【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】 作:ドン・ドナシアン
「ほう、じゃあ、ダリアがオタビアの分も受けるということだね?」
一郎がそう告げた瞬間、ダリアの全身がひくりと強く震えた。
尻穴に塗った掻痒剤の影響により、痒みで息が荒く乱れ、肩が上下し続けている。
それでも、主を守ろうとする意志だけは折れていない。
「……は、はいっ──。だ、だから……お嬢様には……絶対に……」
絞り出した声は震え切っている。舌の奥で噛み殺すような悲鳴が混じり、涙が顎先からぽたりと落ちた。
一郎はわざと、ダリアの顔の前で小瓶からたっぷりとクリームをすくって指に載せた。
「いいのか? 次は股間に塗るぞ。お尻だけでもそれだけ辛いんだ。敏感な股間になんかに塗ってみろ。それこそ、地獄の苦しみが待っているぞ」
「ひ、ひっ」
調教椅子に拘束されている身体を暴れさせているダリアの顔が引きつる。
「もっとも、まあ、仕方ないよな……。これは……姫様に毒を盛ろうとした罪の罰だしね……。いいか? お前たちは罪のない主人を殺そうとしたんだぞ。わかっているのか?」
「も、もうしわけ……」
その言葉にダリアの顔が苦悶と羞恥で歪むとともに、ぼろぼろと涙を流し始めた。
だが、すぐにかすれた声で叫んだ。
「……で、でも……っ……。お嬢様は……。お嬢様は……悪くありません。罰は……あたしに……。全部……全部……あたしが……」
息も続かず、言葉の途中で背がのけぞる。
一郎の淫魔術の感覚には、女の快感や苦痛が“赤いもや”となって浮かぶ。
いまは掻痒剤が肛門の奥へと染み広がり、その疼きが赤い揺らぎとなって立ちのぼっているのがはっきりとわかった。
そのとき、反対側の調教椅子から悲鳴のような叫び声があがった。
「だ、ダリア──っ。やめて……。そんなこと言わないで……。罰は……罰はわたしが……。わたしが受けます……」
オタビアも必死で言っているが、彼女自身も拘束され、羞恥と恐怖で震えきっている。
「どっちでもいいぞ。次はこの小瓶の残り全部を塗る。オタビアなのか、ダリアなのか、よく話し合って決めろ」
一郎は意地悪く言い、次いで、横に小さな台を出現させると、小瓶をそこに置く。
開脚して脚をあげさせられているオタビアの膝から内腿にかけて手のひらを滑らせた。
「あふうっ……ああ……」
オタビアが高い悲鳴をあげる。
さっき絶頂したばかりの身体は、ただでさえ敏感だ。さらに、「先天性全身性感帯」という感じやすい身体をしているオタビアは、たったこれだけの刺激で、のたうつほどの反応を示す。
いまも、わずかに触れただけでも、膝裏へ走る快楽が腰へ、そして局部へ波のように繋がっていくのだろう。
絶頂寸前の兆候かのように、オタビアの身体が拘束されている革ベルトを引き千切らんばかりに跳ねあがる。
「お嬢様、あ、あたしは大丈夫です──」
「だ、だめっ──。本当はわたしの罪なのに……。それなのに、あなただけが苦しむなんて……。わたしが……わたしが……」
「いいえ、お嬢様だけじゃありません。あ、あたしの罪でもあります。一緒に──。罪は一緒に償いましょう──。で、でも、これはお嬢様には無理です──。ロウ様、どうか、あたしに──」
ダリアが絶叫した。
一郎は、静かに息を吐いた。
「そんなに庇い合うほど仲がいいんだな。──でも、罪は消えないし、罰も消えないぞ」
一郎は、再びクリームが載っていない側の指先を下腹の柔らかな線へ沿わせる。
「あひいいいっ」
オタビアの腹筋がきゅっと収縮し乳房が震え、鎖骨のあたりまで薄紅に染まっていく。
股間の付け根では真っ赤になっている襞が開き、蜜が垂れ流れた。
その隣で、ダリアの痒みは限界に近づいたようだ。
ダリアの悲鳴がまたもや轟く。
「かゆ……っ……かゆい……っ……やだ……ああ……っ……あひい……っ……ああああっ」
必死に首だけを左右に振り続け、歯をかちかちと鳴らし、全身は汗で濡れて光っている。
一郎は身体をオタビアからダリアに向け直し、彼女の脚のつけ根へ手を伸ばして、薄い恥毛の残るその境目に指を沿わせた。
