと、次期国王に最も近いとされるハロルド公キシダイン──このふたりから嫉まれ、目をつけられる役職だからだ。
王宮でも、娘をそんな火中に投げ込む家はほとんどない。
イザベラ王女には「癇癪持ちで侍女を粗雑に扱う」という悪評が広まり、上位貴族の家々はことごとく近習の派遣を拒んだ。
もっとも、その悪評は王妃派が意図的に流した噂でしかなく、王女本人が仕えづらい人物ではないと知ったのは、ずっと後になってからだった。
さらに当時、王女の周囲を固めていた侍女の多くは、すでにキシダイン派の影響下に置かれていた。
侍女長シャーラはそれらをすべて排除し、実家に政治的背景のない、王妃派にもキシダイン派にも繋がりのない娘だけを新たに集めた。
トリアもその一人であり、ノルエルは下働きから急遽引き上げられた最年少の侍女だった。
新しい侍女たちは、王宮の女官寮ではなく、王女が住む小離宮に居住することを命じられた。
トリアは下級侍女として働いた経験があるため、下働き上がりのノルエルの指導役を兼ね、同室となった。
その最初の夜だ──。
着替えを手伝おうとノルエルの服を脱がせたとき──布の下から現れたのは、数えきれないほどの古傷だった。
細く薄れた鞭の痕──。
淡く残る火傷の跡──。
内腿に波打つように刻まれた腫れ痕──。
白い肌に静かに残るその痕跡は、幼い頃から何度も繰り返された暴力の証であり、しかも治療されることなく放置されたまま固まってしまったものだった。
傷や火傷であれば、所定の礼金さえ払えば神殿付の魔道遣いが跡形もなく癒やしてくれる。
そして、それは平民でも手の届く額だ。
神殿が信仰を集めるため、魔道治癒を広く開放しているからである。
だが、長い年数を経てしまえば、傷は肌に定着し、高位魔道遣いの治癒術をもってしても消せなくなる。
ノルエルの肌に残る痕は、まさにその状態だった。
──わざと痕が残るように、誰かが悪意を持って放置した。
そうとしか思えなかった。
当然ながら、ノルエルに理由を訊ねた。
なぜ、こんなところに──どうして、こんな痕が──と。
けれどノルエルは、最初のうちは首を振り続けた。
転んだとか、不注意だったとか……そんな苦しい嘘ばかりを並べた。
そんなわけがない。
あの痕は、誰にでも見える手足の先ではなく、背中や脇腹、内腿など……本来なら服の下で隠れる場所にしかなかったのだから。
ノルエルは侍女としても下働きとしてもとても優秀だった。
頭も良く、覚えも早く、頼んだことはすべて完璧にこなす。
なのに、いつもおどおどしていて、自信がなさそうで、人に怯えるように目を伏せる娘だった。
それでもノルエルは、底抜けに優しい子だった。
トリアが少し声をかけて気遣っただけで、嘘みたいに嬉しそうに笑って……そしてそのまま、子犬のように懐いてきた。
そんな愛らしいノルエルに惹かれるのに、時間など必要なかった。
そもそもトリアの性欲は、昔から同性へ向く傾向があった。
同室になった夜の静けさの中、その欲情は自然とノルエルへ向かった。
半ば強引に誘った夜でも、ノルエルは大きく抵抗することがなかった。
羞恥で震えながらも、逃げようとはしなかった。
同室になってひと月が過ぎる頃には、ノルエルは完全にトリアの“子猫”になっていた。
なにをどうされても逆らわず、トリアの与える快感に素直によがり、啼く……そんな、可愛くて仕方のないノルエル。
あの夜もそうだった……。
トリアは寝台にノルエルの手首と脚を軽く拘束し、優しく嬲り、寸止めに寸止めを重ねて、快感と焦らしの狭間で泣かせた。
トリアの得意なやり方だ。
あの夜、寸止めを重ねられて震えながら泣くノルエルは、ついに口を開いた。
ノルエルを苛んでいたのは、後妻と、その連れ子である義理の姉と妹だった。
前妻の娘であるノルエルを疎ましく思い、日常的に虐待し、誰の目につかない場所にばかり傷を刻んだという。
商家を営む父親は家に寄りつくことが少なく、ノルエル自身も、訴えても無駄だとどこかで悟っていたらしい。
