【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】 作:ドン・ドナシアン
クアッタは息を呑んだ。
ほんの一瞬前に、口づけをしながらその場からいなくなったユニクとロウが、なんの予兆もなく、突然再び現れたからだ。
しかし、その姿は別物だった。
ロウについては、胸元の開いた黒いガウンをまとっていた。それについては、さっき消滅したときと同じ格好だ。
しかし、ユニクは全裸であり、さらに、後ろ手にきつく縄で縛られていた。肩から胸、乳房の上下に縄が食い込んでいる。
息をするたび胸の縄がかすかに揺れ、あまりの生々しさにクアッタの喉が渇いた。
さらに視線がユニクの裸身の股間へ落ちた瞬間、思わず心臓が跳ねた。
陰毛が一本もなく、下腹部には二匹の蛇が絡み合った小さな紋様が刻まれていたのだ。
淡い艶のある不思議な印が、肌の上で妖しく光っている。
ユニクは数拍だけ呆然と立ち尽していた。
「きゃあああ」
だが、周囲の視線の多さに気づいたのか、はっと息を吸い込んで顔を真っ赤にし、悲鳴とともにしゃがみ込んだ。
「こ、こんな姿で戻るなんて……ロウ様、酷いです……」
ユニクの震えた声が謁見の間に落ちた。
侍女たちはざわつき始め、縄や裸や紋様に目を丸くし、口々に驚きの声を漏らす。
「散々に敗北感を味わわされたからな。少し意地悪をしたかったんだ。トリア、ノルエル、縄を解いてやってくれ」
ロウは肩を軽くすくめながら笑った。
「大丈夫、ユニク?」
「いま……解きますね……」
トリアとノルエルが微笑みながら、素早く駆け寄っていく。
その姿を見て、クアッタは胸に小さな違和感を覚えた。ふたりの動きは、普通の侍女のそれではなかった。
まるで、すでにロウの女であることが当たり前のような、馴染んだ距離感のように感じたのだ。
「呆れたやつだな、ロウ……。さっきといい、いまといい、女については容赦なく裸のまま連れ帰り、自分だけ身体を隠すのか?」
口を挟んだのはイザベラだ。
謁見用の椅子に座って苦笑している。
「そういう性分なので……。これも調教ですね……。姫様のそのうち覚悟してください。大丈夫、仲間内のときだけの座興ですよ」
ロウが悪びれる様子もなく笑う。
「な、なにを言っておる」
しかし、イザベラは真っ赤になった。明らかに動揺している“女”の表情だった。
また、ユニクの緊縛姿以上にクアッタを驚かせたのは、ユニクの変化だった。
顔立ちも、肌の艶も、目の光も、さっきよりずっと整って見える。
同じユニクなのに違う──。
どちらかというと、ユニクは平凡といっていい顔立ちだった。しかし、目の前のユニクは、同じユニクなのに、目鼻立ちが整い、肌も髪もきれいで、十人いたら十人とも、美人だと断言するであろう外観になっている。
クアッタは呆然となってしまった。
一方で、ユニクの変化に最初に反応したのはスクルズだった。
筆頭巫女の瞳がユニクの下腹部に吸い寄せられ、息を飲む気配が伝わってきた。
「これは……刺青……なにかの術がこもってますね……。ロウ殿、これはいったい……?」
声は必死に抑えているようだったが、昂奮の色が隠しきれなかった。
「よくわかったな。俺の術がこもっている。まあ、いわゆる、淫紋だ」
ロウが声をあげて笑った。
「淫紋ですか──。ロウ様のですか。まあ、なんてことですか──。どうして、彼女に? まあ、どうしてですの?」
スクルズがトリアたちに縄を解いてもらっているユニクの股間にさらに顔を近づける。
「あ、あの、スクルズ様、ちょっと……」
さすがに、同性とはいえ、自分の剥き出しの股間を凝視されて、ユニクが羞恥にたじろいでいる。
イザベラが呆れたように肩を落とした。
「スクルズ殿……。……ちょっと落ち着いて」
