※この作品はR-18です。

【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】   作:ドン・ドナシアン

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030 エルフ娘の肛悦の一夜

 なにが起きているのか、ユイナにはほとんど理解できなかった。

 ただ、自分が女としての入口ではなく、汚れた排泄の穴を弄ばれ、そのはずなのに甘美な熱を覚えている──。

 その事実だけは、否応なく認めざるを得なかった。

 

 臀の奥を焼くような猛烈な痒みは、魔妖精の魔道のせいだ。

 ロウの手にある奇妙な淫具も、魔妖精が造り出したものだ。

 だが、それを触媒にして肉が溶けるような灼熱を呼び起こしているのは、紛れもなくユイナ自身の肉体だった。

 背骨を駆け上がり、頭蓋の奥まで貫くような快感が、あられもない声とともに迸る。

 

「だ、だめ……だめ、なにか……来る──また……押し寄せてくる……。止まらない──ああっ、あああ──」

 

 喉が裂けるほどの声が漏れた。

 何度も押し寄せた大波が、再び全身を宙に放り上げようとしている。

 

 突き抜ける──。

 砕け散る──。

 絶叫が迸った。

 

「すっかり尻穴の悦びを覚えたな……。ほら、これでまた最後まで呑み込んだ。褒美に、もう一度いかせてやる」

 

 耳許に落とされる低い声。

 もう、思考は形を成さない。

 ロウが操るのは、大小の玉が数珠のように連なる棒状の張形だ。表面には何かが塗られているのか、ほとんど抵抗なく、つるりと奥へ吸い込まれていく。

 それをゆっくりと一玉ずつ沈め、抜き、そのたびに振動を送り込んで絶頂を引き出す──そんな責めを延々と繰り返していた。

 

 すでに七度目の頂きを越えている。

 これが「絶頂」だと知ったのも、ロウに告げられてのことだった。

 巨大な疼きの波が、身体を押し潰し、見知らぬ高みへと持ち上げる。

 

 波はまた、寄せては返す。

 

 ひとつ玉を沈められるたび、抗おうとしても、ひねりや微細な抽送で簡単に意識を攫われる。

 ロウの前で、この快楽から逃れる道はまったくなかった。

 

 最初にあった鋭い痛みはもうない。

 代わりに、身体の芯まで痺れ、酒に酔ったような熱がじわじわと満ちていく。

 強い痒みがなおも残ってはいるが、少しの刺激がむしろそれを和らげ、快感を深めてくる。

 肛門への責めは、驚くほど丁寧で慎重だった。

 まるで壊れ物を扱うように、ゆっくり、ゆっくりと、お尻を解きほぐしながら調教してくる。

 

 おそらく、もう夜中だろう。

 

 ロウは「あなるばいぶ」と呼ぶその淫具を、夕刻から夜半を越えて、ただ奥へ沈める行為だけに費やしていた。

 

「──ほら、いけ」

 

 短い声とともに、淫具が再び震え出す。

 

「ふぐううっ」

 

 肛奥で何かが弾け、熱が全身へ駆け抜けた。

 大きな奔流が、またもや押し寄せる──。

 

「あはあああっ」

 

 拘束された身体を、限界までのけ反らせる。

 また絶頂に達したのだと悟る前に、意識は白く塗りつぶされていた。

 

 


 

 

「……ナ……」

 

 耳の奥で、何かが揺らぐように響いた。

 

「ユイナ──」

 

 今度ははっきりと聞こえる。

 胸が跳ねた。

 

「は、はい──」

 

 慌てて声を返す。

 一瞬、意識が途切れていたらしい。

 それがロウの声だと悟るまで、もう一度呼びかけられねばならなかった。

 

「どっちにするかと訊いているだろう」

 

 視界の端で、腕を組んだロウが見下ろしていた。

 朦朧とした視界の中、口端をわずかに吊り上げる笑みが浮かぶ。

 その脇では、魔妖精が宙を漂い、ロウに囁きかけては愉快そうに笑っている。

 

「ど、どっちって……」

 

 その瞬間、気づいた。

 長時間、肛門を苛み続けていた淫具が抜けている。

 あの狂わせるような痒みはもうない。

 代わりに、深く鈍い疼きが肉の奥を満たしていた。

 襲ってきたのは、耐え難い空虚感。

 なぜ責めをやめたのか──?

 どうして「調教」が終わってしまったのか──?

 喉まで抗議がこみ上げる。

 

 だが、はっとする。

 

 いま、自分は何を叫ぼうとしたのか。

 もっと……求めた? お尻を──?

