【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】 作:ドン・ドナシアン
ミレイユの身体が、突然がくがくと震えだした。
「ん……っ、んんん……っ」
涙と脂汗で濡れた頬が、びくびくと引きつる。
次いで、開脚させられた膝立ちの下半身がぐっと力を失い、腰が落ちかけた。
さらに、棒で開脚に固定されているミレイユの股間から下着越しに激しい水流が迸りだした。
白い布越しに広がっていた染みは、一気に濃さを増していく。
太腿を伝い落ちる音とともに、床石に新しい色がひろがった。
「きゃあ」
「わっ」
「ひゃっ」
さすがに九人の侍女たちは一斉にくすぐりを中断して、ミレイユから数歩離れる。
一方で、ミレイユの失禁はしばらく終わることがないかのように激しく続いた。
やがて、少しずつ勢いを失い、迸りは太腿にまとわりつくような細い流れへと変わっていく。
その細流が下着を重く濡らし、布の縁からぽたぽたと滴を落とすばかりの状態になって、ようやく止まった。
ミレイユは完全に身体を弛緩させ、両腕を拘束されている王女用の椅子に身体を預けるかたちになる。
「ふうん……」
一郎は侍女たちの輪の後ろから、その様子を見守っている。
おそらく、ほかの者は失禁のことしか気がついてないと思うが、実はミレイユは失禁だけではない。
ずっと魔眼で見守っていた一郎は、数値の落ち方と、身体の震え方から、くすぐりと屈辱の重ね掛けで、ミレイユが絶頂にも達してしまったことがわかっていた。
ミレイユ(=ヴァレリア)
…………
快感値:0~3/100↑(絶頂後の回復状態)
「あの……ミレイユ様……」
「え、えっ……」
「ミレイユ様……」
侍女たちの幾人かが唖然とした声をあげたあと、しんとなる。
ミレイユがなおも膝立ちの姿勢のまま、肩を震わせて、泣きじゃくりだしたのだ。
猿轡越しに、押し殺した声が静寂を割って漏れ続ける。
「ん……っ、ん、んん……」
それは悲鳴ではなく、しゃくり上げるような泣き声だった。
全身から力が抜け、泣き崩れたいのに、拘束された姿勢がそれを許さない。
「ロウ様……」
トリアが困惑したように一郎を振り返る。
ノルエルも握った手を胸もとまで引き寄せていた。
ほかの者も当惑して、一郎の指示を待っている気配だ。
「あのう……ミレイユ様が……泣いちゃいましたけど……」
トリアが一郎に顔をむけた。
一郎は苦笑した。
たしかに、ミレイユは見ただけでは、泣きじゃくっているようにしか見えないだろう。
だが、実際には、失禁と絶頂の衝撃で感情が破けてしまっただけだ。
「……問題ない。ただ、恍惚の中にいるだけだ」
一郎は侍女たちを割って入り、ミレイユの横に立った。亜空間から裁ちばさみを取り出し、暴れた拍子に胸からずり落ちて腹部まで移動していた胸あてを、ひと息に切り落とす。
続けて、失禁で重く濡れた小さな下着にも刃を入れた。 ミレイユはまったく抵抗しなかった。
頬を伝う涙は止まらない。
しかし、瞳の奥の焦点は、どこか遠くをさまよっていた。
また、下着を外した股間は、真っ赤に熟れ、粘性の糸が股間から糸を引くほどに愛液で濡れていた。
「まあ……」
小さな声を出したのは、たまたま背後側にいたデセルだ。
しかし、彼女らしく、それ以上の余計なことも口にせず、表情も変化させなかった。
やがて、ミレイユの泣き声が、少しずつ小さくなってきた。
嗚咽が途切れ、呼吸だけが荒く残った。
猿轡の上からでもわかるほど、ミレイユの息は荒い。
紅潮した頬に、まつ毛に、透明な滴がいくつもぶら下がっている。
一郎がミレイユの顔の横側に立った瞬間、その瞳がゆっくりとこちらへ向いた。
「ん……」
涙の膜を通して、一郎の輪郭だけを必死に追っている。
怯えも、羞恥も、屈辱も混ざっているはずなのに、その奥底に、かすかな憧憬の光が見えた。
……これは真性だな。
痛めつけられ、辱められ、縛られることでしか出てこない色……。
冒険者嫌いだの、過去の傷だの、そういう理屈のさらに根底にある、深淵の性質そのもの──。
被虐体質だ──。
「ミレイユ」
猿轡の結び目に指を掛け、ゆっくりと外してやる。
布が外れた瞬間、口の端から溜まった涎が糸を引いてこぼれ落ちた。
「くはっ……はあっ……はっ……」
解き放たれた唇から、荒い息がこぼれる。
喉の奥がひくひく震え、息を整える余裕もない。
