【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】 作:ドン・ドナシアン
「ほら、奉仕をしてくれよ、魔女さん」
男がボニーの髪の毛を掴んで、自分の股間の前にボニーの顔を引き寄せる。
目の前にあったのは、赤黒く尖端に皮が被っている男根だった。ぼんやりとした頭に、見たことのないかたちと色だという印象が浮かぶ。
もっとも、ボニーには、これが現実のことなのか、それとも、いつもの悪夢のなかのことなのかわからなくなっていた。
男たちの顔も、声ももう判別はできない。
ただ違うようだと思うだけだ。
ボニーは、口に突きつけられた怒張を拒むことなく、口に咥える。
「んん、んおっ」
男の性器を咥えたまま、呻きを迸らせた。
後手縛りに革紐で拘束され、跪いて正面の男に奉仕しているボニーの後ろから、別の男が股間を貫かせたのだ。
火柱のような官能が全身に迸っていく。
「魔女さんは、人便だってな。小便をまき散らしながらいくのが大好きなそうじゃねえか」
後ろの男が男根を打ち沈めながら嘲笑する。
律動が進むたびに、先端が子宮に近づいてくる。
一方で、前の男も、ボニーの髪を掴んで乱暴に顔を前後させてきた。
「んんっ、んんんっ、んっ」
喉が怒張の先で繰り返して抉られ、吐き気が込みあがる。
だが、その苦悶はすぐさま快感に置き換わる。
口には、激しく喉を抉る怒張──。
後ろからは容赦のない男根の突きあげ──。
満足に呼吸もさせてもらえない。
前後から責め抜かれて、身体のすべてが愉悦に染め抜かれて溶けていくようだった。
男たちが競うように、前後で律動を激しくする。
汗と涙で視界が滲む、
口の中の男が傘をいっぱいに膨らませたのを感じた。顔から怒張が引き抜かれて、顔に白濁液が降りかかる。
「あああっ、ああっ、ああっ──」
ボニーは甲高い声を放ちながら絶頂に昇りつめた。
すると、後背位から犯していた男もまた、ボニーの子宮に精を注ぎ込んだのがわかった。
ボニーは、それを感じながら、おしっこを漏らしていった。
「ははは、また小便しやがった。人便に偽りなしだな」
「まあ、いい女だから、小便をかけられるくらいは我慢しないとな」
「魔女を騙る女を輪姦して金がもらえるんだ。こんないい仕事は金輪際ねえぞ」
周りで見守っていたほかの男たちが嘲笑している。
そして、精を放ったばかりの前後のふたりを押しのけると、すぐにボニーの身体を愛撫の手を加えてきた。
はっとして目が覚める。
取り囲んでいた男たちの気配はどこにもない。革紐による後手の拘束は同じだったが、鉄の首環が首に嵌まっていて、繋がっている鎖の反対側が床に打ち込まれている金具に接続されていた。
また、放尿は続いていた。
起きているときには、男たちに犯され、眠っていても悪夢のなかで犯される。
それが繰り返される。
現実であろうと、夢の中であろうと、ボニーは犯されるたびに、失禁を繰り返すようになっていた。
特に不思議なことではない。「人便」であるボニーに染みついた、当然の習性である。
「はあ、はあ、はあ……」
やっと放尿が終わっても、ボニーは荒くて浅い呼吸を繰り返しながら、自分の尿意の上から腰を上げないままでいる。
動けないのではなく、なにをしていいのかわからないのだ。
思考は混濁している。
ボニーは朦朧としたまま、ぼんやりと地下室の壁を見つめていた。
この見知らぬ地下に監禁をされてから、どれくらいの時間が経っているのだろうか。
すでに、時間の感覚はないが、短い期間ではないだろうというのはわかる。
食事と水を与えられるのが、一日に一回だとすれば、多分、半月はすぎている。
男たちの入れ替えも、同じくらいのような気もするので、おそらく、それくらいなのだろう。
最初のひと組目の五人の男たちのことを、ボニーはもうよく思い出せない。
顔も、声も、順番も曖昧だ。記憶は、千切れた布の切れ端のように、ところどころ引っかかっているだけだった。
はじめの段階で、五人のうちふたりに魅了をかけた。
そのことだけは、なぜか残っている。
魅了は通った。
ふたりは、確かにこちらを見た。
だが、その直後だった。
糸を切られた操り人形のように、ふたりがその場で崩れ落ち、動かなくなったのだ。
ボニーが殺したわけではない。
それでも、自分がかけた魅了が、ふたりの死と無関係ではないことだけは理解できた。
それから、魅了を使うことをためらうようになった。
後に現れたターシャという女にも、使わなかった。
残った三人の男を使って、ターシャはボニーに拷問を始めた。
丸太に縛られ、回され、石を重ねられ、身体を責められた。
耐えられなくなると、男たちにボニーを陵辱させた。
意識が遠のくと、新たな責め苦が加わり、無理矢理に意識を引き起こされた。
それでも眠りかけると、首に針が刺さった。
薬物で強引に覚醒させられ、また責められた。
どこからが現実で、どこまでが夢なのかは、わからなくなった。
いないはずの者が見え、呼ばれた気がした。