クリームがたっぷりと載っている側の指だ。
「わかった。……じゃあ、ダリアがオタビアの分も受けろ、その代わりに徹底的に受けてもらうぞ」
一郎の指がダリアの襞にクリームを塗っていく。
ダリアは甲高い悲鳴をあげて、顔を左右に振る。
「……っ……あ──あああっ」
ダリアの悲鳴は泣き声であり、苦悶であり、同時に抑えきれない快感の迸りでもあるだろう。
一郎はそのまま、肉襞の合わせ目をそっと開かせ、内部へ薬剤をゆっくりと塗り広げていく。
「ああ……いや……こわい……っ……いやあ……」
くちくち、と粘度の高い音が小さく響いた。
赤いもやが爆ぜるように濃くなり、ダリアの身体がびくびくと跳ねる。
「イザベラ姫様はもっと怖かったと思うぞ。二度も毒をもられたんだからな。信頼しているはずの侍女に」
「ひああああっ──っ……。ご、ごめんなさい。や……やめ……やめて……っ……。かゆ……っ……かゆいのに……そんな……っ……」
「罰とはそういうものだろう、ダリア? 苦しくなければ罰じゃないだろう。ほら、クリトリスにも塗ってやろう」
一郎は、淡々とした声で言い、皮をめくりながら、指に足したクリームを陰核やその周りに塗っていく。
もちろん、皮の内側にもだ。
「ああああっ、あひいっ」
ダリアがびんと身体を硬直させて、獣のような呻き声をあげた。
一郎はダリアの股間から指を離した。
指はダリアから真っ赤な襞から漏れ出る蜜でたっぷりと濡れていた。
そして、大量の掻痒剤を塗り込められたダリアの薄紅の襞はさらに蜜を出しながら収縮を繰り返す。
ダリアの苦悶と悶えは、すさまじいばかりだ。
「ああ、わたしのせいなんです。わたしがお父様に逆らえなくて。お姉さまが殺されると言われて──。ダリアはわたしに従っただけなんです──。もうダリアを苦しめないで」
オタビアが叫んだ。
「ほう、なるほど。じゃあ、オタビアのせいだということだな」
両脚を開脚させられているオタビアの股間に、指をゆっくりと近づけた。
「ひいっ」
オタビアが顔に恐怖の色を浮かべる。
「だったら、やっぱり、オタビアにも罰を与えないとならないな」
「あああっ……ああっ──」
一郎は指先で軽くクリトリスの皮を剥き、陰核に掻痒剤をそっと塗り広げていく。
その瞬間だった──。
「いいいっ、いああっ、だめええっ」
オタビアの身体が大きく弾けるように跳ね上がり、革の拘束具がきしんだ。
あっという間に、女の極みに昇りつめてしまった。
「ほう、やっぱり敏感だな」
一郎は構わずに掻痒剤を陰核に塗り拡げていく。
快感の場所と深みの証である、一郎にしか見えない“赤いもや”がさらに局部で色の濃さが拡大する。
「あ……ああ……っ……」
オタビアが拘束されている背中を限界まで仰け反らせた。
赤いもやも形を変え、陰核から奥へ染みていき、細かく震えるような赤い揺らぎとなって股間のあたりにまとわりつく。
それが一気に全身に広がった。
「あああっ、いやああ──」
指を離すときには、オタビアは二度目の絶頂をして果てた。
最初の愛撫のときと加えれば、短い時間に立て続けの三度の絶頂だ。
オタビアの身体ががくりと脱力する。
すると、いきなりオタビアの股間から放尿が始まった。
「ああ。いやあっ」
オタビアが泣き始める。
「ああ、お嬢様──」
向かい側のダリアが悲痛な声をあげた。
しばらくのあいだ、放尿は続きやっとそれがとまる。
オタビアはあまりの羞恥のためか、ぶるぶると身体を震わせている。
「そ、そんな……。罰は、お嬢様ではなく、あたしにって……」
ダリアの叫びが聞こえた。
一郎はゆっくりとダリアの方へ視線を向ける。
痒みに苛まれて苦悶の表情を浮かべているダリアだが、一郎に抗議するように睨んでいた。
「許すわけがないだろう。お前たちが庇い合ったところで、罪が消えるわけではないぞ」
「ううう……ロウ様……」
ダリアは歯を喰いしばって黙ってしまった。
だが、その身体は脂汗にまみれて激しく悶えている。
「かゆ……っ……かゆいっ……ああっ」
オタビアの苦痛と熱の混ざった呻き声が響く。