それでも、教育だけは受けさせてもらえていた。
商家の娘として最低限の読み書きや計算は習わせてもらえたおかげで、ノルエルは王宮の下働きの職を得ることができ、さらに運よくシャーラに抜擢され、王女付の侍女にまで上がった。
だが──。
トリアにとって、どうしても納得できないことがひとつあった。
ノルエルは、その義母にも義姉妹にも、無関心だった父親にも、まったく恨みを抱いていないことだ。
さっきロウに向かって「家族を巻き込まないで欲しい」と言った。
適切な距離さえあれば実家がうまくいって欲しいと、本気で願っている。
あれほどの傷を刻まれてなお、誰よりも優しい願いを向ける。
──それが、トリアには理解できなかった。
トリアの実家は裕福ではない。
俸給貴族の男爵家でしかなく、領地もなく、俸禄で細々と暮らす家だ。おそらく、平民だが忙しい商家を経営しているノルエルの実家よりも貧しいだろう。
それでも、家族は優しかった。
働き詰めの父も、倹しい暮らしの中で穏やかに励ましてくれる母も、姉のトリアを慕ってくれる妹と弟も……。
平凡で、贅沢もなく、派手さもない。
だが間違いなく幸せな家庭だった。
だからこそ、ノルエルのように、それほど酷い仕打ちを受けてなお家族を庇い、恨むことすらしない娘の存在が、トリアにはどうしようもなく胸に引っかかった。
──どうして、そんなふうに優しくできるのか……。
何度もそう思った。
考えても答えは出なかったが、その優しさがトリアの心を深く捉えて離さなかった。
気づけば、ノルエルの震える笑顔も、甘えるように寄ってくる熱も、泣きそうな声で名前を呼ぶ響きも──すべてが、愛おしく仕方なくなっていた。
「あっ……くすぐったい……です」
ノルエルが涙目でトリアに訴えるように見上げて、かすかに身を縮めた。
その震え方すら、トリアには愛しくてたまらない。
「ノルエル……かわいい背中……。触れるだけで震えるなんて……」
「あっ……ト、トリア様……」
返ってくる声は、すでに甘さを帯びている。
トリアはノルエルの肩ごと胸元へ引き寄せ、そっと首筋へ唇を落とした。
「ん……っ」
可愛い声が耳朶をくすぐる。
たったそれだけでトリアの腰に熱が走る。
トリアはノルエルの顎をそっとすくい上げ、迷わせる間もなく唇を重ねた。
触れた瞬間、ノルエルの身体がびくりと跳ねる。
「ん……っ、んん……」
甘く震える声が、唇に直接震えとして伝わる。
トリアはその震えを味わうように角度を変え、ゆっくりと深く口づけた。
唇がわずかに開いた隙間に、トリアの舌が入りこむ。
舌と舌を絡め合い、お互いの唾液をすすり合う。最初は受けるばかりだったノルエルも、いまではトリアをたじろがせるほどの愛を返してくる。
いまも、ノルエルの舌が唇の内側を掠め、舌を擦り合わせてくる。その感触に、トリアは甘美な喜悦を呼び起こされていた。
性感と昂奮をもう隠せない。
頭を白くするほどの愉悦が波のように全身に満ちあふれてくる。
「んあっ……ん、んん……っ」
息の漏れる音が、二人の間で熱を帯びて混ざる。
どれほど時間が経ったのかわからない。
離れがたい熱に引き寄せられながら、ようやくトリアがそっと唇を離した。
糸を引くように、ふたりの口元のあいだに細い透明な線が残り、その光景にノルエルは頬を真っ赤に染めて震えていた。
もっと……。
もっと欲しい……。
トリアは、下着姿のノルエルの背を両手で包み込み、ゆっくりと白い肌へ舌を這わせた。
肩、肩甲骨のうえ、脇腹の起伏──。
ノルエルは耐えきれず、身体を撓らせてトリアにしがみつく。
「あんっ、だめっ……そんなふうに……舐められたら……あたし……」
「いいのよ。感じて、可愛いノルエル……。ほら、もっと見せて」
トリアはノルエルの身体を寝台のうえへそっと倒し、膝立ちになって見下ろした。
腰布と胸布だけの姿──。
白い脚がわずかに開き、細い指先が布を握りしめて震えている。
その姿が、たまらなく可愛い。
「ノルエル。脱がせるわね」