シャーラも低い声でスクルズにささやくのが聞こえた。
だが、なんとなくだが、クアッタは、もしかしたら、スクルズはあの淫紋とやらを羨ましがっているのではないか──なんとなく、そう思った。
「確かに、筆頭巫女ともあろう者が、そんなに食い入るようにしてやるな。ユニクが可哀想であろう」
イザベラも笑い声をあげている。
だが、スクルズは表情を整えようとしながらも、視線だけはユニクの下腹部から離れなかった。
それはともかく、トリアも、ノルエルも、そしてユニクまでも、ロウと行って戻ってくるたびに驚くほど美しくなったとなれば、その理由がロウにあることは明白だ。
ロウと一緒に行けば変わるのだと、その事実が胸の内に静かに広がっていった。
「次は、わたしが行きますわ」
気づけば、クアッタの手は小さく震えていた。
ロウと一緒に消えて、戻ってくれば、多分、クアッタも美しくなれる。
いや、高望みはしない。
この赤毛がちょっとだけでいいので、真っ赤でなくなり、顔に残っているそばかすが薄くなるだけでもいい。
考えていたのは、それしかなかった。
三姉妹のうち、自分だけが赤毛。姉と妹は綺麗なブロンドなのに、クアッタだけは燃えるような赤色──。おまけにそばかすまであって、鏡を見るたびにため息が落ちる。
それでも姉も妹も可愛いとは言ってくれるけど、本当はずっと憧れていた。
赤毛でも、そばかすでもない、まるで絵本のお姫様のような姿に──。
そしていま、ユニクの変貌を見た瞬間、胸の奥で小さな熱が破裂したのだ。
「んっ? ああ、次の立候補は君か? ええっと、クアッタだね?」
ロウがクアッタの横に名前でも浮かんでいるかのような視線とともに名前を呼んで、クアッタを手招きした。
もう止められなかった。
胸が熱く、頬が燃えるほど赤くなっていた。
クアッタは、まだ残っている部屋のどよめきを塗って、小走りにロウのもとに向かう。
ロウの前に立つと、すぐにクアッタは口を開いた。
「だって、トリアもノルエルも、それにユニクまでも、とても綺麗になって戻ってきましたので、わたしも、その……はい、ほんの少しでいいので綺麗になりたいと思いまして、ああ、でも綺麗になるだけじゃなくて、その、ロウ様と行くというのも気になりますし、いえ、気になるどころか、どうしても行きたくなってしまって、その……はい、わたし、決めましたの。よろしくお願いいたします」
背後の侍女たちから、溜息やくすりとした笑い声が聞こえた。
また、やってしまったことにクアッタは気がつく。
クアッタはお喋りだ。でも、宮廷に入る前に、それは行儀に反することだと、躾係の女官に徹底的に指導は受けていた。それで普段は気をつけているのだが、気を抜くといまのように、思ったことを全部口にしてしまうのだ。
視線の方向にいるシャーラはこめかみを押さえ。イザベラは肩を震わせて笑いをこらえていた。
「わかったと思うが、クアッタは、ちょっとばかりお喋りだ。まあ、心根はいい者から、よろしく頼む」
イザベラが言った。
「ちょっとばかりね」
ロウがゆっくりと歩み寄り、クアッタを見つめた。
「クアッタ。君も俺に抱かれる覚悟ができたんだな?」
その問いに、クアッタの背筋はぴんと伸びた。
「はい、ロウ様。わたし、あなた様に抱かれますわ」
そうだった。
一緒に行くというのは、ロウにクアッタを犯してもらうということなのだ。
忘れていたわけではないが、あまりにもユニクの変化が衝撃的だったので、つい頭から外に出てしまっていた。
もちろん、受け入れるつもりだ。
このまま王宮でイザベラの侍女として仕事をするには、それが必要だと言われたし、なによりも、あの容姿の秘密のことがある。
それでも、喉が震えていた。
のに、声だけはまっすぐだった。
胸の奥に張りつめた期待が、呼吸のたびにきらりと震えた。