「ミレイユ。観念するか? それとも、まだ続けるか?」
一郎が意地悪く問いかけ、側のクアッタから刷毛を取りあげると、身体の下に潜らせて、すっすっと乳首を掃いてやる。
「ひああっ、ひいっ」
哀れなほどに怯えた顔をして、ミレイユは懸命に筆を避けようと暴れた。
ミレイユの睫毛が震えた。
言葉を探す余裕はないようで、それでもどうにか首を縦に揺らす。
「もう抵抗しないな?」
一郎は刷毛を引く。
「……は……い……ロ……ウ……さま……」
掠れた声……。
名を呼ぶ音だけが、やけに澄んで聞こえた。
一郎はミレイユの顎をそっと指先で持ち上げた。涙に濡れた唇が、かすかに開く。
その柔らかな隙間へ、自分の唇を重ねる。
深く口づけし、唾液を分け合うように舌を絡めていく。
「……んっ、ん……」
ミレイユの身体がびくびくと震えた。
逃げようとする気配は、もうどこにもない。
ただ受け入れ、一郎の舌に舌を絡め、必死に縋りつくだけ……。
魔眼の視界の端で、数値がまた小さく跳ねた。
ミレイユ(=ヴァレリア)
…………
快感値:0~5/100↓↓↓
一瞬だけ、快感値が弾けるように〈0/100〉に届き、また上昇していく。
軽い絶頂をしたようだ。
唇を離したとき、ミレイユはかすかに息を詰まらせたまま、一郎を見上げていた。
「……はあ、はあ、はあ……ロウ様……」
さっきまでの泣き叫ぶような色はもうない。
代わりに宿っているのは、怯えと憧れとが絡み合った、複雑な光だった。
周りで見守っていた侍女たちは、誰ひとり声を上げなかった。
恍惚から浮かび上がるにつれ、押し込めていた羞恥と悔しさが、再び表情の上に滲み出てくる。
だが、そのミレイユの顔が我に返ったように引き締まり、次いで、睨むような視線を一郎に向け直した。
一郎はミレイユの表情がまた強張り、涙の奥に反抗の光をわずかに宿したのを見て、口元をゆるめた。
「どうした。急にまた反抗的な顔になったな。……そんなに、くすぐり責めが忘れられないのか?」
そう言いながら、一郎は手にした刷毛を軽く持ち直し、ミレイユの背へそっと当てた。
「……ひっ……」
刷毛が肩甲骨から腰のくびれへ向かって、細い線を描くようにゆっくりと滑り降りる。ミレイユは反射的に背を弓なりにしならせ、涙に濡れた目を大きく見開いた。
「ん、んぅっ……や……っ……」
「ほう。まだこの程度でそんな声が出るか。“もう充分”という顔には、とても見えないな」
背中を掃く刷毛は、くすぐりというより予告のような軽さだった。
だが、そのわずかな刺激だけで、ミレイユの呼吸は簡単に乱れる。
「ひいっ……ひっ……。いやああ、もいいやあ──許して──」
「また暴れたいなら、続けるが?」
一郎の声は冗談半分だが、刷毛は本気で背をなぞっている。
ミレイユは怯えと羞恥に震えながらも、一郎を睨もうとする意地をかろうじて保っていた。
「ま……まだよ……。ま、まだ……受け入れられないわ……」
声は震え、言葉の芯は弱い。
「……ミレイユ様」
そのとき、静かだが鋭い声が空気を裂いた。
デセルだった。ほかの侍女たちは息を詰めているが、デセルだけは一歩進み、ミレイユの横にしゃがみ込む。
「ミレイユ様。……ロウ様は、お嫌いになった“あの冒険者たちとは異なる方です」
「な……、なにを……。たった今知り合っただけで……なにがわかると言うの……」
「わかりません。ですが、ミレイユ様が怯えておられることだけはわかります」
「わ、わたしは……怯えてなんか……」
「怯えておられます」
デセルは揺らがない目で続けた。
「……もう二度と裏切られたくないのでしょう?」
ミレイユの肩がびくりと震えた。
刷毛の余韻のせいなのか、デセルの言葉が深く刺さったのか。
「な……お前が、わたしのなにを知っているのよ──」
「深層書庫で、当時の“ヴァレリア事件”の調書を読みました。興味本位で読みましたが……結果として、ミレイユ様には申し訳ないと思っています」
「当時の調書……?」
ミレイユの顔が強張る。
「記述はヴァレリア家を一方的な加害者としていましたが、矛盾が多い。……むしろ、ミレイユ様のご家族は加害者にされながら被害者でもあったように見えました。あたしの推測ですが」
「加害者であり、被害者……?」
ミレイユは怪訝そうにデセルを見ている。
一郎も侍女たちも事情がわからず、互いに顔を見合わせている。