こっちも掻痒剤の効果がいよいよ始まったようだ。
一郎は再びオタビアへ目を向けた。
赤いもやが脈打つように揺れている。掻痒剤が深く染み込み、快楽の残滓と痒みが混ざり合っている。
すでに、オタビアは拘束具を引きちぎらんばかりに震えていた。
「おお、お嬢様──し、しっかり……。どうか……っ……あたしが……代わりに……」
それを見たダリアも焦ったように叫ぶ。
「代わりなどない──。ふたりで罰は罰として受けてもらう」
一郎は淡々と告げた。
「ああ、ダリア──気が狂いそう──どうしたら、どうしたらいいの──」
「お嬢様、ど、どうか、頑張って……ああ、かゆいっ、ああ……」
ふたりの呼吸はすでに限界に近く、痒みに耐えられず脚や腰が震え続けていた。拘束具がぎしりぎしりと鳴るたび、脂汗が全身から落ちていく。
「話せ。──まずはオタビアからだ」
オタビアは涙で濡れた頬を震わせ、喉奥で声を詰まらせながら口を開いた。
「……父が……借金を……。あ、ある高位貴族の家人に……」
「どこの家にだ──?」
一郎は怒鳴る。
「ディ、ディセル侯爵家……」
「それで?」
「しょ、証文を……見せられて……。逆らえば……一家で……奴隷に……と……。そうなっていて……」
オタビアの身体がびくびくと跳ね続ける。息が途切れたように喉が震え、肩が波を打つように上下していた。
痒みに耐えようとするが、筋肉が勝手に軋むように動いているのがわかる。
「続けろ……」
「毒は……姉の……ナディアが……持ってきました……。わたしに……渡して……。わたしが……姫様に……毒をもれば、全員が助かると……」
オタビアの声が泣き声に変わり、顎から汗が一滴落ちた。
「泣いても許されないぞ。わきまえろ。ちゃんと最後まで話せ」
一郎は声を張った。
オタビアがもともと従順な性質をしていることは、これまでの応対でよくわかっている。
その気質を、脅迫してきた連中にも利用されたのだろう。
大声に反応したのか、オタビアの身体がびくりと震えた。拘束されたまま慌てるように顔を上げ、必死に口を動かす。
一郎の声に押されるように、オタビアは息を吸い直し、泣き混じりの声で続けた。
「……盛らなければ……一家が……奴隷に……。父も……姉も……わたしも……ダリアも……証文に……名前が……」
その名を呼ばれた瞬間、ダリアが奇声のような声をあげた。
一郎はダリアに顔を向ける。
「そ、そうです──。あたしです、あたし──」
ダリアが必死に叫ぶ。
「なにか言いたいのか、ダリア?」
「あたしの名前も、借金の、担保に……書いて……ありました……。だから……あたしが……動いたんです──、あ、ああ……」
ダリアは必死に首を振っている。痒みのせいか指先までも痙攣している。
「罰は……あたしが……受けるべきで……」
「ちがう……っ……。ダリアのせいじゃ……ない……」
オタビアが苦しげに声を上げた。
「いいえ……違いません……。あたしが……動いたんです……。だから……お嬢様は……庇わなくて……いい……。あたしの……罪だと……言って……」
対照的なふたりの主張がぶつかり合い、息も絶え絶えの声が交錯した。
「それで、どうしようもなくなって、姫様に毒か……。短絡的だな」
一郎は深く息を吐き、呆れを隠さずに言った。
その言葉に、ふたりは同時に泣き声をあげた。
一郎の胸中には、単純な怒りだけではなく、別の思いも浮かんでいた。
追い詰められたとはいえ、ここまでの判断に至った背景は、ふたりだけの罪とは言いがたい。
もし、王女と侍女たちとのあいだに信頼が日頃から十分に築かれていれば、父親に脅され家族全員が借金奴隷になると迫られたとしても、王女に毒を盛るという最終手段には踏み込まなかったはずだ。
イザベラが、侍女たちの心を掴めていなかった。
その弱さが、この結果を呼んだという側面もある。
もっとも、これからは一郎の淫魔術を通じて、侍女たちの意識は否応なく結びついていくはずだ。
「ところで、侍女服にあった毒の小瓶はどうして捨てなかったんだ? いや、あれは意味があったのか?」