連れてこられる前の世界の夫や子どもたちも、同じ幼い姿のままで、そこにいた。
やがて、三人の男のほうが先に疲れ、眠り始めた。
そのとき、耳元で声がした。
多分、ターシャだったと思う。
三人に魅了をかけろ──。
そうすれば、眠らせてやる。
躊躇いはなかった。
横で男たちがターシャに起こされ、再開された行為の最中で、ボニーは順に魅了をかけた。
終わると、三人は崩れ落ちた。
なにも感じなかった。
やっと、その死体のそばで眠ることを許された。
それが、ひと組目だった。
目が覚めると、新しい男たちが連れてこられた。
人数は、五人だったと思う。
男たちは、なにも知らない様子だった。
若い女を陵辱して金がもらえるなど、運がいい仕事だと口にした。
それは、最初のひと組目の男たちと、同じ言葉だった気がする。
拷問があり、陵辱があり、また拷問があった。
意識が落ちそうになるたび、首に薬液を打たれた。
ターシャは、ボニーが眠ることを許さなかった。
どれくらい続いたのかは、わからない。
やがて、男たちの動きが鈍り、息が荒くなった。
そのとき、また耳元で声がした。
魅了をかけろ──。
声の調子は、前と同じだった。
ボニーは、言われたとおりに魅了をかけた。
五人は、ほどなく崩れ落ちた。
また、眠ることを許された。
寝ると、今度は悪夢が襲ってきた。
次に目が覚めたときも、同じだった。
また男たちが来て、同じことを言い、同じことをした。
三組目──。
四組目──。
五組目──。
回数だけが残った。
夢と、現実の境目はよくわからなくなった。
ターシャ自身に魅了をかけると命じられたのが、いつだったのか……。
多分、術を掛けたのだろうと思う。
それから、ターシャは、現れなくなった。
ただ、悪夢のなかでは、ターシャは出てきた。
男たちに同じことをさせ、同じ指示を出した。
男たちが動かなくなると、ターシャが誰かを呼んだ。
マーリン、と言った気がする。
老人が現れて、ターシャがなにかを話していた。けれど、言葉は頭には入らなかった。
ターシャが頷いていた、という印象だけが残った。
もっともそれが夢の出来事かどうかも、もう考えなかった。
どうでもよかった。
ボニーが考えるのは、眠りたいということだけだ。
命令に従って、魅了をかければ、束の間の眠りを与えられる。
それだけが、ボニーの望みだった。
あるとき、死んだターシャと夢の中で話をした。
その夢の中のターシャは、笑ってなかった。
リン・シン・ボニンとは、アジア系かと耳元で訊ねられた気がする。
ボニーがどう答えたか覚えてない。
しかし、ターシャは自分は外界人ではないが、ここではない世界の記憶があり、日本人だと口にした。
ズボンをおろして、自分の下腹部に刻まれている奴隷紋を見せた。
あんたのこと、助けたいけど命令でね。まあ、半分は趣味だけどね。
ターシャは小さく笑った。
タナカ・ショーコ──。
そのとき、彼女がそう囁いた幻聴を聞いた。
強い刺激が頭を襲った。
覚醒のための薬物だとわかる。
混沌としたまま、意識だけが強引に呼び起こされる。
「ほら、いつまで寝てるんだい──。さっさと起きるんだよ。今日の調教の時間だよ」
ボニーを見下ろして嘲笑っているのは、ターシャだった。
「あたしの……魅了で……死んだあなたが……いるということは……いまは……夢……?」
ボニーは呟いた。
すると、ターシャが嘲笑う。
「馬鹿なことを言うんじゃないよ。お前の魅了があたしたちの持っている護符で防護できることは検証済だ」
「はい……」
返事をするが、ターシャが口にした言葉の意味はわからない。
どうでもいいことだった。
「そんなことより、また寝小便をしたのかい。人便に偽りなしだね」
ターシャが哄笑を続ける。
「……じ、人便……ですから」
ボニーは答える。
なぜか、ターシャが愉しそうに笑う。
「まあいい、お相手だよ」
ターシャの後ろには五人の男たちがいた。
彼らが歓声をあげて、ボニーに飛びかかってきた。
すぐに男たちがボニーを襲いだす。
ひとりが腰を抱えあげて、股間に怒張を打ち込んできた。
ほかのひとりが、背後からアナルを犯し始める。
ボニーは死んだように、それを受け入れた。
身体も動かないし、心も動かない。
しかし、快感はあった。
律動が繰り返されるにつれ、ボニーの全身は甘美感のうねりに揉み抜かれた。
ひとりが前で果て、そこが別の男に変わった。
すると、後ろの男がボニーのアナルに精を注ぎ、そこも交代する。
乳房が左右から揉まれ、ボニーはすぐに快感を極めた。
交合の果てに、またもや夢をみた。
ターシャがなにかの魔道具で宙に顔を投影して、第三神殿のポーランだと言われた気がした。
この男に魅了をかけるのだと言われた。
繰り返し、それを頭に刷り込まれる。
そして、覚醒し、また、ポーランに魅了をかけろとささやかれて陵辱される。
相変わらず頭は朦朧としている。それなのに、その名前と顔だけが頭に明瞭に刻まれる。
邪魔をするものは、なにをしてでも排除しろ──。
その言葉とともに──。
果てしなく、それが交互に繰り返されていった。