ロウが歩み寄り、クアッタを見下ろすように立った。そのまま、ためらいのない動作で腕を伸ばし、彼女の頬に手を添えた。
「クアッタ。いいか」
「は、はい……わたし、準備はできております……」
言い終わる前に、唇が塞がれた。
柔らかく触れただけのはずなのに、すぐに深く沈み込まれ、
温かい舌が口内へ押し入ってくる。
ぬらりとした湿りが舌に触れた瞬間、クアッタの腰が揺れた。
舌先をくすぐられ、口内をゆっくりかき混ぜられる。
そのたびに甘い痺れが喉の奥まで落ちていき、生まれて初めての感覚に頭が熱くなる。
「……っ、ん……」
唾液を受け止めきれず、喉へ落ちるたびに身体が小刻みに震えた。腰が浮きそうになり、息さえ整わない。
唇が離れたとき、クアッタは胸を押さえて震えていた。
「こ、これで……さっきユニクが腰が抜けたようになりましたのね。わたし、ようやく納得できましたわ。だって、あの子、最初に戻ってきたとき、ふらふらで立ててませんでしたもの。キスというのは、こんなにも、こんなにもすごいものだったのですね。わたし、少しも知りませんでしたわ。だって、女官詰所でお茶をしていたときに、下級女官のモンゴメリー様は『男の人との口づけなんて、息が重たいし、気味のいいものじゃない』と断言してましたのよ。でも、全然そんなことありませんでしたわ……。むしろ、ちょっと……、いえ、かなりくらっとしてしまって、わたし、倒れてしまうかと思いました」
「クアッタ、いい加減にしなさい──」
シャーラがぴしゃりと怒鳴った。
ロウについては苦笑し、肩をすくめた。
「まあ……申し訳ありませんわ──。ロウ様がわたしにキスをしてくれましたのに、わたし、たくさん喋ってしまって……。でも、ええ、わたし、少しお喋りです。姉にも妹にも言われますのよ。話が長いって。でも、ほんとうに感激したときって、言葉が溢れて止まりませんの」
「うん。君は確かに、とってもお喋りだね、クアッタ」
ロウは軽く笑ってクアッタをもう一度抱き寄せた。胸に触れたその腕は強すぎず、穏やかで、ただ受け止めるように温かかった。
そして──その瞬間だった。
謁見の間が音もなく消えてしまった。
床も壁も天井も、侍女たちの声も、イザベラの姿も、すべてが一瞬でほどけるように消滅した。
目を開いているのに、まばたきしたのかどうかわからないほど突然だった。
「まあ、どういうことですの? いまなにがあって、どうして、こんな風になってしまったのでしょう。まったく、わたしはわけがわかりませんわ」
クアッタは声をあげた。
気づけば、クアッタはロウの腕の中で、不思議で白い世界に立っていた。
白い世界の静けさが、胸の鼓動をはっきりと響かせる。
クアッタはロウの胸に抱かれたまま、緊張と昂ぶりが入り混じった息を小さくこぼした。
ロウの指が、侍女服の肩紐に触れた。
「少し力を抜け、クアッタ……」
「ぬ、抜けと言われましても……わたし、とても緊張しておりますの……。服を脱ぐのですね……。わたし、自分でも脱げますわ。あっ、でも、お任せした方がよろしいのでしょうか……。わたし、王宮の浴場で経験の多い下級女官が話しているのを聞いていたことがあったこと思い出しました。男の方は女の服を脱がすのが愉しい方もおられるのでしょう。ロウ様もそうですか?」
「うん、まあ……、そのときによるかな……」
ロウが答える頃には、侍女服の上衣は肩から滑り落ちていた。
その瞬間、ロウの指が肩口をやわらかく撫でた。
「あんっ、あっ」
決して強くない、触れたのか触れていないのか曖昧なほどの軽い愛撫だ。
それなのに、背中に細い熱がすっと走って、自分の口から突然に声が出てしまった。
クアッタはびっくりしてしまった。