「は、はい……」
胸布の結び目へ指を滑らせ、ゆっくりと解く。
ふわりと布が緩み、白く小さな胸がこぼれた。
「あ……っ」
ノルエルが顔を覆うように腕を上げたが、トリアはそっとその手を押し戻した。
「隠さなくていい。可愛いわ……誰よりも……」
体温の高い胸に唇を寄せ、柔らかく吸う。
固くなっている桃色の乳房の中心の屹立を唇で柔らかく包んで……。
「うんんっ」
ノルエルの腰が跳ね上がり、膝が震え、甘い声がこぼれた。
「ああ……トリア様……そんなふうに……だめ……」
「だめじゃないわ……。もっと聞かせて……」
乳首を舌で転がしながら、もう片方の手で腰布に触れる。
ノルエルがまたもやびくんと身を縮ませた。
「ここも脱がせるわね……」
トリアは左手をノルエルに残っている最後の布に添える。
「……っ……はい……」
腰布の紐を引く。するりと、ノルエルの下着が滑り落ちる。
その瞬間、ノルエルの白い身体が最後の一片まで露わになった。
ノルエルの股間は、ねっとりと糸を引くほどの蜜で満ち溢れていた。
トリアは微笑んだ。
「ノルエル……きれいよ……。全部……すごく、きれい……」
「ああ……トリア様……見ないで……」
「見るわよ。ずっと……」
トリアは自分の侍女服へ手を伸ばし、上衣を乱暴に引き抜いた。
胸布も、腰布も一気に剥ぎ取って、あっという間に全裸になっていく。
こうやって脱ぎ捨てる時間さえも惜しい。
早くノルエルを愛したい。
苛めたい──。
ぱさりと落ち、寝台のうえでノルエルの身体に跨がるような体勢で、トリアは一糸まとわぬ姿になった。
「トリア様……」
「ごめんね……もう我慢できないの……。ノルエルが可愛すぎて……」
裸身同士で触れ合い、恥部と乳房を密着させ、股間と股間を擦り合うように抱き合う。
「あっ……あ……トリア様……」
ノルエルが小さく泣いた。
「震えてる……かわいい……」
一度、ノルエルから身体を離すと、ノルエルの身体に跨がったまま、トリアは自分とノルエルの侍女服から紐を二本抜いた。
腰紐と肩紐──。全部で四本──。
「ノルエル。動かないでね……。抵抗しちゃだめよ。すぐ終わるから……」
トリアはくすくすと笑いながら、ノルエルの両手首を首の後ろに回させ、抜いた紐で柔らかく固定していく。
「えっ……な、なにを……。やだ……」
すでに息が荒いノルエルが駄々をこねるように、小さく首を振った。
でも、それはかたちだけのもの。
ノルエルは抵抗しない。
頭の下で組んだ両手を首に巻いて縛ってしまう。
首は緩めにしているが両手は首の後ろから離せない──。きつすぎない、逃げられない、ちょうどよい拘束──。
さらに、もう一本の紐を使って、ノルエルの左脚の膝を曲げさせて伸ばせないように縛ってしまう。
右脚も同じように……。
最後に開いた脚が閉じられないように、両脚を縛った紐を最後の紐で繋いで、腰の後ろで引っ張って縛る。
「あ……ああ……トリア様……こんなの……はずかしい……」
ノルエルは、膝を曲げたまま左右に開かされ、両脚は逃げられないように後ろでひとつに結ばれていた。
真っ赤になったノルエルの秘部がまるで、そこだけ意思を持って生きもののように、ねらねらと光りながら開いたり閉じたりしている。
ノルエルもまた欲情しているのだ。
そう思うと、トリアは昂奮で頭が真っ白になりそうになる。
「ふふ……恥ずかしがって震えてるノルエルは可愛いわ……」
トリアはノルエルの太腿の内側へ手を置き、ゆっくりと指を滑らせた。
「んっ……ああ……」
「可愛い声ね……。もっと聞かせて……。さあ、わたしのノルエル……」
ノルエルの開かされた脚のあいだから、かすかに上がる熱気が頬を撫でる。
肌そのものから立つ体温と、すでに高ぶった呼吸の湿り気が混ざり合って甘く重くなる。
トリアはゆっくりと腰を落としながら、意図的にノルエルの視線から姿が消える位置まで身を沈めた。
背中が弧を描き、お尻が持ち上がる。
舌をそっとノルエルの内腿に這わせる。