事前の情報で、侍女たちの実家にキシダイン派が手を伸ばしている情報は掴んでいたが、今回の実行者がこのふたりであることがわかったのは、フィーイの毒をふたりが服の下に隠していたからだ。
だから、一郎の魔眼でわかったのだ。
しかし、思い出すと、ふたりが所持していた毒は、計ったように同分量ずつ小瓶に入っていた。
余ったものを持っていたにしては、違和感があった。
ふたりの動きが止まった。痒みの震えは続くが、声だけが凍りつく。
最初に口を開いたのはダリアだった。
「……あ、あれは……。もう……成功しても、失敗しても……もう……いっ……一緒に……死ぬつもりで……」
「ダリア……」
オタビアが泣き声で呼びかけた。
「姫様への償いに……。それに、お嬢様を……ひとりで……死なせるわけには……。だから……ふたりで……」
ふたりは慟哭し、声を震わせながら俯いた。
一郎は、ふたりの断片的な告白を頭の中で静かに整理した。
今回の背景には、キシダイン派の中でも特に力を持つディセル侯爵家が関わっている。
事前にマアやミランダから報告を受けていた内容とも重なる。
ディセル侯爵は、オタビアの父に返済不能の借金を負わせ、証文に父母だけでなく、ナディア、オタビア、さらにはダリアの名まで記させたのだ。
金を貸したのは表向きは無関係の商人だが、最終的に証文は侯爵の手に渡ったらしい。
もちろん、カロー子爵が最初から家族を担保にするような証文を書いたわけではない。
ただ、幾人もの手を経て証文が移動するうちに、いつの間にかそう書き換えられていた。
おそらくそれもキシダイン派の工作なのだろう。
最初から侯爵の意図だったにせよ、表向きの筋道を整えるためにこう動いたのだと考える方が自然だ。
そこから先は単純だ。
カロー家に証文を突きつけ、娘にイザベラ毒殺を実行させるか、一家を奴隷に落とすかを迫ったということだ。
そのとき子爵を脅した者は、オタビアが実行してくれれば家族を助け、オタビア自身も安全に逃がすと保証したらしい。
カロー子爵は善人ではあるが、気が弱い。
借金奴隷に落とされれば、家族全員が一夜にして連れ去られる。
娘二人を売られる形で奪われれば、自分ひとりが抵抗しても守りようがない。
毒を盛らせるという最悪の選択肢しか残っていなかったのだろう。
さらに、オタビアの姉の行儀見習いの先が、ディセル侯爵の息のかかった上級貴族家だ。つまりは、その時点で娘を人質にとられている状況だったということだ。
そうして逆らえずに、オタビアを追い詰めてしまったようだ。
もっとも、直接に毒をオタビアに渡し、王女暗殺を強要したのは、キシダイン派の上級貴族家に行儀見習いに行っているオタビアの姉、ナディアである。
とにかく、ここまでの流れはふたりの告白と調査結果がおおむね一致していた。
いずれにしても、実行はオタビア、毒をオタビアに渡したのは姉のナディア。多分、そこからディセル侯爵には繋がらないようになっているに違いない。
ミランダの調査によれば、ナディアがオタビアに毒を渡しにきたときには、見張り役のような人物もいたらしいし、どうしようもなかっただろう。
汚い連中だ──。
しかし、予想外の一点があった。
ふたりが毒を半分残したまま隠し持ち、計画が成功すればその夜に自害するつもりだったと告白したことだ。
侍女服に忍ばせていた小瓶は、逃亡のためではなく、ふたりの最期のためのものだったのだ。
もしシャーラが毒を盛られた直後に侍女たちを呼び集めていなければ、ふたりはすでに命を絶っていたかもしれない。
一郎はその可能性を思うと、胸の奥に冷たいものが沈むのを抑えられなかった。
ふたりの呻きと泣き声が、調教室の白い空間に満ちていた。
痒みに焼かれるたび、オタビアの細い身体は震え、拘束具の革が軋む。涙と汗で濡れた頬には呼吸の乱れが白くかかり、小ぶりな乳房が上下する。
「……わたし……死にます……。それで……ダリアは……許されるはず……です」
オタビアの口から声が漏れた。
ほとんど息の音のような声だったが、一郎には確かに聞こえた。
「お嬢様……そんな……っ……。い……言わないで」
すると、ダリアが全身をよじり、痒みに押し潰されながらオタビアを呼ぶ。