 

 気づけば、さっきまで全身を支配していた情欲の熱を再び欲している。

 渇くように、お尻を犯されることを望んでいた。

 

「前と後ろのどちらの穴を犯してほしいか──その濡れた股か、さっきまで調教した尻か……。褒美だ、ユイナに選ばせてやる」

 

 低く告げられる声。

 

「そ、それは……」

 

 言葉が詰まる。

 なぜこんな問いを? しかも、なぜ前を選択肢に?

 答えは心の奥で決まっているはずなのに──。

 

「素直にならなければ、なにも与えないよ。これも調教だ」

 

 魔妖精がくすくすと近づいてきて、ささやいてくる。

 

「そういうことだ。じゃあ……終わりにするか?」

 

 ロウがわざと背を向け、立ち去る素振りを見せる。

 その瞬間、心臓が跳ね上がった。

 

「お、お尻を……お尻を犯して──」

 

 口が勝手に動いていた。

 その言葉に驚愕する半分と、躊躇えば二度と与えられない恐れが半分。

 

「……わかった……」

 

 笑みを浮かべたロウが、脚の縄を解く。

 

「はあっ……」

 

 血流が戻るたび、全身に熱い解放感が広がり、声が漏れる。

 

「うつ伏せになって、尻をこちらへ」

 

 尻を軽く叩かれ、反射的に従う。

 首輪から繋がれた手錠はそのまま、顔を床につけ膝立ちで尻を高く掲げる。

 その恰好の淫らさを思う余裕は、もうなかった。

 背後でズボンの擦れる音がする。

 

「ねえ、ご主人様……お尻を犯すなら、ぼくが油剤をつけてあげようか? 一度ぼくを入れてくれれば、すぐにできるよ」

 

 魔妖精が飛び上がり、背後で甘ったるい声をかける。

 

「必要ない」

 

 短く返すロウ。

 

「わおっ……さすが、ご主人様」

 

 魔妖精が弾むような声をあげた。

 

「……お前の望むものだ。たっぷり味わえ、ユイナ」

 

 両手が尻の両脇を押し広げる。

 直後、熱い肉塊が菊座にぴたりと押し当てられた。

 

「あ、ああっ」

 

 震えが背筋を駆け上がる。

 痛みはほとんどなく、満たされる充実感だけが押し寄せた。

 

 背から脳へ──。

 脳から全身へ──。

 甘い波がゆっくりと染み渡り、体が小刻みに震える。

 

「一晩でしっかり感じる尻になったな……。肛姦の悦びを覚えたようだ」

 

 さらに深く押し進められ、口から甘い声があふれる。

 それが自分の声なのかと疑うほど、淫らな響きだった。

 ロウの動きはあくまで慎重。

 ゆっくりと、内奥を満たしていく。

 

 気持ちいい……。

 これは快感という言葉では足りない。

 逃げられない。

 全身が燃える。

 

 また来る。

 巨大な波が──。

 頂が近づく。

 

「あああ、また……いくうっ──いぐうう──」

 

 烈しい上昇に身が弾け飛ぶ。

 

 何度目なのかも、もうわからない。

 自分の身体はどうなってしまったのか。

 

「またいったのか? まあいい……尻の奥まで届いたぞ。それにしても、生まれて初めてでこれほど感じるとは、よほど敏感なんだな」

 

 嘲り混じりの声。

 だが屈辱ではなく、むしろ言葉がぞわぞわと新たな快感を呼び込む。

 痙攣しながら、また意識が飛びそうになる。

 

「抜くぞ……力を抜け」

 

 ゆっくりと引き抜かれる。

 その瞬間、耐え切れず泣き声があふれた。

 

「いやっ……いやあっ……もう……もういやあっ──くる──また……飛ぶ──飛んでくう──」

 

 自分でも意味を成さない叫び。

 膨らんだ傘が、粘り強く奥を抉るたび、鋭い絶頂が襲い、抜ける瞬間にはそれを凌ぐ快楽が打ち寄せる。

 何度も、何度も。

 大波に飲まれ、意識が白く塗り潰されていった。

 

 もう、駄目──。

 全身から力が抜け落ちる。

 

「出すぞ……」

 

 熱いものが奥深くに迸った。

 心の中心を力強く掴まれる感覚が走る。

 

 支配される……。

 それは、もはや自分ではないという感覚。

 だが、その支配は甘美だった。

 

 気持ちいい……。

 

 それが、意識を手放す直前に浮かんだ最後の思いだった。

 

 


 

 

 鳥の声が、遠くで細く揺れていた。

 