「はぁ……肩を撫でられるのがこんなに気持ちがいいなんて……わたし、知りませんでしたわ……。すみません、また喋りすぎておりますわね。ですが、本当に気持ちがよくて……」
「快感があれば、それでいい……」
胸元の布が外されて、肌が露わになった。今度は、ロウの指が乳房の下側をゆっくりとなぞった。
その軌道は滑らかで、熱を帯び、肌の奥にじんわり沁みていく。
「ん……そこ……へ、変な感じですの……。くすぐったいのに、もっと触れて欲しくなるなんて……こんな感覚、初めてですわ……」
ロウの指がまだ残っていた布の胸当ての外側を円を描くように撫でる。
直接、乳房には触れてない。
でも、触れないその距離の愛撫が、逆に胸の内側へ熱を落としていく。
「そんなに震えるか?」
ロウがくすくすと笑った。
手が侍女服のスカートの腰に触れている。すると、すとんとスカートが足首まで落ちてしまった。
「あ、あの……立ったまま脱ぐなんて……こんなこと、本当にいたしますの……?」
「普通のことだな」
「そ、そうなのですね。なにしろ、わたし、経験だけはなくて……ああ、でも服を脱がされるというのは、思ったよりも恥ずかしいものですね。わたし、これを愉しいと思う男の方のお気持ちもちょっとわかる気もします。だって、わたし、愉しいと思っているかもしれませんもの」
言葉が止まらない。
ロウの指が腰へ降り、ゆっくりとくびれを撫でる。
軽く押されるだけなのに、脚の内側まで熱が落ちていった。
「腰を触られるのも……こんなに……ああ、恥ずかしいですわ……。わたし、こんなに敏感だったなんて……知りませんでした……。でも、もしかしたら、わたし、おしっこを漏らしたのでしょうか。なんだか、お股が濡れてきたみたいな……」
「君は素直だな……。それと、多分、それはおしっこじゃないぞ」
「そうですか……。そうですよね、わたしもおしっこじゃないとは思ってます。だって、全然違うのですもの。それに、わたしは素直ですか? 恥ずかしくて顔は熱いですけれど……でも、ロウ様に触れられていると、どうしても全部言ってしまいたくなりますの……」
喋っているあいだに、胸を押さえている布を脱がされて、最後の下着に指が触れた。
さすがに、クアッタは羞恥に息を飲んだ。
しかも、いまだにまだ立って抱き合ったままだ。
こういうことは、寝台に横になってするものじゃないだろうか。
このなにもない白い空間には、大きな寝台だけがあったが、それはクアッタとロウのすぐ横にある。
下着がおろされて足首から抜かれる。
そして、ロウの指が下腹部をそっとなぞった。
「ふわっ、ああ……わたし、また変な声を出してしまって……」
クアッタは慌てて口を閉じた。
ロウのなぞり方はあまりにも優しく、だが刃のように鋭く、足の付け根がひくりと反応した。
「声を我慢する必要はないぞ。そういうものだ」
ロウが愛撫を続ける。
乳首の先から下腹部の膨らみ、そして脇腹へ──ロウの指が滑るように動いた。
ロウの手が肌の上を滑るたびに、大きな快感の波がクアッタを襲い、クアッタは動揺した。
「そ、そうなのですか……。んん……そこ……そんなふうに触れられたら……わたし、声が出てしまいそうですの……。恥ずかしいですけれど……気持ちよくて……」
クアッタは頬を真っ赤にして、はっとしてロウを見上げた。
思い出したことがあったのだ。
「そういえば……下級女官のモンゴメリー様と、城壁詰所のラパージュ様がお話しておりましたの。『男の方は最初に大事なところを舐めると、とても喜ぶ』って……。ですから、わたし……初めてですけれど、ちゃんと覚えておりますの。うまくできるかわかりませんけれど……舐めたほうがよろしいのでしょうか?」
クアッタが一気に喋り終わると、白い世界に本の束の間、静かな間が落ちた。
ロウは目を細めて、困ったように、しかし、心底愉快そうに微笑んでいる。