「あああっ、トリア様──」
ノルエルの声が弾ける。
膝が小刻みに揺れ、トリアの視界の目前で股間の亀裂からまた蜜が吹きだした。
トリアはあまりにも感じやすいノルエルの身体にほくそ笑んでしまう。
「ふふふ……」
愉しくて、ついつい笑いがこぼれてしまった。
ノルエルの震えた太腿の付け根に、トリアはまたもや舌先を滑らせた。
秘部には触れない……。
そのぎりぎりに舌を這わせた。
「あっ……や、やだ……だめ……。そんな……」
その瞬間、ノルエルの脚がびくりと跳ねる。
言葉は否定しているのに、息の奥が甘く緩んでいる。
逃げたいのに、逃げられない。
欲しいのに、欲しいと言えない。
その矛盾がノルエルの全身から発熱するように伝わってくる。
トリアは、その震えのすぐ近くまで唇を寄せた。
そして──。
今度はお尻の穴に口づけをし、そこから舌を真っ直ぐに舐めあげ、亀裂に潜らせるように埋め進んでいった。最後にクリトリスをすくい上げるように弾かせる。
「ひあああっ……ああっ……だめえ……っ」
ノルエルの声が、息と一緒にこぼれ落ちていく。
細い指先は強く握りしめられ、拘束された腕がぎゅっと背後へ沈む。
同じことをもう一度──。
暴れるノルエルの脚を手で押さえて、またもう一度──。
また、もう一度──。
繰り返す──。
「あ、ああっ、ああああ──。だめええっ、い、いくううっ」
ノルエルの背中が大きく反り返り、拘束している脚と腰がぶるぶると震えた。
トリアはそこで一度、動きをゆったりと止めた。
「ああん、ああ……」
その瞬間、ノルエルの身体がこわばる。
「ふふ、休憩よ」
トリアはノルエルの股間の上で笑う。
「や……やめ……やめないで……。いまの……もっと……」
震えながら、ノルエルが必死に声を絞り出す。
恥ずかしさで目を背けながらも、しかし、拗ねるように愛撫を強請ってきた。
トリアは、あえて返事をしない。
ノルエルが自分の口でもっと乞うまで、続きを与えないつもりだった。
いや、哀願しても、最後まで与えないのもいいかもしれない。
ゆっくりと顔を近づけ、今度はクリトリスを口に含んで、舌先で転がしてすすり、舐めあげて舌先で強く繰り返して弾く。
「ひっ……あ、あ……いき……そう……な、のに……。だめえええ──」
ノルエルが絶頂の兆しを見せて、全身を暴れさせる。
だが、またしても、寸前で快感をとりあげてしまう。
「ああ、またああ──。トリア様──意地悪しないで──」
寸前でふっと離れた瞬間、ノルエルの腰が浮き上がり、糸のように細い声が喉から抜けるとともに、切なそうな泣き声に混じったノルエルの哀願が迸った。
でも、トリアは笑うだけで返事をせず、ノルエルが少し落ち着くのを待つ。
ノルエルの肌の上に透明な汗が滲み、胸が大きく上下して、吐息は熱で震えている。
「ノルエル……かわいい声をもっと聞きたいわ」
「……ト、トリア……様……、欲しいの……。続き……欲しいの……。お願い……おかしくなっちゃう」
ようやく絞り出すような必死の言葉がこぼれる。
涙の縁で揺れる瞳が、どうしようもないほどに甘く、切なくて、愛らしい。
その願いのすべてを受け止めながら、トリアはもう一度、ゆっくりと股間を舐めた。
今度も、ぎりぎりまで……。
だけど、最後は与えない。
それを繰り返す──。
「ああ、いやああっ──」
ノルエルはいつしか半狂乱になった。
横を見ると、折り曲げて固定しているノルエルの足の指が、踊るようにばたついていた。
「いいわ。今度は最後まであげるわね」
トリアは、ノルエルの震える蜜を舌でなぞりあげ、そのまま容赦なく頂点へ押し上げた。
今度は寸止めはしないつもりだ。
逃がさない。
激しくノルエルの股間を舐めあげる。
焦がれて泣き叫ぶほど求めていた終わりを一気に与えた。
「──ああっ、ああ……あああ……」
ノルエルの身体が跳ね、拘束された脚が痙攣し、背骨が弓のようにそり返った。
しばらくのあいだ、ノルエルの身体の硬直が続き、やがて、糸が切れたかのように脱力する。