 ユイナは、重たい眠りの底から浮かび上がった。

 鉛を詰められたように、全身が重い。

 ここがどこなのか、一瞬わからない。

 

 だがすぐに、昨夜ひと晩かけてお尻を凌辱された猟師小屋だと気づく。

 手足の拘束は解かれていた。

 自分は裸のままだ。

 

「……ロウ?」

 

 上体を跳ね起こし、声を張った。

 だが、小屋には誰もいない。

 戸は閉じられ、床に横たわっていたのは自分だけ。

 

 傍らには衣服が畳まれて置かれている。

 その横に、何か別の物があるのが目に入ったが、それよりもロウたちの姿が気になる。

 視線は戸のほうへ向かう。

 

「ねえ、ロウってば……?」

 

 呼びかけても返事はない。

 人の気配もない。

 

 外はもう明るく、朝の陽光が差し込んでいた。

 ひと呼吸だけ迷った末、裸のまま外へ出る。

 やはり誰もいない。

 焚火の跡はあるが、火はとっくに消え、灰が冷えて久しい。

 

 ──もう、出立したのだ。

 

 胸の奥がすっと冷える。

 置き去りにされたのか……そんな思いが重くのしかかった。

 

 考えれば、ロウたちが自分を連れて行く理由などない。

 そもそも、共に旅をする約束など最初からなかった。

 自分だって、それを望んだことはない。

 

 それでも、心に広がるのは説明のつかない喪失感だった。

 ロウがいないという事実が、妙な虚しさを運んでくる。

 

 当たり前のはずなのに、ひどく理不尽な置き去りにあったような気がした。

 まるで、大切なものを急に奪われ、ひとりにされたような……。

 実際には、何ひとつ失ってはいないとわかっているのに。

 

 ──そういえば……。

 

 服の横に、自分の本のようなものがあった気がする。

 慌てて小屋へ戻る。

 衣類一式の隣に、それはあった。

 糞便にまみれているはずの禁書が──。

 

「……なんで……?」

 

 手に取ると、汚れひとつない。

 昨夜、ロウが穴に放り込み、その中で何度も用を足させたと思っていた。

 しかし、すぐに種明かしが見えた。

 最初から本は穴に入れられていなかったのだ。

 別の何かを使って見せかけただけ。

 

 あの時はもう薄暗く、遠目にしか見ていない。

 ……ただ、からかわれただけだった。

 

 安堵が胸に広がると同時に、本を汚さなかったロウへの感謝が芽生える。

 ふと、裏表紙の内側に小さな野草の花が挟まっているのに気づいた。

 開くと、そこには文字があった。

 

 “偉大な魔道遣いになることを祈っている。イチロウ”

 

 ──これは……エリカの字だろうか。

 ロウは文字が読めないと言っていたし……。

 そんなことを思いながら花を撫でる。

 

 そのとき、衣服の下に何か硬い感触があった。

 布をめくると、それが現れる。

 

「……なによ、これ」

 

 思わず声が漏れた。

 昨夜、魔妖精が造り、ロウが自分を調教する時に使った──あなるばいぶ。

 柄の部分に刻まれた文字が目に入る。

 

 “偉大なお尻つかいになることを祈っている。クグルス”

 

「……馬鹿にして……」

 

 口ではそう呟きながらも、不思議と腹は立たない。

 胸の奥を満たしたのは、またあの夜の熱を思い出させるような、切ない空白だった。

 それは、もう二度と満たされることのないものだと知りながら──。

 

 ユイナは、全身から力が抜けていくのを感じた。

 

 


 

 

「それにしても、ロウ様はユイナを性奴隷にはなさらなかったのですね?」

 

 森の小径を進みながら、エリカが問いかけた。

 夜明けとともに猟師小屋を発ち、褐色エルフの里も、その近くの小屋もすでに遠い。

 

「したさ」

 

 一郎は歩を進めたまま答える。

 

「えっ……で、でも……」

 

 戸惑いの声。

 性奴隷にしたのなら、連れ歩くはず──そう考えたのだろう。

 一郎は昨夜のことを率直に説明した。

 

「淫魔術の刻みは入れた。ただ、心までは縛らない。俺を慕わせるような細工はしてない。少しばかり精神に作用させただけだ」

 

「せ……せいしん……さよう……?」

 

 首を傾げるエリカに、一郎は言葉を補う。

 

「心の中の無数の糸から、ある一本を選んで結ぶ。俺に恨みを抱かないようにな。奴隷にするほど強くはないが、仕返しを思いつかない程度には縛った。それだけだ」

 

「そんなことまで……できるのですか?」

 