「クアッタ。君は本当に……いい加減にしないか。こんなに賑やかなセックスは初めてだ」
「まあ……すみませんわ……。でも、わたし、とても嬉しくて……。多分、昂奮しているのだと思います……。ああ、また喋ってしまいましたわ……」
ロウは肩をすくめて笑い、クアッタを静かに抱き寄せた。
その腕は暖かく、強すぎず、ただ受け止めるように包んでいた。
「ちょうどいい。そのよく動く舌に、特別な術をかけてあげよう。動くたびに、股間が震えるようにね」
すると、ロウが悪戯っぽく笑い、次の瞬間には、舌が温かいもので包まれた気がした。
「な、なんですの、いまの……ひゃん」
クアッタは膝をがくんと落としてしまった。
喋ろうとして、舌が少し動いただけで、股間へ鋭く甘い震えが走った。
「唾液だけでも、俺の淫魔術を刻むには十分なんだ。それを使って、クアッタの舌に加わる刺激が増幅されて、クリトリスに流れるようにした。喋るたびに、股間が疼くぞ」
ロウが笑う。
その意味はよくわからない。
でも、舌が口の中で動いて、歯の裏や上顎に触るだけで、刺激が股間に発生することは確かだ。
「ロ、ロウ様……そんなこと……はんっ、こ、これは……」
喋ろうとすると股間へ強い刺激が走る。信じられない。
だが、現実だ。舌が少しでも動くだけで、クリトリスに刺激が響き、腰がひくりと震えてしまう。
喉の奥で声が詰まり、息が洩れ、脚から力が抜けていく。
ロウがクアッタの背を支えながら、そっと寝台へ導いた。
白い世界にぽつんと置かれた大きな寝台は、そこにあがっただけで身体の熱が際立つ。
寝台に跪いた格好になると、ロウはすぐにクアッタの両手を背中に回させて、両手首に革枷の手錠を嵌めてしまった。
「クアッタ。口を開けろ」
ロウが取り出したのは、金属の輪だった。
上下に小さな留め具があり、噛めばそのまま開いた形で金属の環で固定され、開口具全体を顔の後ろで固定する造りだ。
クアッタは膝をつき、震える唇をわずかに開いた。
ロウの指が顎を押し上げ、輪が静かに差し込まれる。かちりと留め具が顔の後ろで噛み合う。
「あ……ああっ……」
輪の縁が唇の裏側に触れ、自然と大きく開いたまま閉じられなくなった。
すぐに涎が開口具の部分から垂れ始める。
「これでいい……。言っておくが、これはお喋りの罰じゃないぞ。よく動く、クアッタの舌へのご褒美だ」
ロウが満足げに言い、開口具の輪っかに指を入れて、クアッタの舌の上を軽く撫でた。
瞬間、股間の奥が鋭く痙攣した。
「あ、あぁ……っ、あぁあ……っ」
声にならない悲鳴が喉から漏れる。
舌が歯の裏に触れただけで股間が脈打つ。どろりと唾液が口から垂れ流れて、さすがに羞恥が襲う。
「舌を出してみろ」
ロウが口から指を抜きながら言った。
言われるままに舌を伸ばす。
すると、開口具についている金属で舌の付け根を固定される。舌が逃げられないように、小さな金具が付け根を押さえ込まれたのだ。
口を閉じられないだけでなく、大きく舌を突き出した恥ずかしさと無防備さが際立つ状態になった。
ロウの指がその舌の先に触れた。
「あっ……あぁ……っ、あお……っ」
軽く。
やさしく。
触れたかどうかも曖昧なほどの力で──。その全部の刺激が股間に貫く。
クアッタは跪いたまま、身体をもぎ取られるような震えに呑まれていった。
「あえ……っ、あっ……」
股間へ甘い震えが次々に走る。
腰が跳ね、寝台がわずかに軋んだ。
ロウの指が舌の上をなぞリ続ける。
強く──弱く──強く──。
そのたびに快楽が下腹部へ広がり、膣奥が脈動した。
性感が昂ぶっていく。びくびくと腰が揺れ、自然に身体が左右に揺れる。
「あ、あぁあ……、あぁあっ──」
涎が溢れて顎を伝い、胸へ流れる。
舌を動かせば、股間が弾け、擦られて衝撃が貫く。