生温かい飛沫が三筋、四筋とトリアの顔にかかった。
昇天とともに、少しの潮を噴き出したのだ。
相変わらず、感じやすくて可愛い身体だ。
その瞬間だった。
後ろから、突然に強い手がトリアの腰の左右をぐいと掴んだ。
「きゃああ、ええ──?」
トリアはびっくりして思わず悲鳴をあげた。
「ふたりだけで愛し合うところを見せろとは命令したが……そこまで没頭しろとは言ってないぞ」
低く笑う声が、すぐ耳の後ろで響く。
はっとした。
ロウだ──。
その声を聞いた途端、トリアはびくりと肩を震わせた。
「あっ、ああ……ロウさん……」
気づけば、ロウの手が腰の左右をしっかりと固定している。
その指の熱だけで、息が詰まった。
「完全に俺の存在、忘れてただろう」
耳元で囁かれ、トリアははっと目を見開いた。
全身が熱で縫いとめられたように動けなくなる。
本当に忘れていたかもしれない。
そして、次の瞬間──。
背後から、全身を包まれるように抱かれた。
生々しい肉の圧迫がお尻の下を滑ってくる。
身体の奥が勝手に震え、呼吸が止まる。
「ああっ、ああああ──」
トリアは短く息を呑み、言葉にならない声を漏らした。
男の怒張──。
気がついたときには、一気に子宮近くまで、ロウに股間を挿し貫かれていた。
生まれて初めての男の怒張──。
だが、予想していた痛みなど微塵もない。あったのはこれまで味わったこともないような快感だった。
「ああ、あああっ、あああっ」
トリアは気がつくと、咆哮にも似た嬌声を喉の奥から吐き出していた。
腰を支えられ、逃げ場のないまま揺さぶられる。
その瞬間から──律動が始まった。
圧倒的だった。
ひと押しひと押しが気持ちいい、などという次元ではない。
大波が全身をさらい、骨の奥まで打ち砕き、それでも連続して押し寄せてくるような、暴力的な快楽の奔流。
「だめ……ああ……ああああ……」
叫んでいるのに、声は熱に溶けて自分のものではなくなっていた。
身体は完全に支配され、なにもかもが奪われていく感覚だけが残る。
そして、背筋を貫くような震えが、急激に全身へと駆け上がる。
気がつくと、トリアは喜悦とともに、全身を震わせて快感の頂点に達していた。
視界が白く弾け飛んだ。
同時に、股間に貫かれている肉の塊が熱くなってさらに暴騰し、次いで、なにかが子宮に注ぎ込まれた。
二射──三射──さらに続けて……。
注がれた“なにか”は、ただの熱ではなかった。
単なる体液ではなく、言葉でもなく……魂が掴まれるような感覚──。
強い光が、腹の奥から胸へ、胸から喉元へ、喉元から頭の芯へ、一気に広がっていく。
逃れようのない幸福が、内側から満ちていく。
「あ……あ……な、に……これ……?」
震える声が勝手に漏れた。
自分の意思ではない。
自分の身体でもない。
ただ、与えられた快楽に、身体が勝手に応えてしまう。
ロウに触れられている部分から、熱が脈動するたびに、まるで、刻まれていくような錯覚が走った。
いいえ──錯覚ではない。
これは力だ──。
ロウの得体の知れない力が、確かに自分の内側へ流れ込み、肌の下で──心の奥でひとつのかたちを作っていく。
幸福と陶酔が、甘い霧のように脳を濁らせた。
「トリア。これで、お前は俺のものだ」
背中に落ちたロウの低い声が脳髄へと染みていく。
言葉を聞いただけで、また身体が震えた。
「は、はいっ──。わたしは、ロウ……さんのものです……」
幸福感が、痛いほど甘く深く沈んでいく。
トリアは、息を途切れさせながら、そう呟くことしかできなかった。
そして、圧倒的な快感と力に完全に満たされ、支配され……包まれていた。
トリア=アンジュ
人間族、女
男爵家 長女
イザベラ付侍女
年齢18歳
ジョブ
侍女〈レベル5→10〉↑
官吏〈レベル20〉↑(新)
生命力:50
魔道力:15
経験数:なし→男1
淫乱レベル:B
快感値:300/300
能力
観察分析力↑(新)
状態
一郎の性奴隷↑(新)
淫魔師の恩恵↑(新)