「……ミレイユ様。この場で、お話してもよろしいでしょうか?」
デセルの静かな申し出に、ミレイユの睫毛が細かく震えた。しかし拒絶ではなく、迷いの揺らぎだった。
「……いいわ。好きにしなさい……。どうせ、知っている者は知っているわ……」
返答を得たデセルは深く礼をし、口を開いた。
「まず──事件の全容です。あれは伯爵家が冒険者ギルドへ依頼した魔道炉の維持作業の事故から始まりました。……二十年ほど前、いまのミランダが責任者となる前の時代です」
侍女たちがざわめき、一郎も視線を向ける。
「魔道炉の整備は、本来、高度資格者が必要な危険作業です。けれど伯爵家は経費を惜しみ、長年低ランク冒険者に依頼していました。その末に……十名もの犠牲者が出ました」
ミレイユの肩がわずかに揺れた。
「……怒った仲間の一部が、私怨でヴァレリア家を襲撃し……伯爵ご夫妻は命を落としました」
室内が静まり返る。
デセルは続けた。
「その後の調査で作成された調書ですが……伯爵家の過失以外が“綺麗に欠落”していました。本来、クエスト査定の責任はギルド側にもあります。依頼料に見合う危険度を算定するのも……冒険者ギルドの職務です」
「確かにね……」
シャーラが小さく口を挟んだ。
彼女は、もともと王都冒険者ギルドに属する高位ランクの冒険者だった。
「なのに、調書では伯爵家の項目だけが並び……ギルド側の記録は丸ごと抜け落ちていました」
「それは……確かに不自然だな」
一郎は眉を寄せる。
「さらに、別資料に異常な点がありました。当時のギルド定期報告です。ちょうど事件調査の時期と重なる大規模な“職員異動”が記録されていました」
ミレイユはその言葉で息をのんだ。
「その異動は……処分と読むのが自然でしょう。当事者の入れ替えです」
視線がミレイユに集まる。
「……調書の周辺資料を照らす限り──依頼側である伯爵家の不正は確かにありました。ですが、査定を黙認したギルド職員がいた可能性は極めて高い。……伯爵家が単独で行える種類の不正ではありません」
デセルがさらに、ゆっくり続けた。
ミレイユの表情がひきつる。
「……つまり、依頼人とギルドの一部職員が結託して、クエスト査定を故意に低くしていた。未熟な冒険者が危険を知らされないまま送り込まれ……犠牲が出た」
その場の空気が重く沈む。
「……それでも調書は、伯爵家だけを“悪”として幕を引きました。ギルド本部は関与を否定し……伯爵家だけが犠牲になった形です」
デセルの語りが終わった。
ミレイユの唇が震え、その口が開く。
「……父の不正は、本当よ。あの人は経費を浮かせようとしていた。それは認めるわ……。でも……ギルドも知っていた。わかっていて……止めなかったのよ。なのに……全部、わたしたちに押しつけた……」
涙が床に落ちた。
「ミレイユ様が裏切りと感じておられるのは──その部分なのでしょう」
デセルは静かに言った。
そのとき、イザベラが口を開いた。
「……ミレイユ。その件は、わたしのほうで慎重に扱わせてほしい。いま即断はできないが、必要ならミランダにも確認を取る」
「いえ、それは……お気遣いを姫様……。二十年前のことですし……いまさら、当時のギルドの責任を追及したところで、なにも変わりません。ヴァレリア伯爵家もいないのですから」
「しかしだな……」
イザベラも困惑した顔を見せた。
「……終わったことです……。姫様、この話はどうか、これっきりに……」
ミレイユの瞳に涙がにじみ、ぽとりと床へ落ちた。
誰も言葉を挟まない。
侍女たちも、一郎も、ミレイユの痛みが静かに降りてくるのを、そのまま受け止めていた。
少しのあいだ、誰も口を開こうとしなかった。しばらく沈黙が続いた。
だが、その沈黙を、ぽん、と小さく手を叩く音が破った。
「はいはい、ちょっとよろしいですわね」
クアッタだ。
デセルを押しのけるような勢いで、拘束されたミレイユのそばへ進む。
「でも、デセルの言ったとおりですわよ。そのときのギルドの職員も、糞ったれかもしれませんけれど──ロウ様は違いますわ。わたしには、そうとしか思えませんの」
「は、はあ……? な、なによ急に……」
ミレイユが戸惑うが、クアッタは止まらない。
「それに、ミレイユ様が冒険者嫌いなのは、浮気したあの元恋人のこともありますのでしょう? でも大丈夫ですわ。ロウ様は最初から、ここにいるだけでも十数人の愛人がいらっしゃる方ですもの。浮気などという概念そのものが存在しませんわ」