逃げられない。止められない。
そして──。
舌の先を指で繰り返し弾かれた瞬間──身体が弓のように反り返った。
「……あ、あぁあぁあっ……」
白い世界が揺れ、視界が淡く滲む。
甘い絶頂の波が一気に押し寄せ、呼吸さえ奪われる。
達したのだ。
舌に触れられただけなのに、全身に快感が溢れ、股間がひくひくと震え続けた。
クアッタはその波に呑まれ、寝台に跪き後手に拘束されたまま、声も思考もただ甘い震えに飲みこまれていった。
クアッタの絶頂がひとしきり落ち着いたころには、脚は小刻みに震え、膝は完全に力を失っていた。
舌は開口具に固定されたまま、熱と涎に濡れて震えている。
だが、ロウは一歩も動かなかった。むしろ、その目の奥が静かに、残酷なほどに愉悦で光った。
「まだだ。クアッタは、こんなもんで終わらないだろう?」
「あ……あぁ……っ、あぉ……」
舌が勝手に震える。
震えただけで股間がはじけ、また痙攣が落ちる。
それなのに──。
「次はこれだ」
ロウの指先がふっと離れたかと思うと、白い空間の揺らぎから細い筆が生まれた。
先は獣毛で柔らかく、しかし恐ろしく繊細な触覚が伝わってくる。
「筆は、指より容赦がない。覚悟しろ」
そう言って、ロウはその筆をクアッタの舌の上へ、そっと落とした。
「あっ……ああ……っ、あええ……っ」
筆先が舌の中央をすべった瞬間、クアッタの腰が跳ね上がった。
細い毛の一本一本が舌の繊維を逆立てるようにこすり、その刺激がそのまま股間へと増幅される。
逃げられない。
よだれが溢れて顎を伝い、胸を濡らす。
筆先がゆっくりと──。
舌の端から端へ、なぞるように動く。
「あぁあ……っ、や……っ、あああ……っ」
クアッタは両手を背中側で拘束されているせいで、身体を抱きしめることも隠すこともできない。
寝台の上で身をよじるだけ。
筆先が舌の先端をくすぐったとき、股間がぎゅっと収縮し、声にならない悲鳴が漏れた。
ロウは息一つ乱さず、筆を動かし続ける。
情けも、休息も与えない。
それがロウの流儀だと言わんばかりだった。
「ほら、また震えている。いい反応だ」
「あっ……あああ……っ、あ……あぁ……っ」
筆の速度が増す。
舌の裏側まで回される。
そこは敏感なのに、絶対に触れられたくない場所。
なのに──触れられる。
「あ……あぁあっ……あ……」
白い光が弾けるように視界が揺れ、
クアッタは二度目の絶頂に呑まれた。
だが、それで終わりではなかった。
ロウは筆をふっと離し、今度は白い揺らぎから別のものを取り出した。
指に装着する小さな器具──。
震えるように微細な振動を繰り返している。
「指サック型の淫具だ。筆より深く、指より強い」
ロウは開口具の輪に指を差し込み、震える指先をクアッタの舌へ押し当てた。
「あああっ……あお……っ、あぉあ……っ」
舌の上で指サックが激しく振動する。
その震えが舌の根へ走り、喉へ落ち、そして股間へ直撃した。
筆よりも強い。
剣の切っ先のように鋭い震え。
あまりの刺激に、クアッタの背中は反り返り、脚がばたついた。
「泣いても止めないぞ……。クアッタは、ここからが本番だ」
「あ……あああ……っ、あぁっ……や……」
涙がつっと溢れた。
開口具のせいで涙の味も涎の味も混じり、喉に流れ落ちる。
抵抗も許されず、震える舌が勝手に動くたび、また股間へ衝撃が走る。
「あ……あぁぁ……っ、あお……っ、あ……あっ……」
三度目の絶頂──。
膣が勝手に締まり、腰が痙攣し、白い寝台が軋んだ。
それでもロウは手を止めない。
「もう一度いけるだろう?」
「……あ……あぁ……あぁ……」
声が涙で濁り、舌が震えて言葉にもならない。必死で首を横に振る。
だが、舌が震える限り、再び刺激が流れる。顔を動かすだけで、股間に痺れが走るのだ。