腰が跳ねるたび汗が飛び散り、痒みに耐えきれない身体がさらに震える。
一郎は、ふたりの言葉に息を吐いた。
「死んでたまるか。そんな勝手を俺が許すと思うなよ」
その一言で、ふたりの表情が一瞬固まった。
「……死ぬと言うなら──お前たちの命は俺がもらう。奴隷にする。それで償いは終わりだ。その代わりになんとかしてやる」
借金のことは、マアに金を出せれば終わりだ。文句を言えば、マアを犯しながら「説得」すればいいが、おそらく、マアは悦んで金を出す。
ナディアをはじめとする家族の保護は、ミランダを通じて冒険者を動かす。
これも、金さえ払えば、一流の冒険者を雇える。
その経費もマアに出させよう。
一郎の強い声音に、オタビアの身体がびくりと跳ねた。
視線を向けると、涙に濡れた瞳が一郎を見上げ、怯えと絶望が混じった色を宿した。
汗まみれの顔を小さく横に振る。
「だ……駄目です……っ……。わたしが……死なないと……。失敗したら……ナディア姉様が……殺される……。でも……わたしが死ねば……姫様に毒を盛る手段が……なくなるから……姉様は……助かるはずで……」
その声はひどく細く、危うく震えていた。
身体は痒みに暴れているのに、声だけが静かに死を受け入れていた。
ここまで追い詰められていたとは──。
一郎は奥歯を噛んだ。
マアやミランダの調査で、状況は把握していたつもりだった。
だが、本人の心がどれほど限界に達していたのかまでは読み切れていなかった。
このまま放っておけば、すべてが終わったあとでさえ、罪悪感に押しつぶされて自ら死を選ぶ可能性がある。
その未来が、冷たい線となって脳裏をかすめた。
「ダリアは……やってない……っ……。罰は……全部……わたしが……受けます……。だから……ダリアは……助けて……。わたしは……もう……いいから……」
オタビアは痒みに震えながら、一郎を見上げ、泣き声で絞り出す。
その瞬間、痒みの興奮が一気に頂点へ突き抜けたのか、オタビアの股間が跳ね、息が詰まった。
「あああ、かゆい──殺して──ああ、死にます──あああっ……」
オタビアがいよいよ狂乱し始める。
全身が敏感な分だけ、掻痒剤の影響による痒みも疼きも桁外れなのかもしれない。
「お、お嬢……さま……っ……」
ダリアが泣き叫び、拘束具の中で激しく身体を揺らす。
ふたりとも、心が壊れる寸前だ。
いずれにしても、追い詰められているふたりの心を救うには、外側の脅威──ディセル侯爵の脅迫──だけではなく、ふたりの心の傷そのものをねじ伏せる必要があるだろう。
強制的にだ──。
一郎には、それができる。
淫魔術──。
女の心の奥深くに触れ、恐怖も罪悪感も縛り付けている鎖を外し、代わりに絶対の依存と安堵を刻み込めばいい。
それだけだ。
これを施せば、オタビアはもう死を選ばない……。いや、選べなくなる。
その領域まで一郎の支配が届くはずだ。
一郎は椅子から腰をあげると、オタビアの前に立つ。
そして、彼女を真正面から見つめた。
ふたりの苦悶は、もう限界を超え始めていた。
オタビアは痒みに焼かれながら、涙に濡れた顔で必死にダリアの名ばかりを呼んでいた。
ダリアも拘束具の中で痙攣し、股間と肛門の掻痒剤が暴れ続けるたびに腰を突き上げ、叫び声をあげている。
互いを思い合う気持ち──。
その一点だけが、このふたりの心を強く結びつけているのかもしれない。
ならば利用できるだろう。
「苦しんでいるダリアが見えるか、オタビア?」
一郎は声を低く落とし、彼女の顔のそばへ指を近づけた。
オタビアは泣き腫れた目でダリアを見つめ、喉の奥で途切れた声を漏らす。
「……見えます……。ダリア……ダリアが……」
「助けたければ、なんでもするか?」
その一言で、オタビアの全身が強く震えた。
「し……します……。なんでも……します……。だ、だから……ダリアを……助けて……。ダリアは……悪くないんです……。わたしたちの……せいで」
「お嬢様……っ。そんなこと……っ」
背後から、ダリアの悲痛な叫びが響いた。
一郎はその声を無視した。
「ならば、俺を受け入れろ、オタビア」