 エリカの驚きの声。

 

「うん。慣れてきたんだろうな」

 

 そこへ、空中を漂っていたクグルスが割って入った。

 

「そんなことしなくても、ユイナは仕返しなんてしないよ」

 

「そうか?」

 

 一郎は一郎の前を舞う魔妖精のクグルスに視線を向けた。

 

「うん。それよりも、これからが見ものさ。お尻であれだけの快感を刻まれちゃったんだ、忘れられるわけがない。頭では忘れようとしても、身体はね……」

 

「そう思うか?」

 

 一郎は笑ってしまった。

 

「もちろんさ。でも、もうあれを与えてくれる相手はいない。エルフの男で尻を犯す者なんて滅多にいないし。これからは、夜ごと渇きに苦しむんだろうさ。……ご主人様は一番残酷なことをしたのかもしれないよ」

 

 口元に笑みを浮かべるクグルス。

 

「そんなものか?」

 

「そうだよ。それに、ご主人様は上手すぎる。初めてであれだけ感じさせるなんて……どうやって?」

 

 感嘆の視線を向けられたが、一郎は肩をすくめただけだ。

 性感帯を赤いもやとして視る力──それは自分だけの秘密。

 

「まあ、できるのさ」

 

 それ以上は語らない。

 

「ほかには?」

 

 軽い調子で問われ、口元が緩む。

 

「例えば……こんなふうに」

 

 次の瞬間、エリカが短く悲鳴をあげ、膝を折った。

 一郎が彼女の膣に、抽送と同じ感覚を直接送り込んだのだ。

 

「やっ……そ、そんな……あ、歩けません……ロ、ロウ様……」

 

 両手で股間を押さえ、顔を朱に染めて悶える。

 その姿に愉しさがこみ上げ、一郎はさらに刺激を強めた。

 エリカは嬌声をあげ、とうとうその場に崩れ落ちる。

 

「へえ……身体を操れるんだ。ぼくと同じだね」

 

 クグルスが目を丸くした。

 

「性奴隷だけだけどね」

 

 そう言いながら、一郎はふと、魔妖精にも試せるかと思いつく。

 精の呪術では縛っていないが、淫魔の力で拘束はしている。

 

「……っ、なに──? なにいっ──?」

 

 感覚を送った瞬間、クグルスが地面に落ち、股間を押さえて震えだす。

 

「ひ、ひっ……ご、ご主人様……すご……っ、気持ち……っ、でも……強すぎ……っ」

 

 甲高い悲鳴が途切れ途切れにこぼれた。

 

「わ、わたしも……もう……駄目です──」

 

 エリカの快感値は急降下し、瞬く間に〈0/100〉へ。

 短い痙攣のあと、彼女はあっけなく達してしまう。

 

「あ……だめ……だめぇ……ご主人様……しゅ、しゅごい……っ」

 

 一方のクグルスも、地面の上でのたうつ。

 快感値は目に見えるような速さで落ちていく。

 一郎は小さな膣だけでなく、クリトリス、肛門、乳房、口腔──思いつく限りの部位へ次々と刺激を送った。

 

「ひぎゃあああ──ご、ごしゅじんさまぁっ──」

 

 まだ〈100〉以上あった数値が一気に〈0〉へ。

 クグルスは股間から透明な液を噴き、悶絶した。

 

 笑いが自分の口から漏れるのを感じながら、一郎は二人の性奴隷が淫らにのたうつ様を、心地よく見下ろしていた。

 

 

 

 

 

第4話『冤罪裁判と禁忌の魔道』終わり──

第5話『ハロンドール王国への入国』に続く──







【ロウ・サタルス】
 …………。
 ……ロウ・サタルス帝が多数の妻と愛人を持ち、その全員を大事にしていたことは有名な話であるが、ロウの女たちには詳細が残っていない女性も存在する。
 その中でも、“クグルス”という妻は、名前以外の記録があまり存在しない謎の女性である。
 しかしながら、サタルス朝の公的記録には、初代帝ロウの妻一覧の末項にクグルスの名があり、さらに、ロウが記した晩年の手記には、そのクグルスが冒険者時代以前からの親しい友人だという一文がある。
 ロウの古くからの女性であり、おそらく、冒険者時代の前の流浪時期を支えたのであろうと推測できる謎の女性クグルスは、多くの歴史研究家のみならず、様々な戯曲や小説などの文学作品の格好の題材にもなっている。
 …………。


 ボルティモア著『万世大辞典』より(ここに再録した引用文はすべてスクルズ記念国際図書館から許可を受けて初版本から抜粋して採録したものである。
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