逃げようと身体をよじるほど、淫具の振動は舌の付け根に押しつけられ──。
「あ……ああああっ……」
四度目の絶頂が、意識を白く塗りつぶした。
クアッタの目尻には涙がこぼれ続け、
開口具から溢れる涎が胸を濡らし、
脚は震え続けていた。
ロウはようやく指を離し、クアッタの濡れた頬を指で拭った。
「泣くほど感じられるなら十分だ。クアッタは、俺にとって素晴らしい素材だ」
涙のなかで、クアッタの瞳がわずかに揺れた。
「あ……あぁ……」
泣き声とも、甘い返事ともつかない声だった。
舌の根元を固定されたまま、クアッタは膝を震わせていた。
涎が途切れずに垂れ続け、口は金属の輪で大きく開いている。
ロウはその涙混じりの顔を見下ろし、静かに言った。
「クアッタ。ひとつ教えてやろう。普通、外に出ているクリトリスはほんの先端だけだ。隠れている大部分は皮膚の奥に潜んでいて、直接触れられることはない。だから女は、自分のそこがどれほど大きくて、どれほど敏感なのかも知らずに生きる」
クアッタの瞳が震えた。
開口具のせいでうまく声にならず、ただ浅い息だけがもれた。
「ああ……っ、あ……」
「だが、君には特別に体験させてやろう。クリトリスの全体を、内側と外側の両方から同時に愛撫される感覚をね」
次の瞬間──。
クアッタの股間に、表と裏から同時に触れるような感覚が走った。
ロウの手が舌全体に触れて、表と裏の両方の表面に刺激を伝えている。
「あああ……っ、ああ……っ」
腰が跳ね、寝台に手枷が叩きつけられた。
開口具のせいで閉じられない口から、苦しげな吐息が溢れ続ける。
「感じるだろう。これが本来の大きさだ。皮の奥に隠れている部分と、外に出ている部分。両方を同時に撫でられる刺激だ。よく味わえよ」
もう片方の手が股間へ降りてきた。
触れられた瞬間、震えが太腿へ走った。
「あああ……っ、ああ──っ」
震えが太腿の付け根から腰へ伝わり、背中が反った。
全身が弓なりに反り、またひとつ絶頂が走り抜けた。もはや数えることはできなかった。
だが、ロウは軽く笑っただけだ。さらに刺激を少しだけ強めた。
「あああっ、あえええっ、あぁああ──」
クアッタは激しく悶え続ける。
「今度は表側全体……」
「裏側全体」
「そして……同時だ」
終わる気配がなかった。
筆から、指サックへ。刺激は止まらず、むしろ増していく。
激しい刺激が一度に落ちる。
クアッタは舌が震え、股間に鋭い衝撃が落ち、繰り返させられる絶頂に身体を跳ねさせ続けた。
「あ、あああ……っ、ああああ……っ」
声が壊れ、涎が喉を伝ってこぼれ落ちる。
膣奥が痙攣し、絶頂の波が一気に駆け上がる。
「ああ……っ、あああ……っ、あああああ……」
手枷が鳴り、脚が震え、股間の奥がびくびくと脈を打つ。
「いくぞ、クアッタ。全体をまとめて締め上げる」
ロウが指をすぼめて股間にかざした瞬間──。
クリトリス全体が掌で包まれるような圧に呑まれた。
「あああああ……っ」
白い世界が揺れ、視界が淡くかすむ。
膣奥が収縮し、背中が大きく弓なりになり、涙がぽろぽろこぼれる。
そして、舌を少しでも動かすと次の波が落ちる。
ロウの手による刺激が、内部と外部を行き来して、絶頂の余韻を次の絶頂に重ねていく。
「もうひとつだ」
ロウは最後に、表側と裏側の刺激を同じ強さで重ね合わせた。
重なり、絡み、押し合い、ひとつにまとまり──。
「あああああ……っ」
クアッタは声にならない声をあげ、全身を震わせながら大きく反り返った。
涙と涎が頬と胸を濡らし、手枷が小さく鳴った。
白い世界に、深い余韻だけが残った。
ロウは開口具の輪をそっと押し上げ、口内に嵌まっていた部分だけを外に倒した。
金具は首の後ろで外れず、口は開いたままだが、言葉だけはようやく漏らすことができた。