「は──? お、お前、なに言ってんのよ──」
ミレイユが叫んだ。
一郎は思わずくすりと笑った。
「なんだ、それは?」
興味深い話題だ。続きを促す。
「ええ、ええ。ミレイユ様が女官見習いの頃のお話ですわ。そりゃあ酷い男だったそうですのよ。冒険者で、宮廷に入ったミレイユ様を利用するために近づいただけだったとか。挙げ句に浮気までされたんですから、もう最低ですわ」
「や、やめなさいってば、クアッタ──」
「でも、ロウ様は大丈夫ですわよね。すでに十数人も愛人がおりますもの。そこに一人、二人増えたところで、それは浮気とは呼びませんわ。そもそも、ミレイユ様を振ったりはしないと思います」
さらに、クアッタが早口で喋り倒す。
「お前、なんでそんな昔のこと知ってるのよ──。そ、それに……あいつは、わたしが振ったのよ。振られたんじゃないわよ──」
ミレイユの顔は真っ赤だ。
そこへ別の声が挟まる。
「うーん、ミレイユ様って、男運がないんですよねえ……」
トリアだ。呑気に続ける。
「二番目の方にも、手酷く裏切られたんですから……」
「トリア──あんたまで──。ちょっと、どうしてみんな、人の昔を暴露して──」
クアッタやトリアに過去を暴露され、ミレイユは顔を真っ赤にして拘束された身体をぎしぎしと揺らした。
「事件のことは喋っていいって言ったけど、なんでも話していいとは言ってないのよ」
羞恥とも怒りともつかない震えが声に混じり、部屋の雰囲気がわずかに和らいだ。
侍女たちは叱られたにもかかわらず、どこか愛おしげにミレイユを囲んでいる。
一郎はその雰囲気の変化を感じて、静かに歩み寄った。
「ミレイユ、裏切りの痛みはよくわかった。だが──俺はお前を裏切らない。約束する」
その言葉に、ミレイユの肩がびくりと動いた。
だが次の瞬間、彼女の瞳にはまた反抗の光がちらりと戻る。
一郎はゆっくりと亜空間へ手を伸ばし、乾いた新しい筆を取り出した。
「だから……俺に屈服しろ。……それとも、また地獄からやり直すか? 時間ならいくらでもある」
筆先がミレイユの尻の割れ目へそっと触れ、上下に這う。
「ひあああっ……あっ、ああっ……。あ、あんた……最初から……一番卑怯なのよ……あああっ……や、やめてええ……。わかった……わかったから」
腰を必死にくねらせて筆先を避けようとするが、拘束された脚は逃げ場を許さない。
一郎は笑みを深め、筆を引いた。
「では、受け入れるな?」
「ううっ……その代わり……約束しなさい……」
ミレイユは涙と羞恥で真っ赤な顔を上げ、一郎を睨むように見つめた。
「絶対に姫様を裏切らないこと……。あんたの矜恃にかけて、姫様を決して裏切らないと誓って……。だったら……わたしもあんたを受け入れる」
「姫様をか? お前じゃなくて?」
一郎は目を細める。
「姫様よ──。あんたが裏切らないというなら……姫様を助けられる。だったら……受け入れるわ……」
ミレイユは声を震わせながらも、はっきりと言い切った。
「ミレイユ……」
その言葉に、ずっと後ろで見守っていたイザベラが思わず息を呑んだのが聞こえた。
侍女たちも驚きに目を見開く。
「なら──誓うよ……。俺……いや、俺たちは、姫様を裏切らない。この女王となるべき人を守り、支える。俺の矜恃にかけてね……。でも、それは俺だけじゃない。お前もだ」
「わたし?」
「ああ、俺はお前たちを支配する。そして、お前たちはその力で、姫様を一緒に助けるんだ。俺たちは一蓮托生の絶対に裏切ることのできない仲間になる……」
一郎はきっぱりと言った。
すると、ミレイユの強張っていた肩がふっと落ちた。
胸の奥で何かが外れるように息を吐き、睫毛が微かに震える。
「……なら……いいわ。あんたを……受け入れる……。多分、そういう不思議な力を持っているのでしょう……? ええ、わたしを……支配しなさい……」
その顔は、羞恥と誇りと安堵が入り混じった、今まで誰にも見せなかった表情だった。
「わかった。じゃあ、屈服の時間だ」
一郎は、拘束されたミレイユの背後へ回り込むと、ガウンを開いて、怒張を露わにした。
ミレイユの膝立ちの身体は触れられる前から緊張で震えている。
まだ、ミレイユの股間は十分に濡れていた。
一郎は、ミレイユの腰を両手で掴むと、後ろから一気に深くまでミレイユを貫いた。