オタビアはびくりと跳ねた。
痒みに震えていた腰が止まり、まるで別の雷に打たれたように小刻みに震え出す。
「俺に犯して欲しいと頼め」
「……っ……あ……いや……っ……わたし……」
恐怖と羞恥が混じり、オタビアの小さな顎が震えた。
「お嬢様はだめです……。無理です──」
ダリアの悲鳴が重なる。
「救えるのはお前だけだぞ、オタビア。お前がどうにかしてやらなければ、ダリアはそのまま地獄だ。お前が俺を受け入れれば、ダリアを助けてやる」
わざと淡々と脅しつける。
「ひ、ひいっ」
オタビアの顔が恐怖で染まり、歯がかちかちと鳴る。
余程に男が怖いのだろう。
「その身体で男に抱かれるのが怖いか? ……それでダリアがどうなってもいいと?」
一郎は冷然と追い詰めるように言葉を重ねた。
オタビアの目が大きく見開かれた。
痒みで暴れていた身体が一瞬止まり、恐怖と決意が入り混じった色が宿る。
「……先天性全身性感帯。──そう言われたことがあるのか?」
一郎は訊ねた。
オタビアの眼が大きく開く。
やはり、知っていたのだとわかった。
まあ、自分の身体のことだしな……。
「ど……どうして……それを……」
「だから、男が怖いから助けないのか? 自分の痛みだけを理由にするのか」
「……っ……ち、ちが……」
オタビアの顔から血の気が引き、震えた唇がかすかに動いた。
「じゃあ、お前ができることを言え……」
「……わたしを……犯して……ください……」
「声が小さい。俺の性奴隷になると、はっきり言え──」
オタビアは涙に濡れた目を伏せ、小さな身体を震わせながら言葉を紡いだ。
「……なります……。あなたの……性奴隷に……。ですから……ダリアだけは……助けて……。ダリアは……巻き込まれただけ……なんです」
悲痛な意思が込められた言葉だった。
「お嬢様……っ……。あたしは大丈夫です……。どうか……っ……」
背後からダリアの叫びが響いたが、一郎はオタビアから視線を外さなかった。
「選んだな……」
一郎はオタビアの拘束具を解かぬまま、身体を前へ寄せた。
ガウンの左右を開いて、怒張を出すと、一気にオタビアの股間に男根を突きたてた。
「ああうううっ、あああっ」
オタビアの全身が跳ね上がり、喉から押し殺した悲鳴が漏れた。
白い空間の力と淫魔術を使って、破瓜の痛みは消滅させている。
だから、あるのは快感だけだ。
痒みと苦悶、快楽と恐怖が、一度にオタビアの身体の奥で爆ぜたようだった。
「ひっ……あっ……あああ……」
子宮に男根の先が届いたときには、オタビアは身体を弓なりにして絶頂をしていた。
泡のような唾液が口端からこぼれ、呼吸が追いつかず、腰が勝手に跳ねる。
他人に触れられた刺激すべてが増幅された性的快感として押し寄せる体質──先天性全身性感帯が極限まで暴れていた。
構わずに一郎は律動を続ける。
「ああっ、いいいい……」
オタビアは短い時間に続けざまに、さらに二度絶頂する。
さらに、三度目の絶頂の兆しを示したとき、一郎は律動する怒張を深く押し抉って、オタビアの股間に精を放った。
「あ、ああっ、ロウさま──ダリア──」
オタビアが絶叫して果てた。
弛緩したオタビアの身体を支えるが、その身体が一気に脱力していく。
ついに、意識を保つことができなくなったみたいだ。
すると、一郎を貫かせたまま、じょろじょろと、またもや放尿を始めた。
当然に一郎の下半身はオタビアのおしっこまみれになっていく。
一郎は苦笑しながら、耳元に口を寄せた。
「……いまは眠れ。眼が覚めれば、心が楽になっている……。痒みもね。安心しろ。そして、俺たちを頼れ……」
オタビアの瞼がふるふると震え、そのまま意識が完全に落ちる。
白い小さな息だけが、静かにこぼれ続けた。
オタビア=カロー
人間族、女
子爵家 次女
イザベラ付侍女
年齢19歳
ジョブ
侍女(レベル4→10)↑
官吏(レベル20)↑(新)
生命力:50
魔道力:20
経験数:なし→男1
淫乱レベル:SS
快感値:80/80
能力
記憶力↑(新)
状態
先天性全身性感帯
一郎の性奴隷↑(新)
淫魔師の恩恵↑(新)