涎が胸を伝い、クアッタの呼吸は震えていた。
「どうする、クアッタ? 犯して終わりにするか。それとも、まだ続けたいか」
低い声が落ちてきた瞬間、胸の奥が震えた。
舌責めの余韻で全身が痺れているのに、ロウの言葉だけがはっきりと聞こえる。
「わ、わたし……もう……いいですわ……。どうか……犯してくださいませ……。終わらせてください……」
涙が零れ、喉が震えた。
喋るたびに舌が動き、股間が微かに疼く。
今の自分にはもう耐えられなかった。
「わかった。じゃあ、望み通りに」
ロウがクアッタの腰を掬い上げ、寝台に押し倒した。
拘束された手枷が背中で鳴り、羞恥と熱の入り混じった声が喉から漏れた。
「十分に濡れているな」
「ひゃああ──」
指が秘部に触れただけで、クアッタの身体は跳ねた。
触っただけなのに、膣がきゅっと締まる。自分でも信じられない反応だった。
「いくぞ」
その言葉の直後、深く貫かれた。
「あっ……ああ……っ」
声がひっくり返り、腰が浮いた。
舌責めで張り詰めていた身体には、挿入の感覚が鋭く突き刺さり、反射的に絶頂が走った。
「ひあああっ」
クアッタは悲鳴のような声とともに、激しい絶頂感に身体を激しく震わせた。
震えは止まらず、呼吸が乱れ、目が潤んだままだ。
ロウは律動を止めず、一定の深さと速度で容赦なく突いてくる。
「あ……あぁ……っ、や……っ」
「よく感じるな。いい身体だ」
ロウの声が重く落ちるたびに胸の奥が反応した。
膣が吸い付くように締まり、全身が熱に溶けそうになる。
「そろそろだ。クアッタ」
耳元でそう告げられると、震えが一気に走った。
胸がぎゅっと締め付けられる。
「はい……ロウ様……」
返事は涙混じりで、震えていて、それでも必死に届かせようとする声だった。
ロウの腰が深く沈む。
「ああ、だめです、ロウ様……だめえ、ああ、ロウ様……もう無理いいい──」
身体が大きく跳ね上がる。
膣の奥に熱が満ち、衝撃が全身に広がり、胸へ届くような甘い痺れが押し寄せる。
ロウの精が股間のなかに注がれたのがはっきりとわかった。
「……あ……あぁ……」
理由はわからない。
だが、その熱が広がれば広がるほど、胸の奥が満たされていく。
不安が消える。
孤独が消える。
熱の中心に優しく縛られるような、初めて味わう安心が降りてくる。
なにが起きたのかは、わからない。
ただ──。
ロウの射精を受けたこの瞬間、自分が決してどこにも行かない場所に沈んだような、甘い幸福だけがあった。
怒張が抜かれる。
ロウはクアッタの髪をひと撫でした。
「よし。これでいい。クアッタは俺のものだ」
その言葉が胸に落ちた瞬間、クアッタは涙をこぼした。
「……はい……ロウ様……。わたし……それで……よろしいですわ……。す、すごく、幸せを感じます……。死ぬかと思いましたが……」
意味はよくわからない。
ただ、その言葉を受け入れたとき、胸の奥に広がった温かい幸福だけは、決して間違いではなかった。
「死ぬかと思ったか? 大袈裟だな……。あ、そうだ。舌は元に戻したぞ。もう大丈夫だ」
ロウが笑った。
「ほ、本当のことですわ。あっ、それと、皆さんのところに戻るのですよね。服を返してくださいませ。拘束も外してくださいね。わたし、恥ずかしすぎますから」
クアッタは、寝台に仰向けに横たわったまま、まだ荒い息を整えながら、それだけは言わなければならないと、懸命に最後の力を振り絞るように舌を動かした。
クアッタ=ゼノン
人間族、女
子爵家 次女
イザベラ付侍女
年齢20歳
ジョブ
侍女〈レベル9→15〉↑
官吏〈レベル20〉↑(新)
生命力:50
経験数:なし→男1
淫乱レベル:B→A↑
快感値:250/250→190/190
能力
説得力↑(新)
状態
一郎の性奴隷↑(新)
淫魔師の恩恵↑(新)